14/07/24 08:01:24.98 0
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政府が「集団的自衛権」と呼んでいるものは何のことはない、実は個別的自衛権のことだった。
安倍政権が7月1日に集団的自衛権の容認を閣議決定したことを受けて、7月の14、15の両日、衆参両院で集中審議が行われたが、
両日の国会審議を通じて、今回政府が行った「解釈改憲」というものは、実際はわれわれが考えてきた「憲法解釈の変更」や「集団的
自衛権の容認」とはまったく異なるものだったことが浮き彫りになった。
憲法学者の木村草太首都大学東京教授は、この国会審議で政府が今回行った集団的自衛権の容認は、実はこれまでの憲法解釈
を変更し、これまでは足を踏み入れることが認められていなかった「集団的自衛権」の領域に足を踏み入れるものではないことが
明らかになったと指摘する。閣議決定で「集団的自衛権」と呼んでいるものは、実際は個別的自衛権と集団的自衛権が重複する領域
にある事象で、今回政府はそれを必死になって探し出し、それを集めたものを無理矢理「集団的自衛権」と呼んでいるだけであって、
実際はこれまでの個別的自衛権の範囲を一切超えるものではないと木村氏は言うのだ。
それが明確に答弁として木村氏があげるのが、15日の参議院予算委員会集中審議における福山哲郎参院議員と横畠裕介内閣
法制局長官のやりとりだったという。
そこでは「政府が憲法解釈を変更するのは戦後2度目のことか」と問い質す福山議員に対し、横畠長官は「法令の解釈は当てはめの
問題だが、その意味で「変更があったのか?」ということならば、一部変更したということ」と回答している。木村氏はこれを「横畠長官の
職人技の光るもの」だったと評価する。
これは法律学者に向けた発言だったと断りをした上で、木村氏は横畠長官の答弁をこう解説する。
横畠長官が「当てはめの問題」としたものは、つまり今回政府が「集団的自衛権を行使できる事例」として出してきたものはいずれも、
集団的自衛権と見ることもできるが従来の個別的自衛権の枠内で武力行使が可能な事例と見ることもできるものばかりだ。つまり、
個別的自衛権と集団的自衛権が重複する部分にある事例ということになる。それを従来の個別的自衛権の範疇にあるものと見るか
集団的自衛権に入るものと見るかは単なる「当てはめ」の問題に過ぎないというのが、横畠氏の答弁の趣旨だったと木村氏は言う。
それをあえて集団的自衛権側に「当てはめ」るのであれば、これを「2度目の憲法解釈の変更」と言って言えないことはないが、
それはどっちでもいいこと、というのが横畠長官の発言の趣旨であり、それを法律家に向けて半ば隠語的な意味で発信していたのだ
と自身が法律家である木村氏は指摘する。そういえば、あの時横畠長官はこれが戦後2度目の解釈改憲であることを認めるという
重大な答弁をしていながら、なぜかその表情には薄笑いが浮かんで見えた。違和感を持った人もいたかもしれないが、そこにそういう
含意があったとすれば妙に納得がいくのも事実だ。
木村氏はこれまで政府が「個別的自衛権」として容認してきたものの中に、集団的自衛権と重複する部分、つまり個別的自衛権の
範疇だと言うこともできるし、集団的自衛権の枠内に当てはめることもできる事象は少なからずあったことから、今回の8事象の容認
というのも、実際には過去の重複部分の容認と変わるものではないと指摘する。
(>>2以降に続く)