12/03/24 11:36:45 EGxMzagA
がれきをコンブ養殖、八戸で試験
水産庁は23日、東日本大震災で発生したがれきで作ったコンブ養殖用のブロックを海に沈める
実証試験を八戸市で行った。ブロックは、養殖施設を固定するためのコンクリート製アンカーブロックで、
新年度に本格的な施設づくりを行う。ブロックは縦2メートル、横2メートル、高さ1.5メートル、重さ約14トン。
各ブロックの上部に、被災した八戸港の防波堤を砕いたがれきをモルタルで固めて使っている。2月から3月上旬に
かけて計20基を製作した。
起重機船に載せたブロックを、同市鮫町の蕪島近くの漁場に、次々と沈めた。水産庁の委託を受けている漁港漁
場漁村技術研究所(東京)によると、穏やかな天候のため作業は順調に進んだという。
コンブの養殖施設は、名産の「すき昆布」作りに組合員が取り組む八戸鮫浦漁協が使う予定。アンカーブロックは、
海面近くに浮かぶ養殖用ロープなどを流されないための「重し」となる設備。新年度、同研究所などがロープなどを取り付ける。
八戸鮫浦漁協は、昨年の津波でコンブ養殖施設を流される大きな被害を受けており、福嶋一雄組合長は「大変あり
がたい。伝統のコンブ養殖を守るため頑張っていきたい。上面に突起がいくつもあるブロックなので、ウニやアワビ
がつくことも期待したい」と話した。
実証試験は、処理が課題となっている震災がれきの有効活用を図るため、水産庁が八戸市と岩手県の大槌町、宮古
市で行っている。岩手県では、がれきを使ってコンブ・ワカメの増殖礁ブロックを作った。試験の成果は、同庁が
漁場施設へのがれき利用の手引としてまとめるという。