07/06/15 00:34:15 GpSWgUYs0
乗客達の心の高鳴りに呼応して発車時間が刻々と近づいてくる。
客室乗務員達が次々に右手を挙げて列車長に乗車完了のサインを送り、自ら
も車内に身を移す。
そして、
「九州寝台特急あさかぜ。皆様の夢を乗せ、只今発車いたします」
ゆっくりと閉まる扉。
長い汽笛が響き、振動もなく動き出す車体。
赤い列車は徐々に速度を上げ、都会の通勤客の羨望に見送られつつ、テール
ランプの赤い軌跡を残して東京駅10番線を後にする。
車内では始発のオルゴールチャイムに代わり、歌が流れはじめた。
走り出せ 人よ 時間よ
伝説の国へ はばたけ
旅が、はじまったのだ。