宗谷本線part15at RAIL
宗谷本線part15 - 暇つぶし2ch73:名無し野電車区
07/05/28 21:44:45 sdRPlj3V
急行「はぼろ」幌延行き。札幌発17時05分。
網走行き「大雪7号」、名寄・紋別経由遠軽行き「紋別」を併結して発車した多層建て急行の列車だった。
通常は「はぼろ」は一番札幌寄りの3両。全区間に指定席が1両連結されていた。
深川でその2つの急行と分かれ、スイッチバックして留萠本線に入って行く。夏の期間はいつも満員の乗客は
ほとんど減ることなく直通する。その乗客が初めてゴソっと下車するのが留萠駅だった。ここで「はぼろ」は
最後尾の1両が切り離される。片運転台のキハ56が1両だけ増結、解放されるというのが当時は珍しかった。
留萠駅は現存する増毛方面と羽幌線方面は構内の手前で線路が分かれ、構内が扇形状に広がっているのが特徴
的だった。駅舎と羽幌線との間は構内の石炭列車の留置線を跨いで長い跨線橋で結ばれていて、今でもその広
い構内の面影は残っているけれど、羽幌線のホームを伺い知ることは困難だ。
留萠を出て少しゆったりした車内だが話し声もなく、どんよりとした空気に包まれ、ジョイントの音だけが車
内に響いている。外は暗い日本海の波がぼんやり打ち寄せているのが見えるのと、平行する国道を走る車の灯
りだけになっている。それでも、小平、鬼鹿というような小さいながらも、そこそこの集落に停まると、パラ
パラと人々が席を立つ。
そして羽幌。夜21時を回って到着した羽幌で大半の乗客が一斉に下車をした。夏場は旅行の若者もその多くが
こぞって下車した。天売、焼尻は離島ブームの中、北海道では利尻、礼文と並んで人気があった。そのためか、
シーズン中には留萠で切り離す1両が羽幌まで連結されていたこともあった。
しかし、羽幌を出てしまえばあとはもう人気はほとんどない。指定席、自由席それぞれ1両ずつの車内に、もう
人影はほとんどなくなってしまっていた。
この「はぼろ」で幌延に向ったことが数回ある。幌延に着くのは夜も更けた22時40分。車内はほとんど貸切り
状態で到着した。既に札幌行き「利尻」も出た後、寒々しく灯る街灯のあかりに照らされた通りには、人の気配
はすっかり消えていた。予約していた宿に歩く道すがらの風は、真夏でも思わず体をすくめてしまう程寒かった。


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