07/09/30 16:43:39 QL110J6N0
祖父がボケ始めたようでした。
何度も同じ事を聞いてきたり、何十年も住んでる近所の散歩で道に迷ったり。
おかげでめっきり落ち込んでいました。
そんな祖父が、私に口癖のように言うことがありました。
「昔食べた中華料理のデザートが美味かった、もう一度食べたい。」
桃のデザートでチーズケーキのように舌の上でとろける様なものということでした。
私は料理雑誌のバイトをしていたことがあり、そのツテで分かったのですが
どうも隣の県の中華料理屋で特別に作ってもらったものらしいのです。
私はその料理店を訪れました。
年老いた料理長は最初はそんな料理は知らないと言いました。
しかし、いろいろ聞いていくと思い当たることがあったらしく
「ああ、思い出したよ。君は奴の孫か。そういえば面影がある。
奴がボケてきたか…。そうか、もうそんな年か…。
ただ、あの料理は今では材料がまったく手に入らないのです。」
残念ですが材料がないなら仕方ありません。私はあきらめて帰りました。