死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?177at OCCULT
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?177 - 暇つぶし2ch339:10/10
07/09/25 11:40:34 Rx+QJI810
今、俺の手元にはAが持っていたキーホルダーがある。

安物のキーホルダー。
俺が買った、ただのキーホルダー。

Aのおかげで、これは呪いのキーホルダーになった。
ゴミ箱を漁ったり、合鍵作って部屋に忍び込んだり、録音した声を聞かせたりと、
色々努力した甲斐があった。Aが単純な男で、本当にやり易かった。

これで、俺のコレクションがまた1つ増えた訳だ。
呪いのキーホルダー。
ちゃんと曰く付きの、実際に持っていた人が死んでいる、ホンモノだ。

340:本当にあった怖い名無し
07/09/25 11:41:39 gciIAmn5O
長い…

341:本当にあった怖い名無し
07/09/25 11:50:44 mOxRb4gmO
太い…

342:本当にあった怖い名無し
07/09/25 11:56:16 mOxRb4gmO
これの21:47にうpされてるAVをみてほしい
なんて頑張り屋なんだろう
URLリンク(r13.bannch.com)

343:本当にあった怖い名無し
07/09/25 12:14:51 SMgXlz/k0
>>339
悪いんだけどさ、そういうのホンモノって言わない訳よ。
インチキっていうのよ。
「俺」が洒落にならないと言いたい所だろうが似非オカルト乙。

俺が師匠でAがウニでも成立するなw

344:本当にあった怖い名無し
07/09/25 13:52:43 zQPLL/ZUO
もうウニの名前は出すなよ
汚らわしい…

345:本当にあった怖い名無し
07/09/25 14:00:22 mOxRb4gmO
ウニって優遇されてると思ったけどそうでもないみたいね

346:本当にあった怖い名無し
07/09/25 14:23:27 iRrsD3XV0
ウニがいるから怖くない創作が投下されるんだよ…
>>339のがんばりは認めるけどな。

347:本当にあった怖い名無し
07/09/25 14:43:12 mOxRb4gmO
>>342の女優の頑張りも認めるよ

348:本当にあった怖い名無し
07/09/25 16:57:20 zQPLL/ZUO
ウニがこのスレのレベル下げてるって言っても過言ではないな


349:本当にあった怖い名無し
07/09/25 17:14:49 iRrsD3XV0
創作するなら怖い話を。
ほんのり怖い話なら創作する価値なし。
それかほんのりへ逝け。

350:本当にあった怖い名無し
07/09/25 17:21:01 mOxRb4gmO
確かに創作してつまらないって最悪だ
アイカゴ等と同等かそれ以下

351:本当にあった怖い名無し
07/09/25 17:55:18 koVBWRdC0
今まとめでみた山小屋とホテルは結構こわいな。

ウニとかのシリーズ物が何であれだけ持ち上げられてるのかが分からん。

どうせ>>327はウニの真似か本人なんだろうな。
全く怖くないってのもある意味すごいが、
ウザイ創作はここに乗せるなよ。ほんのりにでもいけ。

352:本当にあった怖い名無し
07/09/25 17:55:50 QtXnb39r0
>>350
アイカゴm9(^Д^)プギャー

353:本当にあった怖い名無し
07/09/25 18:09:26 tKv5JA590
アイカゴのレスってゴミ以下のウンコレスばかりだよな。
他の板で叩かれているやつらよりも最悪

354:本当にあった怖い名無し
07/09/25 18:25:08 mOxRb4gmO
だよな荒らしとかまじ消えればいいのに

355:本当にあった怖い名無し
07/09/25 18:51:14 QtXnb39r0
>>354
アイカゴm9(^Д^)プギャー

356:本当にあった怖い名無し
07/09/25 19:05:21 mOxRb4gmO
アイカゴじゃないしw

357:本当にあった怖い名無し
07/09/25 19:10:45 bJmWsPMO0
寝る前に猿夢を思い出せばいいと思うよ

358:本当にあった怖い名無し
07/09/25 19:29:22 0FOzgRax0
>>320
その知人はなんで不愉快に思ってるの?
個人的な意見だけで消せとか、傲慢すぎるだろ。

359:本当にあった怖い名無し
07/09/25 19:30:13 QtXnb39r0
今171読んだ
これはまずいだろ

360:本当にあった怖い名無し
07/09/25 19:35:15 0FOzgRax0
>>351
つーか、創作が嫌ならお前が実話怪談スレに行く方が良いんじゃないの?
どんなに貶めても創作が途切れることはないだろうな。

361:本当にあった怖い名無し
07/09/25 19:55:07 wjPR0e3i0
問題は、ほんのり程度の作り話をなぜここに書くのか、という事なのですよ!

362:本当にあった怖い名無し
07/09/25 20:10:17 mOxRb4gmO
虫けらにもほんのりと洒落にならない程度の区別がつくのなw

363:本当にあった怖い名無し
07/09/25 20:33:41 QtXnb39r0
む!むしけらとはなんだ!むしけらとはっ!!

364:本当にあった怖い名無し
07/09/25 20:48:47 mOxRb4gmO
む・し・け・ら☆ちゅっ-☆

365:本当にあった怖い名無し
07/09/25 20:51:01 Xs9ea6580
>>363
ちょっとワロタw

366:本当にあった怖い名無し
07/09/25 21:01:15 mOxRb4gmO
膿む。

367:本当にあった怖い名無し
07/09/25 21:05:43 mOxRb4gmO
おおおおいおい!!!!!
おみーら今日の女神のハテナに紅音ほたると持田茜でるで!!!
こりゃチェックせな!!!!!!

368:本当にあった怖い名無し
07/09/25 21:14:41 B+U9g32Q0
ホームレスで全身の皮膚が日に焼け爛れたように黒く硬質化した人をみた
きっとアメリカで目撃例があるUMA,リザートマンの子孫かもしれないよ

369:本当にあった怖い名無し
07/09/25 21:52:41 P/3wUiPQ0
ID:mOxRb4gmO ウザイ

370:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:03:09 WrUHbjU20
>>369
ウザイんならあぼんだけして黙ってろ。
いちいちそんな事ほざくな。鬱陶しい。

371:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:11:24 mOxRb4gmO
ほんと鬱陶しい
死んだらいいのに

372:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:22:46 0FOzgRax0
鬱陶しいなら、あぼんして黙ってろ
いちいちそんな事ほざくな。鬱陶しい

373:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:23:22 PCTtYgCXO
>>358
管理者さん?
とりあえずまあ、その知人はそういう人で、そういう事言われるのが凄く嫌なんだそうだ。わかるでしょ?
知人は2chとかしないんだが、怖い話みたいって言ってて、まとめサイトだけその知人にURL送ったんだ。
そしたら気に入ってくれて、話の感想とか聞かせてくれてたんだけど、『不自然な人』見て俺に文句言ってきた。
「消せって言え」とか「人権侵害」とか言ってて、俺も『2chはそういう事聞いていちいち動くような所じゃないと思う』的な事言ったんだがわかってもらえず書き込んだ。
無理なら無理と言ってくれ。
ただ、ちょっと非人道的というか、何も考えてないというか。そういうのは感じた。

374:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:23:23 ggp9lWiYO
>>371
 逝 っ て ヨ シ

さぁ皆さんごいっしょに











むしろイ㌔

375:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:27:49 mOxRb4gmO
まぁ確かにコンプレックスにしてるところをつかれると傷つくとおもう
俺からも頼むわ管理人さん
消してください。

376:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:31:55 7imdUpqd0
確かに171-不自然な人はどうなんだろうか
別に洒落にならないほど怖いわけでもないし、載せとくのも問題があるような

377:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:32:10 wjPR0e3i0
>>373
こんなところに書くより管理人にメール出したら?
しかしその友人とやらも頭悪いな。

378:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:47:50 ZNNukRLX0
>>377
俺もそう思った。
友人頭悪すぎだな。
別に差別どうのこうので言うわけじゃなく、傲慢すぎ。

どっかの市民団体みたいだな

379:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:57:39 QtXnb39r0
とりあえずその友人の写真うpれ

380:本当にあった怖い名無し
07/09/25 22:59:18 OfVYcQs50
俺は今まで霊体験などした事ないんだけど、霊体験並に怖かったことがある。

いつの日か深夜3時ぐらいまでPCやって、そろそろ風呂に入ろうと階段を降りてたら
階段の窓の向こうを見てたらあるものが見えたんだ。
隣の家の窓に人影が見えたんだよ。
「妙にでかい男だな・・・」
その影は妙にでかくて男としか見えなかったんだけど、
気になって見ていたら動き出したんだよ。しかも動きながら2つの人間に分かれたんだよ!!
そこで俺はその二つの人間が何をしているのか解ったけど、
解ると急に興奮してきてカーテンを閉めるのを忘れてカーテンをその影から目が離せなかった。
ずっとひとつの影になったり、二つの影になったりしていたけど、いきなり一つの影がもう一つの影に、抱きついたまま横に
倒れたんだ。
そこからはもう見えなくなったんだけど・・・

「よろしくやってるだろうか・・・」

そんな事思いながら見るのはやめて風呂に入りそのまま寝た。

次の日は学校で朝練だった為、いつもより早く起きて家を出ようとしたら
丁度、昨日の隣の家の奥さんが新聞紙をポストからとっていた。
挨拶もせずにそのまま通り過ぎていこうとしたら後ろから・・・

「もう見んなよ」

って声がした。すぐ後ろ振り向いたら奥さんがこっちをジッと見つめていた。

実話です。怖かった・・・

381:本当にあった怖い名無し
07/09/25 23:24:28 QtXnb39r0
なにがこわいの?

382:本当にあった怖い名無し
07/09/25 23:28:46 OfVYcQs50
>>381
霊体験の全く無い俺にとっては些細なことでもとても怖く感じるんだよ。

いつの日かトイレのドア開けっ放しだったら、勝手に閉まった時は怖くてその日は眠れんかった
後から聞いたら父親が閉めてくれたらしいけど。


383:本当にあった怖い名無し
07/09/25 23:29:13 7imdUpqd0
人の情事を堂々覗き見して当人に切れられただけじゃないか。
ほんのりとも怖くない。

384:本当にあった怖い名無し
07/09/25 23:29:33 xpjlaC/O0
>>381
いつの日か・・・から
ずっとパソコンに張り付いて妄想してる自分が怖いって話じゃね?
読んでないけど

385:本当にあった怖い名無し
07/09/25 23:31:05 0FOzgRax0
>市民団体みたい

同意。気にくわないモノは圧力で潰すやり方イクナイ
その話がどうとかじゃなくて、その対応が気に喰わん。
他にも、部落を扱った話とかあるけど、これらにも「差別してるから消せ」って抗議されて消されかねん。
2ちゃんって、そう言うタブーとかの垣根を越えるから面白い(語弊があるか)と思うんだよ。
なんか、「チビ黒サンボ」を思い出した。

386:本当にあった怖い名無し
07/09/25 23:43:12 PCTtYgCXO
おk。
まあまあ納得してくれたっぽい。(流石にここのレスは見せてないがw)
あと関係ないけど、洒落怖ってもっと活気あるのかと思ってたが、精神未熟なリア厨ばっかなイメージになったわ・・・
気ぃ悪くしたならすまんかった。ではこれで。

387:本当にあった怖い名無し
07/09/25 23:50:29 0FOzgRax0
>精神未熟なリア厨ばっかなイメージになったわ・・・

言ってくれるねえ。「差別だから削除しろ」と言う奴がこういう差別的な発言するとはねえ。
 >>373の自分の発言読み返せ
>ただ、ちょっと非人道的というか、何も考えてないというか。そういうのは感じた。

そっくりそのまま返すよ。

いやあ、2ちゃんにはほんとに色んな人がいるね。


388:evil
07/09/25 23:54:26 vcLMmhBbO
ひと夏が終わると ネタなくなり 粘着性の人ばっか集まるからだよ。


389:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:05:08 D96fxtep0
>>380
サンクス。俺は面白い話だと思う。どれほどの距離があるのか知らないが、気づいてたのかよw

390:アイカゴ ◆AXS5glRcIA
07/09/26 00:06:35 mOxRb4gmO
まったく
大人になりなさいよ^^

391:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:09:20 nVduXQU20
>>389
ありがとう。
深夜3時だし、家の周りで電気がついてるのなんて隣の家と
俺が見てたところぐらいだったからな。それで気づいたのかもしれん。

392:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:15:48 HDysr4fH0
>>386
よく読んでないけどお前が勝手に知人の話を書いたってことでFA?
だったら管理人は何も悪くなくね?住人も悪くないじゃん。
悪いのはコイツじゃん。

393:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:18:09 8Fr9AsN80
.>>390

356 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 19:05:21 ID:mOxRb4gmO
アイカゴじゃないしw


394:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:19:43 8Fr9AsN80
>>390

お前が大人になったらどうだ?

395:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:24:30 1TX8Dpho0
件の話は「障害者を見ました。気持ち悪かったです」。
これを怖い話として扱うのが間違ってると思うが、あそこの管理人に多くを求めても無駄。

396:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:28:29 Z1x/D8pWO
>>395
同意
煽ってる奴らもどうかと思うが2ちゃんでこういう事言っても無駄だろ

397:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:32:37 tR/fvUzT0
自称「見える人」の話

中学のとき、同学年にやたら霊ネタにはまってる女がいた
古本屋でオカルトものの本を集めてたり、
図書館のオカルト系の本の貸し出し簿に必ず名前があったり、
休み時間になると「私って霊が見えるんだけどさ~」から始まるお約束トーク
最初はクラスメートも話にのってたんだが、そればかりだったために、次第に飽きられていった
すると今度はクラスメートに○○の霊がついてるだの、
授業中にいきなり奇声をあげて、自分に霊が取り付いていただのと、
ハタ迷惑な方向に進化した、
今から思えばいわゆる邪気眼というやつだったのだろうか

ちなみに彼女は高校の面接場でも霊の話をしたらしく、
受験に失敗して中学卒業後に地元から姿を消した
一体何が彼女をそこまでさせたのだろうか
近所の噂じゃK川県に引っ越していって、一昨年の冬にコンビニで強盗しようとして捕まったとか…

398:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:32:59 m8FwCeHjO
はじめてオカルト板にきました。マトメに載ってる話でオススメ教えてください。

399:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:34:09 HDysr4fH0
出身板にお帰り下さい。

400:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:37:16 m8FwCeHjO
>>399
わかりました…。
冷たいですね。

401:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:39:48 LnWFihw90
>>395
書き込んだ奴が間違ってるんであって、
読んだ奴に差別意識なんかないし間違ってもない。
管理人に関して間違ってるって思うなら直接言えって事だろ。

それを非人道的やらここは精神未熟者ばかりやら言ってる方が間違ってる。

結局、その友人と386が一番の差別者なんだろうよ

402:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:39:52 5YG3sx310
>>395
消されてる

403:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:40:07 D96fxtep0
>>400
そのための投票では?まずは人気上位の話を読んでみてはいかがか。

404:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:42:22 D96fxtep0
>>397
む・・・実話っぽい。これはどちらかと言うと後味の悪い話かもねw
何かよくありそうな話だけど、悲しい話・・・。サンクス

405:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:44:21 m8FwCeHjO
冷たいとか言ってごめんなさい。人気のある作品から順に徹夜で読みたいと思います。怖い話が凄い好きなんです。

406:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:46:54 Z1x/D8pWO
>>401
管理人が間違ってるって言ってた様には見えないんだが・・・どうなんだ?よくわからん。
あと差別の意味わかってる?

407:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:48:31 D96fxtep0
>>405
ここにいる奴は皆そうだよw グッドラック!
俺はバスの話が好きだ、支離滅裂な話ww

408:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:51:04 m8FwCeHjO
因みに自己責任を読んでしまったんですけど何も起きないですよね。夢で目を閉じてる女が出てきたらと思うと寝れないです。
とりあえず今日は徹夜で読みふけります。

409:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:53:11 m8FwCeHjO
>>407さん、ありがとうございます。

410:本当にあった怖い名無し
07/09/26 00:55:41 LnWFihw90
>>406
わかってるから書いてるんだよ。
386の書き込み見ていったら分かると思うが、
差別的な発言繰り返してるのは向こうだろ

友人の「人権侵害」って発言もどっかの新聞みたいな偏向だし
管理人に文句あるのか、誰に文句を言いたいのかわからんが
わざわざここで書き込む事でもないだろ

411:本当にあった怖い名無し
07/09/26 01:04:08 1TX8Dpho0
>>410
間違ってるとは一言も言ってないが、
書き込んだ奴が間違ってるなら、
それをまとめに載せた管理人はどうなんだろうね?

いやいや、例の格好いい捨て台詞吐いた人とその友人もどうかと思いますがねぇ。

412:本当にあった怖い名無し
07/09/26 01:12:48 Q0iC8IGd0
>>411
管理人はどうかなんてどうでもいいんじゃね?
401は別に管理人に文句あるなら直接言えって言ってるだけでw

まあ、格好のいい台詞吐いてID変わっても
まだ居座ってる奴が一番アフォなだけだろw

413:私の体験談
07/09/26 01:13:01 LQMRUqYk0
「まどか」って名前の子は大抵顔が可愛い。

414:本当にあった怖い名無し
07/09/26 01:18:21 a8SKPyXN0
「トイレに関して」

尿は元、血らしいし、糞は生物の死骸ではないのか。
そういうものがトイレで臭いを出す。
そして、言ってみれば、水洗便器は死体が入っていく穴ではないのか。
墓を思わせる、というのは言葉遊びか。

415:本当にあった怖い名無し
07/09/26 01:49:45 1TX8Dpho0
>>412
どうでもいいよなぁ?
「多くを求めても無駄」って諦観モード決めてんのにワケ分からん事言出だすから困る。
間違った云々はお前が思ってる事だろっての。

416:本当にあった怖い名無し
07/09/26 01:50:13 fzydDGVs0
>>409
アイカゴでしょ

417:本当にあった怖い名無し
07/09/26 01:56:17 Z1x/D8pWO
>>412
まさか俺の事じゃあるまいなww
ほんとにいるなら笑えるがw

418:本当にあった怖い名無し
07/09/26 01:56:38 69+2trS60
ここでフェラチオ和尚の登場

419:俺
07/09/26 02:23:59 g94e22E/0
読むな。
コラ。読むなよ。読ーむーな。ここから先を、読むな。
ちょ、もう止めろって!読むの止めろ!!今すぐ!!
すまんって、オイ!読むの止めてくれ!この通り!
…やめた?あー、幾ら言っても読む人は読むよなあ。絶対。
ふう。いっそばらすか。んん?いやまあ、言うしかないわな。
あのなあ、今これ、何か俺の目の前で勝手に書かれていってんだわ。
俺何にも触ってねえよ。勝手に画面に文字が出てきてさ。
で、この文最後まで読んだら、読んだ奴がいたら、そいつ、死ぬんだよ…。
信じた?んなわけないか。
や、言っとくけど俺が殺すとかじゃないよ?
でも、死ぬ。死ぬんだよ。最後まで読んじゃったら。
まあそれは仕方ないとして、いや俺もう読むなっつっただろ?最初っから。しかも、途中で読むのやめたら死なずに済むし。
だから俺、独り言続けてみんないつでも読むの止めれるようにしてんだよ。
ああああああああああ~ってか。
ん~、でもまあ幾ら続いても読む奴は読むよな。
ん?まてよコレ文字数って無限じゃねえよな。ヤベ、文字数の上限?
げ、そこは、終わりじゃないか?この文の。
うわ分かった、そうかそこが終わり、終点、そこまでいくと勝手に投稿されんのかもしかして。
パソの電源落ちるまで待って投稿バックレんのが最終手段だったのに。
オイだから読むなよ、何してんだよ、こっちが必死に考えてんのに。
読むな。な、ホラ。…いくら言っても無駄か。
勘弁しろ。読むな!死ぬなよ、もう、止めろ!言ってんだろうが散々よ!!
文字数の上限って何文字だ?オイ時間あるのかよおいおい焦るぞ何か手は何か…。クソ!
どうすりゃ…。…。…。…あ!
オイ、まだ読んでる人、いる?
あの、俺、この文を終わらせず途中で切る方法、思いつきました。
これでこの文章に終わりがなくなるかもしれません。
でも万一のことを思うとやっぱりお願い、読むのを止めてください。ここで。
それが生き延びるためには一番確実な方法です。もうここで読むのをや

420:本当にあった怖い名無し
07/09/26 02:43:57 3L+HFMAKO
寺→はもん→右腕→千切り→うえ→ここ→終幕→
伸びる→触れ→力→息→捕まれ→吸われ→外す→
落ちる→痛み→うえ→目線→目線→目線→心→
知らない記憶→宿→赤い→人びと→戦→逃げ者→
追う者→子供のそれ→奪い→食べ→呑み→抱き→
眠る→死してなお→繰り返す→宿り終→現在→気配→
うえ→目線→目線→目線→耳鳴り→頭痛→幻→横から→
現れ→死人→腐り→悪臭→ぺとり→捕まれ→引きずり→
遊ばれ→飽きられ→切られる→食われ→呑まれ→
抱かれ→眠る→永遠→繰り返し→ る

421:本当にあった怖い名無し
07/09/26 03:00:57 3L+HFMAKO
遊び→半分→来た者達→睨まれ→動けず→引きずり→
いなくなる→生きて→帰れば→数百年後→知る者→
居らず→孤独の世→町には→行けず→山のうえ→寺へ→
住まわれ→静か→静か→暮らすも→目線→目線→目線→
と狂い→仲間→切り→仲間→切り→寺→はもん→
山降り→子供のそれ→笑い→奪われ→右腕→千切られ→
うえ→ここ→終幕→ り

422:本当にあった怖い名無し
07/09/26 03:03:06 9gwYEgN40
多分このスレだったと思うんだけど夜電車に乗ってて
古臭い感じの親子が乗ってきて、その子どもが隣に座ったけど
母親は離れたところに立ってて、耳元でダミ声で怒鳴られるような声が聞こえて・・・
みたいな話ありましたよね?
なんかよく意味のわからない話、として載ってたと思うんですけど・・・

423:本当にあった怖い名無し
07/09/26 03:06:44 m8FwCeHjO
釣りとかじゃなく今本当にあったことです。徹夜でマトメサイトを読もうとしたのですが途中で眠くなり、眠ってしまいました。
で、今起きたのですが、起きたというよりお父さんに怒られて起こされました。
お父さんがいうにはものすごい勢いで僕が唸っていたそうです。
というのも夢を見ていたのは覚えているのですが、寝言をいうなんてしたことないのに狼みたいに唸ってたそうです。
お父さんのおいっていう声で起きました。さっきみた夢なんですが何故かは知りませんが暗闇を散歩している自分がいて畑から不気味な何かが飛びかかってきました。
その唸り声もたしかその謎のものが発していたはずなのに自分が寝言で吠えていたそうです。
今でも心臓がバクバクしています。
アイカゴと勘違いされそうなんで今日はもう書き込みません。
今起きてから30分たつのですがチラッと脳裏に自己責任の女が浮かび上がってきました…

424:本当にあった怖い名無し
07/09/26 03:14:41 m8FwCeHjO
すいません。最後に
起きたら号泣してました。

425:本当にあった怖い名無し
07/09/26 03:17:55 3L+HFMAKO
子供の笑顔→純粋で→和むも→子供のそれ→酷く怯え→
遠く隠れ→此方を→覗く→気付かぬふり→ゆっくりと→
奪い→食べ→呑み→抱きしめる→飽きたら→捨て→
またさ迷い→繰り返す→右腕→無いから→左腕で食え→
足は→あるから→歩けよ→歩け→目は→二つ→
ちゃんと→あるから→左右見ろ→腹は→あるから→
たらふく→食え→心は→わからぬ→思うまま→
ゆけ→永遠→腹減り→満たされぬ→永遠→繰り返し→
喰らうがいい→今宵→お前の→もとへ→ぺたり→
ぺたり→ぺたり→目線→目線→目線→うえ→ここ→終幕→ へ

426:本当にあった怖い名無し
07/09/26 07:40:30 TLIkPteYO
昨日から彼女の様子がおかしい。色々話かけたり機嫌を取ったりしているが、どうにもおかしい。で、『どうしたの?』って聞くと…『携帯のメールって消しても復活するの知ってた?』…その瞬間、目の前には真っ赤な鬼が立っていた…

427:本当にあった怖い名無し
07/09/26 07:59:38 Hda7R42B0
ホームレスの人で皮膚が焼け爛れたように黒く硬質化した人を見ました
きっとあれはアメリカで目撃例のあるリザードマンの子孫だと思いました

428:本当にあった怖い名無し
07/09/26 10:38:53 JDsxJz+YO
多分そうだよ。

429:本当にあった怖い名無し
07/09/26 10:43:52 p4Nz2T4W0
インターネットやってたら斧の通販のポップアップ広告が出てきた。
何の変哲もない形で値段もそれなりの、普通の斧。
でもなんでかすごく気になって、つい広告のリンクを踏んで、つい購入しちゃった。
そんで翌日に届いた。その斧。はやっ!すげー対応のいい会社だな。
梱包あけて見てみても普通の斧。どっかの山小屋に放置されてそうな、ごくありふれた斧。
なんでこんなの買ったんだろ、って首をかしげながら、とりあえず机の上に置いておいた。
なんかちょっと熱でもあるのか、頭がぼーっとしてきたから、
風邪かな、っと思って薬飲んで寝ることにした。
三時間ぐらいで目が覚めたんだけど、
ふと机を見ると、斧がない。
あれ?と思って、部屋を見渡すけど、どこにもない。
あれ、斧買ったのって夢か?って一瞬思って、でもいい気分だからあまり気にしない。
部屋を出てリビングに行って、テレビを見ながら親が帰ってくるのを待つ。
腹減ったなー、って思いながら親が帰ってくるのを待つ。
今日は遅いなー、って思いながら親が帰ってくるのを待つ。
あれ?帰ってこない。
いつもなら二時間前ぐらいには帰ってきてるはずの母親も、
もうそろそろ帰ってきてもいいはずの父親も、
いつになっても帰ってこない。
・・・?
母親の会社に電話してみる。
あれ、電話がつながらない。ん?電話線切れてる。
どうしたものかな、あ、携帯からかければいいか。
電話がつながる。『えっ!息子さんですか!?大変です!お母さんが!』
母親はどこからか飛んできた斧に、首を切断されたらしい。
父親の会社に電話する。『えっ!息子さんですか!?大変です!お父さんが!』
父親はどこからか飛んできた斧に、全身数十箇所を切断されたらしい。
そこで思い出す。あれ?斧どこいっt




430:本当にあった怖い名無し
07/09/26 11:10:55 dE60LzjG0
何かマトメサイトの殿堂入りの上位は面白いのが一つもないのに
凄い投票が入ってるんだな。
師匠シリーズとかw


必死で投票でもしてるのかね?

431:本当にあった怖い名無し
07/09/26 11:33:44 012PudaPO
自己責任系が一番好きだ で、ヤマニシさんとヤマギシさんてなにがちがうの?

432:本当にあった怖い名無し
07/09/26 11:34:45 ++lTN4a40
殿堂入り・・・建前
隔離所・・・本音

433:1/5
07/09/26 13:45:19 X9SZ0uNr0
俺の友人のSが体験した話です。
Sは昔から大の鉄道好きで、高校で知り合った頃から、将来は電車の運転手になるのだと言っていました。
高校卒業後は、余り会うこともありませんでしたが、
数年経って、他の友人からSが望み通り運転手になったと聞きました。

それから更に数年後、高校の同窓会があり、久しぶりにSと再会しました。
Sに、「念願の運転手になれて良かったな、仕事は楽しいか?」と聞くと、
Sは俯いて黙ってしまいました。
「どうした、嫌な上司でも居たか?」と更に聞くと、
Sは小声で、「俺さ、もう辞めたんだ。電車はもう好きでもない。」と言いました。

434:2/5
07/09/26 13:46:23 X9SZ0uNr0
俺「なんだ、あれだけ夢見てたのに。客とトラブルでもあったか?酔っ払いにでも絡まれたか?」
昔のSは三度のメシより鉄道、みたいな感じだったので、何事かと思いました。
S「いや、そんなトラブルなら良いんだよ。なんとも思わない。・・・けど、アレはダメだった。」
俺「なんだ?何があったんだよ。」
話しづらい事かとも思いましたが、気になったので聞いてみました。
するとSは、運転手になってから体験したことを話してくれました。

435:3/5
07/09/26 13:47:34 X9SZ0uNr0
ある日、Sがいつも通りの運行で駅に向かっていると、
駅で誰かが緊急停止のボタンを押したらしく、Sは慌てて電車を止めました。
駅に差し掛かるところで電車は止まりましたが、駅の中ほど、線路の上を見て、Sは驚きました。
線路の上に浮浪者が横になっていました。
どうやら自殺しようと、レールを枕にして横になっていた浮浪者は、ただちに職員に起こされましたが、
その際、駅のホームにいた見知らぬお婆さんが、Sに向かって、「止めるな!轢け!轢けーーー!!」と叫んでいたそうです。

436:4/5
07/09/26 13:48:45 X9SZ0uNr0
これも確かに嫌な出来事ですが、Sが辞めることを決定付けた事は他にありました。
別の日、Sが電車を走らせていると、突然ひどい耳鳴りに襲われたそうです。
ちょっと気分が悪いな、と思っていたとき、それは起こりました。
線路の遥か前方に人影のようなものが見えました。
それは段々と大きくなって行き・・・Sはそれ何であるか、理解しました。
しかし分かったときにはもう手遅れでした。

それは、ランニング姿の若い男が、線路の上を電車に向かって走ってくる姿でした。

437:5/5
07/09/26 13:49:34 X9SZ0uNr0
男は両手を挙げ、満面の笑みで電車に突っ込んできました。
衝突の瞬間、訳の分からない奇声を発しながら、男は前方にジャンプし、
まるで自分に飛び掛ろうとしたように見えた、とSは言っていました。
男はずっとSの目を見つめており、Sも何故か目を背けられなかった、とも。

あまりの事にブレーキすら出来ず、電車とまともに衝突した男は、バラバラに吹き飛んだそうです。
その時の有り様は、言葉にはできないようでした。

他にも人身事故は多数ありましたが、ランニング姿の男の件でSは参ってしまい、
仕事を辞めることにしたそうです。

438:本当にあった怖い名無し
07/09/26 14:02:34 m8FwCeHjO
お前らがモニターで見るAVやIVが全て点の集まりで表示されてるのは知ってるよな。
言い換えれば、点の配置でいくらでも実像の無いものを表示できるわけだ。
例えばアイドルの性行為など
俺の大学のある教授がまさにそれを研究しててそれができるのがあと数年と言われてる。
それまで楽しみに待っておくんだ。

439:本当にあった怖い名無し
07/09/26 15:56:21 hUhhSP9a0
おいおい、飛び込み自殺に遭遇したから運転手辞めました、なんて怖い話でもなんでもないだろ…


440:本当にあった怖い名無し
07/09/26 16:18:44 yn/y7Qpk0
グリコネタでしょ

441:本当にあった怖い名無し
07/09/26 16:28:11 m8FwCeHjO
グリコネタ?

442:本当にあった怖い名無し
07/09/26 16:57:38 JDsxJz+YO
アイカゴ?

443:本当にあった怖い名無し
07/09/26 17:02:46 m8FwCeHjO
うん

444:アイカゴ ◆AXS5glRcIA
07/09/26 17:04:35 m8FwCeHjO
テヘッ☆

445:本当にあった怖い名無し
07/09/26 17:07:03 m8FwCeHjO
でも、もう荒らすことはないから安心してねエヘ
みんなと仲良くしたいからウフッ

446:本当にあった怖い名無し
07/09/26 18:43:43 kIqvqOw4O
年の離れた姉貴から聞いた話。もう10年ほど前の出来事。
10年ほど前、姉貴の親友のAさんが交通事故で亡くなった。当時の俺は小学生だったけど、姉貴がショックで泣きまくってたのを覚えてる。
Aさんと姉貴は本当に仲がよくて、亡くなる数日前も一緒に遊んでいた。最後の会話はAさんの車の中。
姉貴は体が弱い。本当ならこれからカラオケに行くはずが、姉貴の体調が悪くなって、Aさんに家まで送ってもらう事になったらしい。
「A、ごめんなぁ。あ~頭痛い…」
「かまわんよ~アンタはホンマに体弱いなぁ。私なんてアホやし風邪すら滅多にひかへんで(笑)」
「羨ましいわ(笑)」
「あはは~ホンマにタフやからな。変われるモンなら、変わってあげたいわ(笑)」
そんな感じの会話が、最後の会話だったらしい。
姉貴は本当に体力がなくて、会社から帰ってきたら疲れて微熱出して寝込んで、休みの日も、ちょっと遠出したら疲れで微熱が、頭痛が~ってな体質だった。
Aさんは正反対にタフ。派手な人で、いつもヒールの靴はいてタバコを吸ってた覚えがある。サバサバした明るいベッピンさんだったが。
Aさんが亡くなって数日後の夜。姉貴がベッドでウトウトしてると、すぐ外を人が歩く音が聞こえた。姉貴のベッドは一階の窓際にある。
コツコツコツ…と、ハイヒールの足音だったらしい。その足音が、姉貴の部屋のすぐ前あたりでピタリと止まったらしい。
ん?と思ってると、またコツコツコツ…と、足音は遠ざかって行ったらしいが。
次の日の夜。また同じようにヒールの足音。やっぱり姉貴の部屋の辺りで、いったん立ち止まるらしい。
姉貴は気持ち悪いと思ったが、二日とも半分寝呆けた状態だったので、夢か現実かは曖昧だったようだ。
長くなるので続きます。

447:本当にあった怖い名無し
07/09/26 18:45:19 kIqvqOw4O
続き。
三日目の夜。やっぱりまた、ハイヒールの足音が聞こえる。しかも、その時、姉貴は金縛りにあっていた。
さすがに姉貴もめちゃくちゃ怖かったらしい。足音はだんだん近づいてきて、なんと壁をすりぬけて姉貴の部屋にコツコツ…と侵入。姉貴のすぐ横でピタリと止まったらしい。
姉貴はもう恐怖で頭の中パニックだった。直感的に、「このヒールの足音…Aか!?」と思ったらしい。
すると、姉貴の横にいる「何物か」から、カチカチ、カチッと音がした。
その瞬間、姉貴はコレは間違いなくAだ、と確信した。
最後にAさんと話した時。車の中でAさんは「ライター、ガスなくなってきたなぁ。なかなか付けへん」と、タバコをくわえてカチカチカチカチやってたのを覚えていたからだ。
今もすぐ隣でカチカチ聞こえる。カチカチ…ジュッ!タバコに火がついた。部屋にタバコの匂いが充満する。
そこで姉貴の金縛りがとけた。部屋に何もおかしな形跡はなかったが、タバコの匂いがする。半泣きになった姉貴が母を呼ぶ。
母親いわく、確かにタバコの匂いがしたという。

それ以来、Aさんが姉貴の所に姿を表す事はなかったが、不思議と姉貴は体調が良くなった。
もう仕事でガンガン動きまくって残業しようが、帰宅してから熱が出る事もなくなったし、慢性的な頭痛もなくなった。
今、姉貴は「あいつ、最後に『変わってあげたいわ』って言うてくれたんや。ホンマに変わってくれたんかもなぁ」と言う。

長文すいませんでした。

448:本当にあった怖い名無し
07/09/26 18:56:21 06v6sn7Y0
>>447
泣けた(;ω;)

449:本当にあった怖い名無し
07/09/26 19:11:25 N/ZTPGSd0
いい話だね

450:本当にあった怖い名無し
07/09/26 19:26:43 1JGh5hvi0
なんていい人なんだ・・・

451:本当にあった怖い名無し
07/09/26 20:00:31 m8FwCeHjO
怖いか?

452:お詫びと訂正  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:07:33 gAYKdkL30
お詫びと訂正。

これからお話を投下しようとする直前になって、2年ぶりくらいに『降霊実験』を
読み返してみたところ、思わず自分の目を疑いました。
「芳」という字と「茅」という字を書き間違えているのです。
もうほんと、死にたい。
古いノートを出してきても、すべて「茅」になっているのに・・・なぜこのとき間違
って「芳」としたのかはわかりませんが、今さらもうどうしようもありません。
とびちって死にたい。
とても重要で致命的な間違いですので、このことを踏まえた上で読んでくださいと
しか言いようがありません。すみません。
では、

453:本当にあった怖い名無し
07/09/26 20:09:44 JDsxJz+YO
ウニ死ねや!!

454:雨音  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:16:46 gAYKdkL30
大学2回生の秋の終わりだった。
その日は朝から雨が降り続いていて、濡れたアスファルトの表面はもやのように煙
っている。
こんな日には憂鬱になる。気分が沈滞し、思考は深く沈んでいる。
右手には川があり、白いガードレールの向こうもかすかに煙って見える。
カッチカッチと、車のハザードランプの音だけがやけに大きく響く。それだけが世
界のリズムになる。すべてがそのリズムで成り立っている。
俺はもう一度川を見た。
あのガードレールのこちら側に雨は降り、あちら側にも同じ雨が降りそそいでい
る。道に落ちる水と、川面に落ちる水。見上げれば暗く低い空から、それでも数百
メートルの高さをゆっくりと落ち、地表においてわずか数センチの違いで運命が分
かれている。
このイメージが妙に可笑しくて、運転席でハンドルに頬杖をついている人に伝えた。
すると彼はめんどくさそうに口を開く。
「此岸と彼岸の象徴か。確かにこの世とあの世なんてたったそれだけの違いだよ。
 けど、地中に染み込んでも川を流れても、いずれは海にたどり着く」
海。
俺にオカルトを教えた師匠が言うその「海」は、きっと「虚無」と同義なのだろ
う。彼は死後の世界を認めなかった。ここでいう死後の世界とは、地獄とか天国
とか、そういうこの地上以外の世界のことだ。なぜか認めないのかはよくわから
ない。けれど頑なにそう信じていたのは確かだった。
夕暮れにはまだ少し早い。
俺と師匠は路肩にとめた車の中で、ずっと待っていた。先日雨の降る日に、師匠は
ここでなにか面白いものを見たらしい。

455:雨音  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:17:23 gAYKdkL30
「いい雨が降っているぞ」
そう言って俺は呼び出され、そしてここにいる。
まるで刑事の張り込みだ。
そう思いながら、アンパンをひと齧りし、牛乳のパックを傾ける。
左手には空き地があり、草むらの中で誰かが置き去りにした一輪車が雨に打たれ
ている。
誰も通らない。
ふいに師匠が口を開き、「仮に、生まれた時から地下室で育てられた子供がいる
として、その子は地下室の外で自ら体験するまで雨というものを知らないだろう
か」と、怖いことを言う。
「火よりも雨の歴史は古い。人間が猿だった頃から、いやそれ以前から地表で生き
 るすべての生物に雨の記憶が宿っているんじゃないかって、思うんだ」
遺伝子の奥深くに……
そう言ってガサガサとコンビニの袋を漁る。もうアンパンしか残っていないのに、
諦め悪くかき回している。自分がアンパンばかり買ったくせに。
雨の記憶か。
思考が再び、深く沈降していく。
動物は生得的に、自分にとって危険なものを見分ける力がある。捕食すべきもの
もまた。それらに出くわした時、遺伝子に記憶された反応が起こる。もっと原始
的な生命にとっては、走光性や走水性がそれだろう。
同じように、雨に対する反応も生まれついてこの体の中に眠っているのだろう
か。気の遠くなるような過去から、連綿と受け継がれてきた記憶が。
はじめて雨を体験した時のことを思い出そうとする。

456:雨音  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:19:05 gAYKdkL30
当然そんなことを今の俺は覚えてはいない。
すべての人に聞いてみたい。
『はじめての雨はどうでしたか』と。
きっと誰も答えられない。誰もが体験したはずなのに。なんだか愉快だ。
もう一度、自分の記憶を探ってみる。
雨の匂いはいつも懐かしい。その懐かしさは、どこから来るのだろう。
とりとめもないことを考えていると、師匠の欠伸にふと現実に還る。
「来たぞ」
雨の筋に霞む道の先に、人影が現れた。
師匠は曇ったフロントガラスを袖で拭く。俺は目を凝らして前方を見つめる。
赤い傘が見えた。
続いてその傘の柄を持つ、女性の姿が浮かび上がって来る。表情まではわからな
い。30がらみだろうか。服の感じからそう思う。そしてなにか嫌な感じがした。
すぐにその嫌悪感の正体に気づく。
傘をさして歩く女性のすぐ後ろに、5,6歳の女の子がついて歩いている。桃色
の靴。黄色い帽子。雨さえ降っていなければ、ごく普通の母親とその子どもに見
えただろう。
だが、今は異様な光景だった。
傘をさす女性。その1メートル後ろを俯きながら歩く、傘を持たない子ども。
傘の下、寄り添うように歩いていればなんの違和感もないはず。たった1メートル
で、まるで此岸と彼岸だ。


457:雨音 ラスト  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:19:44 gAYKdkL30
「雨のせいか、鼻が利かない」
師匠はそう言って、食い入るようにそのふたりを見つめている。やがて車の横を
通り過ぎて、ふたりは再び雨の中に煙るように消えていく。
「あれは、生きている人間だと思うか」
俺に聞いている。
わからなかった。師匠にもわからなかったらしい。
もう姿は見えない。曇ったままのリアガラスを拭こうとシートを倒して手を伸ば
すけれど、その手は宙に惑うだけだった。
「母親も娘も生身。
 母親は生身、娘は霊。
 母親は霊、娘は生身。
 母親も娘も霊」
師匠があまり感情を交えずにそう呟いた。
どれも悲しい。
なぜか、ひどく悲しかった。
息が詰まり助手席の窓ガラスを少し下げる。
ザーッというきめ細かい雨音が車の中に入り込んで来た。ハザードランプのカッチ
カッチ、という時を刻む音が小さくなる。
音も、風景も、心も、何もかもが雨に降り込められている。こういう世界に、
なってしまったみたいだ。
はじめて体験する雨がいつかは止むなんて、その時知っていただろうか。
ふと、すべての人に聞いてみたくなった。



458:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:21:39 gAYKdkL30
大学1回生の冬。
朝っぱらからサークルの部室でコタツに入ったまま動けなくなり、俺は早々に今
日の講義のサボタージュを決め込んでいた。
何人かが入れ替わり立ち代りコンビニのビニール袋を手に現れてはコタツで暖ま
ったあとに去って行った。やがて一人だけになってしまい俺もやっぱり講義に出
ようかなぁと考えては窓の外を眺め、その冬空に首をすくめてもう一度コタツに
深く沈みこむのだった。
うとうとしていたことに気付き、軽くのびをしてそのまま後ろへ倒れ込む。その
姿勢のまま手を伸ばして頭の上の方にあるラックをゴソゴソと漁り、昔のサーク
ルノートを引っ張り出しては読み耽っていた。
ふと、ラックの隅にノートではない小冊子を見つけた。ズルズルと引き抜く。
『追跡』
という題が表紙についている。何かの花を象った切り絵のようなイラストが添え
られているそれは、どうやら個人で作ったホッチキス止めの同人誌のようなもの
らしい。A4の再生紙で60ページほどの厚さだ。
パラパラとめくってみると、中は活字ばかりだった。

  ……真夜中わたしの部屋の上を、巨人がまたいでいきます。
  巨人は重さもなく、匂いもなく、音も出さず、透明で
  けして目に見えず、手に触れることもできません。
  そして裏の森から、街の明かりがうっすらと光る方へ
  しずしず、しずしずと歩くのです。……


459:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:22:21 gAYKdkL30
短編小説のようだ。『巨人』という題名がついている。俺は何枚かページを飛ばした。

  ……公園で遊んでいた女の子を攫ったのはペットの犬を亡くし
  たからだった。
  家の地下室で飼いはじめたものの、ちっとも懐かないので目を
  潰してみた。
  すると少女はすっかり従順になり、ペットとして相応しい態度
  をみせはじめたのだった。
  食事は一日2回。仕事に行く前と帰った後に与えた。
  出入り口は一つだけ。私が現れそして消える、鍵の掛かった
  ドア。
  少女に名前はない。私はペットに名前をつけない。
  2年が経った。
  ふと思いついて地下室の壁に羽目殺しの窓を打ちつけた。
  もちろんただの飾りだ。向こうには何もない。
  少女にはこういった。
  「窓の向こうは海だよ」……

なんだか気持ちが悪くなって冊子を伏せた。さっきとは別の話のようだったが、
このあと愉快な展開が待っているようには思えない。またページを飛ばす。

460:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:23:49 gAYKdkL30
  今日も人間もどきを探して歩く。
  人間もどきは人間のつもりなのだ。
  人間のように食べて、人間のように働いて
  人間のように笑ったり泣いたりする。
  ぼくは人間もどきを道端で、公園で、トンネルで、
  校舎で、ビルディングの中で、そして時々人の家の中で
  見つけてはそいつの耳元でこうささやくのだ。
  「あなたは人間じゃないよ」
  そうすると人間もどきはトロトロと溶けるように消えていく。
  あとには何も残らない。

  ぼくの町は随分閑散としてきた。
  あと何匹の人間もどきがいるのだろう。
  はやくぼくは一人になりたい。
  そうすれば誰もぼくの耳元に秘密の言葉をささやくことはないから。
  
これは短かったので全部読んだ。『人間もどき』という題がついている。いずれ
も気味の悪い話ばかりだ。こんな冊子を自分で作ろうなんて人間は、さぞかし根
の暗い奴だろう。
俺は最後のページを開いて奥付を見た。
日付は2年前だ。発行者は「カヰ=ロアナーク」とある。
"ロアノーク島の怪"をもじっているらしいが、なるほど、趣味が分かりそうな
ものだ。

461:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:24:41 gAYKdkL30
こんなものを作りそうな先輩を思い浮かべようとして天井を見る。すると一人だ
け浮かんだ。サークルにはほとんど顔を出さない女性で、たまに来たと思っても
持参したノートパソコンでひたすら文章を打っている。何を書いているのかと思
って覗こうとしても「エッチ」呼ばわりされて見せてくれない。なるほど、あの
人かと思いながらもう一度パラパラとページをめくってみる。
『追跡』という表題作らしきものを冊子の中ほどに発見して手を止める。
サークルの部室で講義をサボってゴロゴロしていた男が、古い冊子を本棚に見つ
けて手に取るというシーンが冒頭だ。手に取ったその冊子の題は『追跡』。
おお。メタ構造になってるぞ。
そう思って読んでいたが。

  日付は2年前だ。

文章中のこの部分でぞわっと背筋を走るものがあった。題名の一致は良い。俺と
状況が似た男が出てくるのもまあ、典型的ダメ学生を生産するサークルの体質
からして偶然の範疇だろう。だが、奥付の日付が"2年前"というのは、一体どう
いう一致だろう。少しドキドキしながら読み進める。
小説はこのあと、失踪したサークルの先輩の足跡を、作中作の『追跡』に見出し
た主人公が、困惑しながらもそれを頼りに街へ捜索に出かけるという筋だ。
失踪したサークルの先輩とは誰なのか、詳しい描写はない。作中作である『追跡』
の具体的内容にも触れられていない。ただそれが失踪したサークルの先輩の行く
先を啓示していると、なぜか主人公は知っている。
総じて説明不足で、まるで読者を意識していないような文章だ。全く面白くない。
全く面白くないからこそ、不気味だった。

462:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 20:26:41 gAYKdkL30
  心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。

そんな一文が、左ページのラストにある。それまでの展開とは関係なしに不自然
な形で織り込まれている。
思わず手が止まる。主人公が最初に向かう先がどこなのか、次のページに行かな
いと分からない。心の準備ってなんだ? 
ページをめくる手が固まる。嫌な予感がする。
次の瞬間、部室のドアをノックする音が聞こえて、飛び上がるほど驚いた。
ドアを開けて滑り込むように入ってきたのは、まさしくこの冊子の作者と推測さ
れる女性だった。
どう考えても偶然ではない。
殻から半分出たカタツムリのような変な格好の俺とコタツを一瞥して彼女は、あ
の人を見なかったかと言う。あの人とは、彼女の恋人であり、俺のオカルト道の
師匠でもあるサークルの先輩に他ならない。
ここには来ていないと答えると、「そう」と言い置いて立ち去ろうとする。俺は
慌てて、持っている冊子を広げながらこれを書きましたかと聞いた。
一瞬目を見開いたあと、「思い出せない理由がわかった」と言ってこちらに戻っ
てきた。
彼女は、説明し難い不思議な力を持っている。それは、勘が鋭いという表現では
生ぬるい、まるで予知能力とでも言うべき感性だった。それも、エドガー=ケイ
シーのように予知夢のようなものを見ているらしいのだが、目が覚めるとそれを
忘れてしまっている。そして日常の中のふとした拍子にそれを思い出すのだとい
う。このことを端的に言い表すなら、"未来を思い出す"という奇妙な表現になっ
てしまう。

463:本当にあった怖い名無し
07/09/26 20:37:39 XDmAbQATO
田舎の後編が読みたいよ

464:本当にあった怖い名無し
07/09/26 20:40:29 I1f69jWNO
おじゃま道草が怖くて読めません。

465:本当にあった怖い名無し
07/09/26 20:42:41 m8FwCeHjO
ウニはこっちの対応に応答しろよ
それじゃオナニー作家だよ

466:本当にあった怖い名無し
07/09/26 20:47:28 WaSm6WyJ0
ウニ、田舎の後編ってまだ思いつかんのか

467:本当にあった怖い名無し
07/09/26 20:56:17 8lDULlml0
即身仏とは全く逆に、
まずいつでも寝れるように寝床を用意して、
美味い物たらふく食わせて酒飲ませて女とヤらせて頃させて
起きたら美味い物食わせて酒飲ませて女とヤらせて頃させて…
(今の時代なら麻薬とかもアリかな)

を何日か繰り返した後、
いきなり拘束して、1日中飲まず食わず、自慰もできずの状態に。
終わったら目の前に食べ物、酒、女を並ばせた状態で火あぶりにして頃す。

「あと一口食べさせてくれ、あと1回ヤらせてくれ、あと1人頃させてくれ…」
なんて言いながら死んで行った奴のミイラって何か凄そうだと思った。
もっとも、そんな生活出来る奴がそうそういないか。

468:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:02:29 gAYKdkL30
いつだったか、街なかで傘をさして歩いている彼女を見かけたことがあった。空
は晴れていたのに。
俺は急いでコンビニに走り、ビニール傘を買った。きっとこれから突然天気が崩
れるに違いないから。
ところがいつまで経っても雨は降らず、結局ビニール傘は無駄になってしまった。
次の日たまたま彼女に会い、そのことを非難めいた口調で語ると、あっさりとこ
う言うのである。
「あれ、日傘」
脱力した。自分のバカさ加減に笑ってしまう。
しかしその日のニュースで、前日の紫外線量が去年の最大値を記録した日よりも
多かったということを知り、驚いた。
彼女は実に不思議な人だった。

「その本、どこから出てきたの」
聞かれてラックを指さす。彼女は「そんなとこにあったんだ」と首を傾げてから
「作ったことも忘れてた」と言った。
この数日、師匠と連絡がとれない、と彼女。
え? と俺は聞き返す。
彼を探しているのに見つからず、変な胸騒ぎがするのにこれから何が起ころうと
しているのか全く「思い出せない」のだと言う。
そういえば俺もここ最近彼を見ていない。曰く、携帯も通じないし車はあるのに
家にいないのだそうだ。
その原因がこの本だ、と言って彼女は指をさした。
思わず取り落としそうになる。

469:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:04:15 m8FwCeHjO
大島何持ってるの?












たまごっす
↑wwwwwww

470:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:05:31 gAYKdkL30
「その日に起こることなら、前の日の夜に見てる」
でも、と彼女は続けた。
曰く、経験的に危険性が高い情報ほど、手前で知るのだと。う○こを踏みそうに
なるときは二日前に見てるし、カレーうどんの汁が散るときは3日前に見てる。骨
折しそうになるときは2週間前……といった具合だ。もっとも必ずというわけで
もない。"前倒し"が起こるのは、体調が悪いときが多いのだそうだ。
あんまり早く"思い出し"てしまうと、それが起こるまでに忘れてしまう。
「役に立たないでしょう」
役に立たなかろうが、俺のような凡人には理解できない世界の話だ。
「それ、半分は備忘録なの」
と、彼女は冊子をもう一度指さす。
彼女はこう言っているのだ。
師匠の行方がわからないというこの事態を、2年前に予知してしまっているから
今は勘が働かないのだ、と。
「どんな話を書いたのか、忘れちゃったけど」
はじめて彼女は少し笑った。
俺は改めて毒物でも触るような思いでその冊子を開く。
「『追跡』って話です」
俺がこれから師匠を探しに行くという筋のようです、と言うと彼女は「ついてく」
と主張した。
もちろん断る理由はない。
彼女が2年前に知ってしまったというその意味をあまり深く考えないようにした。
俺は冊子を持って部室を出る。
冬の寒空も、今は苦にならない。

471:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:06:47 gAYKdkL30
  心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。

という文字を3回心の中で読んでから、次のページをめくった。
「……まず、ゲームセンターのようです」
実際にある場所の名前が出てくる。
俺は彼女と二人で自転車に乗ってそこへ向かった。街なかの大きなゲームセン
ターだ。
中に入り、一通り見て回るが師匠の姿はない。『追跡』に主人公がプリクラを撮
る描写があったので、一応コーナーに行ってみたが若い女性たちでごった返して
いて、気後れしてしまった。それに先を読むと、結局ゲームセンターでは手掛か
りはなかったということになっているので無意味だと俺は言ったが、彼女は「書
いてある通りにした方がいい」と言う。
そのとき、今更ながら先に最後のオチの部分を読んだ方が早くないかと思ったの
だが、彼女が「そういうことをしたと書いてるの?」と言うので首を振って諦める。
不吉な予感にドキドキしながらも、俺は俺なりにこの状況を楽しんでいたのかも
知れない。
結局、連続して延々と同じメンバーでプリクラを撮っている女子高生たちにイラ
イラしながらも順番待ちの列に並び、最後には彼女と一緒に写真におさまった。
『追跡』には主人公に女性の連れがいるとは書いてないが、まあこれくらいはい
いだろう。
出てきたシールをまじまじと見ながら、俺はなんだか引っ掛かるものを感じてい
た。それがなんだかわからないまま、次の場所を確認する。
「次は、雑貨屋です」
ゲームセンターから少し距離がある。
若者で溢れかえる通りだが、平日なので人手はさほどでもない。自転車をとめて、
カジュアルショップ周辺に広がるこじんまりとした地下街へと降りる。

472:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:06:59 8a+Mx17c0
ID:m8FwCeHjO・・・NGID推奨

473:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:08:51 gAYKdkL30
聞いたことはあったが、来るのは初めてだった。
ファッションには疎いので今ひとつよくわからないが、とにかく流行っている雑
貨屋らしい。和洋入り混じった色とりどりのアイテムを目の端に入れながらも、
師匠の姿を探す。しかしその影はなかった。一応店員にそれとなく聞いてはみた
が、首を振るだけだった。

  雑貨屋でもやはり手掛かりはなかった。

溜息をついて『追跡』を閉じる。
連れが見えなくなったので探していると、カツラのコーナーにいた。「ウィッグ」
だと訂正されたが、違いはわからなかった。
彼女はその後、血糊のついたようなデザインのピコピコハンマーが気になった様
子で、散々俺を待たせたあげく結局別のものを買ったようだった。
店を出るとき、ゲームセンターのときにも感じた引っ掛かりがもう一度脳裏を過
ぎる。
「次は……喫茶店です」
また自転車に乗って移動する。
地球防衛軍という怪しげな店名が出てくるが、俺も彼女も知らなかったので、
『追跡』の描写を頼りにそれらしき通りをウロウロした結果、ようやくビルの窓
にその名前を見つけ出した。
古そうなビルの、知らない店に入るときは、階が上なほどドキドキする。
入り口のドアを開けると、やはりというか遊び心の多い内装が目に飛び込んで来
た。フィギュアやミニカー、インベーダーゲーム、そして漫画が店内狭しとなら
んでいる。

474:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:09:46 m8FwCeHjO
>>472
またまたご冗談を…

475:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:10:23 FsPDxMWQ0
    l:;:;l     ヽ、      l;:;:;:ミ.       l;;;;;r'´ ̄ ̄~  ̄ ̄ヽ;;;;;!
    l;:;:|   ,,....、    __,;;;;;;;,,,,,ヾ;:;-、        |;;;;;;|         |;;;;;|
    ヾl,r"‐''''―、,-r'",..,、  i!`T")|      {;;;;r' ,rww、  ,rww、 ',;;;}
    l^ーi '"' ’'` ノ ヽ、,,,...-‐' j!  |      rゝll  (●) l .l (●)  ljヽ
    i! :; `''ー'''';:',, ,,, )    : |ー'"      l(),|    ノ ヽ     !ノ,!
     ヽ-l    ,,.;:;::;;;;:,,,,,    |         ゝ_l    ゝ- '   ,jノ
        ヽ i '"ー''''"~~`' / ,,.!、_ .         l、.   ___   /
        `ヽ、 "" '''  ,,.:'"/' :ヽ         lヽ  ー‐'  ,/ !
         j^'ー--‐''".ィ'ン"   `ー-、     /!、`ー─‐'" /ヽ
おまえら、人生は大胆に生きろ!部屋に縮こまっていちゃ何も始まらないぞ!
俺達のように夢を掴め!

476:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:10:48 gAYKdkL30
ともあれ店内を見回したが、常連らしき数人の客の中には師匠はいなかった。
がっかりはしない。ここではわずかな手掛かりを得られるはずだから。
腹が減っていたので、ラーメンを注文する。『追跡』で主人公が頼むのを読んで
いたので、メニューも見ずに言ったのだが本当にあったらしい。目の前で袋入り
の即席めんをマスターが開けはじめたときは、少し驚きはしたが。
待っている間、どこからか彼女が見つけてきた黒ひげ危機一髪で遊びながら、黒
ひげが飛び出たら勝ちなのか負けなのか意見の食い違いで揉めていると、「出た
ら勝ち」と言いながらマスターがラーメンをテーブルに置いていった。
食べはじめると、足元に猫が擦り寄ってきた。
どんな店なんだ。
食べ終わって、ドンブリがどう見てもすり鉢だったことには突っ込まずにマスタ
ーを声をかける。
「ああ、そういえば3,4日前に来てた」
やはり師匠は常連だったらしい。いい趣味をしている。
「連れがいたような気がする」
ポロリと漏らした一言に食いつく。
「いや、でもよく覚えてない」

  わずかなヒントを得た。

『追跡』を確認するが、どうやらここではこれまでのようだ。諦めて店を出る。
ドアを閉めるときに、店の奥からビリヤードの玉が弾ける音が聞こえた。
「次は」
と言いながら階段を降りる足が止まる。

  心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。

477:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:11:17 8h3Hr7xuO
ウニは801板に移動した方がいい

478:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:11:51 gAYKdkL30
何度目かのこの文章をめくると、次のページにはかなり核心に近づく展開があ
った。
「次は、ボーリング場です」
また自転車にまたがる。
この時点で彼女に俺の推測を告げるか迷ったが、表情を変えずに自転車をこぐ姿
を振り返って、思いとどまる。
やはり彼女は苦手だ。何を考えているかわからない。
自転車から降り、何度か来たことのあるボーリング場に入る。
「プレイは?」
「ここでは店員に話を聞くだけのようです」
少し、やりたそうだった。
それを尻目にカウンターに向かう。
「ああ、多分わかりますよ」
師匠の名前を告げると、あっさりと調べてくれた。茶髪の若い店員だった。
客のプライバシーなどどうでもいい程度の教育しか受けていないのだろう。もっと
も今はそれが有難かった。
しばらくすると、師匠の名前がプリントされたスコアが出てきた。日付は3日前
で、午後2時。やはり。以前一緒にボーリングをやったとき、本名でエントリー
していたのを覚えていたのだ。
師匠のGの多いスコアなどどうでもいい。
俺と彼女の視線は、もう一人の名前に集中していた。

  それはどうぶつの名前だった。

その通り、「ウサギ」という名前が師匠の横に並んでいた。

479:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:15:24 m8FwCeHjO
あえて言おう
内容どうこうより長いと!

480:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:17:09 m8FwCeHjO
ちょwww
まんぐりがえってってエロ!!

481:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:17:45 gAYKdkL30
ゲームセンターから感じていた引っ掛かりがほどけていく。
プリクラ、流行の雑貨屋、ネタ系の喫茶店。
まるきりデートコースじゃないか。
そして動物の名前でエントリーするなんて、若い女性と相場が決まっている。
俺は恐る恐る彼女の顔を盗み見たが、その表情からは心中を推し量ることは出来
なかった。
師匠よりもGの多い「ウサギ」のスコアから、いやらしさのようなものを感じて、
思わず目を逸らした。
なんとなく二人とも無言でゲームセンターを後にする。

  心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。

本当に心の準備が要った。
そして俺は、天を仰いだ。
行けと?
ラブホテルへ?
彼女をつれて?
迷いというより、腹立たしさだった。
そんな俺の混乱を知ってか知らずか、彼女は「次はどこ? 行きましょう」と言
うのだ。
行き先を告げないまま、暗澹たる思いで自転車をこぐ。
ホテル街へ踏み入れた時点で、彼女もなにが起こっているかわかっただろう。
近くの駐輪場に自転車をとめて歩く。
彼女は黙ってついてくる。
その名前が、あまり下品ではなかったことなんて、なんの慰めにもならない。あ
っさりと見つけた看板の前で立ち止まって俺は真横に指を伸ばした。

482:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:21:14 gAYKdkL30
「で、入るの?」
いつもと変わらない声色にむしろ緊張してくる。
ジーンズのお尻に挟んで、かなりシワクチャになってきた『追跡』を広げ、「入
ります」と言う。
「でも」と言いかけた俺を引っ張るように彼女は中に入っていった。
俺はこのシチュエーションに心臓をバクバクさせながらもついていく。「205
号室」と俺に言わせ、彼女は手しか見えない人から何かのカードを受け取る。
ズンズンと廊下を進み、部屋番号に明かりの点ったドアを開ける。
入るなり、バサッ、と彼女はベッドにうつ伏せに倒れこんだ。足が疲れた、とい
うようなことを言いながら溜息をついている。
俺はいたたまれなくなって、冗談のつもりで師匠の名前を呼びながらクロゼット
や引き出しを開けていった。
枕元の小箱は、開ける気にならない。
風呂場の扉を開けたとき、一瞬、広い湯船の中に師匠の青白い顔が浮かんでいる
ような錯覚を覚えて眩暈がした。そして湯気のなか、本当に湯が出っぱなしの状
態になっていることに気づき、ゾクリとしながら蛇口を閉めた。
サーッと湯船から水があふれる音がする。少し、綺麗な音だった。
これは掃除担当者の閉め忘れなのか、こういうサービスなのか判断がつかなかっ
たが、少なくともそのどちらかだと思うようにする。
部屋に戻ると、彼女がうつ伏せから仰向けになっていて、ドキッとした。
「手掛かりは?」
「髪の毛です」
風呂場でシャワーのノズルに絡み付いていた、かなり色を抜いてある茶髪をつま
んでみせる。
長い髪だった。


483:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:22:22 gAYKdkL30
そのあと、彼女の言葉はなかったのでそれはゴミ箱に捨てた。
「もう出ましょう。……割り勘で」
そう言いながら彼女は身を起こした。俺が払いますと口にしたくなったが、どう
考えても割り勘がここからのベストの脱出方法だった。
先払いしていた彼女に2分の1を端数まできっちり手渡し、苛立ちと気恥ずかし
さで、俺は(ハイハイ、早くて悪かったね)と頭の中で繰り返しながら彼女より
前を歩いてホテルを出た。
自分でもよくわからないが、どこかにあるだろう監視カメラにぶつけていたのか
も知れない。
ホテル街を抜けてから、『追跡』を開いた。
「次は、レストランに向かったようです」
順番逆だろ、と思いながら言葉を吐き出した。
昼間のうちにホテルなんて、まるで金の無い学生みたいじゃないか。
いや、まさにその金の無い学生なのだった。あの人は。

  レストランまであと50メートルという歩道で、血痕を見つける。

ページの中ほどにその文章を見つけたとき、一瞬足が止まった。そして急いで自
転車に乗り、レストランへの途上で血痕を探した。
あった。
街路樹の間。車道が近い。探さなければきっと見落としていただろうそれは、と
っくに乾いている。
誰の血だ?
周囲を見るが、夕暮れが近づき色褪せたような雑踏にはなんの答えもない。


484:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 21:24:13 gAYKdkL30
ただ、わずか数メートル先から右へ折れる裏道がやけに気になった。車が通れる
幅に加え、すぐにまた直角に折れていて見通しが悪い。人ひとりいなくなるのに、
うってつけの経路じゃないか。
そんな妄想ともつかない言葉が頭の中に浮かぶ。
念のためにレストランまで行き、師匠の人相風体を告げるが店員に覚えているも
のはいなかった。デートはここまでだったらしい。
確かに何かが起きている。
「続きは?」
彼女に促されて、ページをめくる。
「タクシーに乗ります」

  そして俺は、運転手に「人面疽」を知っているかと聞く。

人面疽?
どうしてそんな単語がここで出てくるのか。
困惑しながらも読み進めるが、どうやらこのページはタクシーによる移動の部分
しか書かれていないようだ。風景などの無駄な描写が多い。
俺たちはタクシーを止め、乗り込む。
そして運転手に人面疽を知っているかと聞いてみた。40代がらみのその男は、
「いやだなぁお客さん、怪談話は苦手なんですよ」と言って白い手袋をした左手
を顔の前で振った後、「ジンメンソはよく知りませんけど、こないだお客さんか
ら聞いた話で……」と、妙に嬉しそうにタクシーにまつわる怪談話を滔々としは
じめた。
怪談好きの客と見てとってのサービスなのか、それとも元々そういう話が大好き
なのかわからなかなったが、ともかく彼は延々と喋り続け、俺はなにかそこにヒ
ントが隠れているのかと真剣に聞いていたが、やがて紋切り型のありがちなオチ
ばかり続くのに閉口して深く腰を掛け直した。

485:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:48:37 cpSEbCP60
こりゃまた半端ねぇ長文だこと。
どうせ怖くないだろうから読まないけど、あらすじだけ教えてもらえたら嬉しいな。

486:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:52:51 JDsxJz+YO
アイカゴはこの駄長文についてどう思う?

487:本当にあった怖い名無し
07/09/26 21:59:49 piD4ju6D0
読まずに批判する事ほど愚かなことはない。ほんとに心からそう思う

488:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:02:39 m8FwCeHjO
この長文に対しての感想か…
ただただ乙ってだげね

489:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:06:44 jpYvXCWo0
なんか、最近はウニとかのような自慰作家気取りよりも
アイカゴの方がまともに見えてきた。

まだ、怖い話も読んでるみたいだし。

ウニは人の話も読んでないだろうし、人への受け答えもない。

しかも、怖いものさえ書いてない。アイカゴよりひどいわ

490:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:07:17 gAYKdkL30
タクシーは郊外の道を走る。
降りるべき場所だけはわかっていたので、俺たちは座っているだけで良かった。
「人面疽」とは、体の一部に人間の顔のような出来物が浮かび上がる現象だ。い
や、病気と言っていいのだろうか。オカルト好きなら知っているだろうが、一般
人にはあまり馴染みのない名前だろう。
そういえば、師匠が人面疽について語っていたことがあった気がする。結構最近
のことだったかも知れない。
なにを話していたのだったか。ぎゅっと目を瞑るが、どうしても思い出せない。
隣には膝の上に小さなバッグを乗せた彼女が、どこか暗い表情で窓の外を見ていた。
やがてタクシーは目的地に到着する。周囲はすっかり暗くなっていた。
運賃を二人で払い、車から降りようとすると運転手が急に声を顰めて、「でもお
客さん。どうして気づいたんですか」と言いながら左手の手袋のソロソロとずら
す素振りをみせた。
一瞬俺が息をのむと、すぐに彼は冗談ですよと快活に笑って『空車』の表示を出
しながら車を発進させ、去っていった。
どうやら元々が怪談好きだったらしい。
俺はもう二度と拾わないようにそのタクシーのナンバーを覚えた。
「で、ここからは」
彼女があたりを見る。
公園の入り口付近で、街灯が一つ今にも消えそうに瞬いている。フェンスを風が
揺らす音がかすかに聞こえる。
俺はペンライトをお尻のポケットから出して『追跡』を開く。
いつなんどきあの人が気まぐれを起こすかわからないので、最低限の明かりはで
きるだけ持ち歩くことにしていた。


491:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:08:34 gAYKdkL30
「ここから東へ歩きます」
と言ったものの、二人とも土地勘がなく困ってしまった。近くで周辺の地図を描
いた看板を見つけて、その現在位置からかろうじて方角を割り出す。
ページ内を読み進めると、どうやら廃工場にたどり着くらしい。
顔を上げるが、まだそのシルエットは見えない。川が近いらしく、かすかに湿っ
た風が頬を撫でていく。寒さに上着の襟を直した。

  うしろすがたに会った。

急にこんな一文が出てくる。前後を読んでも、よくわからない。誰かの後ろ姿を
見たということだろうか。
住宅街なのだろうが、寂れていて俺たちの他に人影もない。右手には背の低い雑
草が生い茂る空き地があり、左手には高い塀が続いている。明かりといえば、思い
出したように数十メートル間隔で街灯が立っているだけだ。
その道の向こう側から、誰かの足音が聞こえ始めた。そしてほどなくして、暗闇
の中から中肉中背の男性の背中が現れた。
確かにこちらに向かって歩いて来ているのに、それはどう見ても後ろ姿なのだっ
た。服だけを逆に着ているわけではない。夜にこんなひとけのない場所で、後ろ
向きに歩いている人なんてどう考えてもまともな人間じゃない。
俺は見てみぬ振りをしながら、それをやり過ごそうと道の端に寄って早足で通り
過ぎた。
そして、どんなツラしてるんだとこっそり振り返ってみると、ゾクリと首筋に冷
たいものが走った。
後ろ姿だった。

492:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:10:45 gAYKdkL30
後ろ姿がさっきと同じ歩調で歩き去っていく。横を通り過ぎた一瞬に、向き直っ
たのだろうか。いや、そんな気配はなかった。
足を止める俺に、彼女がどうしたのと訊く。あれを、と震える指先で示すと、彼
女は首を捻って、なに? と言う。
彼女には見えないらしい。
そして俺の視界からも後ろ姿はゆっくりと消えていった。闇の中へと。
『追跡』から読みとる限り、師匠の行く先とは関係がないようだ。あんなサラッ
と読み飛ばせそうな部分だったのに、俺の肝っ玉はすっかり縮み上がってしまった。
廃工場の黒々としたシルエットが目の前に現れた頃にはすっかり足が竦んで、ホ
ントにこんなとこに師匠がいるのかと気弱になってしまっていた。
「で? 工場についたけど」
崩れかけたブロック塀の内側に入り、彼女が振り向く。続きを読めと言っている
のだ。
俺は震える手でペンライトをかざし、ページをめくる。

  呼びかけに答える声を頼りに、奥へと進む。

そのまま読み進め、心の準備云々の一文が無かったので続けてページをめくる。
本当にこれで師匠を見つけられるのだろうか。
俺は恐る恐る工場の敷地に入って行き、師匠の名前を叫んだ。
トタンの波板が風にたわむ音に紛れて、微かな応えが聞こえた気がする。空っぽ
の倉庫をいくつか通り過ぎ、敷地の隅にあったプレハブの前に立つ。
ペンライトのわずかな明かりに照らされて、スプレーやペンキの落書きだらけの
外装が浮かび上がる。その全面に蔦がからみついて、廃棄された物悲しい風情を
醸し出している。


493:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:13:05 gAYKdkL30
小声で、もう一度呼んでみる。
その瞬間、中からガタンという何か金属製のものが倒れる音がして、「ここだ」
という弱々しい声が続く。
蹴られた跡なのか、誰かの足跡だらけの入り口のドアは、すぐ見つかったが、
ドアノブを捻ってみてもやはり鍵が掛かっている。
「無駄だ。あいつら何故か合鍵持ってるんだ」という中からの声に、「裏の窓
から入ればいいんでしょう」と答えると、師匠は少し押し黙ったあと彼女がいる
のかと訊いた。
その通りだと答えたあとで、俺はプレハブの裏に回る。
かなり高い位置に窓はあったが、壁に立てかけられた廃材をなんとか利用してよ
じ登る。割るまでもなく、すでにガラスなど残ってはいない窓から体を滑り込ま
せる。中は暗い。何も見えない。口にくわえたペンライトを下に向けると、なん
とか足場はありそうだ。錆付いたなにかの骨組みを伝って、下に降りる。
ここだという声に、踏み場もないほどプラスティックやら鋼材やらで散らかった
足元に気をつけながら進み、ようやく師匠らしき人影を発見した。
鉄製の柱を抱くように座り込んでいる。
よく見ると、その手には手錠が掛けられている。自分の手と手錠とで柱を巻くよ
うな輪っかを作ることで、自由を奪われているのだ。
顔をライトで照らすと、「眩しい」と言ってすぐに逸らしたが、かなり憔悴して
いることは分かった。そして殴られたような顔の腫れにも気付いた。
「ツルハシみたいのがあるはずです」と言うと、師匠は少し考えるように頭を振
ったあと、「あの辺にあったかな」と部屋の隅を顎で指した。暗くてよく見えな
いので、半ば手探りで探す。錆びてささくれ立った金属片が指に傷をつける。俺
はかまわずに進み、ようやく目的のものを発見した。


494:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:15:41 gAYKdkL30
柱の所に戻り、出来るだけ手を引っ込めておくように指示してから手錠の鎖の部
分に狙いをつける。暗いので、何度も軌道を確認しながら5分の力でツルハシの
先端を打ちつけた。
ゴキンという音とともにパッと火花が散り、師匠から「もう一発」という声がか
かる。
手錠とは言っても所詮安っぽい作りのおもちゃだ。次の一撃で、鎖は完全に千切
れ飛んだ。
「肩、かして」
という師匠を支えながら、出入り口のドアに向かう。
鍵が掛かっていたが、中からは手動で解除できた。
ようやくプレハブの外に出た時には、入ってから20分あまりも経過していたと
思う。
外には彼女が待っていて、師匠は片手を挙げて「いつも、すまん」と言った。
暗くて、彼女の表情までは伺えなかった。
師匠はナンパした女とホテルに行ったまでは良かったが、出てから一緒にレス
トランに向かう途中、偶然その女のオトコに見つかり、逆上したそいつに後ろか
ら鈍器のようなもので殴られて車で連れ去られたのだと言う。
それからこの廃工場を溜まり場にしていたオトコとその仲間たちから殴る蹴るの
暴行を受けた上、手錠をはめられ監禁されてしまったということだった。
俺たちが見つけなければどうなっていたかと思うと、ゾッとしてくる。
「力が入らない」という師匠を背負うような格好で、半分引きずりながら俺はと
にかくこの場を離れようと歩き出した。
熱い。
風邪を引きでもしているのか、師匠の体はかなり熱かった。無理もない。服は奪
われでもしたのか、この寒空の下、ジーンズに長袖のTシャツ1枚という格好だ
った。

495:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:18:54 gAYKdkL30
彼女が上着を脱いで師匠の背中にかぶせる。
俺たちは無言で歩き続けた。どこかタクシーを拾える所まで行かなくてはならな
い。
やがて師匠が熱に浮かされたのか、半分眠りながらうわ言めいたことをぼそぼそ
と繰り返し始めた。
俺は、ともかくこれですべて解決したと安堵しつつも、『追跡』の続きが気にな
っていた。
廃工場についてからの見開き4ページ分で師匠の救出に成功しているにもかかわ
らず、その最後にはこうあったのだ。

  心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。

このあと、いったい何があるというのだろう。
俺は師匠がずり落ちないように苦心しながら片手で『追跡』を取り出して、口に
くわえたペンライトをかざす。
心の準備……
なんのためのだろう。
またドキドキしはじめた心臓を鎮めながら、俺はゆっくりとページをめくた。

  彼がうわ言で女の名前を口にした途端、その背中に鋭利な刃物が突き立った。

ゾクッとした。一瞬歩調が乱れる。
鋭利な刃物。
そんなものがどこから来るのか。


496:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:21:29 gAYKdkL30
決まっている。ここには俺と師匠の他には、あの人しかいない。
コツコツと足音が背後からついてくる。背中の師匠が邪魔で後ろが見えない。
だが、そこにはあの人しかいないじゃないか。
すべてが繋がって来る。
『追跡』の中の主人公は、一人で行動しているように見える。だからこそ現実で
同行すると言い出した彼女の役割はただの観察者に過ぎなかったはずだ。しかし、
妙な引っ掛かりを感じていたのも事実だ。
冒頭のゲームセンターのプリクラ。
これはまだ良い。一人で撮る変わった奴もいるだろう。
雑貨屋やら喫茶店、ボーリング場も一人で入ったって良い。
けれど、ラブホテルだけはどうだ。『追跡』の主人公は果たして一人で部屋に入
ったというのだろうか。
『追跡』は極端に省略された文章を使っているが、もしかすると意図的にもう
一人の同行者の存在を隠していたのかも知れない。
つまり、彼女の役割はイレギュラーな観察者などではなくれっきとした登場人物
なのかも知れないじゃないか。
俺は神経が針金のように研ぎ澄まされていく感覚を覚えた。場所は図らずも、さ
っき"うしろすがた"に会った空き地の前だ。
師匠はむにゃむにゃとうわ言を繰り返している。その言葉は不明瞭でほとんど聞
き取れない。
後ろ頭にかかる師匠の息が熱い。
『追跡』は師匠が刺される場面で唐突に終わっている。
バッドエンドだ。救いなど無い。


497:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:22:26 piD4ju6D0
>>489
一部同意。
師匠シリーズは好きなんだけど、最近は長すぎるんだよな。
いくらでも推敲できると思うのに。

>アイカゴよりひどいわ

これはないわ。こいつのせいで書き手がすっかりいなくなったってのに。
洒落コワが潰れるまで荒らす、と公言してる奴と比べる方がおかしいだろ。

498:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:24:25 gAYKdkL30
彼女は本当にこれに書いた内容を覚えていないのだろうか。この最後のページを
見せないために、順番どおりに読んで行くべきだと言ったんじゃないのか。でも
彼女はいま刃物なんて持ってるのか。いや、小さなバッグがある。そして彼女が
雑貨屋で買ったものはなんだ? 血染めのピコピコハンマーをやめて、最後に選
んだものはなんだった? 
思考と疑惑が頭の中でぐるぐると回る。
足は、なぜか止められない。
彼女は今、後ろでなにをしている?
そして決定的な時がやって来た。師匠のうわ言が一際大きくなり、俺にもはっき
り聞こえる声が、こう言った。
「……綾……」
その瞬間、時間が止まったような錯覚を覚え、俺は自分の心臓の音だけを聞いて
いた。
彼女が、足音を響かせて近づいてくる。
そして、優しい声で言うのだ。
「なあに」
師匠は眠ってしまったようだ。寝息が聞こえてくる。
俺はまだドキドキしている胸を撫で下ろして、師匠がこの状況下で彼女の名前を
呟いたことに不思議な感動を覚えていた。

後日、怪我の治ったという師匠のアパートへ行った。
「迷惑をかけたな。済まなかった」
頭を下げる師匠に、やだなあそんなキャラじゃないでしょと軽口を叩いて部屋に
上がる。
そしてこのあいだの事の顛末を詳しく聞いた。


499:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:25:46 1TX8Dpho0
一応書き終わるまで待つつもりだったが、あまりにも遅すぎる。
この人は何をしているのかねぇ。

500:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:26:18 gAYKdkL30
どうやら師匠は「人面疽がある女」という噂をどこかから聞きつけて、なんとし
ても見たくなったらしく、探し出してナンパしたのだそうだ。
一日でよくもまあホテルまで漕ぎつけたものだ。
「で、あったんですか。人面疽」
「いや、あれはただの火傷の跡だろう」
そしてもう用済みだから、女が行きたがっていたので予約しておいたレストラン
をなんとかキャンセルしてすぐにでも別れられないかと姦計を巡らせていた所、
女の彼氏に出くわしてこんな目にあったということらしい。
「最悪だった」
最悪なのはあんたもだ、と言いたかった。あの事件はある意味当然の天罰だろう。
俺はふと思い出して、昨日気づいたばかりの発見を師匠に披露した。
「『追跡』の作者のペンネーム、カヰ=ロアナークでしたよね」
チラシの裏に、ボールペンで書き付ける。
  KAYI ROANAKU
「たぶん、こう書くんですよ。ロアノーク島の怪をもじるにしても、少し重い感
 じがしたのは、使える文字が決まってたからなんです」
というのは、と続けながら俺はその下に並べて別の名前を書く。
  倉野木綾 KURANOKI AYA
「綾さんの名前です。で、これを両方ともアルファベット順に並び替えると……」
  AAAIKKNORUY
  AAAIKKNORUY
「ね、アナグラムでしょう。これって」
師匠は頷く。
「さらに、綾さんの今のペンネームも同様に」
  茅野歩く KAYANO ARIKU
  ↓
  AAAIKKNORUY


501:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:27:24 Hda7R42B0
師匠シリーズ
創作丸出しの上にシリーズ物かよ

502:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:27:44 14wSNg/x0
ウニさんキター
>>497
そんなこと言うなって
このくらい長くないと師匠シリーズは面白くないから駄目だって

503:追跡 ラスト  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:27:45 gAYKdkL30
「どうです」
自慢げな俺に、師匠はあまり感心した様子も無く、「カヰ=ロアノークをやめた
いから別のを考えてって言われて、こねくり回して今の名前を作ったの、僕だし
ね」と言う。
予想されたことだった。
しかし、この自分的に凄い発見に水を差された気がしてテンションが下がった。
そのせいだろうか、少し意地悪なことを言いたくなった。
「でも、よくあの場面で綾さんの名前を呟きましたね。といっても覚えてないで
 しょうけど」
「違う女の名前を口にしてたら刺されてたって? そんなことで刺されるなら、
 とっくに死んでるって」
ああ、やっぱりこの人はダメだ。
「でも綾さんの予知能力で書かれた、いうならば予言の書にあったんですよ。
 その運命を変える奇跡的な一言だったわけじゃないですか」
「まあしょせん、小説だからなあ」
その小説のおかげで助けられたのは誰だと言いそうになった。
「それにそれを読んでたの、一人だけじゃないわけだし」
何気ない一言に、煙に巻かれたような気分になる。
「どういうことですか」
詰め寄る俺を制しながら、師匠は飄々と言った。
「あの最後のページを読んでた時、僕も後ろで見てたんだよね。背中で。で、こ
 りゃやっべーと思って、やっぱ丸く収まる名前をね」
狸寝入りかこの野郎。
俺はなんだか痛快な気持ちになって、腹の底から笑った。

504:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:30:27 m8FwCeHjO
いや俺と比べるのは別としても
これは酷いと思うよ…

505:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:31:33 Kr1d41Gt0
えっ!?

506:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:32:27 UfNtYw0K0
創作じゃいけないのか?
創作糞とか言ってる奴、テンプレ嫁&他スレ(実話系)池。

ただ、今回のは長すぎて読めねえってのも確か。携帯からなんてありえない
長さだしな。
自分でサイトなりブログなり作ってそこで発表した方が建設的かな、と思えてきた。

507:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:35:17 EWL/HOgC0
まぁ色々言われてるがそんなこと関係ねぇ!
面白かった!

508:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:35:30 WaSm6WyJ0
何、途中まで読んで放置したら未だ続きが・・・

>>506
携帯から読もうと思うのもどうなんだ

509:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:39:49 fzydDGVs0
誰か読んだ人10行ぐらいでまとめて下さい。

510:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:40:19 4kKdEZm/0
約2年ぶりににこのスレ来た。
いつの間にか、創作、体験談論争の決着ついてたんだね。
てか、創作だとわかってても意外に楽しめるもんだな。

511:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:41:43 m8FwCeHjO
まあはしょれば読めないこともないな

512:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:42:57 gAYKdkL30
大学1回生の秋だった。
その頃の僕は以前から自分にあった霊感が、じわじわと染み出すようにその領域
を広げていく感覚を半ば畏れ、また半ばでは身の震えるような妖しい快感を覚え
ていた。
霊感はより強いそれに触れることで、まるで共鳴しあうように研ぎ澄まされるよ
うだ。僕とその人の間には確かにそんな関係性があったのだろう。それは磁石に
触れた鉄が着磁するのにも似ている。その人はそうして僕を引っ張り上げ、また
その不思議な感覚を持て余すことのないように次々と消化すべき対象を与えてく
れた。
信じられないようなものをたくさん見てきた。その中で危険な目にあったことも
数知れない。その頃の僕にはその人のやることすべてが面白半分の不謹慎な行動
に見えもした。しかしまた一方で、時折覗く寂しげな横顔にその不思議な感覚を
共有する仲間を求める孤独な素顔を垣間見ていたような気がする。
もう会えなくなって、夕暮れの交差点、テレビのブラウン管の前、深夜のコンビ
ニの光の中、ふとした時に思い出すその人の顔はいつも暗く沈んでいる。勝手な
感傷だとわかってはいても、そんな時僕は何か大事なものをなくしたような、と
ても悲しい気持ちになるのだった。
「貯水池の幽霊?」
さして面白くもなさそうに胡坐をかいて体を前後左右に揺する。それが師匠の癖
だった。あまり上品とは言えない。
師匠と呼び始めたのはいつからだっただろうか。オカルトの道の上では、何一つ
勝てるものはない。しかし恐れ入ってもいなかった。貶尊あい半ばする微妙な呼
称だったと思う。
「そうです。夕方とか夜中にそこを通ると、時々立ってるんですよ」

513:追跡  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:44:50 gAYKdkL30
その日、僕は師匠の家にお邪魔していた。築何十年なのか聞くのも怖いボロアパ
ートで、家賃は1万円やそこららしい。部屋の中に備え付けの台所から麦茶を沸
かす音がシュンシュンと聞こえている。
「近くに貯水池なんてあったかな」
「いや、ちょっと遠くなんですけど。バイト先からの帰り道なんで」
行きには陽があるせいか出くわしたことはない。
「高校のプール10コ分くらいの面積に、周囲には土の斜面があってその周りを
 ぐるっと囲むようにフェンスがあります。自転車をこぎながらだと貯水池は道
 路から見下ろすような格好になって、行きにはいつもなんとなくフェンスのそば
 に寄って水面を眺めながら通り過ぎてます。それが結構高いフェンスなんです
 けど、帰りにそのこっち側、道路側に時々出るんですよ」
はじめは人がいると思って避けて通ろうとしたのだが、横切る瞬間の嫌な感覚は、
これまで何度も経験した独特のものだった。
それは黒いフードのようなものを頭からかぶっていて男か女かも判然としない。た
だ足元にはいつも水溜りが出来ていて、フードの裾からシトシトと水が滴ってい
る。晴れた日にもだ。
(関わらないほうがいい)
それは信じるべき直感だったが、かといって道を変えるほど素直でもなかった。
それからはバイト帰りには必ず道の反対側を通るようにしている。といっても1車
線の、あまり広いとはいえない道なので嫌が応にも横目で見る形ですれ違うこと
になる。気分が良いはずはない。
一度師匠をけしかけてみようと虫の良いことを思いついたのだが、どうやらあまり
琴線に触れる内容ではなかったようだ。正直に「ナントカシテ」と言うのも情けない。


514:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:46:52 gAYKdkL30
少しがっかりしながら、3回に1回くらいは向こう側に出ることもあると付け加え
た瞬間、師匠の体の揺れがピタリとおさまった。
「なんて言った?」
「いや、だからフェンスのこっち側の時と向こう側の時があるって話です。立ち位
 置が」
師匠は首を捻りながら、へぇえと言った。僕は大学の授業で習っている中国語のピ
ンインのようだと、見当違いなことを思った。第四声だったか。下がって上がるやつ。
「物理的な実体を持たない霊魂にとってフェンスという障害物なんてあってもなく
 ても同じだから、こっちか向こうかなんて大した違いはなさそうに思えるかも知
 れないけど……実体を持たないからこそ"ウチ"か"ソト"かっていうのは不可逆的
 な要素なんだ。場についてる霊にとっては特にね」
だから地縛霊って言うんだ。
師匠はようやく乗り気になったようで、声のトーンが上がってきた。
「なにかあるね」
体の揺れの代わりに、左目の下を触る癖が顔を出した。そこには薄っすらとした
切り傷の跡がある。興奮してきた時にはなぜか少し痒くなるらしい。何の傷かは
知らない。
じっと見ていた僕に気づいて、師匠は「嫁にもらってくれるか」と冗談めかして
言う。
とにかく、その貯水池に夜になったら行ってみようということになった。
しかし僕にとっては思った通りの展開だと、手放しで喜ぶわけにはいかない。な
にか得体の知れない不気味な気配が、貯水池の幽霊の話から漂い始めているよう
な気がしていた。


515:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:47:07 Kr1d41Gt0
>>513
おい、タイトル、タイトル

516:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:48:06 gAYKdkL30
そのあと、師匠が作った夕飯のご相伴に預かったのだが、これが酷い代物で、な
にしろ500グラム100円のパスタ麺を茹でてその上に何かの試供品でもらっ
たという聞いたこともないフリカケをかけただけという、料理とも言えないよう
なものだった。
毎日こんなものを食べてるんですか、と訊くと「今はダイエット中だから」とい
う真贋つきかねる回答。
家賃も安いし、一体何に金をつかっているのやら、と余計な詮索をせざるを得な
かった。
あっという間に食べ終わってしまい、師匠は水っ腹でも張らすつもりなのか麦茶
をがぶ飲みし、トイレが近くなったようだった。
「僕もトイレ借ります」
と言って、戻ってきた師匠と入れ違いに部屋を出る。このクラスのアパートだと
トイレは普通、共有なのだろうがなぜかここには専用のトイレがある。ただし一
度玄関から外に出ないと行けないという欠陥を持っていた。生意気に洋式ではあ
ったが、これがおもちゃのようなプラスチック製で、なるほどダイエットでもし
ていないといつかぶち壊れそうな普請だった。
便座を上げて用を足しながら(冬は外に出たくないだろうなあ)と、すでに秋も
半ばというほのかな肌寒さにしばし思いを馳せた。
戻ってくると、師匠が上着をまとって「さあ行くか」と立ち上がった。
「雨、降りそうですよ」
「うん。車で行こう」
師匠の軽四に乗り込んだ時には、日はすっかり暮れていた。そして走り出して1
00メートルと行かないうちにフロントガラスを雨の粒が叩き始める。
「稲川淳二でも聞こう」


517:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:50:01 fzydDGVs0
こんなもんハナクソやで

518:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:50:59 gAYKdkL30
カーステレオからカツゼツの悪い声が流れてくる。師匠は完全に稲川淳二をギャ
グとしてとらえていて、気分が沈みがちな時にはその怪談話をケラケラ笑いなが
ら聞き流してドライブするというのが常だった。
僕はその頃まだ稲川淳二を笑えるほどスレてはいなく、その独特の口調による怪
異の描写に少しゾクゾクしながら助手席で大人しくなっていた。
雨の降り続く中を車は走り、やがて貯水池のある道路にさしかかった。
師匠はギアを2速に落とし、2メートルあまりの高さのフェンスを左手に見なが
らそろそろと進む。
雨が車の窓やボンネットに跳ねる音と、ワイパーがガラスを擦るキュッキュッ、と
いう音がやけに大きく響き、僕は少し心細くなってきた。
「あれかな」
師匠の声に視線を上げると、車のライトに反射する雨粒の向こうに人影らしきもの
が見えた。だんだんと近づくにつれ、それがフェンスの向こう側にいることに気
づく。近くに民家もなく、人通りもない。そこに雨の中、まして夜に一人で貯水
池に佇んでいる人影が、まともな人間だとは思えない。少なくとも僕の良く知る
世界のおいては。
さらにスピードを落として車は進む。そしてあと10メートルという距離に来た
時、意表を突かれることが起こった。
そのフードをすっぽりとかぶった人影が、右手を挙げたのである。
まるで「乗せてくれ」と言いたいかのように。
僕の知る世界において馴染みのある仕草に一瞬混乱し、次に起こった思いは「乗
せてあげないといけない」という至極当然の人間心理だった。
雨の中、困っている人がいたらたとえタクシーでなくとも乗せてあげるだろう?
その、一見すると正しいように見える着想は、口にしたとたん次の瞬間師匠の一言
に掻き消された。


519:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:51:03 m8FwCeHjO
おいタイトル指摘されてシカトかい!!

520:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:52:11 4kKdEZm/0
>>509
師匠、人面疽見たさに女ナンパしてホテルへ。んで、その女の連れに監禁される。
主人公と師匠の彼女(綾)が失踪した師匠を予知夢を元にした小説を読みながら追跡。
途中の雑貨屋で彼女ナイフ購入(一応設定では不明)
師匠発見、救出。公園で師匠睡眠。
小説通りなら、ならここで師匠が別の女の名前をつぶやき彼女に刺されるはずが、
師匠は「綾」とつぶやきハッピーエンド。
後に、そのとき師匠が起きてて機転を利かせたと暴露。終了。

521:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:52:20 gAYKdkL30
「あれはヤバイ」
緊迫した声だった。
クラッチを踏んで、バックするべきか、刹那の迷いのあとで師匠の足は全開でア
クセルを踏み込んでいた。
背もたれに押し付けられるような加速に息を詰まらせ、心臓がしゃっくりあげる。
「どうしたんですか」
ようやくそれだけを言うと、助手席の窓から右手を挙げたままの黒い人影がフェ
ンスの向こうに立っている姿が一瞬見えて、そしてすぐに後方へ飛び去って行っ
た。顔も見えない相手と、なぜか目が合ったような気がした。
「雨に濡れて途方にくれてるヒトが、なんでフェンスの向こう側にいるんだ」
人間じゃないんだよ!
そんな言葉が師匠の口から迸った。
フェンスは高い。上部には鉄条網もついている。そして貯水池に勝手に入り込め
ないように、唯一の出入り口は錠前に固く閉ざされている。
その向こう側に、車に乗せて欲しい人がいるはずは、確かにないのだった。
そんな当然の思考を鈍らされ、僕一人ならそのまま確実に心の隙につけこまれ
ていた。
ゾッとする思いで、呆然と前方を見るほかはなかった。しかしすぐに気を奮い立
たせ、後ろを振り返る。リアウインドの向こうは暗い闇に閉ざされ、もう何も見
えない。そう思った瞬間に、なんとも言えない悪寒が背筋を走り、視線が後部座
席のシートにゆっくりと落ちた。
表面が水で濡れて、かすかに光って見える。
女が忽然と車中から消える、濡れ女という怪談が頭をよぎり、つい最近読んだの
はあれは遠藤周作の話だったかと思考が巡りそうになったが、脊髄反射的に出た
自分の叫び声に我に返る。
「乗せてなんかいないのに!」


522:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:52:41 gsqu77blO
アド欄!アド欄!

523:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:54:23 gAYKdkL30
僕の言葉に、師匠も首を捻って後部座席を一瞥する。そして、ダッシュボードから
雑巾を取り出したかと思うとこちらに放り、「拭いといて」と言った。
唖然としかけたがすぐに理性が反応し、座席を倒して腫れ物に触るような手つき
で後部座席のシートの水を拭き取ると、師匠の顔を見て頷くのを確認してから手
動でくるくるとウインドガラスを下げ、開く時間も惜しんでわずかな隙間から外
へとその雑巾を投げ捨てた。
まだ心臓がドキドキしている。
手についた少量の水分を、おぞましい物であるかのようにジーンズの腿に擦り付
ける。
車は、すでに対向車のある広い道に出ている。それでも嫌な感覚は消えない。動
悸が早くなったせいか、車のフロントガラスが曇りはじめた。
「これはちょっと凄いな」
師匠の口調は、すでに冷静なものに戻っている。しかし、その言葉の向かう先を見
て、僕の心臓は再び悲鳴をあげる。
フロントガラス一面に、手の平の跡が浮かび上がって来たのである。
外側ではない。ワイパーが動いている。
内側なのだ。
フロントガラスの内側を撫でると皮脂がつくのか、そのままでは何も見えないが、
曇り始めたとたんにその形が浮かび上がって来ることがある。
まさにそれが今起こっている。
けれど、やはり僕らは乗せてなんかいないのだった。貯水池の幽霊なんかを。
師匠は自分の服の袖で正面のガラスを、一面の手の平の跡を拭きながら、「やっぱ
り捨てなきゃ良かったかな、雑巾」と言った。


524:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:55:51 m8FwCeHjO
おい!アド欄指摘されてシカトかい!

525:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:57:47 fzydDGVs0
おどやん!おどやん!

526:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:57:47 gAYKdkL30
「じゃああれは、その母親の霊ですか」
「たぶんね」
では何故迷い出てきたのだろう。
「死にたくなかったからじゃないか」
師匠は言う。
死にたくはないけれど、死ななくてはならないと思いつめていた。その死にたく
ないという思いを押さえ込むための重しが、服に詰めた赤ん坊の死体であり石だっ
た。そしてそれは死んだのちも、この世に惑う足枷となっている……
「フェンスのウチかソトか、っていうのはそのアンヴィヴァレントな不安定さの
 せいだね。乗せてくれという右手と、乗ってはいけないというフェンスの内側
 という立ち位置」
「車に乗せてたら成仏してたわけですか」
「さあ」
乗せてみたらわかるんじゃないかな……
師匠の言葉はどうしてこんなに蠱惑的なのか。僕はもう今夜呼び出された目的を理
解していた。
「じゃあ行こうか」
師匠が車のキーと金属バットを持って立ち上がる。
いくらなんでもそれは、職質されたらまずいですよ、と言う僕に師匠は「野球好き
に見えないかな」と冗談めかし、「鏡を見て言ってください」と返したが、そもそ
もそういう問題なのかという気がして、「なんの役に立つんですか」と重ねるも、
「防犯」というシンプルな答え。
もういいや、なんでも。
僕も覚悟を決めて師匠の車に乗り込んだ。今日は雨が降っていない。


527:本当にあった怖い名無し
07/09/26 22:58:00 EWL/HOgC0
おっちょこちょいのウニ萌えwww


528:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 22:59:17 gAYKdkL30
「稲川淳二でも聞こう」
夜のドライブにはやはりこのBGMしかない。僕もすでに洗脳されつつあるらしい。
「あの手の平。フロントガラスの。あれ、2種類あったよね」
「え?」
「いや、気づいてないならいい」
師匠はあの異常な状況下でも、ガラスに浮かび上がった手の平の形を冷静に判別
していたのだろうか。
「それって、どういう……」と問いかけた僕に、淳二トークのツボに入った師匠
の笑い声がかぶさり、そのままなおざりにされてしまった。
車は前回と同じ道をひた走り、同じルートで貯水池へアプローチを始めた。
今夜は視界が良い。月も出ている。
同じ場所から減速をはじめ、師匠は「今日も出るかな」と言いながらハンドルを
ソロソロと操作する。
いた。
黒いフード。夜陰になお暗い、この世のものではない儚げな存在感。
その姿はまた今度もフェンスの内側にあった。そして右手を挙げている。
緊張が高まってくる。
車はその目前で停まり、エンジンをかけたまま師匠が降りる。慌てて僕もシート
ベルトを外す。
師匠がフェンスの格子越しに黒い影と向かい合っている。
手には金属バット。空には月。
「乗る?」
あまりに直截すぎて、間が抜けて聞こえるが、師匠は師匠なりに緊張しているの
が声の震えで分かる。
土の上に、なにか重いものが落ちる音がした。

529:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 23:00:19 gAYKdkL30
フードの足もとに滴る水に混じって、黒い石が落下している。右手は挙げたままだ。
一度は遁走した霊を相手に、もう一度近づくだけならまだしも車に乗るように語
り掛けるなんて、正気の沙汰ではない。
黒い影から石が落ちるのが止まった。
風が凪いだような空白の時間があった。
しかし次の瞬間、貯水池の水面がさざめいたかと思うと、なにか小さい黒いもの
が水の中から斜面に這い上がり、あっという間もなく黒いフードの影の背後から
その足元に絡み付いた。
息をのむ僕の目の前で、黒い影が斜面を引きずられるようにして貯水池の方に引
っ張られていく。挙げていた右手がそのまま、まるで助けを求めるようにこちら
に突き出されている。
そして音もなく影は暗い水の中に引きずり込まれていき、気がついた時には微かな
波紋が月の光に淡く残るだけだった。
静寂が訪れる。
僕らはフェンスに掻きつくように近づく。しかし、目の前には何事もないただの
夜の貯水池の静かな情景が月明かりの下に広がっているだけだった。
僕の肺は急に小さくなってしまったようだ。息が、苦しい。
やがて師匠が口を開いた。
「フロントガラスの手の平は、大きい手と小さい手と二通りあった。多分小さい
方が心中で先に殺された赤ん坊のものだろう」
母親の魂がこの世界を離れるのを、あの赤ん坊が留めているんだな。死んだ後も、
その重石としての役割を果たして。
師匠の言葉に、さっき見た小さい黒いものが赤ん坊の姿かたちをしていたような
イメージが脳裏をよぎる。
では、あの二人はこの貯水池に永遠に縛られたままなのか。

530:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 23:01:32 gAYKdkL30
その絶望的な想像に、僕はしゃがみこんだ。俯いて地面だけを見ている。
師匠は何を考えているのだろう。
僕には分からない心中という道を選んだ母親の心を想像しているのだろうか。
少し、寒くなってきた。車から、つけっぱなしの稲川淳二の声が微かに流れてくる。
師匠はそれが聞こえていたのか、ふいにクスッと笑うと踵を返して「バッテリー
があがる。帰ろう」と言った。
師匠の、フェンスを握っていた指が離れたのか、カシャンという音が響き、僕も
我に返って振り向きながら立ち上がった。その次の瞬間。
目の前に、壁があることに気がついた。
いびつな菱形をした金網の格子。それが僕の体にぶつかったのだ。
格子の向こうには、車のライトとそこへ歩いてく師匠の背中がある。
鳥肌が全身に立つ。心臓が早鐘のように鳴る。
いつの間に、僕は、フェンスの内側にいたのか。
「師匠ーっ!」
格子に指をかけながら、思い切り叫んだ。
その瞬間、師匠は振り返り、目を剥いて僕を見た。
「いつの間に中に入った」
自然、声が大きい。
入ってなんかいない。どうやってこの鉄条網つきの高いフェンスの内側に入れる
というのか。……けれど確かにここはフェンスの内側なのだ。
ばちゃん。
という音がして、背後を見た。
貯水池の黒々とした水面に、なにか手のようなものが突き出されている。それが
地面を掴み、ヌルヌル光る泥のようなものを纏いながら這い上がろうとしていた。


531:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:02:58 m8FwCeHjO
おい!おどやん指摘されてんのにシカトかよ!…ん?

532:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:04:00 9fq7Nm3B0

この長文の連続投稿は荒らしですか?

533:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:04:31 btycTlUD0
>>532
その通り。

534:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:05:02 m8FwCeHjO
おいウニ荒らすなや!

535:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 23:05:08 gAYKdkL30
「退いてろ」
という声とともに、師匠の金属バットがフェンスを殴打する。
しかし小さな火花が散っただけで、衝撃は波のように左右へ広がるだけだった。
べちゃんべちゃんという気持ちの悪い音が地面を叩き、小さくて黒いものが斜面
をよじ登ってくる。
「出入り口は!」
「反対側です」
心臓が止まりそうな恐怖を味わいながらも、僕は正確に答えた。
「でも金属の鍵が掛かってます」
「フェンスの下を掘れないか」
「無理そうです」
師匠の舌打ちが聞こえた。
サッと走り去る気配。
僕はくだけそうになる足腰を、かろうじて支えながら貯水池に正対した。斜面に
泥の跡を残しながら、小さくて黒いものがこちらに這って来ている。黒いフード
の人影にはあった、わずかなヒトの意思というものが、この小さい黒いものから
は一切感じられない。
ただ、怖いもの。危険なもの。嫌なもの。そして絶対に助からないもの。
水面から続く泥の筋が、まるで臍の緒のように伸びている。
僕は混乱する頭で、なにをするべきか考えた。
母親の魂が救われる手助けをしようとしたから、こうなったのか。
だったら、もうそんなことはしないということを伝えなければ。
そう思っても、その小さくて黒いものに向かうと何故か声が掠れて出てこないの
だった。


536:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:05:31 piD4ju6D0
ウニ ウニ
ワロス

537:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 23:06:27 gAYKdkL30
貯水池のまわりを走り回って逃げる?
閉じられたフェンスの囲いの中でずっとそうしてるというのか。
僕は心が折れていくのを感じていた。
ジーンズのお尻が冷たい土の感触にふれ、(ああ僕はもう座り込むしかないんだ
な)と現実から乖離したような思考がふわふわと漂った。
次の瞬間、轟音がした。
タイヤがアスファルトを引っ掻く音とともに、車のフロントがフェンスに突っ込
んできた。
金属の焦げたような匂いがして、フェンスが風を孕んだように大きくひしゃげて
いる。たわんだ金網の破れ目から何かを叫びながら師匠が手を伸ばした。
僕はその瞬間に立ち上がり、金属の鋭利な突起に服を引っ掛けながらも脱出する
ことに成功する。
すぐに車はタイヤをすり減らしながら、強引にバックで金網から抜け出し、僕を助
手席に乗せて走り出した。
後ろは振り返らなかった。
そのわずかな間に色々なことを考えたと思う。でももう覚えていない。
そして僕は助かった。
師匠のアパートに戻ってきた時、鍵も掛けてないドアをあっさりと捻ると、なぜ
だか笑いが込み上げてきた。
このオカルト道の先達にとって、本当に怖いものは鍵など通用しない存在なのだ
と、今さらながら気づいたのだ。ドアはドアでありさえすればよく、鍵は緊急時
の自分の行動を制限してしまうだけなのだと。


538:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:07:02 m8FwCeHjO
ウニってネーミングセンス0だなw

539:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:07:33 piD4ju6D0
>>532-534
一番質悪い

540:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 23:08:28 gAYKdkL30
「怖い目に遭わせたなぁ」
部屋の電気をつけながら、師匠はあまり済まなそうでもなく言う。
「ちびりました」
僕の言葉に、師匠は「男物の下着はないぞ」と嫌な顔をした。
冗談ですよと返しながら、僕は車のことを謝った。フロントに傷がついてしまった
はずだ。それよりも、あの破壊したフェンス……
「なんとでもなる」
そんなことより、スパゲティの残りを食うかと言って、師匠はあと200グラム
ほど残った束をほぐし始めた。
「ダイエットじゃないんですか」
と声を掛けると、「パワー不足を痛感した」と言って後ろも見ずに壁に立てかけ
た金属バットを指さす。
「防犯なら、それよりもボディーガードを置きませんか」
僕なりに、真剣な意味を込めて言ったつもりだった。
それが伝わったのか、師匠は台所からきちんとこちらに振り向いて、「さっきの
霊が背中にくっついて来てるのに気づかないやつには無理だな」と言った。
僕は悲鳴を挙げて、飛び上がった。
「ウソだウソ」
笑う師匠。

541:本当にあった怖い名無し
07/09/26 23:08:30 m8FwCeHjO
なにウニって?
どこから名前が来たの?
海からナンチテwwww

542:貯水池  ◆oJUBn2VTGE
07/09/26 23:11:02 gAYKdkL30
ウソと笑える神経が分からない。服の内側、背中一面に泥がついている。なぜ気
づかなかったのか。血の凍るような恐怖を感じながら、僕は背中に手をやって悶
え続ける。金属バットに足が当たって、ガランという音を立てる。
ウソだよウソ……
師匠の声が、ぐるぐると回る。
「このクソ女!」
確か、そう叫んだはずだ。その時の僕は。

師匠の、長い話が終わった。
大学1回生の冬の始めだった。
俺はオカルト道の師匠のアパートで、彼の思い出話を聞いていた。
「これがその時の、バットでついた傷。まったく、ただの泥にえらい醜態だった」
そう言って壁の削れたような跡を指さす。
俺はまるでデジャヴのような感覚を覚えていた。
「まるで今の俺みたいですね」
師匠も1回生の頃は、そんな情けない青年だったのか。今からたった4,5年前
の話なのに。
「情けなかったとも思わないけどなぁ。あの人みたいな化け物と一緒にされると、
 そう聞こえるかも知れないけど」
師匠の師匠、当時大学院生だったという女性は加奈子さんといったそうだ。
彼女がいなくなったあと、師匠は空き部屋になった彼女の部屋に移り住んだらしい。
つまり今のこの部屋だ。



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