07/08/30 14:44:17 ARVM7moR0
次の日の夜、母親からそのオヤジの息子が死んだと聞かされた。
「風呂で溺れたらしいって・・」近所の人から聞いた母親が
そう言った。俺は背筋がゾッとした・・。
「明日、通夜やけど、お前どうする?」
行くのが正直怖くなった俺は「お母さんだけで、いってきてよ。俺
出掛けるから・・」
次の日、近所の手前家にいるのに行かないわけにいかないので、
仕事が終わったあと友人と食事に行って時間を潰すことにした。
夜中の12時頃まで、遊んできたのだが、家に着いた時は1時近くだった。
車から降りて、ロックしたところで、後ろをみるとオヤジがいた・・・
心臓がとまりそうだった。
「こんばんは」とオヤジ。
「この度はご愁傷さまです・・」俺は何とか声にだした。
「遅くまで、大変やな~。これじゃあ通夜も来てもらえんわな」
「すみません・・・」
「明日の葬式には来てやってくれるんやろ?アイツも最後のお別れやし、
来てくれたら、安心すると思うんや。」変に饒舌で気持ち悪かった
「いえ、明日は人が少なくて、どうしても休みが取れなかったので、
すみません・・」
「そうか~しゃあないわな~。仕事は大事やからな~。ほんま何が起こるか
わからんわ!こないだまで元気にしよったんやからな~。まあアイツも長生き
しても人様に迷惑かけるばっかりで、これでよかったんかもしれん。」
初めてこのオヤジの笑顔をみた。俺は頭をさげるだけだった。