07/09/09 11:42:09 lQkVUN1z0
関係ないかもしれないが
山岸涼子という漫画家(『日出処の天子』の作者)は
『鬼』という作品も書いている。
今手元にその漫画がないので細かくは忘れたが
岩手のあるところで天保の大飢饉の際に
村の子供たちを口減らしのために何名かまとめて
手にかけて殺すのはためらわれるので、殺さずに
深く深く掘った縦穴に落とす。そして穴に蓋をしてしまった。
親たちはこらえてくれ、成仏してくれ、許してくれといいつつ
穴の中から聞こえるうめき声を土をかぶせて聞いて聞かぬ振りをして放置
中で子供たちは一人死に、二人死に、
空腹と恐ろしさに発狂する子供も出てきて、やがて死体を食うようになる
最後に残った子供は真っ暗闇と極限の空腹から自分が死んだことに気が付かず
魂だけになっても飢餓感と孤独感に囚われたままで成仏できず
自分たちの埋められた穴に通りかかる女性を母親と勘違いして抱きついてしまう
抱きつかれた女や子供はほぼ餓鬼のようになった埋められた子供に触れたせいで
子供を埋めなくなったり、死んだりする
という話だった。
このコトリバコの話を見ているとどうしてもこの話を思い出してしまう。
子供たちが落とされた穴が巨大なコトリバコのように思えるんだと思う。
そしてまんま人間版の蟲毒だよな。
山岸涼子氏はこれまでも伝記や事実に基づいた物語をアレンジして
漫画にするということが多い人だから、おそらくこの話も
元ネタというかある一定の事実が合ったんだろうと推測される。
この人肉を食って生き延びた最後の子供が自分が死んで鬼になっていることに
気が付かず、たださびしい、おなかが減ったという気持ちのままに
人に害をなしてしまうのがなんともリアルで悲しい。