07/07/12 00:13:38 yM+omGYv0
深夜、2階の自室で眠っていた私は、
階下の妙な物音に気付いてふと目が覚めた。
「玄関から誰か入って来た・・・?」
そう思った瞬間、バクバクと鼓動が早まった。
夕方見たニュースが頭をよぎる。
(殺人犯、近辺に潜伏中か?捜査大詰め段階)
急に脇の下に冷たい汗が流れるのを感じた。
幸い、侵入者はまだ1階にいるらしい。
「早く逃げなきゃ!」
恐怖のために固まった体を必死で動かし、
物音を立てないよう静かに窓辺へと向かった。
忍び足で階段を登ってくる気配がする。
侵入者はもうすぐそこまで迫っているのだ。
私は窓から屋根に降り、ジリジリと遠ざかる。
屋根の縁に手を着き、庭へ足が届いた時、
真上にある私の部屋の電気がパッと付いた。
「ヤバイ!」
私はもう無我夢中で庭を抜け、夜の街を走った。
あの時、逃げるのが少し遅れていたらと思うと、
いまだに背筋が寒くなる思いだ。
少なくとも今のこの生活はなかっただろう。