07/08/23 21:19:01 Og9LAbz2O
>>231
続けざまに当たり障りの無い質問が続き、俺は当たり障り無く、答えるように務めた。答えながら、冷静さを取り戻していった。
お盆休み中に、別な世界にトリップして、ケガを負ってきた。とか、カオス理論と事件だとか、幽霊が見えて、それらは電気的な物に近く同状態のLPTで消去可能だとか、神と神が対立している。とか
超古代文明の二つの大陸と前世の記憶とか。その頃からずっと、存在している神秘主義の組織の存在とか。
そんな､キーワードを口にしたら､間違い無く俺はアウトだ。
冗談で言えるなら、まだ会話に花が咲くかもしれないが､これが大真面目だとしたら、大問題である｡
いつだって、それらは病院送りの理屈だ。
かつて、ガリレオが地球は丸いと言って拷問を受けたように。
カウンセリングはにこやかな雰囲気の中で進んでいた。
｢じゃあねぇ、カタトニアって、言葉だけど〇〇くんは､そういう分野にも明るいの？｡｣
表面だけで語り、内側では違う事を考えながら、質問を受けていたが､その言葉一つで、二面性、二重性が統一されて、自身に還る｡
今朝、ロッカーで先輩は一語一句、しっかりと聞いていたようだった。
カタトニア…｡
｢これって、精神医学で使われる言葉だけど…｡｣先生は未だににこやかな笑みを浮かべていた。裏を返しても単なる質問の一つだろう。
｢…精神疾患による運動性障害の事ですね。｣
俺は一つトーンを下げて、答えた｡
｢うん。そうなんだけど､詳しくは、動きの中で行きつ戻りつを繰り返したり､一連の動作の途中で、次の動きが止まる事を言うの。｣