07/06/07 01:47:27 IJWGgSQI0
871 :本当にあった怖い名無し [] :2007/03/17(土) 15:47:02 ID:l1nd34560
あるところに一匹の黒蛇がいました。ある日、黒蛇が餌を探しに山麓に降りて行くと、小さな神社の
境内から、ウサギとリスの賑やかな会話が聞こえてきました。
「今年は日照で村の水が枯れそうだったけれど、龍神様が雨を降らせてくれた。龍神様のおかげだ」
「うちの村では、山で道に迷った村の子等を、天狗様が道を開いて救ってくれたよ。天狗様も偉い」
ウサギとリスが口々に龍と天狗を褒め称えるのを聞いて、黒蛇は悔しくなりました。
「龍と天狗、あいつらさえいなくなれば・・・・・・」そのとき黒蛇はある光景を思い出しました。
それは神社で手を合わせる老人の姿でした。「生かしてくれてありがとうございます」
次の日黒蛇が神社に行くと、ウサギが龍神に祈っていました。そこで黒蛇はこう話しかけました。
「龍神はみんな神様のところに行ったよ。龍神がいた世界も消滅するから、龍神に祈っても無駄だよ」
しばらくすると、リスが現れて天狗に祈りを捧げました。再び黒蛇は話しかけました。
「天狗は幽界の存在だよ。幽界と感応すると魂を食われるよ。それに幽界はもうじき消滅するから、天狗に祈っても無駄だよ」
ウサギとリスは頭を抱え、互いにこれからどうすればいいか悩みはじめました。
黒蛇はいいました。「生かしてくれてありがとうございますと、何でもすべて感謝すればいいよ。ご利益をもらう秘訣だよ」
ウサギとリスはわかったと安心して帰っていきました。