07/07/31 20:47:46 DZflSdLCO
この頃になると、俺の人生は完全に夢の方に支配されていた。
起きていてもなんとなくそっちの事を考えてしまうし
少し時間があればすぐに眠りこけてしまった。
そのくせいつでも寝不足のように顔色が優れず
げっそりとしていた。
流石に自分がメンヘラになったか、
もしくは悪霊にとりつかれたのではないかと
不安になったりもしたが、
ここまで関わってしまった以上途中で夢から逃げるのは
卑怯な気がして、何の対策もたてないでいた。
次のトップをめぐって、残された重臣二人が争うのは必至だった。
俺達はその準備や領地内の混乱の収束に追われて
相変わらず忙しい日が続いた。
そして俺が体調を悪くして(夢の中なのに)寝込んでいるうちに
ついに直接対決となってしまった。
戦況はこちらの劣勢だったが、むこうの方が
これ以上の混乱と犠牲をさけるため、と手を引き
戦いは集結した
その戦いで、息子が死んだ。
立派な最期だったと、ありきたりな文句を呆然と聞いた。
多勢に無勢で散々な戦いで、亡骸は殆どが判別不明だったという。
だが息子には手に幼い頃の腕白でつくった火傷跡があったため
切り落とされた手のみが彼のものと判別でき、持ちかえられてきた。