前世の記憶がある人集合その2at OCCULT
前世の記憶がある人集合その2 - 暇つぶし2ch242:99 197
07/06/21 03:32:20 xuPWJU4qO
>>241
彼女の真っ直ぐな目に、耐えられず、目を逸らす。
「あなたの書いた文を読んだわ。力強くて、繊細。文字にも個性があるように、文章にも個性はある。文字は荒削りでいて、光ってた。」
見習いは愚か、一人前の彫文師でさえ、個人の刻印を残すには、王族の後ろ盾が必要だ。
「星の動きと物事の関連性や、数字と世相の関連性を書いたのはあなたでしょ。すごい興味深かったわ。」
俺は頷き、しばし、彼女を見つめる。
「どんな人が書いているんだろうと思って、隠れて覗いていたの。文字の形や、文章ですぐ、誰が誰だかわかったわ。一番、寡黙にひたすら、打ち込んでいるあなただった。」
彼女の人を魅了する目に、閉じ込められて、体が動かない。目を逸らす勇気が欲しい。
「君の将来の夢は?」
真剣な表情が緩み、少女の笑みに戻る。
「たくさんの装飾品を作って、売ってみたいなあ。それから、歌や踊り、演劇もしてみたい。」
君ならすぐにでも、どれでも実現するだろう。と口にしようとして、押し留めて、笑った。彼女もニコッと笑い、もう少し、貝殻探してくるね。と言って、浜辺を駆けていく。
しばらく、後ろで見守っていた母親がそばによってきて、俺の隣りに腰掛ける。
俺は振り向きもせずに、海と彼女を見続ける。
二人は同じ物を見てる。
「あなたの師は、とても素晴らしい方ね。今日は来てくれてありがとう。」
俺は黙って聞いている。「主人と娘には、話さないから、会って、ちゃんと話してくれ。とあなたの師に言われたわ。」
海の風、磯の香りが心地良い。
「何で、俺を海の中に、産み落としたか、聞こうか。」
打ち寄せる波の音。周りが二人の会話を聞いているようだった。



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