前世の記憶がある人集合その2at OCCULT
前世の記憶がある人集合その2 - 暇つぶし2ch237:99 197
07/06/21 00:03:49 MSeXXYF2O
>>233
そんなある日、若い彫文師の見習いの間で、絶世の美女がいると話題になった。
噂には聞いていたが、海沿いの通りにある鍛冶屋の娘が、何でも大層な美人だという。
ある若い彫文師が、石版に文字を刻む為の道具を鍛え直してほしいと、持って行った所、小麦色の肌をした長い黒髪の長身の美人が店番をしていた。
魅惑的な黒い瞳に、一目惚れしてしまい、たちまち他の若い連中にも、噂が噂を呼び、広まっていった。
今日の仕事は、王が決めた国の方針と、行事の予定という簡単な仕事だったが、今日も若い彫文師と見習いは、海沿いの鍛冶屋の娘の話題で持ち切りである。
「あそこの鍛冶屋のおやじが、もらった嫁さんも、美人だぜ。色が白くて、黒髪で、目は緑なんだ。娘もいいが、母親もそそる。」
仕事の間中、ずっと、そんな話題が続いていた。
俺は仕事に集中していたが、男である以上、聞こえていない訳では無い。
夕方、仕事を終え、道具を手入れし、袋に入れる。後片付けが終わるまで、師は離れて待つ。
俺は重い工具を背負い、師へ駆け寄る。
「師匠。あの…、工具を見たら、結構、摩耗が酷かったんです。鍛え直せば、文字を掘るのも、効率的になると思うんですが…。」
どれ、見せてみろ。と師が言い、袋から出した工具の刃先を確認し、
「…家で研げば、まだ十分だろう。文字を打つのに、鋭さは必要ない。大事なのは打つ手の方だ。」
と言って、袋に入れ直し、投げてよこす。
「試しに…、試しに鍛え直してみませんか? 一本だけでもいいので…」
食い下がるように師に頼み込む。師はその間中、怪訝な目で、俺を見つめる。
「なら、一本だけだ。…お前の報酬から引いとくからな。」



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