△▲▲猫だけにみえるもの・20▲▲△at OCCULT
△▲▲猫だけにみえるもの・20▲▲△ - 暇つぶし2ch280:99 197
07/05/21 21:31:30 QaYjJk+eO
夕食を終え、軒先でタバコをくゆらせていると、一匹の猫が、家の庭を横切って、てくてくと歩いていく。
トラのようなしま模様の割と大きな猫だ。
こちらの気配を感じ、一瞬、立ち止まり、一瞬だけこちらに顔を向かせる。
妖しく目が輝いて、短く鳴き声を上げる。
そして、またてくてくと歩いていく。
夜の散歩だな…。
冬になると、よく車のボンネットに足跡をつける。
猫は、夜の散歩が好きだ。お気に入りの散歩コースが決まっている…。
デジャヴを見ているようだった。
大好きだった今は亡き、祖母と夕食が終わると、軒先に座って、夜空を見ながら、たくさんの事を話した。
「猫は、黄泉の国の仲介人で、夜の散歩が好きだ。お気に入りの散歩コースが決まっている。死んだ人の霊魂の通り道を歩くか。
猫が歩いた道を霊魂が追うのか。」
と話してくれた。
隣で座る俺は、こう言った。
「決まってないよ。あっちこっちに、帰る場所がなくて、困ったり、意地悪な奴もいるよ。」
すると、祖母は
「お前は、よく見えるんだねぇ~」
と言って、背中をさすってくれた。
「でも、あの猫は、いつも家の前の同じ所を通るね。きっと、お気に入りのコースなんだね。」
と言って、笑った。
祖母も笑った。
今、現在、さっき、家の庭を通り過ぎた猫は、子どもの頃に見た猫とよく、似ていた。





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