07/05/03 05:15:44 xVozUWi+0
・平成16年に全国で初めて「日本語教育特区」に認定された東京都世田谷区。今年
4月から、すべての区立小中学校で新たな教科「日本語」の授業が始まった。
総合的な学習の時間などを活用し、小学校は週に1時間、中学校は週2時間のペースで
授業を行い、深く物事を考える力や日本の伝統文化を理解して大切にする心などを育成する。
中でも最も重視するのは語彙の習得だ。小学校の授業は古典を中心に据えている。例えば、
小2の教科書には、李白の漢詩「静夜思」や論語を原文のまま掲載している。
「音読して作品本来のリズムを体感してもらう。たとえ意味はわからなくても、幼いうちから
多くの文字に触れることが、後の語彙力アップにつながる」(教育指導課長)という理由からだ。
小学校で基本的な語彙力を育成したうえで、中学校では表現力にも磨きをかける。9マスの
○×ゲームの説明書を作る-そんな授業も予定しているという。
世田谷区の若井田教育長は「母国語である日本語はあらゆる学習の基盤となるもの。外国語で
会話ができても、結局は日本の伝統や文化の中身(知識)が問われるのではないか」と話す。
OECDの学習到達度調査によると、日本の15歳生徒の「読解力」は、40カ国・地域のうち
14位と、前回調査(12年、8位)から大きく順位を下げた。点数の下落幅が各国の中で最大
だったことも、教育関係者に衝撃を与え、議論の的になった。
乏しい語彙力が読解力の低下を招いているのではないか。そんな悪循環に歯止めをかけようと
日本語教育に力を入れ始める自治体が相次いでいる。
兵庫県伊丹市は昨年度から小学校の授業に「ことば科」を取り入れた。「昔の子供に比べて
使える言葉の数が減っている」と市教委。小学5年と中学2年を対象に一昨年行った学力
テストで、記述式の問題をすべて空欄で提出した児童・生徒の割合が2割強を占めたことを
見かねた措置だ。授業では、俳句や古典、詩、落語、創作劇といった日本語の題材を取り
上げ、音読や暗唱を通してことばの美しさやおもしろさを学ばせる。市内11の
小学校で導入しており、来年度には全市立小学校に広げる計画という。
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