07/04/03 02:07:40 LUthtziZ0
翌日、友人数人を誘ってS宅に向かった。
死んでいたら最後に会った俺が疑われるだろう。
妙に現実的な事を考えながら友人達に先を譲る。
やはり鍵は開いていた。
先に入ったやつが呼びかけているが返事は無いようだ。
上がるぞ、と声をかけて上がりこんでもまだ俺は部屋の外にいた。
「S!おいS!?」
慌てた声に、やはり・・・と溜息が出た。
自業自得とはいえ、最後まで面倒に巻き込まれてしまった。
「おい、なんだよコイツどうしちゃったんだよ。おい、俺が分かるか?」
様子がおかしい。どうも死体を見つけた雰囲気ではない。
覚悟を決めて部屋に入ると、友人達に囲まれてヘラヘラと笑い続けるSがいた。
目の焦点があっていない。
頭からグッショリと水を被ったように濡れている。
「シッカリしろ、S!」
ヒヒヒ、と壊れたSは笑い続けるばかりだった。
呆然と立ち尽くす俺の背後に、また生臭い匂いの気配が立った。
「ありがとうねぇ」
俺は、この一件依頼、海にも沼にもプールにも近づけなくなってしまった。