07/03/29 15:44:41 RJO9BJ3Y0
その後。
アキバはオオサキ氏に正式なお祓いを依頼したが、彼いわく、
「依頼をされればやるが、それは一時凌ぎにすぎないし。報酬ももらわなければならない。
それより、一日も早く土地を元に近いように復旧して、根本的に解決させることが重要。
今では昔の風習が無くなっているのですから、元の仕組みを復活させれば“ごうち”はその
役割を終えて普通の土地に戻るはず。それなりの年月は必要だとは思いますが」
結果的に、土地を改良するといっても、役所の認可など様々な手続きがあるうえ、工事にも
時間がかかるので、アキバはお祓いを頼み、その後根本的な対処を行うことになった。
また、お祓いを頼んだのはオオサキ・ウエノ両氏へのお礼の意味でもあった。
お祓いは、オオサキ氏が主導して、ウエノさんが補佐という形で行われた。なぜかオオツカ氏
も「お手伝い」として参加している。役に立ったのだろうか…?
また、ギャラリーにはカンダ婆さんも現れた。そして、その後の土地改良計画を聞いて、
「これで私も安心して死ねる」と笑った。
蛇足ではあるが、この後、オオツカ氏がオオサキ氏に弟子入りを願い出て、オオサキ氏は断る
のに難儀したらしい。
土地の改良は、町とも相談した結果、アキバ、カンダ婆さん、シブヤ氏をはじめとする地元の
古くからの住人の一部が出資し、水路を戻し、木を植え、小さな公園と合わせて親水公園のよ
うなものとして、それを町に寄付する形になった。
水路は多くの部分が暗渠となったが、オオサキ氏によればさほど問題はないだろうとのこと。
ただし「ごうち」であった部分はビオトープのようなものにして、自然保護を理由に立ち入り
禁止とした。
それは、その後1年のうちに行われた。
そして、それから約2年が過ぎましたが、人型の分譲区画で自然死以外での死亡は
発生していません。偶然といってしまえばそれまでですが、やはり怖かった・・・
(なお、人物はすべて仮名です。分かった方もいるとは思いますが、山手線の駅名から
拝借しました。またアルファベットも頭文字や関係のある文字ではありません)