前世物語 弐at OCCULT
前世物語 弐 - 暇つぶし2ch46:本当にあった怖い名無し
07/03/09 00:37:58 TbvB4ywd0
URLリンク(www.amazon.co.jp)
ここにいろんな前世出てた。結構おもしろかった。

47:自夜
07/03/09 11:05:41 Prxlt0kD0
見る、見えるというのは、脳がそういう反応をするということです。見えるものがあるとかないとかは、
脳の反応そのものにとっては知ったこっちゃありません
実際にあるものが見えるのを実像、そうでないものを虚像とすると、虚像を作る虚情報の進入口はいろいろ
考えられます。目の外もあるでしょうし、目の中でもいいです。網膜に直接関与してもいいし、網膜と脳
の間の神経でもかまいません。脳そのものでも構わないと思います
この中で、目の外からというのは、目の外に何らかのからくりがあるということで、そのからくりに対し
ては幽霊がそこにいるっていう仮定の場合と同様ですんで、除外しましょう
残りは全てそこにはいない幽霊が見えるというものの仮説になりえます
その中でも一例として目の中を虚情報の進入口とした場合について考察していきます
虚情報の種類もいろいろ考えられるでしょうが、ここでは単純に光るおよび光を吸収することを考えます
光ると言っても目玉の中心で光った場合は全体的に明るく感じるだけでしょうから、なんらかの像を見るため
には網膜に近いところで光る必要があります。光を吸収する場合でも同様ですね
そして、網膜に極近いところで、極限られた視細胞のみが受感する程度に光れば、あるいは光を吸収すれば、
それは光の点、あるいは黒い点として見えるでしょう
そういう現象をある程度の範囲で起こせば、鮮明な虚像を見せることができます
そこまで網膜に近づくことが出来なければ、像はどうしてもぼやけてしまいます
どうでしょう。幽霊がはっきり見える、ぼやけて見える、輪郭がはっきりしない、すーっと消える、透けて
見える、透けてない。どの現象もうまく説明できると思いませんか

48:自夜
07/03/09 11:08:14 Prxlt0kD0
前世物語 第二部乱世編 第十七話 町並 その一

町では銭が使える。
町にある寺のなんとかという行事で賑わっていたが、早々に宿を決める。
宿は相部屋があたりまえであったが、奮発して一部屋を借りた。最近では
裕福な商人も多く、町人姿で部屋を借りても怪しまれるほど珍しくは無い。
宿に僅かばかりの荷物を預け、私達はとりあえず、なんとかという行事を
やっている寺の参拝に出かける。特に仏に信心のない私達であったが、こ
の時期に町に来て参拝もしないとなると、怪しまれる。寺の様子も実際に
見ておかなければ、何かの話題で馬脚を顕してしまう。
おにちゃは手を合わせ、目を瞑って拝んだ。その姿は堂々としていて、ま
るでさむらいが必勝祈願に来たようだ。私は手を合わせたが、夕餉は何が
食べられるのだろうかなどと罰当たりなこと考えていた。
参拝が終わると、私達は出店をひやかしながらそぞろ歩きをする。
櫛や飾り物をしきりに奨めるが、私には興味がない。興味はないが、町娘
がその手の物に興味がないのも不自然なので、適当に相づちを打ったりす
る。おにちゃも旦那旦那と呼びかけられながら、道具や小物を奨められた
りしていたが、興味がないものはないという態度を崩さない。

つづく

49:自夜
07/03/09 11:10:49 Prxlt0kD0
前世物語 第二部乱世編 第十七話 町並 その二

散々出店をひやかしたあげく、私は小物を入れる小さな袋を買った。おに
ちゃは、そんなもの何時でも作れる、と嗤った。
おにちゃは鉋や鑿、竹の蔓を締め付ける鉤、そして上等の砥石を買った。
「刃物は何回でも研ぎ直せる。砥石は削れる一方だ。だから砥石はいいも
 のにしなければならない」
おにちゃは今のおにちゃが町人であることをすっかり忘れている。
宿でも飯は出るが、夕餉は外の飯屋で摂ることにする。
町では銭があれば、何でも手にはいる。
「酒」
おにちゃは店に入るなりそういう。まるでさむらいが町人にいう口調。
私は不安になり見回したが、既に店にいる客も店主も気にした様子はない。
「それに、肴。何がある」
おにちゃは椅子に腰掛けた。無意識に右手が腰のあたりをおよぐ。
「へぇ、鯵か鰯の干したの、すずしろの煮たのと菜の漬け物、値は張りま
 すが猪か穴熊の汁なんかが今宵のおすすめで」
「せ・・、私には鯵とすずしろの菜を。ちびはどうする」

つづく

50:本当にあった怖い名無し
07/03/09 11:10:51 8iQb/qAR0
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
 

51:自夜
07/03/09 11:13:09 Prxlt0kD0
前世物語 第二部乱世編 第十七話 町並 その三

私は店に掲げられた品書きに見とれていた。
「汁にするか。穴熊がいいか」
穴熊は私達もよく捕るが、猪ともなると、なかなか捕れないし、捕っても
大きすぎて処理に困る。だから、私達は普段は猪は捕らない。
「猪がいい」
「おやじ、猪の汁だ。二人分、鍋にしてくれ。飯はいらん」
「へ、へい」
おにちゃは私も酒を呑むものと決めつけている。店をざっと見渡したが、
男ばかり。こんなところで町娘が呑んでいいものだろうか。
まだ明るいが、店は賑わっている。せいぜい二十人くらいしか座れない小
さな店だが、空席は僅かである。
男達は酒を飲み、肴をつまみながら楽しそうに仲間内で話している。町人
ばかり。いや、一番奥で年増が独りで手酌で呑んでいる。そうか、女が独
りで呑んでも誰も気にしないのか。私は気が楽になる。
店主が酒を運んできた。
「おやじ、椀は二つだ」

第十八話へつづく

52:本当にあった怖い名無し
07/03/09 11:14:05 8iQb/qAR0
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
                              
 

53: target="_blank">>>218さんのおっしゃる通り、物語だけが良いなら創作系板か避難所に移動ですよ。



54:自夜
07/03/28 18:32:45 nviY2P5/0
まぁ、次スレのスレタイは、まだ先の話しなんで、ゆっくり考えます

それまでは従来通り、第二部と幽霊談義をここで連載、楽しい妖怪ライフ等は
Web Site の方のみに掲載していきますので、それはそれとして、前世・幽霊・妖怪
についてまったりでも殺伐でもいいですけど、ごゆるりとご歓談下さいです

明日(三月二十九日木曜日)は物語の方は勝手ながらお休みします

55:自夜
07/03/28 18:41:04 nviY2P5/0
前世物語 第二部乱世編 第三十二話 攪乱 その一

とにかく三日間は正面の攪乱に努める。山向こうの部隊が浮き足立つよう
であれば、そこから脱出する。山向こうが動かなければ、正面から脱出す
る。
「小屋正面以外には手を出すな。放っとかれれば、相手は余計なことを考
 える。それがこちらの付け入る隙だ」
脱出後、落ち合う場所の確認だけ行い、おにちゃと私は別れた。
小屋に戻ることはない。幸い今年作った果酒は飲み干している。未練はな
い。
命が無事であれば、何回でもやり直せる。それが、長年の経験でおにちゃ
が身につけたもの。そして私がおにちゃから教わったもの。
私は森中を慎重に進み、小屋の見えるところまで出た。相手はまだ隠れた
つもりになっている。まず、見えるところに敵を出さなければいけない。
小屋は一見何事もないように立っている。既に一通りは詮索されたのだろ
う。何もなくて、さぞ気落ちしたことだろう。
私は小石を拾い集め、懐に入れる。そして、髪の毛を数本千切り、拳大の
石に結びつけ、木立の生え具合を測った。

つづく

56:自夜
07/03/28 18:44:46 nviY2P5/0
前世物語 第二部乱世編 第三十二話 攪乱 その二

髪の毛を端を持ち、石を回す。あまり強く回すと音が出る。あまり弱いと
小屋まで届かない。小屋まで五六十間くらいか。頃合いを見て、髪の毛を
手放す。石が音もなく、飛んでいく。
私は傍らの木に登り始めた。暫くして、石が小屋の屋根に当たる。ちょう
ど屋根の上の錘石の縁にあたり、石は屋根をはね回り大きな音を立てる。
私は木の途中で小屋の方を伺う。案の定、小屋の中で騒動が起こっている
気配。一人の雑兵が入り口から外を伺う。きっと、私達が小屋にはいるの
を待ち伏せていたのであろう。
木の枝振りのいい高さに落ち着き、目を閉じる。動揺の気配。小屋の外。
あの草むらの中、あっちの藪の中。
私は枝伝いに木を移動する。慎重に、音を立てないように。
何も急ぐことはない。これからこの辺りは真の闇に向かう。闇は人に恐怖
を与える。それに小石でほんのちょいと後押しすればいい。
おにちゃの気配は近くにない。おそらく最前線の小屋の辺りの部隊と本体
と思しき正面の部隊の間の伝令を待ち伏せしているのだろう。
情報の途絶は恐怖を倍にする。

つづく

57:自夜
07/03/28 18:47:32 nviY2P5/0
前世物語 第二部乱世編 第三十二話 攪乱 その三

最初の動揺は収まった。私は手を出さない。おそらく先ほどの音の原因に
は思い至ってないだろう。疑問は時間と共に不安に変わる。その不安が大
きくなり、行動に出る直前、私は小石を投げる。
今度は屋根の上で小さな音。だが、小屋の中の騒動は先ほどと比べものに
ならないくらい大きい。悲鳴さえ聞こえる。
たまらず、雑兵が一人小屋から飛び出す。草むらから侍が飛び出し、雑兵
を叱責する。
雑兵は渋々小屋に戻り、侍は草むらに戻る。
もう隠れなくていい。あなた達の企ては露見した。
私はゆっくり草むらの侍の方に移動する。小石を四つ手に持つ。
草むらの侍の背後に小石を落とす。侍がビクッとする。二つ目の小石、一
間ほどずらして落とす。侍が振り向く。侍は音がした方を凝視する。その
目線から外れてまた一間先に小石を落とす。侍はすぐさま目線を移す。
侍の右手が刀の柄にかかり、音の方へ躙り寄る。
最後の小石を更に一間先に落とす。その先には別の侍が潜んでいる。
「でやぁぁぁ!」

第三十三話へつづく

58:Trader@Live!
07/03/29 10:18:23 rVC6Av4nO
スレタイを変更されると見つけづらくなるから勘弁して欲しいな
どうせ二部で完結か、続いてもその後の自夜編の第三部で完結でしょ?
終わりは見えてるし、スレタイはこのままで良くね?

オカルトなおばちゃんの戯言を、生温かい目で見守るスレ進行が俺の希望w

59:本当にあった怖い名無し
07/03/29 13:48:22 WiWqB/x/0
>>224
俺もそれでいいや。
たまーにちょこちょこレスつけつつまったり見てるのがいい。

60:自夜
07/03/30 18:29:09 9IJ/Kepm0
あのねぇ、おばちゃんじゃなく、おねいさ・・・・・・いえ、何でもありません
楽しみ方はそれぞれですので、好きに楽しんでいって下さい

えっと、明日の土曜日はこれないかもしれません。明後日の日曜日はこれませんです

61:自夜
07/03/30 18:32:17 9IJ/Kepm0
前世物語 第二部乱世編 第三十三話 相討 その一

侍が刀を抜き、草むらに斬りかかる。
がきん。鋼と鋼がぶつかる音、悲鳴、喧噪。
私は懐の小石を他の侍共が隠れていると思しき藪に、林に、そして小屋の
屋根に投げる。
広がる喧噪、そして明らかに肉を断ち切る音。
「ぎゃぁぁぁ」
「静まれ、静まれ」
頭格の侍が小屋の前に顕れ叱責する。もう影でしかない。
徐々に静まる喧噪。
「集まれ」
わらわらと小屋から、草むらから、藪から出てくる。ざっと三十人。半分
は雑兵。
怪我人は腕をやられたようだ。雑兵の一人が手当をする。
侍が数人小声で相談する。二人一組で付近を捜索することに決めたようだ。
残りは小屋の前で円陣を組み、守りの姿勢。
捜索組が私の木の元を通る。無駄無駄。そんな所には野鼠一匹いない。

つづく

62:自夜
07/03/30 18:34:14 9IJ/Kepm0
前世物語 第二部乱世編 第三十三話 相討 その三

酒をぐいと呑み、乾肉をいくつか取る。洞窟の中は心地よいが、出口を塞
がれると万事休す。私は洞窟を出て山の峰に向かう。肌寒いが、四方に視
界が開けている方が安心できる。
峰に着き、適当に下草で塒を作り、横になる。
星空を見上げながら、乾肉を囓る。酒も持ってくればよかった。
小屋の連中はさぞかし腹を空かせ、喉を渇かし、不安に震えているだろう。
伝令はまだか、本隊からの指示はまだか、交代はまだか、いつまで張り付
いていなければならないのか。
小屋の連中は長持ちすまい。さて、本隊はどう動くか、山向こうの部隊は
どう動くか。
なるようにしかならない。そう思うと、気が楽になり、私は眠りに落ちた。
翌、暗いうちに目を覚まし、昨夜の残りの乾肉を食べる。
山向こうは変化はない。私は小屋に引き返す。
再び木に登り、小屋に近づく。再び侍共が小屋の前で相談している。
雑兵共は寝穢くへばり込んでいる。一睡も出来なかったのだろう、皆、動
きが不自然だ。

第三十四話へつづく

63:自夜
07/03/30 18:37:51 9IJ/Kepm0
前世物語 第二部乱世編 第三十三話 相討 その二

この暗さではたとえ見上げても私を見ることはない。そこまで気が回らな
いのか、二人とも上を見ようとしない。
小一時間の捜索が空振りに終わり、捜索組が円陣に加わる。再び相談。
伝令を出して、再度待ち伏せ態勢を採ることに決したようだ。
約半分が小屋に入り、残りが草むらに隠れ、一人が小屋を後にする。
怪我人は小屋に引き入れられたようだ。
連中は糧食を持っていただろうか。雑兵はいくらかは持っていただろう。
侍はどうか、持っていなかったに違いない。いずれにしても、煮炊きせず
に喰えるものはさほどなかろう。そして、小屋の中には僅かしか食料はな
い。水も酒も知れた量。
暗闇でも目を閉じて、気配を探る。伝令の気配。孤独、不安。そして、唐
突に消えた。
連中の飢えに付き合う義理はない。私は用心深く木の上を移動し、小屋か
ら充分離れたところで降りる。
食料庫の洞窟に遠くから石を投げ入れた上で気配を探る。何もない。
乾肉が幾つかと、酒が少々無くなっている。おにちゃだ。

つづく

64:自夜
07/03/30 18:40:47 9IJ/Kepm0
嗚呼、ついにやってしまった。お間抜けな私をどうぞ罵って下さい

その上で、

>>227
>>229
>>228

の順番でお読み下さい。うつだしのうもういっかい・・・

65:本当にあった怖い名無し
07/03/30 18:44:20 0khnKxxz0
>>230
おばちゃんどんまいw

66:本当にあった怖い名無し
07/03/30 23:08:02 p0y29N0YO
なんべん死んでもいいけど続きは書いてね、おばちゃ…
お・ね・い・さ・んw

30代なのに孫が産まれてお婆ちゃんになったうちの会社の人を
何故か思い出したw

67:自夜
07/04/02 19:37:49 hzUsxIvD0
今度死ぬと多分消えちゃいますので、とりあえず死ぬのはやめました
仮に生まれ変わっても連載再開が数百年後になっちゃうでしょうし・・・

>>231さん
ありがとうさんです

>>232さん
私の同い年でも本当のおばぁちゃんはちらほらいますねぇ
まだ未通女もいますが

68:自夜
07/04/02 23:03:45 hzUsxIvD0
前世物語 第二部乱世編 第三十四話 仕掛 その一

ひぃふぅみぃよぉ、私は頭数を数える。昨夜より二三人少ない。いずれも
伝令に出されて戻らなかったのだろう。
暫くすると侍が雑兵達を纏めている。本隊に引き上げることに意を決した
ようだ。賢明。
周囲が明るくなり、部隊は出発した。怪我人も一緒。
充分に時間をかけ、気配を探った後、私は木を降り、小屋に近づく。
罠。これは猪罠と同じ構造のもの。うっかり踏むと、鋼の歯が足を銜える。
上手く隠したつもりだろうが、土の色の違いで判る。私は罠を土から取り
だし、少しずらしておく。元会った場所は元通りに違う土の色にし、新し
い場所は、簡単には見つからないように土を被せる。
小屋の入り口に仕掛けられているのは鹿罠。入り口に近づくと、矢が飛び
出す仕掛け。罠はそのままに、引き金となる糸を入り口の反対側にも張る。
小屋の周りの木々にも矢を仕掛けていく。立木の様子が変わるが気付くだ
ろうか、多分気付かないだろう。
小屋の中にも仕掛けを作る。木の枝と町人娘の着物で人気を作る。そして
囲炉裏に最後の仕掛け。

つづく

69:自夜
07/04/02 23:07:42 hzUsxIvD0
前世物語 第二部乱世編 第三十四話 仕掛 その二

私の仕掛けで何人か死ぬだろう。直接人を殺めたことはないが、殺らなけ
れば殺られる。躊躇することはない。
足跡を残さないよう小屋を後にした頃、遠くで悲鳴が聞こえた。
おにちゃは人を斬るのに躊躇うことがあるのだろうか。
一旦本隊とは反対方向の谷に降り、沢伝いに移動する。水音は足音を消し、
足跡を消す。私は周囲にのみ気を配りながら進む。
かなり下って、徐に谷から出、尾根を目指す。尾根の向こうは本隊が布陣
しているはず。
尾根に着く。いるいる。うじゃうじゃと。かなりの大部隊。
周囲に目を配る。およそ半里先の谷、何人かが倒れている。おにちゃは思っ
たより敵の本隊近くで猟をしていたようだ。本隊に近づき安心したところ
を襲いかかる。理にはかなっているが、危険でもある。
本隊は目立った動きは見せていないものの、混乱している様子が判る。
おにちゃが討ち漏らした兵が帰隊したのだろう。討ち漏らした?ちがう。
わざと幾人かを逃がしたのだ。
私達の目的は、殺戮ではない。

つづく

70:自夜
07/04/02 23:10:33 hzUsxIvD0
前世物語 第二部乱世編 第三十四話 仕掛 その三

本隊に直接手を出すのはまだ先。それまでに、私は尾根で弓矢作りをする。
狩猟用に即席で作る弓は小振りだが、それでは届かない。私は立木をその
まま利用して大振りの弓を作る。
矢は木の枝を削って作る。鏃が欲しいところだが、小石で代用する。
午の刻を回るころには相当数の矢も出来た。
私は小屋から持ち出した乾飯を直接囓る。旨くはないが、腹には貯まる。
極微かな地響きを感じ、私は小屋の方を見る。微かな煙が上がる。本隊か
らは尾根が邪魔で見えないはずだ。
交代で出された部隊が何人かは知らないが、何人かは小屋めがけて飛ぶ矢
に射抜かれ、何人かは猪罠で身動き出来ず、最後の仕掛けの恐怖を味わっ
ただろう。
最後の仕掛け。そう。囲炉裏に吊した鍋一杯に入れた燃える石の粉。紐に
引かれ、残り火の上にぶちまけられる多量の粉は、まるで蒙古が使ったと
いう砲のように周囲をはじき飛ばして燃える。
南蛮から渡来した鉄砲に使う火薬もそうだと聞く。
乾飯を食べ終えた私は塒を作り、躰を休めて目を閉じた。

第三十五話へつづく

71:本当にあった怖い名無し
07/04/03 02:35:35 Fbv7JZVm0
>>233
>まだ未通女もいますが
その未通女の今世物語もおながいします

72:本当にあった怖い名無し
07/04/03 08:58:39 LhwcUg+eO
>>237
会社行って仕事
帰宅して就寝
会社行って仕事
帰宅して(ry

73:本当にあった怖い名無し
07/04/03 14:07:54 /WnibRaX0
>>233
>今度死ぬと多分消えちゃいますので

前世の話をしながら「消えちゃいます」と発言するのは矛盾があります
人が死んだら消滅するのか転生するのかはっきりしてください

74:本当にあった怖い名無し
07/04/03 14:37:22 WgvryMMW0
>>239
横レスですが、消えるというのは幽霊さんから見た現象で、
実際には霊界に行くのだと思いますよ。そこで輪廻転生の
準備にはいるのだと思う。
幽霊さんからは、ただ消え去ったように見えるのでしょう。

75:本当にあった怖い名無し
07/04/03 15:28:29 qAPxzpWx0
自夜さんの話では
・死んで成仏せずまた生まれ変わる(現世→現世)パターン
・死んで成仏して新しく生まれ変わる(現世→あの世→現世)パターン
があるように思われる。
今回の「今度死んだら~」は
下のパターンになっちゃうってことなんだろう。

76:自夜
07/04/03 18:53:05 Q31qwNrH0
>>237さん
本人に確認してみました。本名が出なければ書いてもいいそうです
にちゃんで、と言った瞬間に絶交を言い渡されてしまいました    おろおろ

>>238さん
とある名家のお嬢さんでした・・・じゃなかった・・・です
仕事はされてますが、私ら庶民のように通勤しなくてもいいご身分です

ちょっとしか、羨ましくありません

77:自夜
07/04/03 19:04:45 Q31qwNrH0
>>239さん、>>240さん、>>241さん
まとめてレスで済みません

・死んで幽霊になるのは全体の一厘くらい(人の場合で)
・死んで幽霊にならなければ、所謂思念若しくは魂は消える
・幽霊から転生するのは半分くらい、転生しなければいずれ消える
・転生はともかく、「輪廻」「成仏」「あの世」はない

まぁ、既に何回か書いてきたことですけどね
あと、ついでに言えば、転生で記憶などの転写が完全に行われるとは限らない、ですか

78:本当にあった怖い名無し
07/04/03 21:15:14 qAPxzpWx0
>>243
消える=現世からの消失=あの世へ
という訳ではないのか。
幽霊→転生(→場合によっては繰り返し)→消える=あの世と
死(→幽霊)→消える=あの世
の2パターンあるもんなんだと思ってたよ。

79:自夜
07/04/03 21:40:31 Q31qwNrH0
>>244さん
宗教的、というより、人文科学的な意味でのあの世の存在は否定しませんがね
まぁ、それが宗教であったり、哲学であったり、心理学であったり、民俗学であったり
は人によるんでしょうけど

私は経験上、幽霊や転生、思念の消失などは自然科学の範囲でとらえています
その意味では消失した思念の行き先としてのあの世は定義できても、あの世に
逝ってしまった思念はこの世に帰ってきませんので、存在確認不可能、すなわち
ないのと一緒です

私の事例では幽霊時代の記憶と転生まで約二百年の空白があるわけですが、この空白期間
をあの世(霊界)での転生準備期間と説明する方もいましたが、実は転生するまでは元気に
幽霊やってたのが、転生する際に記憶の転送が完全に行われず、約二百年分の記憶が消えて
しまったと考える方が私にはしっくりきます

ぷっつり途切れているんですよね。私の幽霊時代の記憶。映画が途中で止まったみたいに
他の幽霊さんが消えたり転生したりする場面にも幾度も立ち会いましたが、そういう記憶
が私の場合にはないんです

80:自夜
07/04/03 22:51:56 Q31qwNrH0
前世物語 第二部乱世編 第三十五話 夜襲 その一

夢を見ていたような気がする。どんな夢だかはよくは覚えていない。
夢の中で、私は平凡な百姓娘で、村の優男に憧れを抱いていた。
目が覚めると空は夕暮れ。そして、平凡な百姓娘ではないことを思い出す。
尾根から本隊の様子をうかがう。小屋での異変は気付いていないようだ。
昼間作った弓矢の具合を確かめ、私は暗くなるのを待つ。
鎮西八郎為朝は三人張の弓で数里先を射抜いたというが、私にそんな力は
ない。それでも立木の弓をいいことに、全身の力を込めて矢を引き斜め上
に放つ。矢はひゅんと音をたて、星空に消えていく。
耳を澄ましていると、暫く経って矢が着地する音が聞こえる。かなり奥手
の方だが、陣内についたようだ。
それでいい。斜め上に放たれた矢は真っ逆さまに落ちる。何処から飛んで
きたか判らない。
先ほどより心持ち上向きに二矢目を放つ。雑兵の群れの側にでも落ちたの
だろう、ざわめきが感じられる。続けて三矢目、四矢目。そして五矢目。
鏃代わりの小石が頭蓋を砕く音。陣内は騒然となる。
更に五矢、違う場所に打ち込む。残念ながら、直撃はない。

つづく

81:自夜
07/04/03 22:54:54 Q31qwNrH0
前世物語 第二部乱世編 第三十五話 夜襲 その二

陣内は蜂の巣をつついたような騒ぎ。こうなっては暗闇はますます騒ぎを
大きくする。たまらず幾つか松明に火がともされる、が、火は格好の的に
なると悟ったか、すぐに消されるものもある。
安心していい。弓は尾根の反対側で直接は狙えないし、それほど立派な弓
矢じゃない。その代わり陣内からは見えないし、何処に矢が落ちるか判ら
ない。
騒ぎが陣内全体に広がった頃、私は更に三本の矢を放つ。その内の一本が
鋼に当たる。兜にでも当たったか。この落差だ。無事では済まない。
案の定、騒ぎが更に大きくなる。
びしゅっ、鏃が肉を射抜く音。私の矢ではない。おにちゃだ。
何処かは判らないが、おにちゃが矢を射ている。おそらくどこかの食料庫
の洞穴に隠していた弓矢を使っているのだろう。
私はその矢に呼応するように、更に矢を放つ。
半刻も経たないうちに、矢が尽きた。おにちゃの矢も尽きたようだ。
だが、充分だ。陣内の混乱は当分収まりそうにない。
私は弓を分解し、谷に降りた。

つづく

82:自夜
07/04/03 22:58:30 Q31qwNrH0
前世物語 第二部乱世編 第三十五話 夜襲 その三

沢伝いに登り、小屋を目指す。小屋に近づいて、驚いた。
地形が変わっている。
かつて小屋があった場所を中心に、下草が、灌木が、侍共が外になぎ払わ
れ、小屋の辺りは穴になっているようだ。小屋は跡形もない。
燃える石の粉に火薬と同じ程度の威力があるのか。
火薬を作るには炭、硫黄、硝石が要るという。硝石はこの国では採れない。
全て南蛮から運び込むものと聞いている。
硝石を使わない火薬。私は初めて侍共の真剣さが判ったような気がする。
侍共に生きているものはいない。皆、ぼろぼろになり倒れている。
中には矢が刺さったままの者もいる。
これだけ大きく変わっていると、小屋の跡を簡単に偽装するわけにもいか
ない。私は諦めて立ち去りかけ、小屋から少し離れた木立に上半身もたれ
かかった屍の異様さに気が付いた。
頸がない。いや、目をこらすと傍らに頸が落ちている。
暗がりの中、近寄って切断面を調べる。明らかに刀傷。
おにちゃだ。おにちゃが斬ったんだ。

第三十六話へつづく

83:本当にあった怖い名無し
07/04/04 10:43:22 yzFiANMU0
>>245
一つ聞いていいですよね?
自然科学の範囲で無いものをどう捉えるの?
自分で結論として無いのと同義であると書いているように思えるのですが・・・。
もし、私の国語力に問題があった場合は遠慮なく指摘してください。

84:自夜
07/04/04 12:54:46 /Fq378Cy0
>>249さん
えっと、「あの世」についてでいいんですかね
質問の意図が判りかねるところもありますが、「あの世」のことのつもりで回答します

問:自然科学の範囲で無いものをどう捉えるの?
答:自然科学の範囲かどうかの検討がまず必要でしょう
 一、幽霊になることの検討
  私の場合は生前の記憶と幽霊の記憶は連続して存在します
  また、生命体が死ぬ時に消えてしまう場合も幽霊になる場合も目撃していますし、
  生まれたての幽霊とのコンタクトもしています
  従って、現代の自然科学で全て説明可能かどうかは抜きにして、幽霊になる、即ち
  生命体が死ぬ際に生命体の中にあった思念(若しくは魂などと表現されるもの、以下略)
  が生命体から離れ継続して存在するという現象は実際に存在する現象であり、
  自然科学の範囲です
  死ぬ時に消えてしまう、即ち、生命体が死ぬ際に生命体の中にあった思念が生命体から
  離れた後、継続して存在することが出来ずに放散してしまう現象も実際に存在する現象
  であり、自然科学の範囲です
 二、転生の検討
  私は幽霊が転生する場面も目撃しています。また、転生後の生命体が確かに前世の記憶
  をなんらかの形で持っていることも目撃という形で確かめています
  従って、転生する、すなわち幽霊として存続していた思念が生命体の中に記憶として転写
  されるという現象は実際に存在する現象であり、自然科学の範囲です

つづく

85:自夜
07/04/04 12:56:33 /Fq378Cy0
つづき

 三、幽霊が消えることの検討
  幽霊の形で存続していた思念は転生の際にその存続を維持できなくなり放散する現象、また
  転生しなくてもある期間幽霊の形で存続していた思念もやがてその存続を維持できなくなり
  放散する現象も目撃しており、こういう所謂幽霊が消える現象も実際に存在する現象で、
  自然科学の範囲です
 四、あの世の検討
  以上示した現象は現象の目撃があり、それが実際に存在する現象として自然科学の範囲としたものです
  一方、あの世とは目撃でなく概念が先行しているものです
  従って、その概念が実際に存在する現象なのかどうかを検討する前に、しっかりした定義が必要に
  なるでしょう
  どう定義してもいいんですが、死んだ際や幽霊が消える際に放散する思念が逝くところと私は定義
  しました
  あの世に逝った思念がなんらかの方法で転生するのであれば、その転生を糸口にしてその現象が
  実際に存在するかどうかを検討することが出来ます
  また、なんらかの方法で生命体あるいは幽霊があの世と接触することが可能なら、あの世が実際に存在
  するかどうかを検討することが出来ます
  ところが、私の経験ならびに信頼性が高いと思われる転生事例からは、そのような可能性は見いだせません
  従って、あの世が実際に存在するもので自然科学の範囲としても、この世となんら関わり合いのない世界
  ということになりますので、それを考えるのは無意味ということになります

つづく

86:自夜
07/04/04 12:58:08 /Fq378Cy0
つづき

 五、人文科学の範囲
  さて、自然科学の範囲でないものは、人文科学で科学的アプローチは可能です
  正確じゃないですね。自然科学で科学的アプローチを行うのとは別に、普通の
  物事は人文科学でも科学的アプローチが可能です
  例えば、幽霊。上で述べたように幽霊の存在についての科学的アプローチは自然科学の
  範囲で可能ですが、人文科学の範囲でも可能です
  幽霊の正体を物理現象としてとらえる手法も可能なら、民俗学的にとらえる手法も可能
  ということです
  ちなみに、民俗学での研究によると、太古の幽霊の概念は荒魂であり、世界的に
  かなり不偏な概念だそうです。つまり、原始的な宗教発生以前に既に幽霊は認識されていた
  ということですね
  話を戻しますが、あの世については自然科学の範囲では考えても無意味=ないのと一緒
  としましたが、人文科学の範囲では次のように捉えることができるでしょう
  ・ひたすら教祖、あるいは教義を信じる(ここまでは宗教)ようなことを
   している集団のあの世を含めた世界観やその世界観に至った歴史、また信じることによる
   効用などを研究する(宗教学的アプローチ)
  ・あの世の存在意義などを研究する(哲学的アプローチ)
  ・あの世を信じている人と信じていない人の行動様式を研究したり、どのような情報が
   あの世を信じるあるいは信じない原因となったかを研究する(心理学的アプローチ)
  ・あの世があるとして行われた、あるいは行われている政治体制などを研究する
   (社会学的アプローチ)
  ・あの世の概念ならびにその概念に基づく風習などの歴史的変遷を研究する(民俗学的アプローチ)
  人文科学系には疎いので、「的」を付けています

つづく

87:自夜
07/04/04 13:00:08 /Fq378Cy0
つづき

問:自分で結論として無いのと同義であると書いているように思えるのですが・・・
答:「考えても無意味」というのと「無い」というのは同義ですね
  強いて言うなら「考えても無意味」というのは存在の可能性は否定していません
  可能性は否定しませんが、あってもなくてもこの世には物理的な影響ありません
  そういう意味で>>245では「ないのと一緒」と書きました
  まぁ、よくこういう書き方をするんで、ずるいと言われるんですがね
  あの世があるとして、それはどういう世界なのか
  そう考えるのは可能だと思いますし、考えるのは自由です
  ただ、私はあの世には興味ありませんから考えません
  私にとって興味があるのは、私の前世の記憶と幽霊だった頃の記憶、これはいったい
  何なのだ、ということだけです

最後になりましたが、
問:一つ聞いていいですよね?
答:何でもどうぞ
  何でも答えるかどうかは保証しかねますが

こんなもんで、どうでしょう

88:本当にあった怖い名無し
07/04/04 16:25:42 TJ0QhGs8O
端的に
前世と転生と幽霊については経験があるからわかる
あの世については経験がないから知らん興味もない
でいいんじゃ?

89:本当にあった怖い名無し
07/04/04 18:15:42 kqIzHiUV0
>>254
だな。
わざわざ何レスも使わなくてもその2行でことたりるものを長文で乙。

90:本当にあった怖い名無し
07/04/04 18:35:19 TJ0QhGs8O
TU-Ka自然科学だとか科学的だとか突っ込み所満載でもうね…
私は面倒で嫌だから誰か代わりにやってくれ('A`)ノシ

91:自夜
07/04/04 19:47:13 /Fq378Cy0
>>254さん、>>255さん
その二行は>>250-253の要約にはなり得ますが、>>249さんへの回答にはなり得ないと思いますがどうでしょう

もっとも、その二行は私の言いたいこととは異なるので、要約にはならないんですがね
まだ、>>254さんの某スレへの当スレ>>243-245のリンクの方が私の言いたいことが伝わるので助かります

92:自夜
07/04/04 19:51:13 /Fq378Cy0
>>256さん
「突っ込み所満載」という突っ込みはよく受けますが、
具体的なまともな突っ込みにお目にかかったことが残念ながら、ありません

そう言う訳で、>>all
具体的なまともな突っ込みをお待ちしております

93:本当にあった怖い名無し
07/04/04 20:38:12 TJ0QhGs8O
そも、長々しくわけのわからんことを書かねば>>249の質問はなかったわけで('A`)
そう思いましたので、そも>>249さんが質問するに至った元のレスも含めて
要約したわけですが。
では質問ですが、自夜さんの言う「自然科学」と「科学的方法」とは、どういった定義
なのでしょう('A`)
もうそれが不思議で不思議で不思(ry

94:自夜
07/04/04 21:12:26 /Fq378Cy0
>>259さん
最初に質問に答えておきます

問:自夜さんの言う「自然科学」と「科学的方法」とは、どういった定義なのでしょう
答:自然科学や科学的方法自体が研究対象ではないので私が定義することではありません
  意味合いとしては常識的な意味合いで使ってます
  つまり、自然科学=自然の現象を研究する学問
  なお、前スレも含めて本スレで私は「科学的方法」という言葉は私は一度も使っておりません
  従って、科学的方法の意味合いについてはお答えしません

さて、上記「科学的方法」もそうですが、「長々しくわけのわからん」など事実でない記述が>>259さん
の書き込みにはあります。>>249さんの質問の対象となる私の発言は>>245の「あの世は定義できても・・・
中略・・・ないのと一緒です」だけだと思いますが
悪意かどうかはさておいて、今後ともこのような事実でない書き込みが続くようでしたら、私は相手にしません

95:本当にあった怖い名無し
07/04/04 23:00:40 yzFiANMU0
>>260
私のせいで荒れ気味なのかな?
もしもそうであるのならばお詫びしておきますね ><

まぁあれですね、科学って言葉の使用を控えるとよろしいかと思いますよ自夜さん。
スレを汚してすみません。


96:本当にあった怖い名無し
07/04/04 23:07:23 TJ0QhGs8O
……('A`)
科学的方法、については失礼いたしました。直前に自然科学について
調べていたときの記事とごっちゃになったようです。
正しくは「科学的アプローチ」だったようです。
あと「長々しくもわけのわからん」については、お気を害したようで大変失礼をば。
厳密に言うならば「長々しくかつわかりにくい」でした('A`)
前者は確かに悪意がありました、それは謝罪いたします。
ですが今回は悪意のない、私にとっての「事実」です。
>>245の記述にしても「経験がないからわからん興味もない」
と言えば終わる話です。それを自然科学だのという用語を持ち出したので、
わかりにくくなった。と私の目には映りました。これは私の見解です。
自夜さんが「長々しくもないしわかりやすい」というなら、それは
自夜さんの見解ですので、そこの相違についてはご容赦下さい('A`)
自然科学=自然の現象を研究する学問
よくわかりました。

97:自夜
07/04/04 23:09:02 /Fq378Cy0
>>261 249さん
別に荒れているとは思ってませんし、261=249さんのせいでもありませんので
気になさらなくてもいいですよ

それより、私の回答でよろしかったでしょうか?
納得されれば、それでよし。どうでもよくなったのであれば、それでもよし
疑問が解消されないのであれば、何でも聞いて下さい
もし、回答が的はずれなものであれば、その旨指摘して頂くと助かります

98:本当にあった怖い名無し
07/04/04 23:10:11 TJ0QhGs8O
ああ、事実という言葉を一個消し忘れた…('A`)
そこだけヌルーしてください。

99:自夜
07/04/04 23:51:33 /Fq378Cy0
>>262=264さん
ん~、その「わかりにくい」の具体的な箇所を指摘して頂けると回答もしやすいですし、
今後の私の書き込みの参考にもなるんですがね
「長々」については>>245の書き込みは、私にしては短い方なんですが・・・

さて、「経験がないからわからん興味もない」に関してですが、
私は自分の経験ならびに他の幽霊さんの目撃などから「あの世」はないと言ってますし
人文科学的にあの世を考察することは可能だが、それには私は興味はないと言っている
わけです。従って、>>262さんがそれとは異なる要約をしたということは、(失礼ながら)
>>262さんの読み方が悪いか、私の書き方が悪いかのどちらかなんでしょう

さて、幽霊を普通の自然の現象として捉えるのはオカ板で前世話を始める前からの私のスタンス
ですから、唐突に今回自然科学という言葉を出した訳じゃないんですがね(「自然科学」という用語
自体は本スレでは>>245が初出ですが、これは単に人文科学との対比で使っただけで、最近では科学
=自然科学と勘違いする人が多いので、意識的に使い分けるようにしています)

ところで、>>264にあるように事実をいっこヌルーすると、「」しか残りませんが、いいんですか?

100:自夜
07/04/04 23:53:43 /Fq378Cy0
前世物語 第二部乱世編 第三十六話 退却 その一

多分、瀕死でも生きていたのだろう。そしておにちゃに問いつめられ、素
性を明らかにした。おにちゃは敵の正体を知った。
どうでもいいとは思っていたが、気になることは気になる。さりとて、打
つ手はない。
私は洞窟に寄り、昨夜の峰に向かう。
乾肉を食べ、酒を呑み、乾飯に食らいつく頃、夜が明けてきた。
御来光を仰ぎながら呑むのは初めてだ。
山向こうは変化はない。私は昨日の塒に横になり、目を閉じた。
何かおかしい。
私は飛び起きて、周囲を見回す。何もおかしな所はない。
目を閉じて気配を見る。何もない。でも、何かおかしい。
私は別の尾根伝いに敵の本隊の方に移動する。
昨晩の騒動が嘘みたいに本隊は落ち着いている。軍隊らしく、きびきびと
動き、よく統制がとれている様が遠目にも判る。もはや、隠れて行動しよ
うとはしていない。
本隊は午の刻までには撤退を開始した。

つづく

101:自夜
07/04/04 23:56:00 /Fq378Cy0
前世物語 第二部乱世編 第三十六話 退却 その二

どういう事だろう。無視できない数の死傷者を出しておきながら、また、
何一つ戦果を上げずに撤退することがありえるのだろうか。
でも、現実には目の前で本隊は幾つかの分隊に別れて山を整然と降りてい
る。こういう事態は想定しなかった。
おにちゃと私の戦略はこうだ。三日間、とにかく本隊並びに小屋分隊への
攪乱を行う。まだ攪乱が続くと見せかけて、本隊の裏に回り脱出する。
もし、山向こうの部隊が動くようであれば、山向こうの部隊の裏に回り脱
出する。
今、本隊が動いたと言うことは、一番に警戒しなければならないのは罠。
本隊撤収の後にのこのこ現れるとまず間違いなく待ち伏せにあって捕まる。
山向こうの部隊の背後に回り込むか?もし、山向こうの部隊も撤退するよ
うであれば、そちらにも罠が仕掛けられていると考えてよい。
今度はこちらが疑心暗鬼に囚われる番。
私は危険を承知で木に登り、枝伝いに本隊に近づいた。撤退の真意が知り
たい。
私の下、山道を二列縦隊で雑兵が進む。侍は徒もあれば騎馬もいる。

つづく

102:自夜
07/04/04 23:57:59 /Fq378Cy0
前世物語 第二部乱世編 第三十六話 退却 その三

殿は侍の騎馬団。ざっと七八騎。皆、厳めしい甲冑姿。いや、真ん中の一
人は派手な桃色の着流し。それでも二本差し。侍だ。
臼井。
騎馬団が足下を通り過ぎる。
「まったく、おれに内緒で何やってんだか。こんな大部隊で刈り上げよう
 なんて、できるわけないだろ、頭悪いねぇ」
周りの騎馬侍がばつの悪そうな顔をする。
「案の定、いいようにやられちゃってさぁ。これで、すっかり警戒されちゃっ
 たよ。一からやり直しだね」
臼井がどれだけ偉いのかは知らない。だが、これだけの大部隊を自由に動
かせるのは確かだ。臼井は初めから私達の素性を知っていた?
騎馬団が通り過ぎて暫くして、私は又峰に向かった。
山向こうの部隊も整然と撤退している。臼井は包囲を解いた。
おにちゃはこの事態をどう見るだろう。今山を降りるのは危険だ。それだ
けは、はっきりしている。
だが、この山にはもう住めない。臼井はきっぱり言った。やり直しだと。

第三十七話へつづく

103:本当にあった怖い名無し
07/04/05 10:09:58 TBfY5UT4O
>>265
携帯なもんでレスを一つにまとめられなくてすみません('A`)
具体的に…と言われても…
例えばスレリンク(occult板:996番)
をご覧下さい('A`)スレガオチテタラスミマセン
ここまでひどいとは全く申し上げるつもりはありませんが、こういう類いの
わかりにくさなので、具体的にどこ、と言われると困ります('A`)

104:本当にあった怖い名無し
07/04/05 10:23:27 TBfY5UT4O
>>265
あの世について('A`)
確か「存在確認不可能」みたいな言い方をなさっていたので
「経験が(ry」と要約したのですが…マチガッテマシタ?('A`)
自夜さんの言い方だと、自夜さんが確認できていないだけで、自夜さんの
言うところの「自然科学」的存在のあの世はある、「かもしれない」とも取れますが('A`)

105:本当にあった怖い名無し
07/04/05 10:27:37 TBfY5UT4O
>>265
自然科学という言葉の初出はどうでもいいんですが('A`)
自夜さんの中の科学的アプローチってどんな感じなんでしょうか('A`)

事実→の代わりに適当と思われる単語を放り込んでおいてください('A`)

106:本当にあった怖い名無し
07/04/05 11:52:49 XMNn7L8d0
>>263
いえいえ大変面白い回答を読む機会に恵まれて光悦至極です。
気になった点が三つほど

一つ目、繰り返しになりますが、科学等の発言は控えるのが宜しいかと。
二つ目、>>252ですが人文系を持ち出すのはいかがかなと思いました。
三つ目、>>253の前半の答えですが蛇足以外の意味をなしてないと思われます。

107:本当にあった怖い名無し
07/04/05 12:29:04 TBfY5UT4O
>>272
言いたかったこと言ってくれてアリガトウアリガトウ('A`)

108:自夜
07/04/05 20:08:24 BC6Zz2fq0
>>269-271さん
問:こういう類いのわかりにくさなので、具体的にどこ、と言われると困ります
答:(問ではないですけど、この形式で答えます)
  それはあなたの独か威力が足りない、と言いたいところですが、私の文章が下手なんでしょう
  判りやすく書くように心がけて入るんですがね
  下手だと自覚しているから、こんなところで書いているわけでもあるんですが

問:「経験が(ry」と要約したのですが…マチガッテマシタ?
答:>>265で既に回答してますが、
  >私は自分の経験ならびに他の幽霊さんの目撃などから「あの世」はないと言ってますし
  >人文科学的にあの世を考察することは可能だが、それには私は興味はないと言っているわけです
  を「あの世については経験がないから知らん興味もない」とするのを要約というのは無理でしょう
  使っている単語を適当に拾って繋げただけとしか思えませんが
  もちろん、あなたがそういうふうに受け取るのは自由ですが、さも私の書き込みが要約どおりで
  あるように書き込むのは本人に悪意がなくても私が迷惑しますので、しないで下さいね
  (今までの書き込みは疑問形なんで、かまわないです)

問:「自然科学」的存在のあの世はある、「かもしれない」とも取れますが('A`)
答:取れますが、でなしに、そう書いてます

つづく

109:自夜
07/04/05 20:11:02 BC6Zz2fq0
つづき

問:自然科学という言葉の初出はどうでもいいんですが('A`)
答:(問ではないですけど、この形式で反論します)
  それでは、>>262での
  >それを自然科学だのという用語を持ち出したので、わかりにくくなった
  というのを訂正して頂けません?
  こういう言われ方されたら、今回初めて使った用語じゃないですよ、前々から使ってますよ
  って言いたくなるのが普通でしょ
  それを「どうでもいい」と言われたら怒り出す人がいても不思議でないと思いますけどねぇ

問:自夜さんの中の科学的アプローチってどんな感じなんでしょうか('A`)
答:前スレ>>865でがいしゅつです
  ●やモリタポを持っていない方でも私の Web Site の「三悪漫遊記」から見れます
  前スレは弐千六年書込み開始分にあります
  三悪漫遊記は携帯用はないんで、携帯からどうしても見たいという場合は未公開部分ですが、以下をどうぞ
  URLリンク(anime.geocities.jp)

問:事実→の代わりに適当と思われる単語を放り込んでおいてください('A`)
答:(問ではないですけど、この形式で答えます)
  いやです。ご自分の発言は、ご自分で責任を取って下さい

110:自夜
07/04/05 20:14:22 BC6Zz2fq0
>>272さん
蛇足があっても不足がなければ回答としては外れでなかったということでいいですかね

>>272さん、>>273さん
科学的などの用語に関してお二方のご要望があることは理解してますが、
がいしゅつの事項に加え、

・言葉が柔らかいと言え、理由も明示せず人の発言を制限しようとしている
・要望に応えると、現在連載中の幽霊談義、科学メスのはなし が連載できなくなる
・上記連載の容認意見を持つ人がいる
・特殊な用語でなく、特に説明を要しないごく普通の用語である

の理由により、ご要望には応じられませんので、悪しからず です

111:自夜
07/04/05 22:00:08 BC6Zz2fq0
前世物語 第二部乱世編 第三十七話 洞窟 その一

私はここのところ使っていなかった小屋から一番離れた洞窟へ向かう。
この洞窟は、最も山の険しいところにあり、最も深い洞窟。
単なる穴でなく、奥は幾つにも道分かれし、上から、下から、石の氷柱が
生えている広間がある。
奥は寒く、夏でも氷が溶けない。
私達はこの洞窟の奥を生肉の保存として使っていたが、入り口近くには普
通に乾肉、雑穀類など、そして武器を置いている。
例によって充分確かめた後、私は洞窟に入る。入り口は狭く、中は暗い。
私は手探りで食料を確かめる。おにちゃが来た様子はない。
暫く山に籠もるにしろ、脱出するにしろ、当分食料を得る手段はないだろ
う。私は乾肉、乾飯など嵩張らないものを中心に袋に詰め込み、腰に巻く。
酒も持っていきたいが、我慢する。代わりに銭を少々懐に入れる。
それまで腰に差していた木刀を置き、長脇差しを腰に差す。大刀はちょっ
と迷ったが、袈裟懸けに背負う。
準備は整った。私は洞窟を出ようとして、脚が止まる。
「また、今日は一段と勇ましい出で立ちだねぇ、おじょうさん」

つづく

112:自夜
07/04/05 22:03:05 BC6Zz2fq0
前世物語 第二部乱世編 第三十七話 洞窟 その二

洞窟の入り口にいつの間にか人の影。顔は見えないが、聞き間違いようが
ないふざけた口調。
「臼井」
「覚えてくれたとは嬉しいねぇ。中で待ってようかとも思ったんだがね、
 思いの外寒いんで、外で待たせてもらった。おじょうさんも出てきな。
 風邪ひくよ」
私は無言で臼井を睨み付ける。真意はわからないが、今は敵だ。
「そんなに怖い顔しなさんな。なにもとって喰おうって訳じゃない。おに
 いさんも出てきたらどうだい。そんな足場の悪いところにじっとしてい
 るのは難儀だろう?」
おにちゃがいる?ここからでは見通しが効かない。だが、臼井に近づくの
は嫌だ。
臼井はおにちゃがいると思しき方を向く。臼井の横顔。緊張もなにもない、
相変わらずのにやにや顔。
「そうそう、そうやって素直に出てきてくれると助かるわ。うちのもんが
 いろいろ迷惑かけたみたいだね。まず謝ろうかね」

つづく

113:自夜
07/04/05 22:06:27 BC6Zz2fq0
前世物語 第二部乱世編 第三十七話 洞窟 その三

「貴様らの目的は何だ」
おにちゃの声だ。おにちゃは来ていた。
「目的ぃ?あっはっは。そりゃ、あんたの方がよくご存じでしょ」
「なにぃ」
「それよりも、おにいさん。あんた、相棒をもっと信じてあげなくっちゃ。
 せっかく別行動してるのに、心配だからってついて回っちゃ意味無いで
 しょ」
おにちゃの顔が見たい。でも動けない。
「それが、あんたの命取りになるぜ」
おにちゃが動く気配。柄に手をかけた?
「おっと待った待った。おれは別にあんたと斬り合いしにきたんじゃない。
 言うなら勧誘だ。あんたの知識ごと焼石のことを買いたい。どうだい、
 いい条件で優遇するぜ。おれより偉くってのは無理だがね」
おにちゃを召し抱える?つい先刻まで殺しても構わない態度だったところ
が?
私は怒りがこみ上げた。

第三十八話へつづく

114:本当にあった怖い名無し
07/04/06 12:23:52 ptitMXUuO
>>274
今考えるのがめんど…いやしんどいので答えやすいとこだけレスさせて頂きますね('A`)

>それはあなたの独か威力が足りない、と言いたいところですが、私の文章が下手なんでしょう
判りやすく書くように心がけて入るんですがね

これでも京極○彦を読んでいて、うんちく部分も含めてわかりにくいと思った経験はないので
多分わかりにくい文章を書かれてるんだと思いますよ('A`)

>私は自分の経験ならびに他の幽霊さんの目撃などから「あの世」はないと言ってますし
>人文科学的にあの世を考察することは可能だが、それには私は興味はないと言っているわけです
>問:「自然科学」的存在のあの世はある、「かもしれない」とも取れますが('A`)
>答:取れますが、でなしに、そう書いてます
…?('A`)

115:本当にあった怖い名無し
07/04/06 12:45:07 ptitMXUuO
>>275
はあ…気分を害されたことに対しては謝りますが('A`)
前から使ってるのに~ということに対して何故謝らなければいけないのかわかりません。
私はたまたま今回の書き込みに違和感を感じて、たまたま今回だけ異議を
申しただけで、前の書き込みを見ていたら、多分前の書き込みにも異議を申していたと
思いますが('A`)
とゆーかその理論は、ずーっと特定の場所に違法駐車をしていた人が、ある日
通り掛かりの人に注意されて、「私は今までずっとここに停めてましたが?」
と言うのと同じだと思うのですが('A`)
あ、別に今まで及び今回の言葉の使用法が違法駐車並に悪いというつもりは
さらさらございませんので、例えが悪すぐるのはご容赦ください('A`)

116:本当にあった怖い名無し
07/04/06 12:47:03 ptitMXUuO
>>275
事実→
じゃあこれで('A`)つ意見

117:本当にあった怖い名無し
07/04/06 12:51:13 RhhO4p1e0
>>280-282
とりあえず意味の無い書き込みとふざけた顔文字をやめようや

>判りやすく書くように心がけて入るんですがね
そんなどうでもいい書き込みなんかしなくていい。
お前の「書き込み時の心構え」なんかを聞かされてもしょうもないんだよ。

反論するなら言葉狩りではなく、主題に対しての反論文を書いてくれ

118:本当にあった怖い名無し
07/04/06 14:17:22 ptitMXUuO
主題ってなんでしたっけ…?

119:本当にあった怖い名無し
07/04/06 18:24:10 56mm/4Ui0
>>自夜

科学という名前の「まな板」にあくまで話を乗っけたいと思うなら
「自夜語」を使い続けるのは止めるべきだ。

科学の世界には、すでに共通の言語が設けられている。
それらは、具体的には数学・物理… と呼ばれているものだ。

「自夜語」を正確にそれらの共通言語に『正確に』置き換えない
限りは、科学的方法論に則った考察は絶対に不可能であり、
他者からの批評も受けられず、もし受けられたとしても、自夜
自身がその批評を咀嚼することはおろか、批評の理解も不可能。

120:本当にあった怖い名無し
07/04/07 01:19:40 kd5vFNID0
>>284
指摘された直後に同じ事を繰り返してどうするの?

スレを荒らすことが目的なら、正々堂々と荒しなよ。
自分の信念に基づいて「アク禁上等」でやりなよ。

121:本当にあった怖い名無し
07/04/07 02:27:53 NkPoIcpy0
自夜さん、私は前世物語を面白く読ませてもらってるので、続きを
またよろしく。

122:本当にあった怖い名無し
07/04/07 08:40:14 vMYX5wK9O
>>286
別に荒らす気はないですが…
元々言葉狩りしかしてなかった気がしたので、主題ってなんだっけ?
と思ったので尋ねただけです。

123:本当にあった怖い名無し
07/04/07 09:27:20 XoMaxydv0
議論はもうどうでもいいから前世物語やってくれ。
自夜さん、待ってるよ。

124:自夜
07/04/07 09:50:10 C60te8Lp0
>>287さん、>>289さん
昨日(金曜日)は予告なしにお休みして済みませんでした
お詫びというわけでもないですが、今日は二話分、うぷしますね
二話目の第三十九話は、夕方くらいになるかもしれませんが

125:自夜
07/04/07 09:52:04 C60te8Lp0
前世物語 第二部乱世編 第三十八話 転落 その一

「拙者は侍の世界から足を洗った。二度と戻る気はない」
「何があったか知らねぇけどよ、じゃぁ何で侍の格好してるんだい?何で
 侍の格好して、一文にもならない焼石のこと調べてるんだい?」
「・・・それは・・・」
「なぁ、悪いことは言わねぇって。千石でどうだ。千石っていやぁ、大身
 だ。侍大将だ。場合によってはもっと考えてもいい」
刀を抜く音。臼井が後退りする。
「あぁ、もぅ、あんた短気だなぁ。何が不満なのかね」
洞窟の入り口におにちゃがちらりと見える。私は入り口に駆け寄り、長脇
差しに手をかける。
おにちゃは八相の構えで臼井に躙り寄る。臼井は微妙な間合いで後退する。
「まず、話をしようや。なぁ。そんなに短気じゃ長生きできないぜ」
おにちゃが白井に顔を向けたまま背後の私に囁く。
「ちび、抜くな。逃げろ」
そうか、私が洞窟から出れるよう、おにちゃは刀を抜いたのだ。
一、二、私は心の中で数え、三で向きを変え走り出す。

つづく

126:自夜
07/04/07 09:56:03 C60te8Lp0
前世物語 第二部乱世編 第三十八話 転落 その二

険しい山道。獣道。時に森を抜け、岩を登り、藪を突きる。
小柄であることを幸いに、私は一気に駆け抜ける。後ろからおにちゃが追っ
てくる気配はあるが、徐々に離れる。そう。今、臼井と戦う必要はない。
ふと寒気を感じ、立ち止まる。臼井の言うように風邪でも引いたか?
そんな筈はない。氷の洞窟にいたのは僅かだし、秋空に野宿が続いたとは
言え、ちゃんと塒をこしらえて寝た。熱もない。だが、この脊椎からくる
寒気は何だろう。
私は頭を振る。大丈夫。すっきりしている。
おにちゃが近づく気配。臼井の気配はしない。私は再び走り出す。
岩肌の細い道をましらのように駆け抜け、眼前に人影を見る。
両の腕を広げ、通せんぼするような透き通った白い影、冷たい目。
私は足を踏み外す。
「かかちゃ」
夢の中の母の冷たい顔。私は勢いで、肩を岩にぶつけ、宙に舞う。
視界をよぎる小道に母の姿はない。一転して谷底を見る。再び視界に空。
そして、私は岩の上に背中から落ちる。背負った大刀が折れる。

つづく

127:自夜
07/04/07 09:58:57 C60te8Lp0
前世物語 第二部乱世編 第三十八話 転落 その三

全身が硬直して自ら動けない。悲鳴を上げようとし、口中に鉄の味が広が
る。血が口から溢れ、耳朶を濡らす。
霞がかかった視界に遠く先刻の小道。甲冑侍が二人、谷を覗き込む。
そこに抜刀したおにちゃが斬りかかる。たちまち二人を斬り伏せ、おにちゃ
が谷底を覗く。
「ちびーぃ」
大丈夫、私はまだ生きている。口が動かない。
「ちびーぃ」
おにちゃが駆けるように降りてくる。視界がぐらりと揺れ、遠くの山並み
がよぎると谷底が写る。私は谷底に落ちている。
「ちびーぃ」
遠ざかるおにちゃの声。
幾度か躰を何処かにぶつけ、私は冷たい水に落ちる。
痛くはない。冷たくもない。このまま死ぬのだろうか。それでもいい。死
ぬのは思ったより楽なことかも知れない。
そして、私は何も考えられなくなった。

第三十九話へつづく

128:自夜
07/04/07 10:04:49 C60te8Lp0
>>285さん
あなたのような口調で書き込みなさる方が、いままでに何人もいましたが、私が真面目に
レスをしても、まともな会話になったためしがありません
あなたがそうとはいいませんが、今回は黙殺致します

よろしければ、どういうのが「自夜語」なのかを具体的に指摘の上、再度書き込んで下さい

129:本当にあった怖い名無し
07/04/07 10:49:57 a+Pb/yIL0
>>294
横からなんですけど>>285の言い分は至極真っ当であって
貴方は煙に巻く物の言い方で誤魔化すのは得意であっても
本質的な部分を避けるのでこれ以上は無駄なのかも知れないですね

130:自夜
07/04/07 11:08:58 C60te8Lp0
>>295さん
誰かの名誉を傷つけるとか、公共の福祉に反するとかそういうのならともかく、
人の書き方を制限するような発言を至極真っ当というあなたが私には理解できません

ご要望のとおり直球で返します。以後、同様の意見の書き込みは私は黙殺させて頂きます

131:本当にあった怖い名無し
07/04/07 16:39:46 a+Pb/yIL0
>>296
科学的思考・科学的手法を貶めてる事になんら気が回らず
自身の発言を正当化されるのですね?

132:自夜
07/04/07 17:31:39 C60te8Lp0
>>297さん
学術用語なんてのは学会が違えば違ったり、重複していたり、
また、研究者によっても違うことは珍しい話ではなく、
学会誌の投稿規定に当学会の用語集の用語を使用することと書いておきながら、
その投稿規定に用語集に反した用語を使っている場合すらあります
私自身は学会は三つにしか所属しておりませんが、似たような分野でありながら
三つの学会で用語が異なる場合も多く、同一主題の論文でも学会によって異なる用語
で書くこともよくあります(その時の主査が誰かによっても異なったりします)
そのような事実も認識せず、さも科学者の世界が完璧であるように思いこんだあげく、
具体的に私の書き込みのどこが貶めているかも指摘せずに言論封殺にも繋がり
かねない意見のどこに正当性があるのでしょうね

ちょっと変化球でしたかね。直球で言うと

知らんくせに偉そうなこと言うな

になるんですが、こう書くと私が言論封殺してしまいますので、書きません

133:自夜
07/04/07 18:07:03 C60te8Lp0
前世物語 第二部乱世編 第三十九話 旅立 その一

胸が重い。息を吸うと締め付けられる。息を吐くと、軋む。
ここは何処だろう。今、何時だろう。
そっと目を開く。霞がかかったままの視界。天井張りのない屋根が灯を受
けてゆらゆら揺れる。
「まーだぁ、うごかんほーがーえぇ」
誰?聞いたことがある声。口に棒のようなものが触れる。
「かゆじるじゃぁ。なんばんとらいのとうをいれとー。これくーときゃー
 はらはへーても、しぬこたーねー」
甘いがしみる。
「ぬしはうんがえーのー。かたなーせおーとらんかったらー、せきついや
 られーてー、いまごろはー、わしのきょーでもきーちょーでよー」
思い出してきた。私は崖から落ちた。
「こっちのごじんはー、うんがねーのー。ずがいをーやられーちょー」
おにちゃもいるのか?私は起きあがろうとして、呻いた。
「あばらやられちょーけーのー、うごきとーても、うごけんでーよー」
目だけを動かす。半分以上布が巻かれたおにちゃの顔が霞みの先にあった。

つづく

134:自夜
07/04/07 18:11:06 C60te8Lp0
前世物語 第二部乱世編 第三十九話 旅立 その二

幾日か経って、ようやく私は動けるようになる。
胸の粘土で固めたあて板はまだ外せない。
おにちゃの意識は戻らない。熱がひどい。私は布を水に浸し、おにちゃの
躰を冷やす。
坊主はおにちゃの頭蓋が割れて、脳髄が傷ついているので、絶対に頭を動
かすなと言う。
口に糖入り粥を含ませると飲み込む。坊主はまだ望みがあるという。
「おきてーはおらんがーのー、まだのーずいはーいきとーる」
坊主は時々出かけ、戻ってくる。
私達のことは何も聞かない。自分のことも何も話さない。
気休めは言わない。いつ死んでもおかしくない。坊主はそういう。
幾度も死にかけたおにちゃだ。今度も大丈夫だ。何日も念じ続ける。
ある朝、おにちゃがうめき声を立てる。ここにきて初めて。
おにちゃの枕元で見ていると、おにちゃの目がゆっくり開く。
「ち・・・び・・・、かゆ・・・か・・・」
「はい」

つづく

135:自夜
07/04/07 18:15:09 C60te8Lp0
前世物語 第二部乱世編 第三十九話 旅立 その三

「無事・・・で・・・よか・・・た」
「はい」
涙が出そうになるのを堪えて、私はおにちゃに返事する。
「ちび・・・」
「はい」
「こを・・・う・・・め・・・ちびの・・・くにを・・・つく・・・れ」
「はい」
坊主がおにちゃを覗き込む。
「ぼうず・・か・・・ぬしを・・・うらま・・・ん・・・酒を・・・」
坊主は黙って立ち上がり、瓢箪を持ってきて、酒をおにちゃに含ませる。
ふぅ、と大きく息を吐くと、おにちゃは目を閉じた。
これだけ喋れたんだ。おにちゃの脳髄はまた動き始めたんだ。もう大丈夫
だ。その時はそう思った。
「かな・・・しみ・・・の・・・ない・・・・かい・・・・・か・・・」
おにちゃの顔色から赤みが消え、やがて青白くなり、冷たくなっていく。
おにちゃの気配が静かに消え、私は心を閉ざした。

第四十話へつづく

136:本当にあった怖い名無し
07/04/07 18:32:23 0FFsv7Kd0
>>295 >>297
>>285は文章構成、比喩の使い方等がすごく独創的(デタラメ)で、書いた本人にしか理解困難なイミフ文章だぞ。

> 科学という名前の「まな板」にあくまで話を乗っけたいと思うなら
これだと無条件に料理される(一方的に批判される)場に我が身を置きたと思う という意味合いになる。
どうして自らを「まな板の鯉」状態にする必要がある?正しく表現するなら「科学的なステージ」とでもするべきだ。
> 「自夜語」を使い続けるのは止めるべきだ。
「自夜語」という私的造語を使用する前にその意味を書かなければ読み手には理解出来ないぞ。
> 科学の世界には、すでに共通の言語が設けられている。
だったら、まず自分が意味不明な造語を使わず共通言語で書けよ。
> それらは、具体的には数学・物理… と呼ばれているものだ。
前文との繋がりのない「まとめ文」だが、随分大雑把な「具体的」だなw
ちなみに「数学」「物理」その他の学理は日々進化しているものだぞ。

> 「自夜語」を正確にそれらの共通言語に『正確に』置き換えない
> 限りは、科学的方法論に則った考察は絶対に不可能であり、
ここまで日本語として成立してない文章だと、もはやツッコミすることすら困難です。
科学者用語を使用して書けと要求しているのか?
> 他者からの批評も受けられず、もし受けられたとしても、自夜
> 自身がその批評を咀嚼することはおろか、批評の理解も不可能。
まず、批判のベクトルが意味不明。

「その歴史的背景に異論がある」「その前世観に異論がある」「その霊界論に異論がある」
という方向性の異論であれば理解が出来る。 というより他の異論が出ることは考えられない。
「前世物語」なんだから、物語の内容に関連した意見や異論を書くようにしろよ。アタマダイジョブデスカ?

137:本当にあった怖い名無し
07/04/07 18:36:35 0FFsv7Kd0
あ~またバカを相手にしてしまった。         反省

138:本当にあった怖い名無し
07/04/07 19:30:43 0FFsv7Kd0
自夜語の嫌いな貴方様に、本日のクライマックスシーン
>>301前世物語 第二部乱世編 第三十九話 旅立 その三
をギャル語に変換してお届けいたします。


世〃ω世м○σヵゞT=レ) T=〃レヽ2、ζ,〃らω世∧ω T=〃レヽ39ゎ T=ひ〃T=〃ち ξσ三

「、ζ,〃U〃・・・τ〃・・・∋ヵゝ・・・T=」
「レ£レヽ」
TょゐT=〃ヵゞτ〃ξぅレニTょゑσを⊇らぇτ、ゎT=Uレ£ぉレニちゃレニ∧ωU〃£ゑ★
「ちひ〃・・・」
「レ£レヽ」
「⊇を・・・ぅ・・・め・・・ちひ〃σ・・・<レニを・・・⊃<・・・яё」
「レ£レヽ」
レま〃ぅ£〃ヵゞぉレニちゃをσξ〃(≠⊇£ヽ★
「レま〃ぅ£〃・・ヵゝ・・・йuUを・・・ぅらма・・・ω・・・±レナ を・・・」
レま〃ぅ£〃レ£T=〃маッτT=ちぁヵゞレ)、ひょぅT=ωをм○ッτ(≠τ、±レナをぉレニちゃレニ、ζ,<ма世ゑ★
、ζ,ぅ、`⊂ぉぉ(≠<レヽ(≠をレ£<`⊂、ぉレニちゃレ£めを`⊂U〃T=★
⊇яёT=〃レナUゃ∧〃яёT=ωT=〃★ぉレニちゃσσぅ£〃レヽレ£маT=ぅ⊇〃(≠レ£U〃めT=ωT=〃★
м○ぅT=〃レヽU〃ょぅ、ζ,〃T=〃★ξσ`⊂(≠レ£ξぅぉм○ッT=★
「ヵゝTょ・・・Uゐ・・・σ・・・Tょレヽ・・・・ヵゝレヽ・・・・・ヵゝ・・・」
ぉレニちゃσヵゝぉレヽЗヵゝらぁヵゝゐヵゞ(≠ぇ、ゃヵゞτぁぉU〃З<Tょレ)、⊃めT=<Tょッτレヽ<★
ぉレニちゃσレナレ£レヽヵゞU£〃ヵゝレニ(≠ぇ、ゎT=Uレ£⊇⊇Зを`⊂±〃UT=★

T=〃レヽ四十ゎ∧⊃⊃〃<


139:自夜
07/04/07 19:49:10 C60te8Lp0
>>304さん
こぴぺして、一行一行原文と対比させて、ようやく読むことが出来ました

もう、ギャルには戻れないんだと、しみじみと思い知らされました(遠い目・・・)

140:自夜
07/04/07 20:08:23 C60te8Lp0
なるほど、変換してくれるサイトさんもあるんですね
それでは、ご要望が強ければ、今後幽霊談義の方はギャル語でお届けしましょうかね(嘘)

それはともかく、明日(日曜日)はお休みします。それまで、ごゆるりと、ご歓談ください
では、また来週

141:本当にあった怖い名無し
07/04/07 20:08:59 XoMaxydv0
>>304
よめねえwwwwwwww
原文読んでるはずなのに何かいてるのか分からんてすごいな。

142:本当にあった怖い名無し
07/04/07 21:53:52 vMYX5wK9O
とりあえず今日は疲れているので、他人様に聞いた意見だけ貼っていきますね…

Q.巷に流布している噂(例:ネッシーを見た、幽霊に触られた、心霊写真を撮った)
を、その一つ一つの信憑性を確認せず、ただ「ホニャララがどうこう『らしい』」
ということを事象の収集とし、それについて科学用語を用いてあれこれと
考察をする。そして考察のみで終わらせ、検証はしない。

これは科学的、あるいは科学と呼べますか?

A.呼べない。 いやまあ、収集するだけが科学じゃないのかと言われると科学の一部では
あるんだけれども(いわゆるラザフォードの言う切手収集の類か)。
集めるなら集めるだけにしておけばいいのに、それに適当な説明をつけて
検証もしていない段階で科学以下に落ちるわな。例えばあれだ。
「試しにジャンプしたら300m飛べた」とか誰かが与太話をしたのを聞いて、
それに対しあれこれ説明をこじつけても科学にはならんわけで。
それともあれか?「石につまづいたらタイムスリップしちゃったよ」とか
「東京タワーを叩いたら折れちゃったんで夜中に直しておいた」とか言う
話に説明をこじつけるのを君は科学と呼ぶんか?

民俗学にもならないな

143:本当にあった怖い名無し
07/04/07 21:56:06 vMYX5wK9O
Q.自然現象ってなんですか?

A.人の意思の及ばない、自然界の法則によって起こる現象。
幽霊は、自然現象として存在するとしても、科学として成り立ってないから自然科学とは言えない。

144:本当にあった怖い名無し
07/04/07 22:04:24 vMYX5wK9O
おまけ
検証:
①実際に調べて証明すること。
②ある仮説から論理的に導き出された結果を、事実の観察や実験の結果と
照らし合わせて、その仮説の真偽を確かめること。
[広辞苑第五版]
以上言葉ハンターあげあし鳥による提供でした。

145:本当にあった怖い名無し
07/04/07 22:09:43 vMYX5wK9O
個人的意見としてはグレーだなーと思います。>反論隊のみなさまへ

146:おまけ②
07/04/07 22:37:02 vMYX5wK9O
>>302
俎上(ソジョウ)に載せる:
批評などの対象としてとりあげる。
俎=まないた のこと。
[広辞苑第五版]

147:本当にあった怖い名無し
07/04/07 22:38:28 LTCuXSWT0
>>308
まずはどっちの立場に立っての意見かを明記して下さい。
とりあえず「流布」の使い方がおかしいです。

148:本当にあった怖い名無し
07/04/07 22:49:00 LTCuXSWT0
>>ID:vMYX5wK9O
疲れていると言いながらの連投、しかも長文
ごくろうさまです。

しかし、主張されておられることの方向性がさっぱり分かりません。
このままでは「で、結局何が言いたいの?」で失笑を買うだけの戯言としか判断出来ません

あ た ま は  だ い じ ょ  う ぶ で す か ?

149:本当にあった怖い名無し
07/04/07 23:06:42 LTCuXSWT0
科学で証明されていないから「否定」と主張されるのであれば、
その「科学」の力を駆使して、「否定」の正当性をを証明してみて下さい。

<<<<※★ココ重要>>>>
一番重要なことは、
「ココは心霊・オカルト関連について議論をするスレではない」ということです。
前世の記憶を取り戻したとされる自夜氏が、その前世記憶を基に
物語形式でその内容を書き記し、それについての感想や意見交換をするスレです。

あなたにふさわしいスレへ移動することが、
あなたを更正へと導く最善の手段であると介護的発言をさせて頂きます。

150:本当にあった怖い名無し
07/04/07 23:16:05 a+Pb/yIL0
>>298
相変わらずな文章ですね、
特に「こう書くと私が言論封殺してしまいますので、書きません」
ならば最初から書かなければ良いのでは?
さて、学会によって云々とありますが
貴方は検証不十分のモノに科学が積極的に関与すべきでは無いとの前提すら無視されてますね?
どのような学会に所属されていらっしゃるのかは不明ですがね。
用語が違うのと科学的な物事の捉え方とはなんら関係がありません
関係無い話でごまかされるのがお好きなのですか??
科学が完璧などと誰も発言してませんが、何にひっかかってるのでしょうか?
これ以上のカキコはしませんが、
自己の発言に対しての感想が全てイチャモンにでも感じているのでしょうか?
もう少し落ち着いて反応されると良いのではと思いますね、では、さようなら。

151:本当にあった怖い名無し
07/04/07 23:29:07 LTCuXSWT0
>>316
はい、さようなら

<念押し>
あなたが「さようなら」と言ったから、
その言葉に同意して「さようなら」と返答しました。
あなたの方が先に発した「さようなら」の言葉。
絶対厳守して下さいね。

では、もう一度、改めて「さ よ う な ら」

152:('A`)
07/04/07 23:51:45 5Yset8o/0
PCがあいたのでPCから書き込みに参上しましたよ。
>>308
どっちって…どれとどれのことでしょうか…
あと流布の使い方間違ってましたか…?
る‐ふ【流布】
[名](スル)世に広まること。広く世間に行き渡ること。「妙なうわさが―している」
[大辞泉]

>>314
なんでそんなにけんか腰で向かってこられなければならないのでしょうか…?
主張というか、こんな話があったんですけどどう思いますでしょうかーくらいの
つもりですが。一応言いたい事は「自夜さんの言う『科学的』ってなんか変じゃね?」
ということだけです。

>>315
↑で>主張されておられることの方向性がさっぱり分かりません。
と言われつつ、なぜ「否定」派だと決め付けられねばならないのでしょうか…
私は心霊現象については肯定派なんですが…?
それに心霊現象については一度も否定的発言をした記憶はないのですが…
あと一応>>213-215あたりと
削除GL
スレッド
 固定ハンドルが題名に入っている・固定ハンドルが占用している・
 閉鎖的な使用法を目的としている・等は、自己紹介板・最悪板・夢・
 独り言板・おいらロビー・なんでもあり板以外では、
 原則として全て削除または移動対象にします。
をご覧ください。

153:('A`)
07/04/07 23:53:42 5Yset8o/0
寝ぼけて自己(事故)レスしてますた。
上の>>308>>314の間違いですた。
ではおやすみなさいzzz

154:本当にあった怖い名無し
07/04/08 01:35:08 nhUE7q4n0
>>317
誰だか存知上げないが、横からでしゃばって話しを仕切るのが好きなのか?
君が言ってる事をノシをつけてお返ししてあげたいな。
君は何かの正義感に燃えてでもいるのか?
内容が無いのは君だろ、君。話のレベルに合わせられないのであれば口を挟まないのが良いと思うよ。
 
           上記のような印象を受けました

155:本当にあった怖い名無し
07/04/08 02:06:24 LUsZSD/b0
荒らしというより、嫌がらせに近かったね。>>317はGJだと思ったよ。
その内の一人は何と「☆本日のNGID報告スレッド☆荒らし対策センター」
というスレの住人みたい。名に値しないふざけたふるまいですなあ。

156:本当にあった怖い名無し
07/04/08 04:09:27 zsAi+mil0
>>321
禿同。
レスの内容が常に意味不明&辻褄の合わない言い訳ばかり・・・
己の姿が自覚できてないから、自分で勝手にレベルが高いと勘違いまでしているw
キチンと受け答えしている人を掴まえて言う言葉じゃないよね。
他人との接点をこういう形でしか持てない人って哀れだよな。

157:本当にあった怖い名無し
07/04/08 04:24:12 nhUE7q4n0
>>322
なんと?国語で形成されてる文章を読んで理解できないと仰る
どれだけユトリなのだろう?
キチンと受け答えと適当に茶を濁すの区別すらつかないのか?
>他人との接点をこういう形でしか持てない人って哀れだよな。
感動するレベルの自己紹介ですか? 勝手にマトメ厨ですか?

158:本当にあった怖い名無し
07/04/08 04:50:15 lIw2q4k70
読める文章と理解できる文章・内容に同意できる文章の区別すらついてないw
日本語の漢字・ひらがな・カタカナで形成されていれば読めることは読めるが、
理解できない・内容に賛同できないことって多々あること。


159:本当にあった怖い名無し
07/04/08 09:16:25 fgqN1Req0
   .. :..     __  ..
          .|: |
          .|: |
       .(二二X二二O
            |: |    ..:+ ..
      ∧∧ |: |  おにちゃ・・・・・
      /⌒ヽ),_|; |,_,,       
_,_,_,_,,~(,,  );;;;:;:;;;;:::ヽ,、
   "" """""""",, ""/;

160:本当にあった怖い名無し
07/04/08 10:46:41 Sd1KtDlo0
>>325
。・゜・(ノД`)・゜・。

161:本当にあった怖い名無し
07/04/08 14:49:05 dh2dkbo4O
>>321-324
とりあえずみんなモチツケ。

162:自夜
07/04/09 10:40:31 k6ORNTec0
>>325さん
Web Site の方にお墓を使わせて頂きました。支障あるようでしたら、お知らせ下さい

お墓の場所は、>>1のURLより
[一緒に死ぬ]->[三悪漫遊記]->(短気な人はクリック)->[浪人之墓]
です。なお、三悪漫遊記は携帯には対応していません

163:325
07/04/09 23:07:12 L55RVM9W0

支障はナイヨー


164:自夜
07/04/09 23:48:04 k6ORNTec0
>>329 325さん
とってもサンキューです

165:自夜
07/04/09 23:50:07 k6ORNTec0
前世物語 第二部乱世編 第四十話 末期 その一

浪人の肉体から何かもやもやしたものが出、八方に散っていく様を私は冷
たい目で見ていた。その時から加由の心が判らなくなった。
加由が助けられた河原に穴を掘って浪人は埋められた。墓標は折れた鞘。
茜色の空の下、坊主の読経が流れる。加由は手をあわせ瞑目している。
あれだけ坊主を嫌っていた浪人のことだ。経をあげられて、さぞ迷惑して
いることだろう。いや、その浪人はもういない。消えてしまった。消えて
しまった魂はどうなるのだろう。田袋と同じ所に行ったのだろうか。瑞穂
やととちゃ、かかちゃ、そして洟垂れ弟もそこにいるのだろうか。なぜ、
私はここにいるのだろう。
経を聞きながら、ぼんやりした頭で私はそんなことを考えていた。
「せめてー、あてものがー、はずれーてからにーしたらーいい」
坊主の問いに加由がぎこちない笑顔で答える。
「いえ、ここにいると、きっと私はあなたを殺します」
「しーっておったかー」
「はい。兄の頭の布を取った時。あの崩れ具合は岩にぶつかったとか、そ
 ういうものじゃない。刀でもない。何か、固い細い棒のようなもの」

つづく

166:自夜
07/04/09 23:53:06 k6ORNTec0
前世物語 第二部乱世編 第四十話 末期 その二

加由の出で立ちは浪人の着ていた服の裾を詰めたもの。二本差し、草鞋。
髪も多少短くし、総髪に垂らし髷。多少華奢ではあるが、若武者姿。
「そう、おそらく錫杖」
「そーかー、しーっておったかー」
坊主はしゃがみ込んだまま、土まんじゅうを見ている。
「ぼーずになるときにー、もーせっしょーはぁせーまいおもーたがのー、
 あーでもせなー、わしがーここにーはいっちょーた」
「兄は相当あなたを恨んでいたようです」
「わしのほーは、とーんとこころあたりがなーでぇこまるのー。うんにゃ
 ありすぎてーかのー」
「兄は侍を捨てました。そして、生きるために侍をやってました」
坊主は答えない。
「兄は皆が幸せになれる国を夢見てました。幼い頃死んだ私の父も百姓だ
 けの国をつくるんだが口癖だったと聞いてます。私には言葉こそ違え、
 その想いは同じだったように思えます」
坊主が立ち上がり、裾を払う。

つづく

167:自夜
07/04/09 23:56:22 k6ORNTec0
前世物語 第二部乱世編 第四十話 末期 その三

「わしはーさむらいにーむげにーころされたーものどもーをーとむらうた
 めにーさむらいーをーすてーてーぼーずにーなーた」
「それで、慰められますか」
坊主は落ちゆく陽を見る。
「さーなー。いいわけにーはーなるなー」
今度は加由が土まんじゅうの前にしゃがむ。
「私は兄と同じ夢を見ていたと思っていました。だけど今はよく判りませ
 ん。ゆっくり考えてみたいと思います」
加由が再び手をあわせ、瞑目した。
「わしはーのこりのときをーむかしのーためにーつかおうー。ぬしはーさ
 きがーなげーでー、すきにーいきたらーええ」
加由が立ち上がる。
「はい。私を助けて頂いたこと、兄の手当をしてくれたこと。感謝します」
「れいはえーでー、かわりにー、そのうちうまいめしでもくわせーや」
「心からあなたを許せる時が来れば、是非」
そう答えた加由の笑顔は爽やかだった。

第四十一話へつづく

168:本当にあった怖い名無し
07/04/10 11:36:58 6OShE7RZ0

   ∧_∧
  ( ・ω・) <いつまでも泣いてたらおにちゃに怒られる
 _| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 <⌒/ヽ-、___<明日から頑張って強く生きよう 
/<_/____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     △
    ( ・ω・)  …アレ?
    (U. U
     )ノ
 <⌒/ヽ-、___
/<_/____/


169:本当にあった怖い名無し
07/04/10 12:18:30 p79tmbLD0
>>334
死んじゃだめだー!www

久々の自夜視点だね。
今後はずっと自夜視点で行くのかな?

ところで加由・自夜っておかゆとおじやから取ってる?
んなわけないかw

170:自夜
07/04/10 13:57:24 DL5lOrpr0
>>334さん
こっちきちゃだめだーっ!!!

>>335さん
私の母から順に

湖亜
自夜
加由
須磨

でございます。私の曾孫は美厨とでも名付けられたでしょう
ちなみに、私の父は鬼霧でございます
もちろん、仮名で、実際はこんなふざけた一族ではございません
前世物語通して実名は二人だけでございます(一人は姓だけ実名)

物語の視点ですが、この先どうなりますやら・・・によによ

171:自夜
07/04/10 20:36:15 DL5lOrpr0
前世物語 第二部乱世編 第四十一話 別離 その一

不思議な感じ。
十年近く離れたくても離れられなかった加由が夕陽に向かって旅立つのを
私は憎くて憎くてたまらなかった坊主と見送っている。
もう加由の心を知ることもないだろう。加由も二度と私を見ることはない
だろう。
これが子別れというものか。加由は自分の足で歩き始めた。もう親の出る
幕ではない。ましてや、生者でもない私がすることはない。
あの、雪の日、私の骸にすがり泣き叫ぶ加由を上の方から見降ろした時に
私は私が死んだのを理解した。
自分の死そのものは悲しくも何ともなく、むしろあっけないものだった。
加由が私の後を追ってもいいと考えた時、私はそれでもいいとさえ思った。
加由と二人で待っていたら、いずれ迎えが来て田袋が待つ悲しみのない国
へ連れて行ってくれる。
代わりに来たのが浪人だった。
一目であのときの青年だと判った。
しっかりした身なり。てっきり元の侍に戻っていたと思った。

つづく

172:自夜
07/04/10 20:38:54 DL5lOrpr0
前世物語 第二部乱世編 第四十一話 別離 その二

その青年と加由が私の土まんじゅうを作っている。何故だろう。
加由が浪人の後を追う。何故だろう。
私はその加由の後を追う。何故だろう。
何故だかさっぱり判らない。判らないが、判らなくてもいいと思う。何故
判らなくてもいいと思うのだろう。
その時はこんなことを考えていた。
どうやら、私は加由から離れられないらしい。そう気付くのに時間はかか
らなかった。
私は加由とともに時を過ごした。
あれほど愛しい加由、その逝く末を案じていた加由。離れられない理由は
簡単だ。
だが、それならばなぜ冷静に、いやむしろ冷酷に加由のことを見るだけな
のだろう。
加由が倒れようが、怪我をしようが、重い水に苦しんでいようが何も感じ
ない。
何故感じないのか考えようとするが、続かない。

つづく

173:自夜
07/04/10 20:41:59 DL5lOrpr0
前世物語 第二部乱世編 第四十一話 別離 その三

死者とはそういうものかもしれない。自夜、おまえは死んだのだ。生者と
同じように考え行動することが出来るはずがない。
これで簡単に納得してしまう。そして、ただ冷酷に見るだけ。
加由の考えることは大体判る。別に加由の心を覗き込む訳ではない。親娘
だ。通じるところがあるのだろう。
しかし、それだけのこと。考えが判ったところでそれに対して何も感じな
い。
加由が臼井から逃げた時、どうして私は加由に私を見せたのだろう。
崖の向こうに臼井の仲間がいることは判っていた。だけど、加由を助けな
ければという気持ちは私にはなかった。意識して見せた訳でもない。しか
し、確かに私が加由に見せた。そして、気が付いたら、加由と一緒に崖を
落ちていた。
坊主にしてもそうだ。あれほど憎くて憎くてたまらなかった坊主、もちろ
ん今でも憎い。だが、今はなんの感慨もない。
今、夕陽の向こうに加由が去ろうとしている。
さようなら、加由。

第四十二話へつづく

174:本当にあった怖い名無し
07/04/11 15:27:27 OxTS5MT50
>>自夜さん
幽霊って、よく水周りに引き寄せられるって言われてますね。
ご自分の体験で、水に関して何か思うところはありましたか?

175:自夜
07/04/11 20:41:33 YWWqXdmA0
>>340さん
遅くなって済みません。以下に回答します

問:水に関して何か思うところはありましたか?
答:特段なかったですねぇ
  水の中でも移動はできましたけど、わざわざ橋がかかっているところを
  とぼとぼ歩いて渡ったりしてましたが
  あとは、そうですねぇ。雨とかは、別に濡れる訳でもないので気になりません
  でしたが、晴れの日の方が気分が多少はよかったような気がします

こんなところでよろしいでしょうか

176:本当にあった怖い名無し
07/04/11 20:47:45 OxTS5MT50
>>341
ご返事ありがとうございます。
そうですか、よどんだ沼とかで足(?)をとられて自縛してしまうのかと思った。

177:自夜
07/04/11 22:26:58 YWWqXdmA0
前世物語 第二部乱世編 第四十二話 彷徨 その一

加由は夕陽に旅立った。
坊主は私の方を見て、何か言いたげな表情をした。そして、くるりと向き
を変え、夕闇に旅立っていった。
坊主には私が見えていたのだろうか。そんなことはないだろう。加由でさ
え、私が見せなければ私を見ることはなかった。
亡者とはいえ母として加由に憑いていた私は今その使命を終えた。ここに
いれば、誰か迎えに来て、田袋が待つ黄泉の国に連れて行ってくれるのだ
ろうか。
ずいぶん長い間立ち尽くしていたような気がするが、迎えは来なかった。
気が付くと、私はとぼとぼと歩いていた。
目的はない。行き先もない。亡者はこうやってあてもなくさすらうのが定
めなのだろう。
その気になれば、宙を飛んでいくことも、今までの経験で知っていた。だ
が、私はとぼとぼと歩いた。
歩いても疲れない。急ぐこともない。理由は何とでも付けられる。
だが、特に理由もなく歩いた。何日も何日もとぼとぼと歩いた。

つづく

178:自夜
07/04/11 22:29:59 YWWqXdmA0
前世物語 第二部乱世編 第四十二話 彷徨 その二

百姓屋の横を通り過ぎる。夕餉の楽しいひとときの声が聞こえる。
別にたいした興味は覚えなかったが、私は百姓屋に入る。壁を通り抜けて
もいいのだが、何故か入り口を通り抜けてはいる。
中年の夫婦に加由くらいの長子を筆頭に子供が五人。夕餉は私が生きてい
た頃と大して変わらない質素なもの。それでも一家揃って楽しげに囲炉裏
を囲んでいる。
父親が食事の後、子供達を前に座らせて、何か自慢話をする。そして、袋
から大事そうに小さな粒を取りだし、一つづつ子供達に与える。
金平糖という南蛮菓子だと父親の話から判る。
こんな百姓屋でも南蛮渡来のものが入り始めている。私が生きている時に
はなかったことだ。
暫く一家の様子を眺めていたが、私はふらりと裏口から出る。
何も不幸なことはなさそうな一家だが、入り口の近くに小さな土まんじゅ
うが幾つかあるのを私は気付いていた。
私はまたとぼとぼ歩き出す。
ふと空を見ると無数の星達が煌めいている。

つづく

179:自夜
07/04/11 22:37:04 YWWqXdmA0
前世物語 第二部乱世編 第四十二話 彷徨 その三

星を見ると自然に思い出す。満天の星の元、田袋が夢を語る。加由が目を
輝かせて聞く。私が微笑みながら揶揄する。
私達の団欒はいつも空の下。
そして、涙をこぼしながら浪人の小屋で飯を食う加由。加由にとって、あ
れが初めての屋根の下での団欒だったのだろう。
あれから随分時が経ったような気もするし、つい先ほどの出来事のような
気もする。
野良犬が五月蝿く吠え立てる。私の気配を察しているのか?
近づくと、尾尻を股に入れ怯える。私はその場でしゃがみ込み、身を小さ
くする。犬はきょとんとし、鼻をひくつかせながら去っていった。
なるほど、そういうわけか。私が普通にしていると、何かしら感じるとこ
ろがあるらしい。坊主が気になったのもこれか。
その何かしらは、ある程度、私の意志で消すことも出来るようだ。
判ってしまえば、もう興味はない。
私はまたとぼとぼと歩き出す。
いつしか、道は山に入っていった。

第四十三話へつづく

180:本当にあった怖い名無し
07/04/12 01:10:41 73uyhGFU0

      ∧△∧
      ( ・∀・)
      ノ  ̄) ̄)
     (  )ノ~)ノ
     ) ノ
      V


181:自夜
07/04/12 22:50:34 tfi/1f/V0
 (-_-)
m   m ~~トボトボ

182:自夜
07/04/12 22:54:37 tfi/1f/V0
前世物語 第二部乱世編 第四十三話 飢狼 その一

夜の山道。行き交う人はいない。明かりは星。ただそれだけ。
多分、生きている間はとても恐ろしくて、こんな夜道は歩けなかっただろ
う。死ぬっていうのは不思議だ。こんな夜道も怖くない。
獣の大半は夜山で蠢く。
では、獣は私のような亡者か。ちがう。彼らは生きている。
彼らは彼らを喰らう生き物に怯え、彼らは彼らが喰らう生き物を探す。
単純明快で言い。私は喰らわれる心配はない。彼らを喰らう必要もない。
彼らを怯え、彼らを求める必要もない。
目の前を黒い影がよぎる。
私が死んだ時にも会った連中。犬神様。
ふと、道の傍らに板きれが立っているのに気付く。風雨にさらされ、色あ
せているが、かろうじて星明かりでもなんとか字が読み取れる。
×ゆの××じや××い
なんのことはない。ここは私が死んだところだ。
ずいぶん彷徨って遠くに来たような気がしていたが、元に戻っただけ。
もうすぐ冬が来て、あの日のようにこの峠も雪で閉ざされるのだろう。

つづく

183:自夜
07/04/12 22:57:59 tfi/1f/V0
前世物語 第二部乱世編 第四十三話 飢狼 その二

すると、私の目の前で峠道を横切るこの連中は、あの時の一家だろうか。
いや、あれから十年近く経っている。
狼の寿命がどのくらいか知らないが、とっくに代替わりしているだろう。
犬神様達は私には目もくれず、道をよぎる。最後の一頭だけが、私の方に
顔を向ける。
その一頭は峠道で立ち止まり、私を見据える。表情に怯えや怒りはない。
涼しい顔。
その一頭は群れから離れ、峠道を歩き出し、立ち止まってまた私の方を見
る。ついてこいと言うのか。
私は犬神様のあとをとぼとぼと歩き出す。
峠を越えて、郷を越えて、また峠を越えたところで背後の東の空が白みだ
した。三つ目の峠で犬神様が立ち止まる頃にはすっかり明るくなった。
犬神様は峠の先に顔を向けては私を見る。
おまえのいばしょはここではない。このさきにおまえのいくところがある
そう言っているような気がした。私は犬神様の差す方に歩き出す。
随分歩いた頃振り返ると、犬神様は峠から私を見ていた。

つづく

184:自夜
07/04/12 23:01:28 tfi/1f/V0
前世物語 第二部乱世編 第四十三話 飢狼 その三

そして、くるりと向きを変え、峠の向こう、朝日の方に姿を消した。
ずいぶんと深い山。道はやがて細くなり、枝分かれし、地面と区別がつか
なくなる。生身だと大層歩きにくそうだが、今の私には関係ない。
鳥達がさえずり、その上を大きく弧を描いて飛ぶ鷹。
栗鼠は口いっぱいに木の実を詰め込み巣へと運ぶ。狸共も冬に備えて丸々
と太り、それでも足りぬとしきりに餌を漁っている。
それにしても、狸が多い山。連中は私のことなどお構いなしだ。
やがて日が沈み、日が昇り、また日が沈む。この活気のある山で私だけは
ふらふらと幾日か過ごした。
目の前にあるこれはなんだろう。それは木。幾本もの木が重なり合い、ま
るで来るものを阻むように壁として立ちはだかっている。
木の向こうは何百尺も高くそびえる崖。その崖の麓にその木の壁はあった。
幾度目かの夕刻。あたりは徐々に暗くなる。
目の前にあるこれはなんだろう。
私は立ち尽くしてその木の壁、そして崖を見ていた。
周囲に獣の気配はない。

第四十四話へつづく

185:本当にあった怖い名無し
07/04/13 06:53:40 +6JmkQFy0

        ヽ:::::::::`'::`:::::\       ri,})
. 、ノ{.   _,,-'':::::::::::::::::::::::::::::)      `j {ノi
.  }, レ   .ノィ:::/_!::::l`:!_!、l::i::ヽ     ) r'",
.  )(,,ィ.    !::i',,、ヽ:、!,,、!i:/:::::l    犬神様は何処まで行くのかね
 (  j.    `il{ lj  lj }'l:|'i::::::l,    ヽ,,ノ
  '-"     |l, '、_   |::|':::::::::.、  
.         |::|`' ,、 /!|:::|r''''''''ヽ::.、
         |::|'''" ii:: /l:::| // ヽ:::..、
.        |:::| l || //l:::l !/    l::::::::..、
        |:::|  ` レ"/:::l /    .|7''ヽ::::ヽ
.        |::::|ヽ  / /:::ノ l  \  |ヽ,__ jヽ::i   _
       /:::ノ '、 i i ̄  l \ \ .|:.:.:.:.:.:.:`、}}}}}}::::::.ヽ
.        ̄|,/  `''ー!,,,,,,,,l   \   |/:.:.:.:.:.:',  `ヽ;;;;;ゝ
         /       /    \  l''":.:.:.:.:.:l
        /       /        \:.:.:.:.:.|
        /       /           |:.:.:.:.:.|
       ,/       /           |:.:.:.:.:.:.l
      /       /           |:.:.:.:.:.:.:.`'' ̄ ̄ヽ
      /       /           .|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
     /       /            |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
     (       {             l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..l、
.     '`丶,、    \          /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ iiヽ
         '` ヽ,、_,/\      /ヽ;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/、=|| |
              ヽ:.:`''''--'''":.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  `'`゙
                `ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`'''-:,;、_;,;、-'''`

186:自夜
07/04/13 17:47:27 GD+rKICI0

              / /,.!  .、| , |        ,,,-ニ―'"゛
               、l゙,/,||,,,,,,, ,   "'ギ豸┬‐ニニニ=ニ、  ,,,,,,,,,二. .,/L
              ,Mll'"″    フ,,彳,,,,, '゙゙彡ニ.    ^,,,>--‐ニ'''",,/"
         / /         ` ''"゙r‐ '''''z-ー'''"^ ,,,,,r'"  /゙‐-,,、
        .,/,   .,|                 彡   _,///  /
      ._,/ .l゙   ィ″             `イ.////` ./
    _,/"  /i、 //,、                ////  ./
   彡    |::l,ト.//./   .,/y゙' ニ彡,    ィ   ´`''″ _/
  .〃/    ,, フ///.//'′    `"゙゙゙彡      r'"
  .彡   /`  ´.'゛ //   _       '"     .、V
   Vレ'"         ,vニニ:::::ァッッ-    、、   ヾi i
  ./       , ./  - .、、 ` ̄^   、,_-,ミ 、  .l|.゙ |          ヽ
./::冖-.、   //`    ミ \\ミぃ, ヽ\\ヽ`'' ^   i|   |
||:::::::::::::ヽ       、,;-"     ``'` `       ミ   .l.        |
!゙l::::::::::::::::)   、、,,ヽ     .、、.、      、 i、.゙l爪 |. |         l .|
ヽ`!'¬‐'"    ゙`    _,,_,,,__ ヾ,'ヽヽ     ヽ .N,|″ .| .|      .| ,l゙
 ^'lヽ、     ._,,,--ニ二,,,ニ,,〟."`゙' ヽ    、゙l゙iヘ"  .i .| .l      i l゙.l
  .\゙ ‐―ー'二ィニ゙、    ゙ヾミヽ,ヾ、,,ゝミミ^「     l |       .|│
    `゙''~゙'"`|.!|.ll .ヾ \\    ` `  ``      , | .|     ., .レ
        ||| | .ll゙ .ヽ ゙\\               .| | .l゙    ,/ /        何時までついてくるんだ? この変なの・・・

>>351さん
というわけで、そのAAかわゆいんで、Web Site の方の挿絵に使っていいですかね

187:本当にあった怖い名無し
07/04/13 19:07:04 ualoxJ1g0
>>352
   ∩狢∩  
   (◎Å◎) ええよ
  ⊂    ⊃
  (  x   )⊃
   ∪ ω ∪

188:自夜
07/04/13 23:07:14 GD+rKICI0
>>353さん
とってもサンキューです
早速、使わせて頂きました

あと、狢さんが、「わしゃ、女じゃ」といじけてました

189:自夜
07/04/13 23:10:20 GD+rKICI0
前世物語 第二部乱世編 第四十四話 狢庵 その一

暗闇から小さな光がちらちらと近づいてくる。狐火?この山では狐は見か
けない。まるで狸の住処のような山。狐ではない。
光が大きくなる。手提げ提灯。人?提灯はとても高価なもの。蝋燭はとて
も高価なもの。とても庶民の手が届くものではない。
では貴族?京から何百里も離れた山中に貴族の別荘があるとは思えない。
提灯は私に近づき、私の傍らを通り抜け、木の壁に向かう。
驚いた。狸が後ろ足だけで歩き、大きな袋を背負い、手提げ提灯を持って
いる。なんだこれは。
狸は木の壁の前に立つ。木がぎしぎしと動いて狸が通り抜ける隙間が出来
る。狸はその隙間を通り、奥にはいる。また、木がぎしぎしと動いて隙間
が閉じる。
暫くして、上の方、木の枝と枝の間から光が漏れる。
私は木の壁に近づき、木の中にはいる。木々の思念がからみつく。嫌な感
じ。木々は私を嫌っている。いや違う。嫌悪とは異なる感情。でも好意で
はない。出来ることなら通って欲しくない。そんな感情。
特に拒まれることなく私は木を通り抜けた。

つづく

190:自夜
07/04/13 23:13:02 GD+rKICI0
前世物語 第二部乱世編 第四十四話 狢庵 その二

中は大広間。奥に別の部屋が幾つかあるのだろう。そのための入り口の穴
が壁にある。そして、階段箪笥。部屋をぼんやり照らすのは灯。
水屋には見たこともない磁器の鉢に皿、そして硝子の椀。広間の中央には
大きな台。毛皮の敷物。
なんだここは。
上の部屋から狸が降りてきて、私をちらりと見る。
「中まで入って来おったか。立木の結界も役にたたんな」
私が見えているのか。
「おんしは人間の幽霊じゃな。あ~、どうしてわしは人間の幽霊やらわし
 に喰われたい人間やら物の怪になりたい人間やら望みを叶えて欲しがる
 わけのわからん人間に好かれるんやろうなぁ、たまらんで」
別に狸のことは好きではない。なぜこの狸は人間の言葉を喋っているのだ
ろう。狸がじっと私を見つめる。
「おんし、ぬしには会うたことがあるな。もう何十年かまえじゃ。おんし
 はまだ子供じゃった」
私は喋る狸など知らない。

つづく

191:自夜
07/04/13 23:16:16 GD+rKICI0
前世物語 第二部乱世編 第四十四話 狢庵 その三

「忘れおったか。まぁ、無理もない。だが、わしはよく覚えておる」
狸は水屋から小皿を取りだし、袋から出したものを盛る。
「ぬしはわしに飯を喰わせてくれた。そういう恩をわしらは忘れん」
飯?思い出した。しものおにちゃが間違えて捕ってきた狢。すると、これ
はあのときの狢?そういえば、ふて腐れたような表情はあの時のまま。
「思い出したか。わしはあの日、人間の子供でも捕まえようとうろついとっ
 たら反対にぬしの兄に捕まった。油断じゃったな。まぁ、いつでも逃げ
 れる。どうせなら、郷の一番美味そうな子供を土産にしようとおとなしゅ
 う普通の狢のふりして連れて行かれた。そこで、ぬしが飯を喰わせてく
 れた。恩のある人間を喰うわけにもいかん。幸いぬしの親父が物知りで、
 わしは無事に放された」
狢はなにか盛った皿を三つ持って奥のある部屋に行く。私もついて行く。
「ぬしの名前はなんやったかのう。思い出した。自夜やったな」
部屋の中には土まんじゅうが二つに石の墓標が三つ。狢は手前の土まんじゅ
うの墓標の前に一つ目の皿を置く。
「これは、物の怪に喰われたいと言うとった姫さんや」

第四十五話へつづく

192:自夜
07/04/14 17:41:23 diBaMMmL0
前世物語 第二部乱世編 第四十五話 物怪 その一

狢は墓標の前でしゃがみ込み、手をあわせる。
「この姫さんはなぁ、死んでぬしみたいに幽霊になって、生まれかわって
 また死んで、人の一生分の不幸を何度も何度も味わった姫さんや」
生まれかわり?
「結局幸せになれんと、最後は消えてしもうた」
狢は隣の墓標の前に皿を置く。
「これは臼井という侍。亡骸はここにはないがな」
臼井?侍?
「姫さんの家来や。姫さんのために生き、姫さんのために死んだ。立派な
 侍や。姫さんのためならわしに魂を渡すと言うた。そんなもんいらんけ
 どな」
狢は最後の土まんじゅうに皿を置く。
「これは、物の怪になりたかった娘や。人の世に疎まれ、蔑まれ、見切り
 をつけてわしのところに来た。人まで喰ろうて物の怪になろうとしたが、
 結局人間に殺された」
狢は手をあわせ、瞑目する。

つづく


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