07/03/04 22:56:33 qzSwc/9F0
ヘッドフォンでモニターしていた部員の「足音が俺達を追い越した」という声を聞いて、
私たちは液晶モニターの前に集まり、画面を注視しました。
そこには当然のように、屋上へと続く階段が映し出されるだけで、人影は見えません。
さらに画面は進み、カメラはドアを抜けて屋上を映し出しました。
屋上には私たち以外に、誰もいません。
カメラはゆっくりと見回すように、屋上を撮影していきました。
そのときモニターに再生される映像を見て、私はおかしいと感じました。
普通なら屋上に出れば、遠くの街の明かりや隣の建物の明かりが映りこむはずなのに、
それがまったく無いのです。
まるで屋上だけがスポットライトに映し出された舞台のように浮かび上がり、
それ以外はまったくの闇なのです。
しかも、カメラが女子学生が飛び降りたとされる場所を映し出したとき、
そこにぼんやりと縦長の楕円形の人魂らしきものが浮かんでいたのです。
しかし撮影者はそれに気づかなかったようで、カメラは屋上をひと通り撮影し終わると、
階下へと引き上げていきました。
もちろんその場にいた私たちにも、何も見えていなかったのですが・・・
「何か映っていたよ」「見えた見えた」と私たちは興奮しましたが、
一部の部員から懐中電灯の明かりがポールに反射したせいだと言われたので、
ふたたび屋上に出るところから再生することにしました。