07/02/17 19:42:11 1mK16syJ0
信じようと、信じまいと―
ロンドン、カムデンロック界隈にあったとあるホテルの308号室は、「マスターソンの部屋」と呼ばれていた。
1962年と1967年に男が一人ずつこの部屋で失踪し、どちらも姓がマスターソンであった為だ。
経営不振から取り壊しの決まった72年、噂を聞いたヘンリー・マスターソンという雑誌記者がこの部屋に宿泊した。
彼は何事もなく朝を迎えたが、友人には夜中天井を這いずる二つの人影を見たと話した。ホテルから帰った日の夜、自分の家で。