なにそのツンデ霊☆七人目★at OCCULT
なにそのツンデ霊☆七人目★ - 暇つぶし2ch258:本当にあった怖い名無し
07/04/06 10:23:33 gX7JNtvz0
俺はお許しをいただいたので外の世界に飛び出した。
しばらく走り続け、他の人間が何の悩みもなさそうな顔で歩いているのを
見たとたん、脚から力が抜けてしまった。ずるずると壁に背を預けながら
へたりこんだ。
どうしよう?あれはただの立体映像じゃなかった。俺に危害を加えることも
可能だ。それも、だれにも知られることなく。

いままで無事だったほうが不思議だ。
いままで無事だったほうが。

「……忠告って、なんだろ……?」
ふらふらと立ち上がり、そのことばかり考えながら、脱力した体を引きずる
ようにして、俺は会社へと向かった。

259:本当にあった怖い名無し
07/04/06 10:24:06 gX7JNtvz0
その日は仕事が手につかなかった。
『男性の持続時間の不確定さに対する女性の無理解について』という議題
に、俺はなんら意義のある意見を出すことができなかった。くやしいが経験
がないのを理由に、職務怠慢の謗りからは免れた。その一方で、俺のトシ
にしては不名誉なあだ名を付けられてしまった。

「今日はさらに元気ないわね童貞」
帰り際、同僚の女性に声をかけられた。半笑いで。
「はぁ……あの、ウチに怖いのがいて帰れないんで、今晩泊めてください」
「……いくらなんでも焦りすぎでしょ童貞。だから童貞なんでしょ童貞?」
それは新しい接尾語だろうか。少なくとも俺は知らない。日本語の変化は
ほんとうに早いものだなと戸惑いとともに微笑ましく思う。

ちょっと死にたくなった。


260:本当にあった怖い名無し
07/04/06 10:25:03 gX7JNtvz0
これが鬱というものか。
すべてがもうどうでもいい。会社にも家にも安住の地はなく、俺の頭の中で
暮らす隣のおねえさんも、今日は励ましにきてはくれなかった。

アパートのまえに立ち止まる。
玄関にぼうっと立っているだろうその姿を想像する。
今朝の、背筋の凍るような声と、つかまれた腕の感触を思い出す。
あのとき、彼女の言うことを聞いていれば、今日おかしな呼び名をつけられる
ことはなかったと思う。取り憑かれて死んでたかもしれないけど、そのほうが
よかったかもしれない。
なんか鬱には怖いものはないのだなと、ぼんやりと考える。どうでもいいけど。

カギをドアノブに差し込んでから、いつもの方向に回せないことに気づく。
朝のアレで戸締り確認なんかできなかったっけ。
「ただいま」
目の前に彼女はおらず、いつものところに移動していた。一日のうちで場所
が変わるのを見るのは初めてだった。
首が動き、こちらをうかがっているのがわかる。
しばらくして。

「 ・  ・  よ   く   も   ど   っ   た   な  

261:本当にあった怖い名無し
07/04/06 10:26:37 gX7JNtvz0
周囲の空気を瘴気に変えながら、鼓膜はおろか脳漿までもを震わす声。
「あんたの言うとおり、行かなきゃよかったよ」
またしばらくして、なんのことだ、という反応があった。目のまえにいるのに
通信速度がやたらと遅い。
俺が会社であったことを話すと、嘲笑のような響きが伝わってきた。
「忠告って、そのことだろ?」

「  そ   れ   は   も   う   す   ん   だ  」  

―ばかめ、と付け足される。
なにがもう済んだのかわからないので反論のしようがない。
そのことを訊いても、それこそ置き物のように答えてはくれなかった。

質問を変えてみる。意思の疎通ができるのなら、訊きたいことは山ほどある。
なぜここにいるのか。
なにをするつもりなのか。
話したくないことは返事もせず、黙殺することがわかったが、有益な、俺を
安堵させるような情報はほとんど得られなかった。
なぜいつも黙って立っていたのか。
俺に声を聞く霊能力がないからかも、と思ったときもあった。いまとなっては
それは間違いだとわかっている。
間があり、つぎの質問にいこうとしたとき。

262:本当にあった怖い名無し
07/04/06 10:28:20 gX7JNtvz0
「  み   ん   な   に   げ   た  」

そして沈黙。
意味が消化できず、俺は考えこんだ。

「 ・  ・  ・  だ   か   ら  」

それ以上、いくら待っても続きはなかった。
というより、部屋の隅に移動して壁に向かい合うという、わかりやすい会話の
拒絶をされたので、その件に関して問い質すことはできなかった。

263:本当にあった怖い名無し
07/04/06 10:28:59 gX7JNtvz0
それから彼女はその姿勢を保ち続けた。
なんで? と訊いても、うなるような重低音が響くばかりで意味不明。
動いたりしゃべったりすると電池が切れるためだと三日後に結論を出した
とき、久々のデスボイスが響いた。しかも(彼女にしては)超反応で。

「  ま    ぬ    け   !  」

264:本当にあった怖い名無し
07/04/06 23:09:10 hF6hemR/O
ツヅキマダー?

265:本当にあった怖い名無し
07/04/07 05:49:20 8xlDkIdPO
>>264
そんなに「やおいちゃん」の続きが見たいのか、あんたは!

266:本当にあった怖い名無し
07/04/07 08:42:42 U5G9Es9qO
せめてシモンちゃんにしてくれ……。
>>252-263GJ!

267:本当にあった怖い名無し
07/04/07 19:08:43 dL7wFm0w0
ツンデ霊という存在がいると聞き、ふと会いたくなって外へと出た。
外に出て当ても無く歩いていると、一人の女性に会った。
「ツンデ霊と言うのは何所に行けば会えるのでしょうか」
私が尋ねると、女性は何も言わずに道の片方を指差した。
礼を言い、指差した方角へと道なりに歩いて行く事にした。
この道の先にツンデ霊がいるんだ。
年甲斐も無く、未知との遭遇に期待を膨らましたからか
いつの間にか歩く速度が早くなっていた。
道を歩き続けていると、また女性と出合った。
どうやら気づかない内にぐるぐると廻ってきてしまったらしい。
「ツンデ霊と言うのは何所に行けば会えるのでしょうか」
私がまた尋ねると、女性は黙って指差した。
私は指差した方角へとまた歩いて行く事にした。
その道を沿って歩いて行くと、また女性と会った場所へと戻った。
私の方向感覚が鈍いのか、はたまた女性の案内が悪いのか
とにかく、また振り出しに戻ってしまったのだ。
「ツンデ霊と言うのは何所に行けば会えるのでしょうか」
私が三度尋ねると、女性は無愛想に指差した。
私は、また歩いて行く事にした。
この先にツンデ霊がいる。
そう信じて一歩、また一歩と歩み始めた。
いつになるかは分からない、でもいつかは会える気がする。
そんな気がしてきた。



指差した方向へと男が歩いていき、完全に視界から消えた後
ため息とともに女性は呟いた。
「そ…そろそろ気づきなさいよ……バカ…」

268:本当にあった怖い名無し
07/04/08 03:19:49 pBGzV3GkO
>>267
これいいなぁ

269:本当にあった怖い名無し
07/04/08 03:30:19 LFT9kkPWO
泣こうか怒ろうか 君が望むままに
ツンか デレか ツンデレドラマティック
ツンとそっぽむく君の愛情こそ
そんなオカルト ツンデレドラマティック

270:本当にあった怖い名無し
07/04/09 12:58:52 k0bYDVmeO
ツンデ霊はまだですか?

271:本当にあった怖い名無し
07/04/09 23:50:39 nLb0/PLXO
>>270
ちょっと!私を心の中に閉じ込めておいて何言ってるの!
だ、だから、私がいるじゃない……!

272:与り知らぬ同居人
07/04/10 00:56:31 y6CTrWgj0
頭痛に襲われてる今は
指すら動かす余力も無いし
目を開く気力も無い
そんな時だけだよな、お前が枕元に来るのは

仮に余力があったとして
仮に気力があったとして

怯えさせずに手を伸ばせるか
見つけて抱き締めずにいられるか
多分ムリだろう

だからオレは動かない
まどろみに任せて眠るだけ
少し頭痛が薄れた気がする

まったく、いつもいつもズルイよな~
礼くらい…言わせろよ

273:本当にあった怖い名無し
07/04/10 06:13:41 awRMd8Fr0
>252-263 の続ききぼんぬ。

作者さん、最後まで読ませて!wktk

274:本当にあった怖い名無し
07/04/11 00:29:27 Dpt/aVErO
よーし書いてやろうじゃないか…
お待ちかねのやおいちゃん新シリーズをな!

275:なにその○ンコ竜
07/04/11 02:13:56 nCCesWyg0
「…また来たのアンタ。そんなに雪山好きなの?それとも…」
「ヒマだから」
「…………」
「なんかやれ」
「アンタっていっっつもそう!自分勝手で」
「いいから」
「うっ…じゃ、じゃあダンスでも」
「くるくる回るだけのアレか。飽きた」
「う、歌、聴く?」
「今日高級耳栓じゃねーんだよ。だからヤだ」
「み、耳栓て?耳栓してたら聞こえないじゃない!?」
「うん」
「ひどくない?」
「ひどくない。ああ、火ーあるか?」
「煙草やめなさいよ…はい(ビリビリ)」
「馬鹿野郎、黒焦げにする気か?」
「ご、ごめんなさい」
「ったく使えねーな…しょうがねー、いつものやるか」
「か、皮剥いだり内臓まさぐったり?」
「その前にすることあるだろーがよ」
「あ、う、うん、そうだったわね。よーし、負けないぞー♪」

276:本当にあった怖い名無し
07/04/12 09:17:23 /koIekIQ0
ウンコ

277:本当にあった怖い名無し
07/04/12 10:45:01 /koIekIQ0
ウンコだいっきらい!

278:本当にあった怖い名無し
07/04/12 12:14:26 O6aRnZqEO
セルフつっこみ 乙


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