07/04/07 19:08:43 dL7wFm0w0
ツンデ霊という存在がいると聞き、ふと会いたくなって外へと出た。
外に出て当ても無く歩いていると、一人の女性に会った。
「ツンデ霊と言うのは何所に行けば会えるのでしょうか」
私が尋ねると、女性は何も言わずに道の片方を指差した。
礼を言い、指差した方角へと道なりに歩いて行く事にした。
この道の先にツンデ霊がいるんだ。
年甲斐も無く、未知との遭遇に期待を膨らましたからか
いつの間にか歩く速度が早くなっていた。
道を歩き続けていると、また女性と出合った。
どうやら気づかない内にぐるぐると廻ってきてしまったらしい。
「ツンデ霊と言うのは何所に行けば会えるのでしょうか」
私がまた尋ねると、女性は黙って指差した。
私は指差した方角へとまた歩いて行く事にした。
その道を沿って歩いて行くと、また女性と会った場所へと戻った。
私の方向感覚が鈍いのか、はたまた女性の案内が悪いのか
とにかく、また振り出しに戻ってしまったのだ。
「ツンデ霊と言うのは何所に行けば会えるのでしょうか」
私が三度尋ねると、女性は無愛想に指差した。
私は、また歩いて行く事にした。
この先にツンデ霊がいる。
そう信じて一歩、また一歩と歩み始めた。
いつになるかは分からない、でもいつかは会える気がする。
そんな気がしてきた。
指差した方向へと男が歩いていき、完全に視界から消えた後
ため息とともに女性は呟いた。
「そ…そろそろ気づきなさいよ……バカ…」