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信じようと、信じまいとー
1968年6月5日、アメリカのニューイングランドの自動車整備工、
ハーバート・ホーンが自宅の大きな鏡の前で死亡しているのを家
族が発見した。死因は窒息によるものとみられたが首には絞めら
れた跡のようなものは残されておらず、さらに奇妙なことにハー
バート・ホーンが身につけていたもの全て、衣服の合わせから、
財布の中の運転免許証や紙幣に至るありとあらゆるものが全て通
常のものとは左右反転していたことであった。死体と遺留品は全
てFBIの科学捜査班に送られ検査された結果、驚くべきことが判明
した。ハーバート・ホーンの所持品はおろか、彼自身を構成する
分子構造が全てキラル(鏡像異性体)化していたのである。窒息
死の原因は、キラル化したハーバートの血液中のヘモグロビンが、
通常の構造を持つ酸素と結合できなかった為と推測された。FBIは
何らしかの要因でハーバートと彼の所持品が突如キラル化したと
考えたが、その原因は懸命の調査にも関わらず解明されることは
なかった。