06/10/28 19:24:24 jI1VlkphO
この季節になると、おでんの匂いと共にいらん記憶が甦る。
……もう十年か、もう少し前の交通事故の現場の光景だ。
当時オレは、駅前のコンビニでバイトしてた。
まだ、辛うじてバブルの余韻が残ってたのは多分田舎だった
からだろう。結構客が多くてホット商品の補充や、おでん・
唐揚げなんかの調理を頻繁にしなきゃならなかったんだ。
コンビニでも、田舎にゃ常連といえるお客さんが居るもんで
、ウチにも何人かいたんだ。
その中の一人に、畑さんって女の人がいた。
隣りのパチンコ屋で働いてた。田舎の駅前に行ってみりゃサ
ラ金屋とパチンコ屋なんてありふれた景色だろ?ウチの店は
ビルの一階に入ってたんだが、三階から五階までサラ金屋だ
った。二階は、何考えてんだか保育所になってて、そんな環
境にもかかわらず繁盛してた。
畑さんはバツイチの子持ちで、三十代だったけど、どうみて
も高校生ぐらいにしか見えなかった。明るくて素敵な人だっ
たから、店の人たちから好かれていたと思う。オレたちコン
ビニクルーに対して、訳もなく横柄に接しくる客って、結構
多いんだ。
パチンコ屋の店員は、そういうのが大半だったから、オレら
は嫌いだったんだが、畑さんが働きだしてからは嫌な思いをすることがなくなった。
本当に良い人って、周りを変える力があんのな。
パチンコ屋の店員たちが、どんどんイイヒトになってった。
地回りみたいなオッサンが畑さんの前では、ニッコニコ笑う
んだよ。
すまん。これ以上書けない。思い出したくない。
吐き出したら楽になるかと思ったんだけど。辛すぎる。