06/12/22 23:06:00 Njf95PZc0
子供の頃、毎年夏は瀬戸内海の民家(海の家を経営してた遠い親戚の家)に
泊まりに行ってた。ある夏行ってみると、いつも釣りに連れてってくれるおじ
いさんがいなかった。おばあさんに聞くと、「漁に出てるんよ」
暇を持て余してたので、こっそり家を探検した。(一応人家なので、プライベ
ートの部屋には勝手に入っちゃいけない決まり)今まで行った事がない奥の方
まで入り、ある部屋をそっと覗いたら、おじいさんが寝ていた。枕元には洗面
器。顔がとてもどす黒い。
動転して海の方へ走って逃げた。泳いでた兄が「どしたん?」なぜだか言っちゃ
いけない気がして「何でもない」とごまかした。
やがておばあさんがお握りを持ってきた。兄が「おじいさんはいつ戻るの?」
と聞いた。おばあさんは「いつになるかしらねぇ」
お握りがしょっぱくて、美味しくて、なぜだか鼻がつーんとした。次の夏から
その民家に行く事はなかった。
それがウチにとっての開かずの間。