06/07/30 17:16:09 vktdi8qQ0
当時の日本には当然代理店も無いし、仮に商社が輸入したとしても、
当時の貨幣価値を考えると庶民の家一軒よりも遙に高額な筈だ。
今ではちょっとした乗用車程度の値段で買えるので大したことは無いが、
戦前なら人の命が買えそうな値段だろう。
資産家でもない、ただの軍人である爺さんには絶対に
買える筈も無いし、くれる人だって居ないだろう。
どこで手に入れたのか?何故使用もせず金にも換えず
死蔵していたのか?何故仏壇に入っているのか?
それとなく親類にも聞いてみたが(はっきり詳細を語ると
形見によこせ、と云われそうなのでボカしつつ聞いたらしい)
全く判らない。
父は、大陸で戦前か、戦中に入手したと考えたらしい。
ということは、満州国のやんごとなき方々から出た物なのか・・・
形見に貰っておきたい友人。気持ち悪いから捨てちゃえという母。
お寺に預けようという父。
三人で相談した結果、悩みに悩んだが、父の言うとおり
お寺に預けることにしたそうな。時計がしまってるということを
知らなかった割に、父は時計を見た瞬間から強くお寺へ持って行くことを
望んだそうだ。理由は判らない。
その後おかしなことも何も無い。仏壇は綺麗で豪華な新品になり、
俺も拝んだことがあるが、爺さんは満面の笑みで祀られてる。
ただ、その二年後に父も亡くなり、友人は出張先で3回ほど、
無言で自分を見つめる父に会ったそうだ。