06/12/16 19:22:35 e8RBEAcO0
通常、吸気バルブの作用角が 720°÷4=180°を大きく上回ることより、
4気筒の場合は位相の隣り合う気筒間で吸気バルブが同時に開く期間(オーバーラップ)が発生する。
吸気バルブの開閉により生じた圧力波がサージタンク~バルブの間のポート内を往復するのだが、
(位相が)隣の気筒のバルブ閉じで生じた圧力波がインマニを遡りサージタンク内で反響し、
再びインマニを下って当該気筒のポートに飛び込み、
ちょうどシリンダーに飛び込んだ時に当該気筒のバルブが閉じれば充填効率が上がる。
通常はこれが最大トルク回転数。で、その約1/2の回転数(アバウト1/2であり±数百rpmはケースバイケース)で
2往復目の反射波が当該気筒に飛び込むので、もう1つのトルクピークを生じる。
可変動弁システムや可変吸気システムは、結果として生じるトルクの谷を嫌って、
またトルクピークを更に高めるための手段として進化してきた。
上述の谷を単に消すということは、圧力波が飛び込むというエクストラゲインを捨てるということであり、
意味がないのではあるが一応考えられる「谷対策=山消去」を記すと、
・バナナポートの長さを2倍くらいに長く取る(下の山を6000rpmに持ってくる→得がないが)
・可変吸気長で圧力波をどの回転でも逃がさない
・バルブオーバーラップをなくす(作用角減or可変動弁)
・サージタンクの容量を巨大にとり、反射波の減衰を大きくする
など考えられるが、メリットある対策は現在のエンジンのトレンドのとおり。
エキパイブランチに長さが必要なのも同じ理由で、ブランチが短いと(位相が)隣のシリンダに
圧力波が飛び込んで排出が十分でなくなる。
まず、長さを稼いで圧力伝播の時間を稼ぎ、隣の気筒に飛び込まないようにすること。
(いわゆる排気干渉の防止)
次に、更に上手に圧力波を使う手段として、等長エキパイとしてマイナス圧力波が
隣の気筒に達した時にバルブが閉まるようにチューニングしてやる(吸出し効果)。