07/02/15 20:37:52 btOGh6BI
「ところで君達、暫く見ないうちに大きくなったなぁ。何故に花沢君と早川君はポップ君の店に?」私達に不思議そうに質問してきた。
「伊佐坂先生、私達は…」と早川さんが喋り出そうとするとポップさんは私達を止める様な手つきで「あ…」と声を出した。
それを見た伊佐坂先生は「いいんだよ ポップ君」笑顔でポップさんに言い聞かせた。事の経緯を早川さんが説明し「ほほぅ、君達もバイクか それでここに居る訳か」と頷いた。
「あ、あの、それで私、沢山聞きたい事があってっ!」豚鼻を開いて伊佐坂先生に言うと「まだ時間はあるのかな?お二人は?」そう聞いてきた。 私達は迷わず「はい」と答えた。
「今日は良い日だ。 ポップ君 開店祝いを兼ねて今日は寿司でも奢ろう。無論、君達もだ。」嬉しそうに伊佐坂先生は言うと「えぇっ!奢りですかっ?中トロと中落ち丼たのんじゃいますよ」無邪気な笑顔で田中さんは言う。
「はっ!はっ!はっ!君はマグロが本当に好きなんだね。結構!結構!」大笑いする伊佐坂先生。
伊佐坂先生は恋愛小説家で代表作は「うだつのあがらない男」「海鮮家族」 近年では「単車男」「HANA」などの作品を出している。
ポップさんの仕事が終わるのが19時頃になるとの事で伊佐坂先生は「それじゃ時間まで浦野さんの所で待ってるよ。ポップ君。」そう田中さんに伝え私達の背中をポンッと叩いて「浦野さんの所へ行こうか!」と言う。
浦…野…さん?そう思いながら私達はPOPモータースから近くの喫茶店「珈琲・浦野」へと歩き出していた。
桜が舞う細い路地を歩きながら私の頭の中で複雑に絡まっていた一本の糸が徐々にほどけ始めていた。