07/01/29 20:51:12 kv1wYaeQ
「俺も取ってみようかな~、免許」
俺がその言葉を発するまでジャイアンの愛車自慢をちょっと前までやってた“リサイタル”並みの
時間聞いていた。だが、“リサイタル”とは違い、ジャイアンの声にずっと耳を傾けていた。
ジャイアンが“リサイタル”をやらなくなった理由を知れたし、ジャイアンのKawasakiに対する
情熱と知識が、(月並みな言い方だが)まるでスポンジが水を吸収するがごとく聞き入ってしまっていた。
「おう、やってみろって!ほら、そう言ったこれをやろうと思ってこれも持ってきた」
そういって差し出されたのは、自動普通二輪免許取得試験問題集と何月か前のバイク雑誌だった。
「ほら、これみて勉強して何買うかも決める参考にしろよ。俺はもう要らないからな」
「う、うん、まあ、ありがと」
そう言うと彼はメットをかぶり、バイクにまたがって、クラクションを一回鳴らしてどっかに行って
しまった。
「バイクかぁ~」
俺はそうつぶやくと部屋に入った。