07/01/29 20:49:54 kv1wYaeQ
・・・俺は部屋の天井を見つめていた。最近特にぼーっとしている。あぁ、思い返せば
ドラえもんがいたころは毎日が楽しかった。毎日が充実していた。ドラえもんが帰ってから
何年が過ぎてしまったのだろうか。無事に公立高校に進学し、けじめをつけることができる
ようになったのか、漫画を読まなくなったのか、ある程度は勉強できるようになった。そういや
ジャイアンに今度の期末の勉強一緒にしようと誘われてたなぁ・・・。しずかさんは相変わらず
校内順位は一番だし、スネ夫(と出来杉くん)は有名私立。そういや俺はいつから「僕」と言わなく
なったのだろうか・・。まあいいか。勉強でもするか。体を起こしたちょうどそのとき、窓が震えて
ガソリンエンジンだろうと思われる排気音と聞き覚えのある特有のしゃがれ声が聞こえてきた。
「おぉ~い、の~びた~!降りてこいよ~!!」
俺はとっさに窓から身を乗り出し、
「ジャイアン!どうしたのそれ!!」
と叫んで道路に下りていった。
「へへ~ん、すごいだろ!?」
バイクはこんなに近くでは初めて見る。新品の輝きがまだ消せて無く、どうやらバイクを受け取って
そのままここへ来たみたいだ。これはなんというバイクなんだろう・・・それまで興味すらしめさなかった
鉄の馬に初めて興味を示した瞬間だった。タンクと思われる部分に
なにか文字が書いてある・・・Z・・・e・・p・h・・・y・・・r・・・?Zephyr?
「これはな、川崎ってメーカーが出してるバイクでゼファー400ってんだ。ちなみに93年式な!」
「免許もってたっけ??」
「これもみろ!」
彼は手にかざしていた。これも新品同様まだ傷ひとつ入っていない自動車運転免許を。
「へぇ~、いいなぁ!でも学校禁止だよね?」
「気・に・し・な・い!!」
といって俺は屁理屈を言ってしまったわけだがもう昔みたいに殴られはしない。・・・理由は
・・・まあそのうち・・・。