07/06/17 00:54:23
>>621
仮に戦争によって利益があれば勝利、損失があれば敗北と定義し、
戦争して国益を実現すること=武力によって利益を獲得すること=戦争の勝利
としよう。例えば油田をぶんどったとか、核施設を攻撃して将来の核攻撃の可能性を下げた、というのは
経済的な利益があるので勝利だといえるだろう。
しかし、「利益と損失の当事者に個人を含めるならば戦争に一義的な勝敗はない」といえる。
戦死した人は(言葉の上で当たり前だが)死を被る。死は重大な損失だ。
個人にとって油田による経済的な利益と死とでは断然死のほうが重い。
戦死する個人は戦争の敗者であり、国家は勝利しても個人は敗北するという状況がありうる。
戦前の日本などがそうだが、国民に貧しい暮らしをさせ、戦闘に駆り出して殺す(というと語弊があるが)という行為は
それ自体は個人の利益ではない。個人の利益と(勝利という)国家の利益が対立する状態では、
「利益になるなら戦争してもいいんだよ」という単純な意見は成り立たない。
戦争の正当性を利益に求めるならば誰の利益ならば戦争の正当性があるのかを考えねばならない。
>>611はそれを無視して「国益により、」と一言で片付けているが、これはよろしくない。