06/06/14 05:42:22 ihItg6WM
【上杉関連の愉快な講談文書】
奥羽永慶軍記…
著者は秋田・横堀村の医師、戸部一カン斎(正保二年(一六四五)生まれ)
太平の世に、主に老人からの伝承を聞き歩いてまとめた軍記物なので
創作や誇張が過ぎる記述が多数。
戦記講談文学としては評価されるも、史書としては三級品。
武辺咄聞書…
著者は「会津陣物語」も編纂してる上杉ヲタの国枝清軒。1680(延宝8)年に纏められた。
武辺咄とは、主に老人たちによって語り継がれてる、武功談・合戦談など、
武士の生活にまつわる 逸話・小話の事で、これを集めたのが武辺咄集。
こちらも年月経て講談ちっくになってしまった話ばかりなので、
この種の書物は歴史学者・国文学者の両方から軽視されている。
会津陣物語…
上杉の老大将杉原常陸介親憲の一族、杉原親清が、慶長庚子・辛丑の
会津合戦の古い伝承を集めて、筆記させたものを、上記の国枝清軒が
リライトしたもの。
「関が原戦記文献だけでなく会津合戦文献もメジャーにしたい!」という
筆者たちの郷土愛というか無茶な欲望が渦巻く上杉ヲタのドリーム満載
の伝承に溢れた奇書になってしまっている。
ただし、エキセントリックであるが故に、読み物としては結構面白い。
(いきなり冒頭から、石田三成と直江兼継が二人で天下を山分けにする
密談シーンから始まります(笑))