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ニコラス・スミスさん(31)は大阪大学大学院生命機能研究科で学ぶ
オーストラリア人だ。夕刻、奈良県内でJRの電車に乗ったところ、乗務員に
「女性専用車両なので他の車両に移ってほしい」と言われた。
移動はしたもののスミスさんは納得できない。表示が分かりにくいのも
さることながら、女性だけを隔離することに強い疑問を感じたからだ。
スミスさんの気持ちとは裏腹に、女性専用車両を設ける通勤電車が
首都圏や近畿圏で増えている。15日には、首都圏で相互乗り入れしている
JR常磐線、地下鉄千代田線、小田急線でも朝のラッシュ時に導入した。
歴史は古く、1912年に東京・中央線が「婦人専用列車」を誕生させた。
男女席を同じうせず、の思想が背景にあったが、短期間で廃止。
47年、同じ中央線が朝夕のラッシュ時に「婦人子供専用車」を登場させた。
殺人的な混雑から女性と子供を守るのが目的だった。73年に「シルバー
シート」を設けたのをきっかけに中止。
2000年になって京王電鉄京王線、翌年JR埼京線が女性専用車両を
試験的に導入したのを皮切りに首都圏、近畿圏で広がっている。
JR東日本お客様サービス部の担当者、大関信也さんを訪ねた。
-本当の狙いは?
「痴漢やその冤罪事件の防止が目的です。平日朝のラッシュ時に痴漢が
多く発生する路線で導入中です」
-効果のほどは?
「埼京線では導入時の調査で6割のお客様が賛成。ただ痴漢発生件数
は減っていません」
混雑する電車内で痴漢が発生する。この社会問題を解くためには
「混雑の緩和」「痴漢を許さない社会規範の徹底」が本来求められる。
職場のセクハラ防止のため、男性と女性の席を隔離する-女性専用
車両は、これと同じようなことではないのか。
ソース NIKKEIプラス1、5/20付16面、特別編集委員 足立則夫氏