06/12/02 14:25:42
ジョンとメアリーは貧乏ながらも幸せに暮らしていた。ある日、
黒服の紳士が箱を持って二人の家にやってきた。箱の上には
ボタンがひとつだけ付いていた。
「このボタンを押していただければ、キャッシュで100万ドル
差し上げましょう」
「そのボタンを押すと何が起こるのでしょうか?」
突然の申し出を不審に思ったジョンが尋ねると紳士は穏やかな
口調で答えた。
「どこか遠くの場所に住む、あなたの知らない人が死にます。」
「なんですって?」
「ですから、どこか遠くの場所に住む、あなたの知らない人が死にます。」
「そんな・・・」
「死ぬと言っても、どこか遠くの場所に住む、あなたの知らない人なのですから
気にすることはありません」
ジョンが戸惑っていると、横で話を聞いていたメアリーが口を挟んだ。
「何ビクビクしているのよ、ジョン!どうせ知らない人なんだから、私が押すわ」
メアリーはそう言うとボタンを押した。
「ありがとうございました」
紳士は礼を言うと、脇に置いてあったスーツケースをテーブルの上におき、
蓋を開けた。そこにはキャッシュで100万ドルが入っていた。
「お礼です。どうぞお受け取りください」
そういうと、紳士は箱を回収し、会釈をして立ち去ろうとした。
「待ってください」
ジョンが声を掛けた
「その箱はどうするのですか?」
すると紳士はにこやかに答えた。
「どこか遠くの場所に住む、あなたの知らない人の所へ持って行きます」