06/06/10 00:03:36 uclThaZG0
>>843-844
「へぇ…このエビフライにかかってるタルタルソースうまいな。すげぇじゃん、お前。」
俺としては誉めたつもりだったのだが、彼女はふいっとそっぽを向いてしまった。
「お前とか言うなっ! もぅ…大体ちゃんと栄養とってもらわないと私が困るんだから…」
最後のほうはゴニョゴニョと、おそらく俺に聞こえていないつもりの独り言だったのだろう。
「んん? 困るって……都合がいいんじゃねぇのか、俺を取り殺したいんだったら?」
俺の言葉に彼女は一瞬しまったというような顔をしたが、テーブルをバンと叩いて俺に詰め寄った。
「そ…そうよ、取り憑いてるの! 私が取り殺すの!! だっ…だから私以外の要因で死なれると困るのっ!!」
俺に食事をさせなければ彼女が原因になるはず……その場しのぎのかわいい言い訳だ。
しかしまぁ、矛盾点を指摘して彼女のプライドを傷つけることもないだろうから、肩をすくめて困った風を見せておく。
「ふ…ふん! ……わかったならさっさと食べなさいよね。」
そういうと彼女はいつものようにスウッと姿を隠してしまった。
余談だが、翌日の夕食にもタルタルソースが添えられていたのには苦笑してしまった(それ以外は純和食だった)。