06/05/27 16:51:05 aBE7++Cc0
こいつに出会って半年が過ぎただろうか。
最近のこいつは元気がない。
相変わらず憎まれ口だけはきくが、以前のような切れがない。
もしや、いわゆる女の子のなんとやらか。……なわけないか。
「なあ」
「なによ」
「なんか悩みでもあるのか?」
「……幽霊なのに?」
「幽霊でも悩みぐらいはあるだろ」
「…………」
「ないなら別にいい」
いよいよおかしい。
ここ二、三日のこいつは、いつもの憎まれ口もきかなくなった。
これでは本物の幽霊のようではないか。まさか今さら自分が何者なのか自覚したのか。
一日中どこかに行っていたかと思えば、気がつくと俺の部屋の窓際で物思いに耽っている。
ふむ、こうして静かにしてればそこそこ可愛いのにもったいない。
そういえば、なぜ俺がこいつのことを覚えていたのかといえば、
朝見かけるこいつの可愛さがちょっと気になってたんだよな……。
「ねぇ」
アホなことを考えていると突然話しかけられた。
久しぶりなので少し動揺する。
「アンタ、自分が死んだ後のことって考えたことある?」
「はぁ?」
なんなんだいきなり。
まさか最近元気がなかったのは、そんなことを考えていたからか?