なにそのツンデ霊★四人目★at OCCULT
なにそのツンデ霊★四人目★ - 暇つぶし2ch600:俺と小娘・小娘視点編⑧
06/05/20 18:06:02 a+4CykZWO
 
「チッ…あと少しだったのに」
残念ながら作戦は失敗。
あと少しで逃げられちゃった。
「ふざけんな!このズベタ!そのツインテール引っこぬくぞ!」
「あーはいはい、次はちゃんと探すわよ、そうちゃんとしたのを…ね」
やはり懲りてないか…
 
まぁいいや、次はすごいのを用意してツンデ霊の幻想を粉々にしてあげるわ。
「その意気だ!アホ毛!次こそは!」
 
ヤツは能天気に盛り上がっている。
「そう…次こそは…ウフフフ」
 
そう、次こそは
あなたを
真人間にしてあげる
そしたら…
 
ちょっとだけ、ちょっとだけなら
ら、らぶらぶになってあげなくもないわよ?


601:本当にあった怖い名無し
06/05/20 18:20:34 hVauMfmc0
小娘さんに告ぐ。そんな「俺」なんてやめて別のにしとけ。

ってのはともかく続き早く頼む。む、むりはしなくていいんだからねっ!

602:本当にあった怖い名無し
06/05/20 22:20:57 TXdiJ9Ob0
祟り神様を貶めるな・・・・

603:本当にあった怖い名無し
06/05/20 23:01:49 WJR0EJOPO
なんでスネークとメタルギアが通信してんだwww

604:本当にあった怖い名無し
06/05/20 23:16:22 WJhsBt/2O
まぁまぁ、あのゾンビが祟り神様とは一言もでていないんだから
祟り神様が連れてきた知り合いのゾンビだってことにしとけ

605:ゾンビのおねーさん・番外編
06/05/21 00:19:32 s/lmbS9W0
屍「眼球が腐っちゃったの。替えをお願いね、魔王」
魔「え?まだ大丈夫では」
屍「腐ったの」
魔「は、はい。こちらの灰緑色が最近は人気ですが」
屍「そう。それにするわ」
魔「…またあの小僧とスライム狩りですか」
屍「根性のないスライムを鍛えてやってるのよ」
魔「それはそうと、勇者どもがラストダンジョンに到着したとか」
屍「髪はもう少し明るい色のほうがいいかしら」
魔「あの、勇者どもがゴフゥッ!?」
屍「テメーのケツくらいテメーで拭けボケ!髪は・これで・いいのか・ああん?」
魔「よ…よろしい…かと」
屍「そう」
魔「あ、あの、姐さん、殴らないで聞いていただけますかね?」
屍「内容によるわね」
魔「…恋もいいですが、我が魔王軍の戦況は芳しくなくて」
屍「恋?」
魔「はい」
屍「誰が?」
魔「姐さんが」
屍「誰に?」
魔「小僧に」
屍「私が…?」
魔「恋愛などいつでもできます。今は姐さんに陣頭指揮を」
屍「…………これが…恋!!!」
魔「ご、ご自分でお気付きでなかったので?」
屍「うふふ、グッジョブよ魔王!そうとわかれば!」
魔「は、はい?」
屍「サキュバスのカラダとナーガの舌が要るわ。いますぐブチ殺して用意なさい!」
魔「え?あ、あの、魔王軍は戦力が不足してゲフぅっっ!?」
屍「待っててね、ボウヤ。うふふふふ」

606:本当にあった怖い名無し
06/05/21 17:42:49 VEVjsBUeO
みんなGJ

でもナーガの舌ってなにさ?wwwww

607:本当にあった怖い名無し
06/05/21 19:23:52 bhjBU9AYO
ナーガ(Naga)
カテゴリ:悪竜
地域:インド
元々は民間信仰において地下世界を司る蛇の神であり、七つのコブラの頭を持ち、その顎には美しい宝石がきらめき、その光が地下世界と信者の闇を照らし出すとされている。
ナーガは神鳥ガルダが落としたアムリタ、つまり神酒ソーマを舐めた為に不死の力を得ている。元来、蛇の神は水と結びつけられ信仰されてきた。ナーガも雲を呼び、雨を降らす魔力を持つとされる。
古い民間信仰から派生した神であった為、新しい宗教である仏教やヒンドゥー教では悪魔とされた。
しかし、仏教では他の神々とともに仏道に帰依し、八部衆として曼陀羅に加えられた。
ヒンドゥー教においても、神々の飲み物であるソーマをつくる儀式の乳海攪拌(ニュウカイカクハン)において体内の毒を吐き出し、その結果清められて神となり、シヴァ神のベルトとして彼に付き従い、悪魔を捕らえる為の縄として活躍することになる。

山北 篤/佐藤 俊之 監修 「悪魔事典」(新紀元社)より。

ゲームなんかで人間の女性の姿があてられたりするけど、元々は七つ頭のコブラだよ。

608:本当にあった怖い名無し
06/05/21 20:11:12 1VtKzncj0
>>607
ナーガはは拘束具として使用するわけだ…
舌だけ?

609:本当にあった怖い名無し
06/05/21 20:54:40 mw1Vi0Lh0


610:本当にあった怖い名無し
06/05/21 21:53:45 VGIXGi5l0
『悋気の火の玉』は、演じ様によっては立派なツンデ霊になるとみた。
さておき、流行に乗って中途半端にギャグに手を出そうとしたのが間違いだった。

IDをNG指定推奨。10レス予定。反省はしていない。

611:本当にあった怖い名無し
06/05/21 21:54:47 VGIXGi5l0
昼休み@2A教室

「ねえ、ゆっきー知ってる? 出たんだって」
「アンタ食事中に、そういう話題やめなさいよ。卵焼きもらい」
「違うわよっ! 四角さんよ、よ・つ・か・ど・さん!」
「セブン&アイがどうしたってのよ? ベーコン巻き頂き」
「“ヨーカ堂”じゃ無くて、“ヨツカド”っ! ちゃんと聞いてよ」
「で、そのヨツカドさんとやらは、何組の子なの? キンピラGET!」
「四角さん知らないの? ちょー有名だよ?」
「少なくとも私にとっては有名人じゃないわね。えーっと、ブロッコリー」
「むっふふ~。違う違う、“人”じゃないのよ」
「ふーん、まさか妖怪とでも言うわけ? んー、ニンジンのグラッセ」
「むふー。そのまさかなのよ。四角さんはそっち系なのよ」
「四角、ってぐらいだから、交差点で死んだ人の幽霊? ごはんごはん」
「ちがうのよ、四角さんって言うのはね……、」


「─つまりはそういう、えーっと……思念体? みたいなものなの」
「何で疑問系なのよ。でもまあアンタにしちゃよくできたお話ね」
「違うよ、お話じゃなくて本当のことだよ! ─って、ああっ!?」
「今度はどうしたってのよ。三叉路さんでもいたの?」
「そうじゃないの、いつの間にかわたしのお弁当が減ってるの!」
「ああ、妖怪小林さんの仕業ね」
「そうなんだ……って、それって、ゆっきーじゃないのさ!」

612:本当にあった怖い名無し
06/05/21 21:55:53 VGIXGi5l0
目覚ましは電池が切れたらしく、アラームの鳴る3分前で止まっていた。
歯磨き粉も洗顔剤も切れており、買い置きを探すのでだいぶ時間をロス。
盛大な寝癖は、なかなか右跳ねが収まらず、ワックスで無理矢理固めた。
靴下は見つからず、ワイシャツはボタンが飛び、ファスナーがシャツを噛む。
食パンをセットしておいたトースターは何故かコードが抜けており生のまま。
慌てて家を出れば、靴紐が音を立てて千切れ、二歩目でもう片方も切れる。
ここまで来ると、半ば予感はしていたが、案の定、自転車の後輪がパンク。

一縷の望みに賭け、車で送って貰おうと姉の部屋のドアを開けた。
その結果、高速飛来したマクラとキス。蹲る俺、悠々と寝る姉。死ね大学生。


そして俺は、朝っぱらから長距離猛ダッシュをする嵌めになっている。
その途中も道路工事、横断歩道の老婆、そば屋の出前、バナナの皮……
下手なコントの─いや、むしろ下手なマンガの初回のようなベタ展開。
事実は小説よりも、などと言うが、もはや呪われているとしか思えない。

さすがにここまで来ると、次に来る展開も何となく予感できた─

「─くそっ、いい加減にしやがれっっ!!」

見通しの悪い交差点から飛び出してきた少女。
完璧に衝突コース。それでも何とか避けようと、無理矢理に身をひねる。
筋肉が悲鳴を上げ、物理法則が笑い、それでも何とか衝突だけは回避。
─その代償に俺は、歩道脇の生け垣にダイブ。ドシャグシャバキバキ。

613:本当にあった怖い名無し
06/05/21 21:56:55 VGIXGi5l0
「痛ってぇ……」
茂みから這い出す。見なくとも顔や腕を擦り剥いていることが分かる。
おまけに足首にも違和感がある。まだこれから走らなければならないのに。
─って、そんなことよりも、

「ごめん、大丈─、」

ぶつかりかけた少女に謝ろうとして─息を飲んだ。
生まれて初めて、何かに“見とれる”という経験をした。
先程は避けることに必死で見ていなかったが、驚くほど綺麗な少女だった。
現実味の薄いほどの美。まさに男の理想の体現がそこにいた。
「…………」

──だが、

「ばーっかじゃないの?」

満身創痍の俺に対し、彼女の言葉には一切の優しさがなかった。
まるで肉屋の店先に並ぶ運命の豚を見るかのような冷たく残酷な視線。
息子の肉を食わされた将軍(おっさん)のような絶対零度のツンドラ視線。

お陰で金縛りが解けた。ついでに朝からの鬱憤がムカムカと湧き上がる。

「バカとは何だ、このバカっ! お前が飛び出してくるのが悪いんだろ!」
こちらは大通り、彼女の出てきたのは脇道─すなわち正義は俺にあり。
しかも避けてやったのは俺だ。感謝の一つぐらいするのが筋だろう。

「何言ってるのよ。これも全部、アンタ達のせいでしょ。自業自得じゃない」
「─は? 何で俺の─っていうか、“達”って何だよ」
わけが分からん。いい加減、電波さんの時代は去ったと思ったのだが。

614:本当にあった怖い名無し
06/05/21 21:58:17 VGIXGi5l0
「いいえ、アンタ達の責任よ。自覚無いなんて、ホント最低ね」
「だから何の話だよ。わけ分かんねえよ。直立のままで頭ぶつけたのか?」
「っっ、誰がそんな器用な真似できるって言うのよ!」
「だよな、見るからに不器用そうだし」
「むっきーっ! 出来ることならアンタの首を絞めてるところよ!」

売り言葉に買い言葉。分かっていても抜け出せないスパイラル。
「あのなぁ、こっちは身を挺してお前を庇ってやったんだぞ」
そりゃ、こっちに非が無いわけも、頼まれて避けたわけでもない。しかし、
「─無駄な努力、ご苦労様」
こう不貞不貞しい態度で返されては、退くわけにはいかない。
「無駄とは何だよ。俺が避けてなきゃ、今頃お前は─」
「アンタが私に、ぶつかれるわけ無いでしょう」

「……何を言ってるんだ、お前?」
急に静かになった相手に対し、冷静さを取り戻す。同時に不審になる。
視線は彼女の正気さを物語っている。だというのに言葉は要領を得ない。
妙な胸騒ぎ。唐突に以前聞き流した噂話が、脳裏を過ぎる。

ほら、だって私─そう言うと、彼女は壁に向かって手を伸ばした。

すっ、と音もなく、吸い込まれるように壁をすり抜ける腕。
勝ち誇ったように、ふふん、と鼻を鳴らす。口元は、どこか自虐めいた嗤い。

「─幽霊、?」
「と言うよりも思念体ね。実体が無い、という点では一緒だけど」
そう言って、見た目には生身としか思えない腕をヒラヒラと振るう。

「どう、これで分かったでしょ? アンタが私に触ろうなんて無理なのよ」
「─……お前、いったい何者だ?」

      「“ヨツカドさん”、─そう呼ばれてるわね」

615:本当にあった怖い名無し
06/05/21 21:59:27 VGIXGi5l0
朝@2A教室

あの後、私なりに“四角さん”の情報を集めてみた。
まずネットは全滅。色々なサイトを巡ったが類似の話すら見あたらなかった。
しかし、その後の聞き取り調査では、すんなりと情報は集まった。
学内では意外と認知されているらしい。どうもこの学園特有の話のようだ。
なお、“それ”のパーソナルは極めて簡単である。

遅刻しそうになり必死に走っていると男子と、曲がり角で衝突しようとする。

……イメージが湧かなければ、マンガ喫茶で適当なマンガを見繕えばよい。
参考となるシーンが手を変え品を変え、山のように見つかることだろう。
逆に言えば、“それ”はそれ程までに皆から望まれているということか。

“彼女”は人々の“想い”から“生み出された”、いわば“思念体”らしい。
共通認識、強い想いは、時にこんな奇跡までも生み出してしまうものなのか。

さて、大部分の情報提供者は、彼女について口を揃えて“恐ろしい”と言う。
何故か。話を聞く限り、男子生徒にとっては喜ばしい事象ではないのか。
ある情報提供者はこう語った。

『─だって、生殺しじゃないですかっっ!!』

多くの男達が夢見るシチュエーション。しかし、“彼女”は“思念体”である。
絶好のシチュエーション。聞けば “それ”の外見は美少女らしい。
そこまでのお膳立てが揃っていながら─彼女に“触ることは出来ない”。

つまりは、曲がり角での“衝突”という、メインイベントが欠落しているのだ。

─今回の調査結果から、私が下した結論はこうだ。

「……、…………、ば~っかじゃねぇの?」

616:本当にあった怖い名無し
06/05/21 22:00:32 VGIXGi5l0
朝・予鈴前@2A教室

「おはよ、ゆっきー。どうしたの、王に謀反を起こす将軍のような顔をして?」
「誰がハルパゴスよ。─アンタこそどうしたのよ。今朝は早いじゃない」
「えー、そんなことないよ? いつも通りの時間だよ」
「……あ、本当。まだアイツが来てないから、てっきり─……何よ?」
「むふふ~、ゆっきーはラブラブだ~♪」
「ちょ、ちょっと! 何で私があんな奴とっ!!」
「むっふふー♪ ……でもホントどうしたんだろうね。いつも時間通りなのに」
「知らないわよ。って言うか別にアイツが遅れようが私には関係ないし」
「実は、四角さんに逢いたくて、わざと遅れて家を出てたりしてたりして」
「─なっ!? あ、アイツにそんな度胸があるわけ無いでしょ!」
「いやーん、信頼してるのね。らぶらびゅー♪」
「~~~~~~っっ!!」
「痛っ! ちょ、ゆっきー痛い、イタイ痛たたた、あらららーいっっ!!」


「でもさぁ、ゆっきー。……可哀想だよね」
「可愛そうって、誰がよ?」
「─四角さん」
「……どうしてそう思うの?」
「誰かにぶつかるために生まれてきたのに、それが果たせないなんて」
「……確かに、えらく矛盾した存在よね」
「だからね、四角さんはきっと、苦しくて─寂しいと思うんだ」
「……心配しなくても、誰か現れるんじゃないの? ぶつかってくれる人がさ」
「そうかな?」
「そうよ。そうじゃなきゃ─本当に、可哀想じゃない」
「─むっふ~♪ ゆっきーってクールぶってるけど、ロマンチストだよねー」
「な、何よ! いいじゃない。ハッピーエンドを望んだって!」
「うん、いいよ。全然おっけー。わたしゆっきーのそういうところ大好き♪」

「─でも、もし本当にぶつかる人が現れたとして、その後はどうなるの?」

617:本当にあった怖い名無し
06/05/21 22:01:25 VGIXGi5l0
「─というわけ。だから誰も私に触れるわけないの」
“ヨツカド”と名乗る少女は、自身の説明を終えると、再び自虐的に笑った。

「……じゃあ、何でお前はこんなこと続けてるんだ?」
「こんなことって?」
「わざわざ曲がり角で人とぶつかる振りをして、楽しいのか?」
「─別に。毎朝こうしてるのは、単に私が“そいういうもの”だからなだけよ」
イライラする。それじゃあ何処にこいつの意志があるっていうのか。
彼女が満足しているのならばいい。しかし自虐的な顔が気にくわなくて─

─がしっ、と彼女の頭を抱え込むように“掴む”。

「え──? あ、え、あ……あれ?」
状況が飲み込めていない彼女を無視して、頭を後ろに引き─、

──ガツンッ!

「痛ったーっ! な、何するのよ!! ─って、ええっ!?」
「馬鹿野郎、こっちだって痛かったわ!」
「や、そうじゃなくって、え、今の、その……頭突き─?」
「そうだよ。いちおう手加減してやったから、感謝しろ」
予想以上の衝撃に、思わずおデコに手を当てたくなるが、必死に我慢する。

「え、ちょ、ちょっと待ってよ! 何でアンタ、私に触れてるのよ!」
「世の中には、お前みたいなヘンテコな存在もいれば、」
「─だ、誰がヘンテコよ!!」
自覚しろよ。─まあ、他人のことを言えない身なのが哀しいが……
「お前みたいなヘンテコもいれば─それに触れるヘンテコもいるんだよ」
「─え?」
呆けた顔をする彼女。あまりに無防備なので、思わず脳天にチョップ。
「へうっ! ったぁ~……何するのよ─って、また触ったっっ!?」
「いいか、お前だけが特別ってわけじゃないんだ。調子に乗るな、このバカ」

618:本当にあった怖い名無し
06/05/21 22:02:50 VGIXGi5l0
「お前、何かしたいこと無いのか?」
「……こうして毎朝やってるじゃないの」
「それは、したいことじゃないだろ。そうじゃなくて“お前がしたいこと”だよ」

「……私が─?」
急に見知らぬ場所に迷い込んだように、視線が彷徨い出す。
「わ、私は、曲がり角で、誰かとぶつかる─そういう存在、だから……」
「でもぶつかれないんだろ? だったら無駄じゃないか」
「─っっ、じゃあ、どうしろってのよ!!」
「ハムスターみたいに、いつまでも回ってないで、探せばいいじゃないか」
「さ、探すって、何をよ!」
「─やりたいことをだよ」

彼女の目が、小動物のように見開かれる。
「別にしたくてしてたんじゃないんだろ? なら他のことしてもいいじゃないか」
「な、なに簡単に言ってるのよ! 私は“四角さん”なのよ!」
「それが?」
「そ、それがって─許されるわけ無いじゃない!!」
「誰が許さないの?」
「だ、誰がってわけじゃないけど……」
言葉尻がフェイドアウトして、むにゃむにゃと、聞き取れなくなる。
どうもパニックで思考が空回りしているようだ。
おそらく今まで律儀に存在理由とやらを守ってきていたのだろう。
見かけによらず、真面目な性格なのかもしれない。

「─ねえ、私にも新しい存在理由、見つけられる─かな?」
不安そうに、それでいて、どこか期待をもった眼差しで見つめてくる。
すでにそれは、何かを見つけた者の瞳だ。─ならば大丈夫だろう。

「まあ、のんびり探せば? ─って、俺はのんびりしてる場合じゃねえ!」
時計を見ると─ヤベぇ、絶対間に合わねえ!
「満足したらとっとと去れ。って言うか、俺はもう行く。じゃっ!」

619:本当にあった怖い名無し
06/05/21 22:03:38 VGIXGi5l0
朝・予鈴後@2A教室

「遅い! 何やってたのよ」
「いや、朝っぱらから、ちょっとした災害に遭ってさ」
「災害? 何よそれ」
「いや、ほんと大変だったんだって。完璧に遅刻覚悟したし」
「ふーん。でもまあ、ギリギリ間に合って良かったじゃない」
「うん、たまたま通りすがった西江先輩の後ろに乗せて貰えて……」
「─アンタまだあの人と交流してるの? 止めなさいよ」
「そう言うなよ。先輩、あれで以外と面倒見のいい人なんだぜ」

「で、何してたのよ。まさか四角さんとでも遊んでたとでも言うつもり?」
「え──?」
「……ちょっと、何でそこで止まるのよ」
「あ、いや、そういや予鈴過ぎてるけど、先生は?」
「話題を逸らすな、視線を逸らすな、質問に答え─」

──ガラガラッ

「こらー、お前ら席に着けー。そこの夫婦、いつまでいちゃついてる」

「「─っっ、だ、誰が夫婦ですかっ!!」」

「むっふー♪ ゆっきーたち、息ぴったりー」
「「ばか、そんなわけ─……、っっ!!」」
「ほら、夫婦漫才はその辺にして、早く席に着け」

620:本当にあった怖い名無し
06/05/21 22:05:12 VGIXGi5l0
朝のHR@2A教室

「えー、こほん……喜べ男子諸君、美少女転入生を紹介する!!」
「「「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」」」
            「「「─ふんっ、何よ男子達。ばっかじゃないの?」」」
「くぅ、このセリフ一度言ってみたかったんだよなぁ……じゃあ、入ってきて」

「はじめまして、ヨツカドです。……えーっと、次は何て言うんだっけ?」

──ガタンッ!
「─お、お前何でここに─っっ!!」
「あ、思い出した。……こほん。─あーっ、今朝のパンツ覗き─」
「覗いてないっっ!!」
「ちょっと、どういうことか説明してもらいましょうか」
「うわっ、小林! 俺は無実だ」
「きゃー、ゆっきー怖ぁい♪」
「え、席はアイツの隣? えー、最悪ぅ 何でアンタの隣になんか」
「ちょっと小娘、なに勝手に人の机を脇に押しやろうとしてるのよ」
「転入生は隣の席と決まってるんですから、仕方ないじゃないですか」
「誰がそんなこと決めたのよっ! って言うか、何でこいつの隣なのよ!」
「えーっと……宇宙意志? もしくは若き情熱のリビドー」
「こ、小林、落ち着け。おまえも黙れっっ!!」
「─むっふふ~。さーて、次はどんな噂を流そうかなぁ……」
「こらっ、アンタもこのヨツカドとかいう馬鹿に何か言ってやりなさいっ!!」
「むっふっふ……って、あ、えーっと、二人とも仲良くしなきゃダメだよ♪」
「おーい、そろそろHRの続きを……出席を取るぞ、相川、浅沼、石井……」
「何よさっきから小林さんとやら、ごちゃごちゃと。こいつの恋人なわけ?」
「─なっ、だ、誰がっ! そういうアンタこそ、こいつが好きなわけ?」
「えっ!? わ、私は別に、こんな奴のこと好きってわけじゃ……」
「じゃあ何でこんな奴に付きまとおうとするのよ!」
「それは─……私の探してるものが、きっと─この近くにあるから」
「……何それ? ちょっと、何アンタまで笑ってるのよ。説明しなさいよ!」

621:本当にあった怖い名無し
06/05/21 22:45:20 7kPs+vSK0
見事だ。まったくもって最高だよ。アンタ…。
「お約束」をネタにしてここまですばらしいストーリーを作ってくれるとは。
感動した!!

622:本当にあった怖い名無し
06/05/21 23:14:16 bhjBU9AYO
「NEEDLESS」思い出した。

623:本当にあった怖い名無し
06/05/21 23:21:43 sKcvgVFe0
え? 「NEETDESU」?

624:本当にあった怖い名無し
06/05/22 12:07:50 AQxDHnAkO
え?「NINTENDODS」?

625:本当にあった怖い名無し
06/05/22 13:10:37 mv7h9xOSO
激しくGJ!
あと>>624おもろない

626:本当にあった怖い名無し
06/05/22 17:04:49 GOwZ6YQdO
>>625

『(くくっ……)

はっ!
な、なによ! 笑ってなんかいないんだから! つまらない冗談は止めてよね!
でも言いたいんならまた言ってもいいわよ……』

ここまで行間を読めるようになった俺を誉めて。誰か('A`)





>>624
つまらん

627:本当にあった怖い名無し
06/05/22 18:29:03 uWdpqT/70
>>626
GJ

628:本当にあった怖い名無し
06/05/22 19:34:56 yuVfkhaN0
>>611
GJ!!
その文才羨ましすぎる

629:3行(題名除く)
06/05/23 00:27:53 zZ42AAVL0
「つんでれい」

「ありません投了です」深々と礼をする
「あんたのためにやってんじゃないの、私が暇だからよ」
血の跡の残る将棋盤で練習する私は駆け出し棋士
















詰んで礼…
失礼

630:本当にあった怖い名無し
06/05/23 01:17:26 kFxvHSoFO
つーか血の跡? 藤原佐為?
佐為が女でツンツンデレデレだったら激萌えだっつーの。

だからさ、俺と守護霊の作者さん。

  是  非  。

631:本当にあった怖い名無し
06/05/23 01:17:28 16EGsDtlO
はをくいしばれ

632:本当にあった怖い名無し
06/05/23 10:34:55 wezvX3Fl0
>>630  ~~おかっぱ野郎の魔の手から守れ!~~

塔矢「あ…ありません…」
進藤「え、オレ、もう勝っちゃったの?」
塔矢「……………っ!」
進藤(うわ、スゲー落ち込んでるよ、佐為)
佐為(全力で叩き潰しましたからね)
進藤(なんだよ、オマエならもうちょっとこう、さ。できただろ?)
佐為(私にはできなかったのです、ヒカル)
進藤(ウソつけ!)
佐為(この子供…危険な匂いがしましたから)
進藤(危険?コイツが?)
佐為(間違いなく変態です)
進藤(へ…そんなふうには見えないけど)
佐為(変態です)
進藤(…………)
佐為(…………)
塔矢「く…もう一局やろう、進藤」
進藤「うわ!?」
塔矢「何だ」
進藤「い、いや、用事思い出した。じゃあな!」
塔矢「え?あ、ちょ!」
進藤「さ、触んなぁあああ!」
塔矢「え?え?ええ?」

633:本当にあった怖い名無し
06/05/23 12:54:11 kFxvHSoFO
ネ兄!


まちがいた(´・ω・`)

ネ申! でも塔矢カワイソスwww

ごちですた

634:俺と小娘・地獄変
06/05/23 15:26:25 UvmcQtUCO
俺「ただいまー」
小娘「…ちょっと!どこ行ってたのよ!?」
 
俺「鳥取県。それはそうと、今日は『素直クール』について考えよう」
 
小娘「素直クール?」
俺「うむ、ツンデレと対なる概念だ」
 
ぴんぽーん♪
「宅急便でーす」
 
俺「おお、きたきた!」
小娘「クール便?中身、何なの?」
俺「鳥取砂丘の砂だ」
 
小娘「砂ぁ!?何で砂をクール便なんかで送ってんのよ?」
俺「ソレダ!」
小娘「まさか…砂をクール…すなをくーる…?」


635:本当にあった怖い名無し
06/05/23 19:37:52 hU54TIu/0
はをくいしばれ

636:本当にあった怖い名無し
06/05/23 20:06:38 kFxvHSoFO
何コノ流れ……
(´・ω・`)

637:レイポン ◆ZMp2Jv9w5o
06/05/23 21:06:53 TrzBXE+M0
>>636
何?なんか文句あるの?
ひまわりの種でも食べればいいじゃないっほら・・ほらぁっ

みんな・・・中々やるわねっファイトしてやってもいいけど、
忙しいからまた今度ねっじゃあまたねっ

638:本当にあった怖い名無し
06/05/24 00:13:40 eFxa9oxnO
なんか俺だけ最近ずっとレイポンにからまれるんだが……

は? 別に嬉しくなんかねーよwww
////

639:本当にあった怖い名無し
06/05/24 01:39:45 OFy/d7+u0
ヤキが回ったな……。

640:①
06/05/24 13:49:33 iAOQhzDV0
カップに口をつける。口の中いっぱいに広がる紅茶の香り。
夕食後の穏やかなひと時。
「おっと」
中身をこぼさないように気をつけながら、カップを上に上げる。
一瞬前までカップのあったところを、枕が通り過ぎる。
枕だけではない。椅子、食器、掃除機、辞典などなど、さまざまな物が
部屋中を飛び交っている。そう、文字どうり飛んでいるのだ。
僕がこの部屋に越してきて、一週間。ラップ現象から始まり、ついには、
ここまで発展したか。ポルターガイスト。
上半身を軽く仰け反らせる。目の前を、びゅうん、と時計が通り過ぎる。
時刻は、十時を指していた。僕は、残りの紅茶を飲み干す。
「・・・少し早いけど寝るか」
「なんでええええぇぇぇ~~~~!!!」
いきなり、大声が部屋中に響く。─近所迷惑だよなぁ。
声がした方したほうを見てみると、そこには可愛いが顔をした女性が、目を険
にして、立っている。
恐らく、彼女がこの部屋の主だろう。

641:②
06/05/24 13:51:01 iAOQhzDV0
「あんた、おかしいんじゃない?何で無反応なのよ!?」
・・いきなりおかしいやつ扱いされた。まあ、いいや。慣れてるし。
「こんだけやってんだから、泣いておびえて震えなさいよ!」
「・・いや、そんなこと言われても、ねぇ。僕こういうの結構慣れてたりするし」
「・・慣れて、る?」
「うん。だから、この位じゃ、驚いたりはしないよ」
僕は、少し余裕を見せるように、両腕を広げながら言った。その時、
  つん
と、いきなり、誰かにわき腹をつつかれた。
「うわあ!?」
不意打ちだった。思わず声を上げてしまいましたよ。
「なんだ、驚くじゃないですか」
冷めた声。振り向くと日本的な可愛い、しかし、声と同様に冷めた表情の女の子。
─二人いたのか・・・
僕に目をくれず、スタスタと最初の幽霊の前に行く女の子。
並んでみると、二人は雰囲気は多少違えど、顔は似ている。姉妹かもしれない。
「姉さん、声大きすぎです」
─やっぱり姉妹か。
「だって、深雨(みう)、あいつ、むかつくんだもん」
妹のほうは、深雨ちゃんというらしい。むかつかれたことはスルー。
「気持ちはわかりますが、近所迷惑です。」
やっぱり、冷めた声の深雨ちゃん。てか、気持ちわかるんだ・・・。


642:③
06/05/24 13:51:49 iAOQhzDV0
「それは、さておき・・・」
いいながら、深雨ちゃんがこちらを向く。
「おめでとうございます」
「?」
「新記録です。一週間逃げ出さなかったのは、お兄さんが初めてです」
「・・・・・どうも」
「まあ、この先もがんばってせいぜい頑張って下さい」
「・・・・」
「絶~っ対に意地でも怖がらせてやる」
横でお姉さんが嫌な決意を燃やしている。
「ん~、君みたいに可愛い幽霊なら怖くないからね。難しいと思うよ?」
「へっ・?・・か・・かわ・・・?」
とたんに、きょとんと毒気を抜かれたような顔になる。が、見る見るうちに赤くなり
「ふ、ふざけないでよ!!!!」
と、起こって消えてしまった。
「うーん、怒らせちゃった」
「それは違いますよ」
「?」
「お兄さんが可愛いとか言うから、姉は照れたんですよ」
「そうなの?」
「ええ、姉は男の子慣れしてませんから」
「・・・・深雨ちゃんもすごく可愛いよ」
「ありがとうございます」
まったく表情を変えず、ぺこりとおじぎをする。深雨ちゃんは男なれしてるということか・・?
どうみても、十代前半の少女なんだが・・・・
「では、そろそろ寝ますか」
「・・・そうだね」

643:④
06/05/24 13:52:26 iAOQhzDV0
次の日の朝、寝室(なんと、うちは六畳三部屋、家賃一万円!!)からおきてリビングに入った
ところ、僕の鼻は、普段はありえない匂いを嗅ぎ分けていた。
それは、食卓にのる朝食の香り。
「えー・・・・と・・??」
一瞬実家にいるのかとも思ったが、どう見ても自分の部屋だ。
「食べないんですか?」
「うわあ!?」
いきなり後ろから声をかけられた。深雨ちゃん、まったく気配ないし・・・・
「また、驚きましたね」
「う、うん・・それより、これ、僕が食べてもいいの?」
「他に誰が食べるんです?」
さも、当然のように言ってくる深雨ちゃん。なんか、状況がつかめないんですけど・・
「よっぽど、お兄さんに可愛いといわれたのが嬉しかったみたいですね」
「はあ・・・それじゃ、せっかくだし、いただきます」
「どうぞ」
 僕は久しぶりに満たされたおなかで大学に行った。


644:⑤
06/05/24 13:54:32 iAOQhzDV0
学校から帰ってくると、お姉さんが食卓でぼうっと、頬杖を付いていた。
僕は、とりあえず、朝のお礼を言おうと近づいた。
─瞬間、僕の体が、一気に天井まで浮かびあがった。
見下ろすと、期待に満ちたような目で見つめるお姉さん。
「・・・・ただいま」
「あ~!もうっ!!!」
乱暴に地面に落とされた。結構、痛い。
「おびえてよ!」
「いや、そんなこと言われても・・だから、僕、こういうの慣れてるし」
「どんな人生送ったら、慣れるのよ!」
「いや、僕、遺伝なのか、昔からよく見えちゃったりするほうだったから」
「・・・遺伝?」
「ああ、親父が見える人でさ。若い頃、事故で亡くなった恋人の霊と暮らしてたことがあるんだって。
幽霊とキスしたって、自慢していたから」
「あ、あたしはキ、キスなんかしないからね」
なんか、赤くなるお姉さん。てか、論点ズレてない?
「まあ、そんなことよりもさ」
「うん?」
「朝、ご飯ありがとね」
「なっ!」
「朝起きて驚いたよ。想像もしてなかったから」
「だ、誰があんたのためなんかに!!」
そう言ったきり、少しの沈黙。
「・・あっ・・・いや・・なんでもない」
お姉さんは何かを言いかけたが結局何も言わずに、すうっと消えてしまった。

645:⑥
06/05/24 13:56:21 iAOQhzDV0
「騒がしい姉ですね」
「・・・・そうだね」
またも突然表れた深雨ちゃんは「つまんないです」とつぶやいた。さすがに三回目なので、
この子の神出鬼没にも慣れてきた。ちょっと、優越感。
「ねぇ、お姉さん、最期になにをいいかけたのかな?」
「わたしは、姉の通訳ではありませんよ」
「まあ、そういわずに」
「・・・そうですね、料理の感想を聞きたかったけど、照れて聞けなかったってとこでしょう」
─ああ、確かに。考えてみれば、僕もありがとうとしかいっていなかった。食事を出してもらって、
『おいしかった』を言わなかったのは、われながら非常識この上ない。
「じゃあさ、伝言してもらえる?」
「いいですよ」
「朝食は、すごくおいしかった。とくに、卵焼きが最高だったって」
「わかりました」

また次の日
朝起きてみると、リビングにはいい香り。
食卓を見ると、昨日は二つだった卵焼きが、三つに増えていた。


どーでもいい追記
 この後、食卓につこうとした僕の椅子を、気配無く忍び寄った深雨ちゃんに引かれた。
無様に転がる僕を見て、初めて深雨ちゃんが少し笑った気がした。
まぁ、それだけ。

646:本当にあった怖い名無し
06/05/24 13:57:10 iAOQhzDV0
遅くなりましたが、438さん、439さん、498さん、505さん
反応ありがとです。

647:本当にあった怖い名無し
06/05/24 17:25:00 GBdvMjCIO
激GJだ!

某スレの香りがしないでもないが…
だがグレエト!!

648:ある男の見解。 ◆VC3/0IaBbQ
06/05/24 18:57:09 nw034C3uO
>>640-645
あっ、結構好きかも。GJです!

649:本当にあった怖い名無し
06/05/25 01:41:14 sXJhnMdHO
>>640-645
良かったんだけど、きちんと推敲しよう。
>>640下から三行目、
>声がした方したほうを見てみると、
とか、>>642の七行目、
>がんばってせいぜい頑張って下さい」
とか。


神よ、どうしてもこんな所に目が行く俺をお赦し下さい。

650:本当にあった怖い名無し
06/05/25 09:32:56 H29De1ikO
>>649
周りから「つまらない人」って言われない?

651:本当にあった怖い名無し
06/05/25 09:38:25 JV/zlJcTO
いや、書いてくれるのはGJだけど流石に
こんな日本語書かれると、読みながらどうしても
そっちに目がいってしまうのは仕方がない。

652:本当にあった怖い名無し
06/05/25 10:57:35 09k17Y0FO
FBI編
死神「私ははあああ、アンタの味方なんかしないし、わっ…私は一応中立なんだけど、……後ろにいるオッサンがうざいだけなの!」
つき「!!!……………
……………
……………ツンデ霊乙」

オッサン・死神「!?」
オッサン【ツンデ霊……?!つき君……】

死神【ちょ、ちょっとアンタ、変な事言わないでよ!!!】


オッサン「あ、あなたは神か?」
つき「そうです」

653:本当にあった怖い名無し
06/05/25 11:07:39 iICnaEX+0
このスレ楽しいから好きだけど、初代スレのような勢いが無くなってきたなぁ。
ちょっとマンネリ化してきたのかな?まぁとにかくGJ!!

654:1/2
06/05/25 11:16:12 09k17Y0FO
狂乱のつき!!

つき「た、頼む死神
もうおまえしかいないんだ
書いてくれ!!」

死神【つ…つき君……
…………
………】
死神「はぁ?!アンタ馬鹿?!!ちょっと前まで「新世界の神になる~」とか言ってたのにもうこれなの?!
ホント最低ね。さっさと死んだ方がいいわ。」(死神、ノートに書き込む)

つき「!!

死神、おまえ!」

死神「どうみても精子よつき。
私にすがるようならもう駄目ね。アンタは終わり。
さようなら、いろいろ面白かったわ。」

655:2/2
06/05/25 11:17:10 09k17Y0FO
つき「し…
死ぬのか?!
僕は死ぬのか?!!」

死神「そうよ、はいあと40秒。
心臓麻痺
もう決まりなの。」



つき「…………ちくしょう…………
…………アレ?
皆寝てるよ?
もしかしておまえ…」

死神「………アンタを殺せるわけないじゃない…/////」

つき「…! おまえ…消えてる……まさか僕のことを…
うわぁーしなせたくないいかせたくないー」

どうでもよくなった

656:本当にあった怖い名無し
06/05/25 11:38:33 JV/zlJcTO
をいこらwww作者wwwGJだけど

657:本当にあった怖い名無し
06/05/25 20:59:24 ZI3wesenO
「おい、肩を揉め」
「ふざけんな、何でおれがそ―ぐわぁ!指が!指がぁ!」
「揉めよ」
「わかったよ!…く、このビッチめ…!ぐぎゃぁ!ま、前歯が!や、やめてくれ!」
「口は災いの元だ」
「うぅ…」
「腹が減った、飯」
「さっき食べたじゃないか、もう食材もな―ぎゃあぁぁッ!腕が、腕が!」
「飯だ」
「か、買ってくる!買ってくるから!折れる!折れるって!」

「眠い。寝るぞ」
「あ、ああ、布団敷いといたから」
「一緒に寝るんだ」
「おれまだ仕事が―ぐわぁ!目は!目はやめて!寝るから!」
「腕枕」
「は、はい」


658:本当にあった怖い名無し
06/05/25 23:01:48 JV/zlJcTO
ちょっと萌えた(*´ー`)

659:本当にあった怖い名無し
06/05/26 02:21:46 bpUAjYJS0
推敲は大事ですよねー
推敲をしない文章というのは味見をしない料理と同じで、
作者の「読ませてやる」的感情の表れと取られる恐れがあるんですよねー
推敲がどれだけ大事か、ちょっと以下の文章を例にとって考察してみましょうねー


「ごめんなさい」
見慣れた光景が目の前にあった。
もう何度目になるだろう。こうも続くと失恋も大したことはないと思える。嘘だ。

「あーあ、やっぱりダメだったね♪」
小憎たらしい声が聞こえたかと思うと、空から逆さまの女が降ってきた。
「アンタみたいなのが女の子と付き合おうってのが、そもそもの間違いなのよ、うん」

一人で結論を出して一人で納得している。小憎たらしいどころではない。憎い。
「これは多分お前のせいなんだぞ」
こいつが現れてからまったくロクなことがない。
階段から転げ落ちるわ、財布は落とすわ、テストで赤点は取るわ、女の子にはフラれるわ。
……決して俺の注意力や努力や男前度が足りないわけではない。

「なんでよー、アンタがフラれるのと私となんの関係があるのよ」
「お前、なんか変なオーラとか出してるんじゃないのか?
 取り憑いた男から女を遠ざけるオーラとか」
「じゃあ、アンタ今まで彼女とかいたことあるの?」
「生まれてこの方、一度も汚れを知らない身体です」

やれやれ、といった感じで女は肩をすくめて見せる。お前どこのアメリカンだ。
「とにかく、お前もうどっか逝けよ。いつまで俺に憑いてるつもりだよ」
「やだよーん。せっかくこんなに面白い奴見つけたのに、それを捨てるなんてとんでもない!」
……また人のゲーム勝手にやりやがって。

(省略されました・・一部の地域を除いてレスを延長します)

660:本当にあった怖い名無し
06/05/26 02:47:08 LimcCfXcO
>>659
べっ、べつに続きが読みたいとかじゃないんだから!
ただ…そう、中途半端じゃあんたがすっきりしないだろうって…

ってとりあえずツンデレレス書いてる自分はいったい('A`)
しかし…なんなんだこの肩すかし感は。

661:本当にあった怖い名無し
06/05/26 19:03:39 xfbL5OEoO
「おはよう」
「お、おおおはよう」
「朝飯だ、食え」
「この消し炭が?ぐふぉ!鳩尾はやめて…マジ」
「そら、口を開け、あーん」
「い、いや自分で食べれるから…イテェ!フォークで刺すなって!」
「うまいか?」
「じゃりじゃりする…げふッ!腹に爪先蹴りは嫌ぁ!」

「昼寝するぞ」
「あ、ああ、布団敷いといたから」
「膝枕」
「は、はい」
「なでなでしろ」
「り、了解」


662:本当にあった怖い名無し
06/05/26 22:41:08 Tu7TTcq/O
だからその最後で萌えさせる手法が大好きだぁぁぁぁあ!

gjgjgjgjgjgjgjg!

663:本当にあった怖い名無し
06/05/27 00:52:59 MauLq0Wn0
「モルスァ」が脳裏をよぎった俺は負け組

664:本当にあった怖い名無し
06/05/27 03:04:22 2Igd4DiRO
さんざんイジめてきてたのに、幽霊が家に来てから過保護プレイってのが好きなんだ。
家でもイジめてくるけど男が泣きそうになったら過保護になるんだ。異常なぐらい。
なんか今なら萌えて消えれそうだよ。
今そっちにいきます

665:本当にあった怖い名無し
06/05/27 03:07:46 2Igd4DiRO
sage忘れたorz

666:本当にあった怖い名無し
06/05/27 04:00:03 7Bx9Xfwl0
ツンデ霊のことを考えていると、時が早く経ちすぎて困る。

667:遣ろか水
06/05/27 04:16:05 X24XxsK30
夏の暑い日幼馴染の少年少女が連れ立って山道を歩いていた
少女はペットボトルの水を持っていたが少年は手ぶらであった
のどが渇いて仕方ないという風情の少年を始めはからかっていた少女も
彼がへばってしまうのはさすがに気の毒に思い

「ねえ、私の水やろうか やろうか?」
(アッ、でもこれって間接キスじゃないの!?でも今更やっぱダメって言うのも変だし
そうよねこの位のこと気にするほうが変よねそもそもコイツそんなの全然考えないやつだし
私さえ意識しなければ全然問題ないのよつーかむしろ私にとっては望むところ?チャンス到来?
って何考えてんのよ私は!! (///) やっぱダメかな?こんなのエッチかな?あーでもでも…)

「ああ、くれるんならくれよ」

「え?あ、えと、う、うっさい!このスケベ!!変態!!!」 バシャ~ン!!

668:本当にあった怖い名無し
06/05/27 12:13:10 cKW1ZYqoO
新しい手法だ…

GJ!

669:本当にあった怖い名無し
06/05/27 13:05:16 3E4XUa2G0
上手いなw <br> <br> 最早妖怪じゃなくなってるが

670:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:50:19 aBE7++Cc0
>>660
ネタもないのに書いた(´・ω・)ス
反省はしてない(´・ω・)ス
謝罪と賠償をする(´・ω・)ス


こいつのことは生きてるうちから知っていた。
いや、知っているといっても同じマンションの同じ階の住人というだけで、
話したこともなければ名前すら知らないのだが。
ただ、時々朝の登校の時間帯が重なることがあり、
そのときに顔を見たことがある程度だ。

ある朝、俺がいつものように遅刻しそうになっていると、
玄関を出た廊下の手摺に女が腰掛けていた。
頭がおかしい人かと思ったらこいつだった。

「危ないぞ」
下は植え込みと芝生がある。とはいえ落ちたら怪我ではすまないだろう。
特に深く考えたわけでもなく、気がついたら声をかけていた。
そのときのこいつの驚きようは今でも覚えている。
人のことを化け物でも見たような顔で見ていたな。失礼な幽霊だ。

それからこいつは俺の周りをうろつくようになった。

「それにしてもアンタもよく飽きないわね」
「なにがだ」
「普通はさ、これだけフラれたら、ちょっとは謙虚になるものよ」
なぜ謙虚にならなければならないのか。
よくわからないが、それはつまり俺の男前度が足りないとか、
俺がいまいちイケメンになりきれていないからとか、容姿に欠陥があるからといいたいのか。
「アンタのことなんて誰も気に留めてないのに」
……本当に失礼な幽霊だ。

671:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:51:05 aBE7++Cc0
こいつに出会って半年が過ぎただろうか。
最近のこいつは元気がない。
相変わらず憎まれ口だけはきくが、以前のような切れがない。
もしや、いわゆる女の子のなんとやらか。……なわけないか。

「なあ」
「なによ」
「なんか悩みでもあるのか?」
「……幽霊なのに?」
「幽霊でも悩みぐらいはあるだろ」
「…………」
「ないなら別にいい」

いよいよおかしい。
ここ二、三日のこいつは、いつもの憎まれ口もきかなくなった。
これでは本物の幽霊のようではないか。まさか今さら自分が何者なのか自覚したのか。
一日中どこかに行っていたかと思えば、気がつくと俺の部屋の窓際で物思いに耽っている。
ふむ、こうして静かにしてればそこそこ可愛いのにもったいない。
そういえば、なぜ俺がこいつのことを覚えていたのかといえば、
朝見かけるこいつの可愛さがちょっと気になってたんだよな……。

「ねぇ」

アホなことを考えていると突然話しかけられた。
久しぶりなので少し動揺する。

「アンタ、自分が死んだ後のことって考えたことある?」
「はぁ?」

なんなんだいきなり。
まさか最近元気がなかったのは、そんなことを考えていたからか?

672:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:52:08 aBE7++Cc0
「例えば、自分が死んだあと、誰もそのことを哀しんでくれなかったらとか考えたことない?」
「そんなことありえないな。俺が死んだら、学校中の女の子が悲しみのあまり寝込んでしまって、
 翌日から学校は当分休校になるだろう」
「真面目に答えて」

真面目に答えてるぞ、と言いかけてやめた。
こいつのこんな真剣な顔を見るのは初めてだ。

「そんなこと考えたことないな」
「本当に? 自分がいなくなっても誰もなにも思わなくて、いつもと変わらないでいるのよ?
 それでもいいの?」
もしかして、最近一人でどっか行ってたのは、それを確認しに行ってたのか?
それで悩んでいたのか?

「……そりゃあまったく悲しんでくれないってのも寂しいけどさ。
 でも、変わらない生活を続けてくれているなら、俺は嬉しいよ」
「…………」
「だって、これからも生きていくんだぜ? いつまでも後ろばっかり見て生きていくのが幸せとは思えない

よ」
「……そう」
それっきり黙りこんでしまった。もしかして外したのか。
確かに自分でもクサいことを言ったとは思うが、ってお前が言わせたんじゃないか。
俺の責任じゃないぞ、うん。

673:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:52:54 aBE7++Cc0
一ヶ月が過ぎた。
その日もどこかへ出かけていたアイツが帰ってきたとき、俺はある変化に気がついた。

「お前、なんか薄くなってないか?」
「はぁ?」
突然なにをバカなことを言うのかといった風に怪訝そうな顔をする。
そして慌てて自分の身体を確認している。

「……別に変わらないと思うけど」
「いや、やっぱり薄くなってるって。前はそんなに透けてなかった」
俺の記憶が確かなら、初めて話したときのこいつはほとんど普通の人間と変わらなかった。
それが今は背後の景色が透けて見えている。どうにか服だけ透けて見えるようにならないだろうか。

「もしかして……」
なにかを思案するように呟くと、そのまま窓から出て行ってしまった。
どうしたんだよ。気になるじゃないか。こっちがもしかしてだよ。

結局帰ってきたのは深夜になってからだった。
「あのさ、前言ってたこと覚えてるか?」
アイツは黙ったまま窓の外を見ている。
「自分が死んだあとに悲しんでくれる人がどうこうってやつ。
 俺思うんだけど、やっぱり自分の親しい人とか大切な人がいなくなると悲しいよ。
 でも、その悲しみを周りに見せないようにして、我慢して、なんとかやっていくしかないんじゃないかな


アイツは相変わらず窓の外を見たまま動かない。ちゃんと聞いてるんだろうな。
「その人がどれだけ悲しんでるかなんて、周りから見ただけじゃわからないし、
 その人がその悲しみを乗り越えていければ、それが一番いいことなんじゃないか?」
俺の恥ずかしいセリフをアイツは黙って聞いていた。

674:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:53:58 aBE7++Cc0
「ごめんなさい」
見慣れた光景が目の前にあった。
もう数えるのはやめた。なんど経験してもつらいものはつらい。

「いい加減諦めたら?」
なんともいえない表情を浮かべてアイツが見下ろしている。同情するなら愛をくれ。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
「始める前から投了って感じだけど」
やっぱりムカつく。

「ああ、どこかに俺の魅力に気付く、美人で巨乳で性格のいい子はいないのか」
「そんなのがいたら、天然記念物としてすぐに保護されるでしょうね」
こいつは最近以前の調子を取り戻した感がある。なにかあったのか?
俺の方は相変わらずだ。
階段から転げ落ちるわ、財布は落とすわ、テストで赤点は取るわ、女の子にはフラれるわ。
恐らくこいつが俺からなにか吸い取っているのだと思う。
……決して俺が成長していないわけではない。

一つ違うことがあるとすれば、アイツの姿が俺にはもうほとんど見えなくなってしまっていることだった。

アイツ自身には自分の変化がわからないらしい。
これは俺の問題なのか、それとも……。
あまり考えたくない。

675:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:55:00 aBE7++Cc0
それでも時は流れ、季節は巡る。
アイツはいつもの調子で話しかけてくる。
「最近告白しないね。ようやく諦めたの?」
突然空中から声がして、その度に驚かされる。
「なによ、変な顔して」
本当にわかってないのか、こいつは。なぜかイライラする。
段々アイツと話をする時間も減ってきている。

「ねぇ、なにか悩みでもあるの?」
「なんだよいきなり」
「最近元気ないじゃない。なにかあったの?」
「……別に」
「ないなら別にいいけど」

ふと、以前にもこんなやりとりがあったような気がした。
あれはいつだったか……。

「アンタに聞いておいてほしいことがあるんだけど」
「……え? なに?」
なんだいきなり。こいつらしくない。

「私、もうすぐここからいなくなるかもしれない」

なんだよそれ、衝撃の告白のつもりか。いつものおふざけにしてはタチが悪いぞ。

「アンタ言ってたよね。私の姿が薄くなってきてるって。
 多分……もうそんなに時間がないんだと思う」
「いなくなるって、それでどこに行くつもりなんだ?」
「うーん、どこっていうか、この場合元に戻るって言った方が正しいのかな?」
「ふざけんなよ! 今さら……今さら元になんて戻るわけないだろ!」
なんでそんなにあっさりしてるんだよ。結局俺と一緒にいた時間なんてそんな程度だったのか。

676:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:56:00 aBE7++Cc0
「……もしかして私のために泣いてくれてるの?」
「えっ?」
そのとき初めて自分が涙を流していることに気付いた。
「もういいよ、どこへでも好きなところへ行けよ」
半ばヤケクソ気味になって声を絞り出す。
「ありがとう、それだけでもう十分よ」
最後にアイツの柔らかい手のひらが頬に触れた気がした。


それから半年が過ぎた。
あの廊下でアイツと出会ってから一年以上が過ぎていた。
俺は高校を卒業して大学生になっていた。

新しい環境の中で新しい友人と出会い新しい生活が始まった。
相変わらず階段から転げ落ちたり、財布を落としたり、単位を落としそうになったり。
……やっぱり俺のせいだったのか。考えたくはなかったが。
とにかく俺は以前と変わりない生活を送っていた。

ある日、高校時代の友人に会う機会があった。
気の合う者で集まって、プチ同窓会とでもいうようなものを開くことになったのだ。
会は順調に進み、参加者はみな楽しんでいたようだ。
もちろん俺も楽しんでいた……はずだ。
帰り際、参加者の一人が俺にこんなことを言った。

「君、大学に入ってずいぶん変わったね」
「そうか?」
「うん、なんか落ち着いたっていうか、大人びてきたっていうか……ただ」
「ただ?」
「どこか悲しそう」
なんとなく触れられたくない部分に触れられた気がして、俺は逃げるようにその場を後にした。

677:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:57:00 aBE7++Cc0
春が来て、俺はギリギリ進級できていた。
大学生活は相変わらずだったが、以前のように階段から云々はなくなった。
俺も変われば変わるものだ。

春といえば新入生の季節、俺の所属するサークルでも新人獲得に躍起になっていた。
しかし、俺はといえば気合十分で勧誘に出かけた先輩たちを尻目に、
通り沿いに設置されたテーブルで受付係として日向ぼっこを楽しんでいた。
そもそも古墳研究会などというマイナーを通り越して絶滅危惧種に指定されそうなサークルに、
わざわざ入会してやろうなどという物好きなどいるはずもないのだ。
とはいえ、これ以上メンバーが減ってしまっては、サークルとしての存続も危うい。
そんな物好きが現れることを祈りつつ、俺は眠りについた。

「……っ! ……せんっ!」
うるさい。人の安眠を邪魔する奴は馬に蹴られてしまえ。ん? 違ったか?
とにかく、そんな物好きが現れたようだ。
「んあ! ああ、はいはい、入会希望の方ですか~。
 それじゃ、こちらの用紙に名前と学年と学部学科と連絡先と……」
やれやれといった感じの溜息が聞こえる。
「相変わらずね~アンタも」

全身の筋肉が硬直してしまったかのように身体が動かない。
「……ま、元気でやってるようで安心したわ」
「なんで……」
ようやく出た言葉はそれだった。
「なにそれ。久しぶりに会ったのに最初に言うセリフがそれ?」
「え? え? ちょっと待てよ、お前あのとき死んだはずじゃ……生き返ったのか?」
「勝手に殺さないでよ。第一、最初っから私は死んでなんかないわよ」

アイツの説明によると、あの廊下から落下した後、一時意識不明の状態になっていたらしい。
そのときには、アイツはすでに幽霊になっていて、
廊下をウロウロしていたら俺に話しかけられたということらしかった。
つまり、あのとき見ていたアイツは幽霊ではなく生霊とよぶべき存在だったようだ。

678:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:58:00 aBE7++Cc0
春の日差しの中、二人で並んで椅子に腰掛けながら思い出話に花を咲かせる。

「でも、段々私の身体の方が回復してきて、アンタが私の姿が見えなくなり始めたのはこの辺りね」
アイツはよく喋った。会えなかった時間を取り戻そうとするかのように。
「本当は私、もう戻るつもりなんてなかったの。
 私が死んだって誰も哀しむ人なんていないって思ってたから」
「それであんなことを聞いてきたのか」
実際、あのときのアイツになにがあってそんな気持ちにさせたのかはわからない。
多分聞いても教えてはくれないだろう。でも今はそれで構わない。

「アンタ、あのとき色々言ってくれたけど、それでもまだ帰る気にはなれなかった。
 私も色々あったからね」
俺はアイツの告白を黙って聞いていた。
「でも、あれだけ一緒にいて、情が移ったのかな。最後のアンタの涙にやられちゃったな」
……それは忘れてくれ。
「ゴメンね、ほんとはもっと早く会いに来るつもりだったんだけど、
 リハビリとか休学中の学校の勉強とかで時間が取れなくて今までかかっちゃった」

アイツの話を聞きながら、俺は顔を伏せて耐えていた。これはヤバイ。
アイツも知ってか知らずか、黙って肩を並べている。
俺はただ感謝していた。神様がホントにいるのなら、そのほっぺたにキスしてやりたいぐらいだ。
もう一度やり直そう。あの時間を。そして新しく始めよう。今ならそれができる。

679:本当にあった怖い名無し
06/05/27 16:59:20 aBE7++Cc0
「なあ、お前―」
「待って」
俺の言葉を遮ってテーブルに置かれた入会希望の用紙にペンを走らせる。
「私、ずっと気になってたことがあるのよね。アンタ私の名前知らないんでしょう?」
用紙を書き終え俺の前に差し出す。
「これからはお前じゃなくてちゃんと名前で呼んでよね」
マイッタ。目の前が滲んでなにも見えない。

アイツはニヤリと笑って言った。
「私の名前は―」


はい、例文は以上です
長いですねー、くどいですねー
こうした文章を推敲もせずにそのままにしておくと、

(省略されました・・このレスの結果は午前二時からのドキドキ丑三つドキ♥の中でお送りします)

680:本当にあった怖い名無し
06/05/27 17:17:43 LViN12r00
>こうした文章を推敲もせずにそのままにしておくと

GJ!
なんて言うやつがでてくるわけだな。

681:本当にあった怖い名無し
06/05/27 17:43:07 Fvw5Tvf3O
GJ!


あくまでジージェイだから

682:本当にあった怖い名無し
06/05/27 23:21:20 SJgDV2E9O
(幽霊、今日は随分ピリピリしてるな…)
「……」
(刺激しないように距離をおかないと)
「死ね」
 
幽霊の不意打ち!
幽霊は釘バットを振りかぶった
3回当り52のダメージ!
 
「イテェ!いきなり何すんだよ!」
「うるさい、黙れ」
 
幽霊の攻撃!
幽霊は栓抜きで殴りかかった
2回当り29のダメージ!
 
「嫌ぁ!やめてー!」
「ふん」
 
幽霊の攻撃!
幽霊はナタで切り掛かった
4回当り62のダメージ!
 


683:本当にあった怖い名無し
06/05/27 23:22:27 SJgDV2E9O
「死ぬ!つーか何イライラしてるんだよ?いつもここまでしないじゃん、何かあったの?」
「黙れ」
「ちゃんと答えなさい!」
「貴様には関係ない」
「じゃ、もう腕枕も頭なでなでも無し!」
「……それは…ダメだ」
「なら何をイライラしてるか答えろ」
 
「……生理だからだ」
「生理!?マジか!幽霊にも生理あんの?」
 
幽霊の攻撃!
幽霊はハンマーで殴り付けた
1回当り56のダメージ!
 
「やめてー!」

 
「おい」
「な、なんでしょうお嬢様?」
「ナプキン買ってこい、横広羽つきのヤツ」
「イェッサー!」
「だっこしろ」
「サー、イェッサー!」
「お腹痛いからなでろ」
「サー、イェッサー!」


684:本当にあった怖い名無し
06/05/28 00:08:18 y2cXclcE0
>こうした文章を推敲もせずにそのままにしておくと

仕事から帰宅後、うっかり癒されてしまうわけですな(*´д`*)

685:本当にあった怖い名無し
06/05/28 00:56:51 JFejDSz2O
>>683
萌える事ぁ萌えるさ、だが最早幽霊関係ナス('A`)

686:本当にあった怖い名無し
06/05/28 09:57:21 7uId4Mvb0
URLリンク(plusd.itmedia.co.jp)

687:本当にあった怖い名無し
06/05/28 12:52:23 W8pt4PkT0
これでもう、片栗粉Xを使わずに済むのだな。

688:本当にあった怖い名無し
06/05/28 13:05:35 rXD8KHTp0
>>687
いあ、併用すると良いよ

689:本当にあった怖い名無し
06/05/28 13:19:42 mpdX2ujQ0
虚数素子測定装置の方が高性能じゃないか?

690:本当にあった怖い名無し
06/05/28 19:59:54 nEu8HA4P0
このような装置で霊を見ようとするのは盗撮や覗き見と同じ。
そんなこと、そんなこと……最高じゃないですか!

IDをNG指定推奨。11レス予定。書けば書くほど長くなる物なーんだ orz

691:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:00:59 nEu8HA4P0
「……─あれ?」

気が付けば深い霧の中、見知らぬ小屋の前に立っていた。
何も特徴もない、バスの待合所のような粗末な小屋。
決して汚くはないが、経年による劣化は否めない。

真っ白な霧に覆われた世界で、そこだけが、ぽつり、と異界だった。

「……だ、誰か、いるのか?」
薄暗い入り口の奥から、男の声がした。
まるで何年ぶりかに出したような、かすれ震えた声だった。

「そ……そこに、誰かいるのか?」
恐れと期待が混じり合った複雑な感情が見え隠れする。
覗き込むと、小屋の隅に蹲る男の姿があった。

小屋の中は清潔─というよりも、ただ簡素な造り。
細長い三畳ほどの空間に、壁に沿って腰掛けがあるだけ。他に何もない。

そして、そこに座る男の姿は─異常だった。

ごく普通の─本当に何処に出もいるような姿の二十代の男性。
この小屋にも、ふらりと立ち寄っただけなのだろう。手荷物もない。

─なのに、どうしてだろう。男から発せられる雰囲気は異常だった。
まるで密林の奥、たった独りで何十年と過ごしてきたような飢餓感。
澱んだ瞳の奥に、爛々と輝く狂気の色があった。

思わず一歩、後退る。
その瞬間、男の目が大きく見開かれた。

「─行かないでくれっっ!!」

692:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:01:59 nEu8HA4P0
「あ……お、大きな声を出して、悪かった……」
男は繕ったように詫びを入れると、視線を彷徨わせ出した。
「こ、この霧だろ? 外は危ない。どうだ、話し相手になってくれないか?」
大げさなジェスチャーを交えた、不自然で不器用な誘い。
むろん乗る気になれず、入り口で待機する。

「な、なぁ、こっちに来てくれよ。大丈夫、何もしない。ちょっとでいいんだ」
男は自分の言葉の不自然さに気が付いていないのだろう。
立ち上がると、ふらふらとこちらに向かって歩いてきた。

入り口から一歩退いたところで、ぼうとその様子を眺める。
ひどく曖昧だった。─何が曖昧なのかすらも茫洋としていた。

男が手を伸ばす。ただそれを眺める。
触れようとする瞬間、その手が何かにぶつかったように不自然に止まる。
まるで小屋の入り口、内と外との境界に、見えない壁があるように。

「……あ。……い、いや、こ、これは違うんだ! そうじゃないんだ!」
男が狼狽しだす。知られてはいけない秘密を必死に誤魔化すように。

「な、中に来てくれ! 来てくれっ! 来い! 来いよっ!!」
既に形振りを構っていない。入り口の“壁”に手を突いて叫んでいる。
「出せっ、俺をここから出せっ! 出せよ、出してくれっっ!!」

─ようやく仕組みを理解した。これは怪談話のひとつ。


“身代わりの小屋”
─誰かを身代わりに入れるまで、自分が出られなくなる牢獄の話。

693:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:02:59 nEu8HA4P0
─そして僕は独り、小屋の中にいる。

不思議な小屋だった。
お腹は空かないし、眠くもならない。まるで時間が止まっているよう。
……いや、そうじゃない。

──ここは、時間が永いんだ。

1秒が1分に、1分が1年に─、いまこの瞬間が、永遠に感じられる。
これならば、数日─いや、数時間で気が狂うのも頷ける。

僕の前任者の事を思い出す。
あの男の代わりとなったのは、何日前だったか。

あの後─僕は喚く男を無視し、小屋の中へと足を踏み入れた。
男は呆然と僕を眺めていたが、急に我に返り、霧の中へと消えていった。

それ以来、ただ、時間だけが流れている。
粘性の高いぬるま湯に浸かっているような、不思議な空間。
狭く薄暗い小屋の中には、僕の他には、物音を立てるものは何もない。
小屋の外の霧は一度も晴れることが無く、一日中ぼんやりと光っている。

一度試しに外に出ようとしてみた。
案の定、入り口には見えない抵抗があり、それ以上先には進めなかった。

小屋の中では、何もすることがなかった。
だから、ただ隅に座り、延々と時だけが過ぎて行くのに任せていた。
小屋の中にある唯一の物品─それは同時に唯一の変化でもあった。
壁に掛かった日めくりカレンダー。気が付くと誰かによってめくられている。

今日で五日目──時間が、永い。

694:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:04:53 nEu8HA4P0
初めに人が来たのは、一週間後だった。
それまでの一週間は、体感的には何年、何十年にも感じられた。
もしカレンダーが無ければ、事実そう信じていただろう。

その人は、中に僕がいることに気が付かなかったのだろう。
隅に座る僕を見て、少し驚いたような顔をしたが、何も言ってこなかった。
─そして、数分後、何も言わずに外へと出て行った。

次に人が来たのは翌日だった。
彼女も、しばらく小屋の中にいたが、やがて去っていった。

その後も日に一度、人が来ては去っていった。

色々な人がいた。
男の人も女の人も。十代の人も五十代の人も。
中に入らずに去っていった人もいた。二日間滞在した人もいた。
話し掛けてくる人もいた。僕は何も答えなかった。

どの人も、どこか視線が茫としていた。
そして訪れたどの人も、ここへと戻ってくることは無かった。

気が狂いそうで、かろうじて保ち続けた細い糸。
それもう限界。ぷつり、といくのは今この瞬間か。

この小屋を過ぎ去った人数が百に届くかというころに

   ──彼女が訪れた。

695:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:05:54 nEu8HA4P0
「出て行きなさいよ」

開口一番に彼女はそう言った。
ちら、と顔を上げると、可愛いらしい少女が、不機嫌顔で立っていた。
いつも通り、何も答えずに顔を下げる。そのまましばらく沈黙が続いた。

「~~~~っ、出て行きなさいって言ってるでしょ!!」
再び顔を上げると、彼女が顔を真っ赤にして怒っていた。
何も答えずにいると、ずかずかとこちらに寄ってきた。

「アンタ、いつまでここにいるつもりよ!」
「……いつまでって─何で君はそんなこと知ってるの?」
数ヶ月ぶりに聞く自分の声は、どこか借り物のような不自然さがあった。

「もしかして、君がこの小屋の管理人さん?」
「その呼び方はどうかと思うけど、その通りよ。ここを支配してるのは私よ」
ようやく出会えた─不思議な感動があった。
「そんなことはどうでもいいのよ。早く出て行きなさい!」

「─それは出来ません」
少女は一瞬、面食らったような顔をすると、猛烈に捲し立ててきた。
「なにワガママ言ってるのよ! 出なさいって言ってるでしょ!!」
「スイマセン、出来ません」
いくら管理人さんの願いでも、そればかりは聞けない。

「何でよっ!」
「誰かを身代わりになど出来ないから」
「───、」

“身代わりの小屋”
─誰かを身代わりに入れるまで、自分が出られなくなる牢獄の話。
─それは、たった一人の生け贄がいれば、すべて綺麗に収まる話。

696:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:06:53 nEu8HA4P0
「─なにそれ。罪滅ぼしのつもり?」
「…………」
参った─さすが管理人さん。入居者の履歴はご存じだ。

─分かっている。こんなことをしても、彼女は戻ってこない。
僕の代わりに命を落とした彼女─僕なんかのために、死んだ彼女。
命の重さは等しくない。命の価値は、決して同じではない。
皆から好かれていた彼女の命は、僕のよりも遙かに尊い物だった。

生き延びた僕─死んでしまった彼女。
それは決して僕などに償いきれる物ではない。
それでも、目の前にあるこの機会は、せめてもの罪滅ぼしに。

「それは逃げよ」
─知っている。僕は自分の罪から逃げているだけだ。

「それは自己満足よ」
─分かっている。それでも僕は、この罪に向き合う勇気はない。

「それは彼女への裏切りよ」
─その通りだろう。彼女はこのようなことを望んだりはしない。

「それは大きな誤りよ」
─それは……違う。
確かに僕の行動は、汚泥にまみれた醜いものであろうが─
僕がここにいることで救われる人がいる─それは確かな事実。

「それは大きな誤りよ」
「─違うっ! 間違いなんかじゃないっ!!」
耐えきれなくなり叫ぶ僕に、彼女は優しく微笑み言った。

「それは……アンタが生きていることは─罪なんかじゃないわよ」

697:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:07:48 nEu8HA4P0
「──え?」
ふっ、と、肩の後ろから、何かが気体となって抜けていった。

「生きていることは、それだけで尊い。人はね、いつでもやり直せるの」
「そ─そんなことはないっ! 僕のせいで、彼女は─彼女は……」

「黙りなさいっ!!」
「──っ、」
目の前の少女から発せられたとは思えない厳しい口調。
思わず固まってしまった僕を睨んでいた彼女は、ふと優しい顔に戻る。

「生きることは罪じゃない─」
先程の厳しい口調が嘘のように─まるで聖母のような口調。

「それに─死ぬことも罪じゃない─彼女を責めたらダメだよ」
「責め─?」
なにを言ってるんだ。
そんなこと……僕が彼女を責めてなんてこと………………ない?

「アンタは命の恩人を責めている。なぜ死んだのかと責めている」
優しい口調─厳しい詰問─真実の断罪。

ああ、そうだったのか。
ぼろぼろと涙が零れる。彼女のお葬式でも流さなかった涙が、止まらない。

「でも─それでもアンタに罪はない。感情は─罪にはならない」
想いは仕方がないこと。それは人としての業。人として逃れられない枷。

「でも─気付かなければいけない。いつまでも俯いていてはいけない」
目を逸らさず、前を向いて─歩き出さなければいけない。

「それが生きている者の義務。人は─歩き続けなければいけないのよ」

698:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:09:08 nEu8HA4P0
泣いた。泣き続けた。涙が止まらなかった。涙が気持ちよかった。
声を出し泣いた。彼女のために泣いた。僕のために泣いた。ただ泣いた。

僕は─生きていて良いのだ。

「罪悪感に捕らわれる必要も、無理して自己犠牲に興じる必要もない」
これだけ泣いても、目の奥から熱いものが溢れてくる。体の芯が熱くなる。
生きたい─そう思った。……しかし、

「──さて、と」
唐突に気温が下がった。唐突に涙が退いた。
唐突に─目の前の少女が悪魔に見えた。そして死を覚悟した。
思い出す。彼女はこの“小屋”の管理人。
先程まで高説を垂れていたが─彼女は“悪”とも呼べる存在である。

「さっきも言ったけど、アンタが生きていることは罪じゃない」
「……なんですか、改めて」
「でもね、アンタはこの小屋で罪を犯した。それも、とんでもない罪よ」
「罪って……僕はここに居座り続けただけですよ?」
自己犠牲は、美徳ではあれ罪とは成り得ない。─そう思う。
「勘違いの自己犠牲は、ただ迷惑なだけよ」
彼女の視線が冷たい。

「アンタのせいで、みんな帰っちゃったじゃない!」
「そ、それは君にしたら気にくわないかもしれないけど、僕は─」
「そういうのをね、余計なお世話、って言うのよ」
ぴしゃり一蹴。かなり堪える。それにしても、どういうことか。

「何かを勘違いしてるみたいだけど、ここはアウシュビッツじゃないのよ」
そう言って大きな溜息をひとつ。そして、やれやれ、というように─

「ここはね─生きる気力を失った人のための更生施設」

699:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:10:11 nEu8HA4P0
「更生─施設?」
「そうよ。何も意地悪や悪戯で閉じこめてるわけじゃないのよ」

「──え?」

「……やっぱり。私のこと、そういう風に見てたのね」
「え、あ、いや、ち、違います。違いませんけど、違います!」
「ふん、いいわよ別に。アンタにどう思われようが関係ないし」
そう言うが、ジトと睨む視線は明らかに不満そうである。

「でも、どうして? それに更生施設って……」
彼女はやれやれ、というように肩をすくめ、教師のようなポーズをする。

「いい? ここに来るのは、生きる気力を失った人だけ」
─ここを訪れた人々の、うつろな瞳を思い出す。
──そして、ここに来たときの、僕自身の気持ちを思い出す。

「ここで無為を知るから、何かをしたいと思うようになる」
─擬似的な死の体験は、裏返り生への渇望となる。

「ここで孤独を知るから、他人との繋がりが大事になる」
─人との繋がり、それはそのまま生きる活力となる。

「誰かを身代わりにした後ろめたさがある。だからその分、頑張ろうと思う」
どう、合理的でしょ? ちょっと荒治療だけどね。そう付け加える。
─ちょっとどころか、トラウマになってもおかしくない気もするが。

「じゃあ、僕のしていたことは」
「だから言ったでしょう。─余計なお世話だって」
ずん、と両肩が重くなる。良かれと想ってやっていたことが逆効果とは。
そんな僕の様子を見て、彼女はなぜか、嬉しそうに笑った。
─僕も、釣られて笑ってしまった。

700:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:11:10 nEu8HA4P0
「……管理人さんは、良い子なんですね」
「な、何言ってるのよ!」
真っ赤になった。リコピン豊富な真夏のトマトみたいになった。
爽やかな真夏の香りに、何となく、すっとした。
自分の意志であれ、永く閉じこもっていた鬱憤が、すっきりと晴れた。

「君は優しい子だけど、優しさが少し分かりづらいね」
「~~~~っ! あ、アンタが勝手に勘違いしていただけでしょ!」
「そうですね、スイマセン。ご迷惑をお掛けしました。もう行きますね」
勘違いが分かれば長居は無用。入り口に向かう。

「─もうやめなさいよ、罪滅ぼしなんて」
僕の背中に、彼女の声が降りかかる。

「……いいえ、止めません」
これからも─たとえ勘違いでも─他人のために尽くしたい。
─それは、僕の代わりに死んだ彼女のためじゃない。

「罪滅ぼしではありません。─ただの自己満足です」
「ふん、物好きね。そんなの、誰も認めてくれないわよ」

「それを言うなら、君だって同じでしょう?」
誰も認めてくれない。むしろ恐れ憎みさえする。
─それでも他人のために、その役を買って出る。
そんな少女に会ったから─僕もそう生きたいと思った。

「なに言ってるのよ」
嘲るように─勘違いかもしれないけど、ほんの少しだけ、嬉しそうに、

「─アンタが認めてくれたじゃないの」

なぜだか分からないけど、じん、と鼻の奥が熱くなった。

701:本当にあった怖い名無し
06/05/28 20:12:04 nEu8HA4P0
「─本当に迷惑を掛けて、スイマセンでした」
振り返り、彼女に礼をする。
彼女は笑っていた。
笑いながら、少しだけ─何かを堪えるように歪んでいた。
僕も目頭が熱くなり、それでも笑顔で別れたくて、精一杯、明るく努めた。

「これからも頑張ってください。それでは」
再び入り口に向き直り、一直線に向かう。
振り返ることはない。
生きる気力を貰い、生きる目標を貰い、新しい日々が始まろうと──


   ── び た ん っ ! !


「─へぶっ!?」
入り口の“見えない壁”に思いっきりぶつかり、情けない声を上げる。
先程とはまた別の意味で、目頭が熱くなった。鼻がじんじんとする。

「え、あ、あれ? ちょ、ちょっと?」
振り返ると、彼女の姿は無く、どこからともなく、声だけがする。

「ここは“身代わりの小屋”。誰かが来るまで出られない。そういうルール」
悪戯が成功した子供のように、けらけらと笑う。
……先程の堪え顔はこれが原因か。

「あ、あの僕はもう気力も貰いましたから、っていうか、次の人って─」
「さあ、いつ来るのかしらね。来週か、来月か、十年後かしら?」
「ちょ、ちょっと、勘弁してくださいよ」

笑い声だけが響き、答えはない。
──さて、僕はいつになったらこの小屋から出られるのでしょうか。

702:本当にあった怖い名無し
06/05/29 00:40:31 BGRBzzVV0
GJ!!
・・・が、あまりのオチに泣けばいいやらワラタらいいやらわかんねぇヽ(`Д´)ノ

703:本当にあった怖い名無し
06/05/29 02:26:33 /PSg5+3a0
a

704:本当にあった怖い名無し
06/05/29 03:27:50 n0U3BhK20
>>701
GJ!!
よかったです。

705:ある男の見解。 ◆VC3/0IaBbQ
06/05/29 10:23:16 QDlxnPi1O
やへぇですな~。GJ作品ありすぎて投稿し難いです。


>>671-679
>>682-683
>>691-701
とてもGJです!


706:本当にあった怖い名無し
06/05/30 01:23:38 JacvtRxsO
やへぇ?



それとは別に
う p き ぼ ん ぬ

707:本当にあった怖い名無し
06/05/30 01:40:44 qQDMda0U0
初代スレの>>1のネタの絵とかAAとかあったと思うんだけど誰か知らない?
別のスレだったのかな……

708:本当にあった怖い名無し
06/05/30 09:36:35 XvFSK4jO0
URLリンク(www.geocities.jp)

709:本当にあった怖い名無し
06/05/30 13:41:25 fe0c4Nv/0
>>708
こーゆーのを待っていた

710:本当にあった怖い名無し
06/05/30 15:40:15 Kxm43ht20
>>708
(*´Д`)ハァハァ

711:本当にあった怖い名無し
06/05/31 01:58:58 syyRxA2n0
>>708
おーこれこれ、アリガトン

712:本当にあった怖い名無し
06/05/31 06:06:04 3lw7t8SdO
>400

713:本当にあった怖い名無し
06/05/31 07:48:01 T6F/4RsH0
>>51
>カラダも心も目一杯だよ~。
まったくもって!

714:跡取り 2-1
06/05/31 23:53:11 AwnBPYj+0
 夕暮れが迫る一時、晩餐にもまだ間がある
この時間帯は、姉は独り書庫に向かっていた。
 僕を教えるため、姉は学んでいるのだろう。
 一度、すべて自分で理解し咀嚼しないと気がすまない。
でなければ教える事はできない。生前そういっていた。

僕はこの一人の時間、木剣を用いる剣術から派生した
竹刀という竹を編み、防具をつけて行う剣道を始めていた。
 実戦的な剣術を学ぼうかと思ったのだが、時代にそぐわない
し、危険だからと姉は断固反対したからだ。
 精神修養ならば剣道でも学べる。剣道にも剣術と同様に型が
あり、僕はそれを今は学んでいる。

「・・・つ」
肉刺ができ、思うようにいかない。竹刀は柄に革が巻いてあり、
比較的持ちやすいはずなのだが・・・

「・・・握り方が固いわ」
「あっ・・・」

振り向くと、壁にもたれて姉が立っていた。

715:跡取り 2-2
06/05/31 23:53:44 AwnBPYj+0
「姉さん・・・」
一人素振りをしていたのを見られたのは、何か
気恥ずかしいものがあった。

「続けて。いつもしているようにしてごらんなさい」
「はい」

正眼に構え、振り抜く。足の運びと腕の振りは力を入れすぎず
「・・・もう一度。私を意識しないで。いつもしているように」
「・・・はい」
正直、肉刺が痛くて握りきれなかったがもう一振りした。
黙って見ていたままの姉が、ついと近寄り手を取った。

「駄目よ。そんなに強く握ったら痛いでしょう?ほら・・・手が」
「はい・・・」
「もっと柔らかく掴まないと。手首にも頼りすぎているわ。肩の力と腕は
よく抜けているわね。腰はまだまだ」

姉は薙刀の有段者だった。僕は生前見たことはなかったが、舞うように
振るったという。
「いい?こう握ってごらんなさい」
「あ・・・ぅ」
「力を抜いて。掌から包むように。そうよ」

夕暮れが辺りを赤く染め上げていた。

716:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/06/01 00:03:54 AwnBPYj+0
迂闊だった。大失態といってもいい。
最近料理に凝っているレイポンに頼まれ、調味料を
探していてすっかり忘れていた。今日は
『ワクテカ ハムスター!~ウプレカス読者投稿特大号~』
の発売日だったのだ。
自分は食べるでもないのに、料理に凝った挙句こんなややこしい
買い物をさせるとは・・・もし買い逃したらレイポンだって怒るはずなのに。

実は今回も僕はハムポンを投稿していた。今回は今までにない
写り栄えだったといっていい。
ハムポンの愛くるしさが余すところなく写されていた。
撮ったのはレイポンだが。

すっかり遅くなってしまった。なにぶん発行部数が少ない。
マニアな雑誌なので、一度買い逃すと注文でも手に入らない事もあるのだ。
焦りつつ、駅前の小さな本屋に僕は走った。

交差点もそのまま走って抜けようとしたとき
僕は跳んだ。

「・・・・?」
ブレーキを軋ませながら滑るように止まるダンプトラック。
「危ないわよ?右見て左見てわたりなさい」
「・・・レイポン?」
「遅いから迎えに来てみれば・・・どこいこうとしてたの?まったく」


717:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/06/01 00:12:45 syNj2yTd0
見事な背負い投げだった。
しかし、レイポンを触感したのは初めてだったかも知れない。

「本屋さん」
「うん。でもまだ閉まるまでは時間があるから、気をつけないと」
「うん」

ダンプは既に走り去っていた。運転手は、キテレツな飛び方で
飛び去った妙な奴がいたとみんなに吹聴するだろう。

「じゃあ、先に帰ってるから・・・あ、調味料は買えた?」
「うん」
「よかった。あんまり話すと独り言を繰り返す危ない人になっちゃうから、
帰るわよ。ほら、立って」

そうだった。座り込んでぶつぶついってるようにしか見えないだろう。
僕を社会的に抹殺する気だろうか?

「じゃ、気をつけて帰るのよ」
「うん」

レイポン・・・柔道の腕は確かなようだ。しかもいざとなったら手が出せるのか。
あまり、以後は逆らわないほうがよさそうだ。

718:本当にあった怖い名無し
06/06/01 00:14:09 syNj2yTd0
>>708
姉萌え燃えーっっw

719:本当にあった怖い名無し
06/06/01 00:21:47 sh8sxMTsO
レイポン&跡取り乙

レイポンもファイトしそうだなw

720:本当にあった怖い名無し
06/06/01 12:14:40 HNiXRssw0
あ、エロ姉だ。絶対この女確信犯www

あといざとなったら 手 を 出 す こ と が で き る わけだな


721:本当にあった怖い名無し
06/06/01 14:35:19 9GtyUwOU0
>>720
つっこませてもらうと、「確信犯」の意味間違えてるぞ

722:座談会
06/06/01 14:52:06 A3RJdg9jO
司会「今日のツンデ霊座談会は跡取り姉さん、レイポンさん、祟り神様をお招きしています」
姉「よろしくお願い致します」
祟「…」
レ「よろしく~」
司「で、どうですか?皆さん最近は?」
姉「まあまあですわ」
祟「…」
レ「こっちはサッパリよ、ハムスターにハァハァしてて私に見向きもしないわ!」
姉「クス、それは貴女に魅力が乏しいからじゃなくて?」
祟「…」
レ「なななななんですってぇ!」
姉「ふふ、殿方なんて単純ですわ、焦らして焦らして躾ければ可愛いものですのよ」


723:座談会
06/06/01 14:53:33 A3RJdg9jO
レ「でも…あいつ、ハムポンに夢中で…」
姉「そんな小動物は毒でも盛って殺ってしまいなさいな」
レ「そ、そんな!あんな可愛いハムポンを殺すなんて!」
祟「…」
姉「ダメな娘ね、彼が愛玩動物が死んで打ちひしがれるところにちょっと優しくしてあげるのよ。そうすれば思うままですのよ」
レ「そ、そうなの?」
姉「ええ、うちの弟もその手で調教しましたのよ、こう、じわじわと肉体的接触と優しさで躾けて身も心も私のモノになりましてよ」
レ「み、身も心も…(ゴクリ」
祟「…」


724:座談会
06/06/01 14:54:41 A3RJdg9jO
姉「そうね、試しに貴女も肉体的接触を持ってはいかがかしら?」
レ「そんな…いきなりなんて…恥ずかしいし…」
姉「ウブですのねぇ、では私、手伝って差し上げますわ!彼にトラックを突っ込ませてあげますわ」
レ「えぇー!トラックぅ?死んじゃうよ!」
祟「…」
姉「ふふ、そこで貴女の出番ですわ。颯爽と助けてあげなさいな、背負い投げで」
レ「な、なぜに背負い投げ?」
姉「あら格闘技はツンデ霊淑女の嗜みですのよ?いつかのジェノッサァーイ!の為に」
レ「…初耳だわ」
祟「…」
司会「えー、祟り神様も何か発言して頂けないかと」
祟「…」
司会「あぁ、下顎が腐り落ちててしゃべれないんですか?困ったな…」


725:本当にあった怖い名無し
06/06/01 17:16:51 Z/Aea0Kl0
いまだに文体で作者さんを見分けることが出来ません。
姉さん、レイポンさん、祟り神さんが、同一作者だったなんて~


なんて素晴らしいんだ!

726:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/06/01 19:46:41 syNj2yTd0
>>725
いやいや?祟り神さまは俺じゃないよw

>>722-724
姉さまがいろいろと話があるそうだ。後で出頭してくれ。
いいかい。俺がいえるアドバイスは・・・貝になるんだ。
何時間・・・何日問い詰められるかわからんがw貝になるんだ。

727:本当にあった怖い名無し
06/06/02 10:08:43 cObABP5QO
ツンデ霊書いてると何故か必ず体調を崩す。おかけで書き上がんない。

728:夕暮れのさようなら
06/06/02 11:32:15 cObABP5QO
 夕暮れの逢魔が刻。彼女が薄れていく。感じていた手触りも、見ていた顔も。
「さようならしようよ」
「そうだね」
「今まで我が儘に付き合ってくれてありがとう」
「こちらこそ」
「あっさりだね。私が居なくなっつ悲しくないの?」
 そう。これはきっと遠いお別れ。
「悲しい。だけどいつか必ず会えると願えば、これは再会の誓い」
「馬鹿。格好付けすぎ。ま、良いけどね。私は悲しくないし」
「お前らしい返答だな」
「むっ。やっぱり、あんたなんて大嫌い」
「そうか」


729:夕暮れのさようなら
06/06/02 11:35:45 cObABP5QO
 更に薄まる輪郭は空気にかすれて消えていく。背景に同化していく姿はもうほとんど見えない。
「うん、大嫌い。いつも優しくて、私は幽霊なのに」
「元は人だろ」
「・・・」
「・・・」
 彼女はもってあと僅かだろう。だから、今言う。
「大好きだよ」
「さよならする事に、了承したのに?女々しいよ」
「この場が別れ路だからこそ気持ちは変わらない」
「馬鹿、本当に大嫌い」
「・・・」
 そして、最後の時。
「さようなら。大嫌いだけど、大好きな人」
「うん。大好きな幽霊、さようなら」
「馬鹿・・・」
 彼女は、消えた。最後に、泣きながらも、最高の笑顔をして。
 俺も笑っていられただろうか。ああ、きっといられただろう。
「さようなら・・・」
 頬に涙が流れた。
「なに泣いてるのよ、馬鹿」
 そんな声が天から降ってきた気がした。

730:本当にあった怖い名無し
06/06/02 11:36:48 cObABP5QO
携帯じゃこれが限界だ。いや、俺に文才が無いのか・・・orz

731:本当にあった怖い名無し
06/06/02 11:49:03 aWgDK2jJ0
GJ!
ほろり系いいねっ

732:本当にあった怖い名無し
06/06/02 18:18:20 9u6wqAhk0
>>730
GJ!!いい感じの読後感だ。

733:本当にあった怖い名無し
06/06/02 18:42:43 uKdtLrBEO
>>730宮崎駿も泣いた!!!・。'(ノД`)゚.・ gj!

734:夕暮れのさようならの人
06/06/02 20:38:04 cObABP5QO
ありがとうございます。

735:本当にあった怖い名無し
06/06/03 00:08:36 gEgj+QYo0
GJです!!。
ホロリときたよ・・・

736:①
06/06/03 00:32:53 hXFtMaUy0
「足いるか?」
薄暗い学校の帰り道。そんな声が僕に向かって不気味に響いた。
「いりませんよ。こんな足」
僕の返答は自嘲気味に響く。
「・・お、お前、その足は?」
「この足ですか?これはね、先月、車に轢かれそうだった子供を助けてこうなったんですよ」
「・・・」
「僕は正しいことをしたはずなんです。でもね、僕はどうしても後悔してしまうんですよ。
これで、僕は唯一の取り柄だったサッカーを、もう二度とできなくなってしまったんですから。
この足を見るとね、どうしてあの時ほうっておかなかったんだろうって、そう思ってしまうんですよ。
最低ですよね。その子は泣きながら僕に『ありがとう』って何度も言っていたのに・・
だから、僕に後悔をさせるこんな足、無い方がいいんですよ」
声の主は無言だったので、僕は「聞いてくれてありがとう」とだけ言って車椅子を家へと向かわせた。

737:②
06/06/03 00:33:30 hXFtMaUy0
次の日、僕は帰り道、同じところで誰かに突き飛ばされた。
がしゃーーーーん!!と大きな音を立てて車椅子が飛ばされていく。
「っ~~~!!」
突然、僕の足をものすごい激痛が襲った。
僕は、パニックに襲われた。とにかくこの場から逃げようと、飛ばされた車椅子のほうへと歩いた。
そう、歩いたのだ。自分の足で!
呆然とする僕の前に一人の幽霊がいた。それは先日の声でこういった。
「べ、べつにあんたに同情したわけじゃないんだからね!た、たまたま、そう!たまたま、とりたて
新鮮な足があっただけなんだから!!か、勘違いしないでよね!!」
そういって、どこかに消えてしまった。
僕に付け替えられた足は、僕の体にぴったりの長さだった。

 それから、三年後のサッカーワールドカップ。
僕は、決勝戦でハットトリックを決め、一躍スター選手の仲間入りをした。
それ以来、多くのファンに支えられ今もトップ選手として活躍している。
だが、この幸せな日々には、どうしても影が付きまとう。
僕は、考えずにはいられないのだ。
この足の元々の持ち主は誰だったのだろう。今、どうしているのだろう、と。
 今の僕の幸せな日々は、誰かの不幸によって成り立っている。

738:本当にあった怖い名無し
06/06/03 01:08:25 NUIP5txVO
最後のほんのりほのかなガクブルがスパイスですね。GJです。


739:1/3
06/06/03 02:57:53 Suc24f21O
私の部屋には何故か、お侍さんがいる。勿論、幽霊。
今日は飲み会があり、帰って来たのはこんな時間。深夜の2時だ。

鍵を開けて部屋へ入ると、ポルターガイスト真っ盛り。
「ちょ、ちょっと!何してるのよ!近所迷惑でしょ!」
部屋の片隅にすぅ…っと姿を現すお侍さん。
「こんな時間まで何処へ行っておった!?夜道の一人歩きは危険ではないか!…べ、別に心配してたとか、さ、さ、寂しいとかではござらぬぞ…
そうじゃ!お主を呪う事が出来ぬとあっては、武士の名折れであるからの!お主を殺すのは拙者である事、忘れるでないぞ?」
「ハイハイ。まったく…何でもいいけど、散らかさないでよね…。私、疲れてるんだからシャワー浴びて早く寝たいんだから!」
手早くシャワーを浴びて浴室から出ると、脱衣籠の上にバスタオルがキチンと畳んで置いてある。着替えまで…。
「これ、あんたが置いてくれたの?ありがとうね…って…脱いだ下着どうしたの?触ったんでしょ!エッチ!」
「ぬ…愚弄するでない!み、見えぬよう目は瞑っておったわ!…す、少しは見えたかもしれぬが…や、疚しい心など抱いてはおらぬ!」

740:2/3
06/06/03 02:58:38 Suc24f21O
慌ててるお侍さん、何か可愛いぞ?顔なんて真っ赤にしてる…。
「くすっ…、冗談よ。そんなムキにならなくてもいいじゃない。」
着替えを済ませ、髪をタオルで拭きながらソファに腰を下ろすと、酔いと疲れでウトウトとしてしまう…。
「湯上がりにそのような格好で転た寝して風邪など引いたらどうする!さっさと寝室へ行かぬか!」
「んにゃ…だめ…、もう眠くて歩け…なぃ…」

朝、目が覚めるとベッドで寝ていた。もしかして運んでくれたのかな?
キッチンへ行くと、お侍さんがいた。早速、声を掛けてみる。
「昨夜はベッドまで運んでくれたの?ありがとうね…って、何これ?」
テーブルの上には朝食が用意されている。献立はオムレツにサラダ。スープにオレンジ、紅茶まで用意されている…。
「これ、まさか作ったの?お侍さんのあんたが?」
「お、お主の為に作った訳ではない…さ、昨今の…ぶ、ぶれっくふぁあすと…と言う物も知っておかねばと思ってな…。
そ、そんな事より早く食べて支度せぬか!奉公に行くのであろ?遅れる事はならぬぞ!」
まるでお母さんみたいだ…。でも、何か可愛いからいいや。

741:3/3
06/06/03 03:01:42 Suc24f21O
食べてる間も、なんやかんやと口を出して来るお侍さん。「きちんと噛まぬか!ほれ、零すでない!同じ物ばかり食すな!万遍なく食せぬと身体に悪いではないか…」
完璧にお母さんだわ…。

「じゃあ、行ってくるね!あ…そうだ!…ちゅっ♪」
ほっぺにキスしてやったら、真っ赤になって固まってる…。そのまま、小さい声で不安げに聞いてきた。
「き、き…気をつけて行くると良い…。こ、今宵は早く帰って来るのであろうな…?」
「ん、分かった。早く帰って来るからね!部屋散らかしちゃダメだよ!行ってきます!」
帰りに羊羹でも買ってきてあげよっと♪

742:本当にあった怖い名無し
06/06/03 03:03:26 Suc24f21O
初めての投稿です。
携帯から拙い文章ですみません。

743:本当にあった怖い名無し
06/06/03 03:17:59 UmUY+kUiO
これいいなぁ…

744:本当にあった怖い名無し
06/06/03 03:27:11 DONNRM+1O
なにその武士デレ

745:本当にあった怖い名無し
06/06/03 05:30:44 4h7fIv0kO
呂布「よし、俺が五百歩離れた先の戟の胡の部分を射れれば、天意と思って両名兵を引くがいい」
紀霊「よかろう」
劉備「…呂布殿」
ビュン!
カキーン
紀霊「ば、馬鹿な!本当に当てるとは!」
呂布「天意である。紀霊、約束どおり兵を南陽へ還せ」
紀霊「ううむ、仕方あるまい…」
劉備「かたじけない…呂布殿…」
呂布「べ、別に玄徳の為にしたんじゃ無いんだからね!小沛が袁術の手に落ちたら厄介だから調停しただけなんだからっ!
勘違いしないでよね!」
 
陳宮「何このツンデ武将WWハゲモエスWW」


746:本当にあった怖い名無し
06/06/03 10:10:06 nzPUaKhN0
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
霊媒師の読経が続く。
柏を振るい、やや過剰だが溺れる者は藁をも掴む。
僕も必死だった。高い金を払ってる・・・いや、除霊して欲しいのだ。

「・・・無駄だといってる」
「うわぁっっ」

耳元で囁く声。全然効いてないっぽいっ

「祟るよ。余計な事して怒らせるとどうなるかわかんないよ」
「ひ、ひぃぃっ」
「え、ええーいっこの悪霊めがっっ退散せーいっっ」

喧々諤々の大騒ぎがしばらく続き、結局霊媒師は『金額分は
やった。俺GJ』と言い残し帰った。

部屋の空気は澱んでいる。何も変わっていない。むしろ居心地が悪い。

「・・・あんなの呼んでお祓いしようとしたのね?」
「すっすいませんっ出来心でっっ」
「許せないよ。もう許さないよー」
「あわ・・・あわわ」
「・・・からかうだけのつもりだったけど、もう許さないからね。もう憑いたから」

とても余計な事をしただけらしい。




747:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/06/03 10:15:20 nzPUaKhN0
新シリーズ開幕するっす。黒歴史としての自分恥じ入るっすっ
ツンデレのなんたるか・・・自分、知りたいっすっw

この口調なんか変っすけど、自分マジっすっ

748:本当にあった怖い名無し
06/06/03 10:21:21 T5zLOCikO
>>747
( ゚д゚ )

749:本当にあった怖い名無し
06/06/03 10:36:55 CX8PTe/70
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )

750:本当にあった怖い名無し
06/06/03 11:11:01 82XQ/9qb0
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )

751:本当にあった怖い名無し
06/06/03 12:23:41 /K6ueyF3O
こっち(ry

752:本当にあった怖い名無し
06/06/03 22:36:07 YY8kl5eJO
そ、そんなにコッチ見ないでよねッバカッ!(////)

753:本当にあった怖い名無し
06/06/04 00:07:22 NYxw2PspO
>>752
(゜д゚*)

754:本当にあった怖い名無し
06/06/04 00:34:20 ktzy2U870
>>753
え…ええい!いい加減やめぬか!!(////)


755:本当にあった怖い名無し
06/06/04 00:49:12 +EFLYqe+0
>>754
(   )

756:本当にあった怖い名無し
06/06/04 00:52:49 DDrdZi+QO
のっぺらぼうかよ!

最近、取り憑かれたっぽいんだが……
起こった現象をツンデ霊変換してみてる。

757:本当にあった怖い名無し
06/06/04 02:13:25 HxES3O2R0
>>747
えっ? レイポンは? ねえレイポンは?(´;ω;`)ブワッ

758:本当にあった怖い名無し
06/06/04 03:06:50 EOiqiKY/O
>755 GJ

759:本当にあった怖い名無し
06/06/04 04:16:16 lj2d7Hh5O
ぐへ~ぽん酢をかけて、と…やっぱはむすた~は最高だぜ~ひゃはは~という展開と、
俺達二人合わせてポンズ!!(複数系)という展開かのどっちかがいいと思うんだ

760:本当にあった怖い名無し
06/06/04 17:32:59 BuGK5jAX0
>>755
後ろ頭かとおもた。

761:本当にあった怖い名無し
06/06/04 19:45:39 3xVEpHUV0
( ゚д。) ( ゚д。) ( ゚д。) ( ゚д。) ( ゚д。) ( ゚д。)


762:②
06/06/04 22:05:46 Lu8K9VOq0
(前略)
「一枚、二枚、三枚・・・・・一枚足りなぁ~い」
「はい、あげる」
僕は、あらかじめ持ってきた皿を手渡した。
「・・・・よ、余計なことしないでよ!!!」
「でも、足りてよかったろ?それじゃ!」

ピンポーン
次の日、玄関のチャイムで起こされた。
ガチャ
ドアを開けると、お岩さんがもじもじと一人で立っている。
「どうしたの?」
「・・・・ぉ・さら」
「皿?」
「・・・・・お、お皿、洗いに来ました////」

彼女いわく、昨日渡したお皿(未使用)の汚れが気になっただけで、別にお礼に
きた訳ではないらしい。
ガチャガチャと食器を洗っている彼女が振り返る。
「ホ、ホント、勘違いしないでよね!!」
はいはい


763:本当にあった怖い名無し
06/06/04 22:08:04 Lu8K9VOq0
②ってなんだよ・・・
間違えました。

764:本当にあった怖い名無し
06/06/04 22:46:51 84VF9l0e0
>>762
あたしの名前は菊よ。まったく失礼しちゃうわ、ぷんぷん!

765:本当にあった怖い名無し
06/06/04 22:48:45 ZgrtOxCu0
>>762
GJ
しかし、皿屋敷はお菊さんでわ?

766:本当にあった怖い名無し
06/06/04 23:06:12 Lu8K9VOq0
・・・え?
なんか、思いっきり勘違いしてました・・・・orz

767:〇
06/06/04 23:30:11 p5pDVscy0
き……きょ、今日、は……あっ、あの……人……だ、だい、だいっ……大学、お……お休、み……。
ふっ……ふ、二人……きり……。ん……ふ、ふ……ふ……。う、うれ……うれ……し……。
ま、まだ……ひっ、昼間、だし……あ、あた……あたし……の……こと、み、見え……ない、けど……。
よ……よっ、夜、に……なれ……ば……。ん、ふ……ふ……。
は、はや……早、く……よ、夜……に、なら……ない……か、かな……。

ピンポーン
「? はーーーい」

ぁ…………?だ、だれっ……誰、か……き、来た……?だ……誰……だろ……。

「あれ、どうしたの?」
「いやぁ、はは、暇だったんで。今忙しい?」
「んー……いいよ。入って」

あ……あの、人……の、お、お友達……みた……い……。ちょ……ちょ、と……残念……。
……ん……?あ……あの人……く、口……う、うご……動か……して……?
ぁ……。い、今……ご、「ごめん」……て……?
ん、ん……ふ、ふ……ふ……。や、やさ……優し……人……。だ、だか……ら……す……好き……。
わ、わか……わ、わか……た……。い、いい……よ。で、でも……よ、夜は、ふっ……二人……が……いい、な……。

そっ……それじゃ、し、静か、に……ま、待っと……こ………………………………

………………ひっっっ!?!?!?!?


768:〇月〇日
06/06/04 23:31:01 p5pDVscy0
休日だというのに朝っぱらからぐうたらぐうたら。昼食も食わずにぐうたらぐうたら。こいつは本当に並々ならぬ馬鹿ぞ。
……手が掛かる子程可愛い、か。わたしがおらんことには、というやつか。……しょうのない奴ぞ。
わたしが尻でも叩いてやろ。しかし言葉は聞こえんし姿も見えんしの……。やっぱり部屋の壁に血で書いてやろか。

『いつまで寝ておるか。若い者がだらしない。しゃきっとせいこの馬鹿が』

おお、久々に泣きおった。本当に愛い奴ぞ。
震えながら出かける準備をしておる。逃がさんぞ。勿論、わたしも行くぞ。

「あれ、どうしたの?」
「いやぁ、はは、暇だったんで。今忙しい?」
「んー……いいよ。入って」

大学の友人の部屋か。まあ良かろう。友好を深めるのも良かろう。
だが寝首は掻かれるなよ。ま、わたしがおるから心配無用だがの。

ん……?

ここにも……幽霊なぞ……おったのか……。


769:零
06/06/04 23:31:49 p5pDVscy0
「友達の部屋行きますけど、留守番してます?」

私達は置いてけぼりなの?そんなことないわね?右那、行きましょう?
あなたに何かあったらいけないわ。私達と一緒にいれば安心。ね、左那?

「はは、それじゃ一緒に行きましょうか」

私はあなたの右肩がいいわ。左那、いいでしょう?
いいわよ、右那。それじゃあ、私はあなたの左肩ね。重くない?

「大丈夫ですよ」

ふふっ、頼もしいわ。ね、右那?
そうね、頼もしいわ……ふふふ。ね、左那?

「ここですよ」

……。
……。

「どうかしました?」

良くないわ。でも、私達がいるから。心配ないわね、右那?
ええ。良くないわ。私達、暫く姿を消すから。ね、左那?


770:ぜろ。
06/06/04 23:32:42 p5pDVscy0
「う~~~ん」
玄関で靴紐を結んでいたところ、沙紀さんの悩ましげな声が台所で響く。ふむ。ずばり夕食の献立に悩む声。
「肉じゃが」
ぼそりと推薦候補を挙げてみる。右足の靴紐を結び終える。同時に、沙紀さんが笑顔でくりっと視線を僕に投げ掛ける気配を感じる。
「肉じゃが?食べたい?それじゃあ今晩は、肉じゃがで。ね?」
沙紀さんがにこやかに聞き返す。白い頬にえくぼが浮かんでいるだろう。うんうん。幸せです。左足も結び終える。
「よしよし、お楽しみに。ふふ……。……う~~」
夕食の献立は決定したはずなのに、しかし沙紀さんの悩ましい声は続いた。
「どうかしたの?」
「あ……えーっと」
これから出掛けるところだったが沙紀さんの様子が気になった。顔を上げて、沙紀さんを窺ってみる、と。
「…………い、一緒に、行ったら……だめ、かなぁ……って……」
「え?大学の友達の部屋に行くだけだよ?」
「ん……うん……なんか、心配で」
沙紀さんの顔はいつも真っ白だ。血が全部抜けちゃったからね、なんて冗談めかして言う程だ。だが、その沙紀さんの顔が今は真っ青だ。
「あなたが心配で……」
なにやら、予感めいている様子だ。幽霊だからなのか、沙紀さんは鋭い。かなり。本やDVDも簡単に以下略。
僕には分からないが、沙紀さん、何か危険なことでも感じ取ったのだろうか。
「一緒に、行く?」
玄関口で向かい合って、モジモジと僕を引き止めたそうにしている沙紀さんを見ていて、僕は決心した。
「うん!」
沙紀さんが宿った重い重い石を鞄に入れて、担いでいくことを。


771:暇な男達
06/06/04 23:33:30 p5pDVscy0
「あれ、どうしたの?」
「いやぁ、はは、暇だったんで。今忙しい?」
「んー……いいよ。入って」

ピンポーン

「あれ、また。誰かな?あ。あがってて」
「おぅ、お邪魔しますー……」
「……はい」
「や」
「やぁ、珍しいね。どうぞ、あがって」
「ありがとう。お邪魔します」

ピンポーン

「ん?また?はいはい」
「あ、こんにちはー。今大丈夫?」
「ははは。なんだか続々と……どうぞ」
「?ありがと。お邪魔しますよー」

大学での友人同士である彼ら、男四人組は和気藹々と雑談に耽った。仲の良い大学生グループだ。
だが、彼らの和やかな雰囲気とは裏腹に、部屋の空気は、刻一刻と……。

772:優麗な女達
06/06/04 23:34:18 p5pDVscy0
「ひ……っっっ!?!?!?あ、あの……あの人の……おっ、お友達……守霊、つ、憑いて……る……」
「ここにも……幽霊なぞ……おったのか……」
「ひ……み、みつ……みつ、見つか……た……。こ、こわっ……怖……ぃ……」
「随分とまぁ若そうな幽霊だの。これ、お前、端っこにうずくまっておらんで挨拶くらいせんか」
「ひ、はっ……は……ぃ……。こ……この、部屋……に、憑いて、ます……まっ……まだっ……さっ、さん、30年、です……」
「30年、か。それは若……。ふむ、幽霊に憑かれた男ばかり集まってきたか」
「ひ、へ………………」
「右那、私達よりも古臭い霊がいらっしゃるわ。ふふっ」
「左那、本当ね。珍しいわ。こんなに古惚けた霊は。ふふふっ」
「……小娘が無礼な口を」
「やっぱり嫌な予感があたった。幽霊がうじゃうじゃいる。わたしと一緒で良かった。変なのがあの人にへばり付いたら大変。どうせ、ごうごうごうごう潰しちゃうだけなんだけど」
「……………………た、たす、助け……て……」
「高々数百年如きで、そっちは百年位か、偉そうな小娘共だの。蹴散らされたいか」
「左那、あれを見て。着物に蜘蛛の糸が張っていそうな柄だわ。せんすが無いわ。せんすが」
「右那!いつの間に米語を学んだの?あら、そちらの古人の方、亜米利加は御存知?」
「存在感が薄いのが一人。とんでもなく古そうで偉そうなのが一人。あとは意地の悪そうな双子で二人、か。心配なかったみたい。勝った」
「今、なに?勝った?何ぞ言ったか?そこの洋装の女。消すぞ」
「右那、血の気が薄い女は脳味噌に血が通っていないみたいだわ」
「左那、本当ね。可哀相だわ。ここで成仏させてあげましょうね」
「…………………ひっ……ひぁっ……!!??」


773:二人
06/06/04 23:35:06 p5pDVscy0
「あ、れ?そう言えば、なんで部屋が滅茶苦茶なんだろう……?」
ご、ごめ…………さい……。あ、あた、あたし……じゃ、と、とめ……られ……なか、た……。
「え?」
…………………………。
「あ、声……。姿も、見えてきましたね」
ぁ……。ほ、ほんと……だ……。
「やっぱり、触れられると、嬉しいですね」
ん、ん……う、ん…………。あっ……あた、あたし、も……嬉し……。

「二人だと、やっぱりいいですね。寂しくなくて」

……っ…………んっ…………。

「大丈夫ですよ。ずっと一緒ですから。ね?」

…………っ、うん………………。


774:守霊
06/06/04 23:35:49 p5pDVscy0
………………。
「うぅ、帰宅すればオカルト現象が待っているぜ……」
………………。
「げ、昼間の血文字消してないぞ。とほー。帰ったらお掃除か」

今日蹴散らした小娘共は、憑く相手と、話したり触れ合ったり出来るのか……。
私は……姿も見えず、言葉も交わせず、ただ、見守るだけ、か……。

寂し―

「あ、胡桃餅買って帰ろう」

―間抜け面しおって。

愛い奴。

わたしが、守ってやるからな。


775:解決
06/06/04 23:36:31 p5pDVscy0
今日は最高の日だわ、左那。
そうね、右那。最高ね。
「何かあったんですか?」
三人でずっと一緒にいられる方法があったのよ。ね、右那?
ええ、左那。だから、ね。あなたさえ良ければ、ね……その―
「え、本当ですか!?二人といられるなら何だって!」
あ……本当?ふふふっ、嬉しいわ。ね、左那?
ふふっ、良かった。断られたら泣いていたわ。ね、右那?
「断るなんて!そっ、それで、方法とは?」
ふふっ、簡単なのよ。死んでも私達と同じように幽霊になればいいんだわ。
そう、簡単。今日会った、あの、印象の薄い、女―何て言ったかしらね―が言っていたわね。
「女?……いましたか?……でも、死んでからのこと、自分で決められるものなんですか?」

大丈夫。右那はあなたを離しません。
大丈夫。左那もあなたを離しません。


776:日常
06/06/04 23:37:17 p5pDVscy0
「ついでだし買い物して帰ろうか」
声を掛けると、鞄の影からすり抜けるように霞が這い出てくる。そうしてあっという間に沙紀さん登場。
「あなたは大丈夫?石、重いでしょう?」
「平気平気」
強がる。沙紀さんの前だ。
「買い物袋も持てるかなー?」
沙紀さんはいたずらっぽく微笑む。
「え!それも僕なの!?」
「ふふっ、うそ」
真っ白な顔が夕日に照らされて、なんとも言えないノスタルジックな心持ち。
「腕、組んで帰ろうね」
長い髪を一撫でして、僕に囁く。

うん。腕組んで、帰ろう。
僕らの家まで。

777:本当にあった怖い名無し
06/06/04 23:38:19 p5pDVscy0
作者、暫く姿を消します。また会う日まで。

778:本当にあった怖い名無し
06/06/04 23:55:56 lj2d7Hh5O
>>767-777
激しくGJ
前作何回も見てました(;´д`)

779:本当にあった怖い名無し
06/06/05 00:13:01 U3vedf1uO
速く帰ってこいよ

780:本当にあった怖い名無し
06/06/05 00:18:31 zj0vEw7V0
>>777
そう言って明日来るんだよな?
ツンデレだもんな? べっ別に寂しい訳じゃっ……


 泣きながら見送ってやる。・゚・(ノД`)・゚・。 GJでした。

781:本当にあった怖い名無し
06/06/05 02:36:25 H2psmKx10
GJ!
>>777さんのお話、全部好きでしたよ。
また、いつか書いてください。

782:本当にあった怖い名無し
06/06/05 03:14:09 kgqiF0nY0
俺も好きずっと前から愛してました!

783:本当にあった怖い名無し
06/06/05 10:14:13 eXNZAp7J0
777すげー
バイオレンスジャック思い出した、戻ってこいよ!

784:新シリーズ(仮題)
06/06/05 19:09:05 afBNn+Kx0
「@&%="#!\?*+{@{{^0\・・・」
霊媒師の朗読が続く。
コーランを書いた羊皮紙を持ち、怪しい液体を撒く。
今度こそ。だが今度は裏づけがあったのだ。

「・・・すごーい」
「きっ効いてるのかっ」

耳元で囁く声。だがいまいち逼迫していない。

「何言ってるか全然わかんないよ」
「コッコーランなら効くかもっていったじゃんかーっっ」
「!! "#'&)++**&{\)>>」

喧々諤々の大騒ぎがしばらく続き、結局霊媒師は『"$)=`
*+}_><!"』と言い残し帰った。

部屋の空気はなんか気が抜けている。なんか間抜けですらある。

「なんていってたのかな?」
「な・・なんだよぅっコーランなら効くかもっていったじゃんかよぅっ」
「本当に連れて来ると思わなかったし」
「な・・・なんだよぅ」
「でも基督教なら効きそうだわっ私ピーンチッ」

基督・・・キリストか。勝ったな俺。

785:本当にあった怖い名無し
06/06/05 19:14:57 afBNn+Kx0
>>748-750
な・・・なんだよっw

>>759
愛してる。俺の真の理解者だ

>>761
それは別の人のw

>>762
正統派スタンディングオベーションGJ!

>>767-777
エキセレントGJ!!さよならはいわないぜ。またなっ


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