なにそのツンデ霊★四人目★at OCCULT
なにそのツンデ霊★四人目★ - 暇つぶし2ch400:×月○日
06/05/07 19:18:41 PN/xj3720
馬鹿が神棚の前で独り言、かと思えば、わたしに言っているのか。

「怖いことしないでくださいぃ……」

こいつは馬鹿ぞ。


401:×月■日
06/05/07 19:19:30 PN/xj3720
早々に胡桃餅を供えたな。愛い奴。


402:×月○日
06/05/07 19:20:20 PN/xj3720
恋人に振られたか。当たり前ぞ。お前のような馬鹿。
あんな女にはもったいなかろ。
めそめそと情けない。いつまで泣いておるか。男なら、女の十人や二十人、なんでもなかろ。


403:×月△日
06/05/07 19:21:11 PN/xj3720
まだ泣くか。

『胡桃は飽きた。餡を持て。漉餡が良い。いつまでも泣くなこの馬鹿が』

慌てて買出しに行ったか。
甘やかしが過ぎると男子は育たぬと言うが……どうしてもな。


404:×月□日
06/05/07 19:22:00 PN/xj3720
「失恋なんかに負けるものか!!」

偉そうに一人で何をほざくかこの馬鹿は。
しかし、男負けぬのは良いことぞ。良い面構え……ましにはなった、か。


405:結(某月某日)
06/05/07 19:23:05 PN/xj3720
………………この馬鹿にするか。丁度、背中は空いておるようだしの。

わたしに憑かれるのだからこいつも文句ないだろ。
ふふ、わたしが憑くからには、どんなことにも負けぬぞ。
健康、学業、仕事、何にでも勝つ。
そこら中に蔓延る悪神・悪霊の類なんぞ、わたしが一睨みもすれば土下座じゃ。
安泰も安泰じゃ。

まぁ、……ふふっ。恋人は、できんだろがな……ふふふ……。
わたしがおるから……良かろ?

406:本当にあった怖い名無し
06/05/07 19:53:58 +vzeJyDx0
GJ(`・ω・´)

407:本当にあった怖い名無し
06/05/07 20:03:28 sRIk8kXz0
>>391-405
GJ、良かったです。ただ、>>404~405の経過も読みタス。

408:本当にあった怖い名無し
06/05/07 21:01:20 VKTL1yXj0
神降臨!めちゃくちゃGJ!

409:本当にあった怖い名無し
06/05/07 22:08:57 n2RYG4a4O
イイ!(・∀・)
俺にも憑いて!w

410:ある男の見解。 ◆VC3/0IaBbQ
06/05/07 23:14:50 h6fc3Bd70
ふぅ・・・下手糞が下手糞なりに心を込めて書き上げました。
URLリンク(book.geocities.jp)
どうぞ・・・目に毒ですがお読みください。

411:本当にあった怖い名無し
06/05/08 00:11:47 3QVBaueKO
バ、バカ!なんてもの書いたのよ!
こんなの読まされたら、GJって言うしかないじゃないの!

…その、すっごくよかった…よ…?

412:本当にあった怖い名無し
06/05/08 02:41:20 ah0tuKb80
>>410
(*´д`*)和む~、こういう結末は好みだ。キッチリ保存させてもらいますたYO!


413:本当にあった怖い名無し
06/05/08 07:26:59 +px/LWNj0
URLリンク(yui.cynthia.bne.jp)

414:本当にあった怖い名無し
06/05/08 12:37:03 QDAEoAzo0
>>413
ホントなんでも金儲けに結び付けるよなあ
それがそこそこ成功してしまうからなんともはや

>>410
ハッピーエンドGJ!

415:本当にあった怖い名無し
06/05/08 12:41:38 gdKCKgzoO
>>411
正直な感想を、





  GJ

416:本当にあった怖い名無し
06/05/08 15:00:20 KMP0whrY0
>>410
 _____  _____          _       _ _                __          _
 |_____  | |      |   rヘ、 ||    / / | |      く\  __,|  |__  rー―┘└― ┐
    __ / /   ̄ ̄ ̄ ̄    \ \/ /    / / | |   /\  ヽ冫L__   _  | | ┌───┐ !
    | レ' /              \  〈    / | | レ'´ /  く`ヽ__|  |_| |_ー' | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|`┘
    | /                / , \ く_/| |  |  , ‐'´     ∨|___   ___| r‐、 ̄| | ̄ ̄
   / /                  / / \/   | |  | |   _   / 〉  /  \     | | |   ̄ ̄|
   / /    ______  / /          | |  | l__| |  / /  / /\ \_  / \_| | ̄ ̄
 / /    |           | |/         | |  |____丿く / <´ /   \ // /\   `ー―┐
  ̄         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                ̄            `  `´       ` `ー'   `ー──―'

417:本当にあった怖い名無し
06/05/08 17:55:50 1bvQteny0
友人と二人、俺の部屋で遊んでいると、こんなことを言われた。
「お前、頭ん中で自分の家一周してみ?」
「なんでだよ…?」
「いいからやってみろって!」
言われるままに俺は目を閉じ、頭の中で描いた自宅を歩き始めた。
玄関…リビング…台所…洗面所…風呂… 階段を昇って二階へ…寝室…
そして、最後に俺の部屋…
そこにあったのは、いつも見ていたいつもの自室だっ…

!?
俺の部屋に誰かいる!? 


それは家族の誰でも無く、全く見覚えの無い人間だった。
歳は16・7くらいだろうか…女性の顔だった。 どこか薄暗く、半透明な印象があった。
しかし
可愛らしかった。
細く白い身体。 どこか儚げな表情。
知らず知らずのうちに、俺は彼女の虜になってしまったようだ…。

「おい、おい、○○? まだ終わんねぇのかよ?」
「う、あ、 スマン…。」
なんだよ、せっかくのいい気分をぶち壊しにしやがって…
「で、家ん中歩いてて誰かいなかったか?」
「ああ、いた。」
「!どんな奴だよ!?」
「青白くて…暗めな… すっげぇ可愛い女の子だった…。」

「ちょ、バカなこと言わないでよ!ζ///)ζ」
「うわあ!?」

418:本当にあった怖い名無し
06/05/08 19:55:08 INCd1RhSO
>>417
基本が大事……だろ、ゴリ? GJ!

てか俺がそれやると家族がウロウロしているだけなんだが。

419:本当にあった怖い名無し
06/05/08 20:56:42 eAPkiqLw0
>>417
久々の改変ネタだにーGJ

ついでに、オレの場合は自分がいっぱい...スミス?

420:本当にあった怖い名無し
06/05/08 21:40:08 Qk88xMko0
>>417
そ、想像して萌え転がってなんかないんだからっ!

俺の場合、それやったら飼ってたインコが出てきた

421:本当にあった怖い名無し
06/05/09 06:29:56 nAHoB2FUO
>>419-420
あるあるwwww

422:本当にあった怖い名無し
06/05/09 10:34:00 L/O2e4FbO
>>417にはなんか元ネタが?


423:片栗粉285('A`)
06/05/09 12:40:42 nAHoB2FUO
>>422
全く同じかどうかは解らないけど、すくなくとも派生した
類似の話として
URLリンク(kowa-i.com)
ドゾー

まぁIDがアホの俺だからあまり信用せんでくれ

424:本当にあった怖い名無し
06/05/09 21:39:06 OKkcGW1ZO
>>423
アホな上にフォー(・∀・)ニヤニヤ

425:本当にあった怖い名無し
06/05/10 00:03:24 1FQ5CtdI0
>>423
ここの話でG県厨ってやつすごいな ものすごく密度濃い

426:422
06/05/10 08:19:18 oY/qTfuNO
>>423
㌧楠。

つーかよ、いまそれ見ながら俺も想像してみたら
書斎兼趣味の部屋に髪の長い女がうわあぁぁぁぁ





帰宅時ワクテカ

427:片栗粉285('A`)
06/05/10 08:33:52 Fv5xgkk7O
>>426
片栗粉X噴いた。

428:俺と小娘①
06/05/10 14:16:03 v0OigaDYO
俺は今年で33歳、まさに油の乗ったナイスガイな年齢だ。
職業はツンデ霊ハンター。
むむむ無職ちゃうわ。
 
今日も片栗粉片手にポイントを入念に徘徊中だ。
もちろん、公僕に見つからないように。
 
「…平日の真っ昼間からこんな事してないで働けよ」
「うるせぇな、探知機。いいから働け」
 
そう、今回はツンデ霊を感知する為の助手を連れてきている。
この無愛想な小娘がそうなんだが…斜向かいの鈴木さんちの末娘だ。
二日前にトラックに轢き逃げされて死にたてほやほやの中学女子。
 
事故現場でふらふらしてるのを虚数素子装置で捕獲した。
蛇の道は蛇、霊には霊ってわけだ。


429:俺と小娘②
06/05/10 14:21:25 v0OigaDYO
 
「つーか、私、成仏したいんだけど」
「ハハハ、君の成仏なんてツンデ霊サマに比べたら塵芥程の価値もないヨ」
「……死ね!キ■ガイ野郎」  
なんて口汚い
ゆとり教育の弊害をまの当りにした気分だ。
 
「いいからキリキリとツンデ霊を探せ。さもないと今夜は妄想内でお前に3発放出するぞ」
「いやぁぁぁッ!!
誰かこのダメ人間を射殺してぇ!」
 
で、やってきました廃墟に。
うん、いかにもツンデ霊が出そうだ。
「この辺りに反応があったわよ」
「でかした!そのアホ毛レーダーは伊達じゃないな」
「アホ毛言うなぁ!」
 
「で、ツンデ霊サマはどちらにおわす?」
「そこ…」
 
アホの子が指差す先には
 
ずるずるに爛れて腐り落ちそうな皮膚。ウジ虫びっしり
白く濁った魚のような眼。黄ばんだ歯の隙間から涎と膿を垂れ流す口。
 
「ええっと…なんか想像してたのとチョット違うんだけど。ぶっちゃけゾンビ?みたいな」
「何言ってんのよ!チョーきもかわじゃない!果実と女性は熟れてるのが美味なのよ?」
そんなもんかね?

430:俺と小娘③
06/05/10 14:23:55 v0OigaDYO
 
うがー
 
「なんか掴み掛かってきましたよ!?」
「随分と情熱的ね、きっとラテン系だわ!
ほら!あなたの熱い抱擁でぬくもりを与えてあげて!」
 
「おうよ!ぎゅ~」
 
うは、なんか、ぶちゅっていった。なんかドロドロするよ。ないすデレ?
 
がぶりがぶり
 
「えぇぇ!?、何か肩の肉、喰いちぎられてんですけど?」
「バカ!キスはちゃんと口で受け止めなさいよ!女の子に恥かかせないの!」
 
「おうよ!俺様の熱いヴェーゼを食らいやがれ!むちゅー」
 
うは、なんかとろとろに熟成したブルーチーズみたいな味のキス。
口内をはい回るウジ虫達が素敵に刺激的。


431:俺と小娘④
06/05/10 14:26:29 v0OigaDYO
 
「いてぇ!唇噛みちぎられた!なんかクチャクチャ咀嚼してるよこの人!」
 
「大丈夫!それはツンだから!
nice-TieNE!YEAH!」
「YEAH!ツンキタ――(゚∀゚)――ッ!!
 
 
って!ぜってぇ違うだろ!これ違うよママン!」
 
全力で離脱。
なんか躰が痒いし痺れてきたけど気にするな、俺。
 
「チッ…あと少しだったのに…」
「ふざけんな!このズベタ!そのツインテール引っこぬくぞ!」
 
「あーはいはい、次はちゃんと探すわよ、そう…ちゃんとしたのを、ね」
 
「その意気だ、アホ毛!次こそは!」
 
「そう…次こそは…ウフフ」
小娘が薄ら寒くなるような笑みをたたえているが気にしない事にしよう。
俺たちの旅はこれからだ!
 
【続く…か?】


432:①
06/05/10 16:35:28 wvAR5qcG0
初です。
長くなってしまいましたが、
暇のある方は読んでいただけるとうれしいです。


彼女が死んだ。
それは、僕と彼女が付き合い始めて、半年が経とうとしていた頃だった。
彼女はいつも、少し不機嫌そうな顔をして、あまり感情も表に表さない人だった。
だから、いつも、僕の一方通行な気がしていた。
何故彼女が僕の隣にいてくれるのか不思議だった。
それでも、僕たちはそれなりにはうまくいっていたと思う。
その日も、二人でショッピングに出かけていた。
そして、その帰り道、駅で僕と別れた後、彼女は自宅の前で車に轢かれた。
僕は、初めそれを聞いたとき、ちっとも悲しくは無かった。まったく信じなかったからだ。
でも、仕方ないだろ?
なにせ、そのことを僕に教えたのは、彼女本人だったのだから。

433:②
06/05/10 16:36:31 wvAR5qcG0
彼女の葬式も無事に終わった。にもかかわらず、彼女は僕の前にいる。
どうも、彼女は幽霊になったらしい。
僕は、ベッドに寝転がりながら、その斜め上でふわふわと浮いて、本を読んでいる彼女を見る。
彼女は、最期のデートの時と同じ白いワンピースの格好で、右手の薬指には指輪。
僕がプレゼントしたものだ。
これをプレゼントしたとき、彼女が言った感想は一言だけ。
「微妙」
僕は、彼女が笑顔で大喜びする姿を期待していただけに、とても落ち込んだものだったが、
死んで幽霊になった今もつけているところを見ると、
実はとても気に入っていてくれたのかもしれない。
そう思うと、自然、顔がニヤける。
視線に気づいたのか、彼女が「何?」と僕のほうを見る。
「んー、別に」
「一人でニヤニヤしてて不気味なんですけど」
「・・・・ごめんなさい」
彼女は、幽霊になっても彼女は、変わらなかった。

434:③
06/05/10 16:37:21 wvAR5qcG0
「そういえば、何で、成仏とかしないわけ?」
ふと、思いついて尋ねてみる。
「何?早く居なくなれってこと?」
彼女は、面倒くさそうに視線を本に向けながら、言う。
「いや、そうじゃなくてさ、何が心残りなのかなって思って」
すると、彼女は、少しだけ視線を上げ、またすぐに本に戻し
「・・・あんたには、教えない」とだけ不機嫌そうに言った。
言ってから、僕は、なんて馬鹿なことを言ったのだろうと思った。
たった、十六歳で、彼女は亡くなったのだ。心の残りなど、それこそ、山のようにあっただろう。
「もしかして、僕と離れたくないとか?」
僕は、すこし茶化したくてそんなことを言ってみた。
「・・・・」
反応がない。
ハズしたかな?そう思っていると、彼女はこちらを向き、少し馬鹿にしたような顔で、
「馬鹿じゃない?」と言った。
その後、僕らの会話は、他の雑談へとそれて行った。
彼女も、僕が話しかけるので、ついには諦めて本を置き、
”しょうがないな”という顔で話し相手になってくれた。
第三者が見れば、僕は怪しい独り言を言っているようにしか見えないだろう。
でも、僕は、不謹慎だろうが、彼女が自分にしか見えないので
、彼女を独占しているようで少し嬉しく、また、一緒に居られるのが楽しかった。
僕らは、そうやってだらだらと日常を過ごした。
彼女の体が、日に日に薄くなっていってることに、気づかないフリをしながら。

435:④
06/05/10 16:38:34 wvAR5qcG0
それから、一ヶ月が過ぎた。
もはや、彼女の存在は、意識しなければ見ることもできないほどに、希薄になっていた。
そんな中、彼女が「今日、大事な話があるから」と僕を学校の屋上に連れ出した。
そこは、僕らが『友達』ではなくなったところ。
幸い、周りには僕ら以外人は、いない。
グラウンドを眺めていた彼女が、唐突に口を開いた。
「なんか、時間が来ちゃったみたい」
僕の心臓が、一つ飛ばしでなった。
それ以上聞きたくない、聞きたくない、聞きたくない、聞きたくない・・・
彼女はあっさりと続ける。
「だから、もう、お別れ」
本当にあっさりと言った。
「・・・・」僕は、何かをいおうと口を開くが、酸欠の金魚みたいに口をパクパクするだけで、
言葉が出てこない。
「でね、最期に、聞いてほしいことがあるの。いい?」
僕は、力なくうなずく。
すると、彼女は、ここで初めて、ためらうようにうつむき、口ごもる。
しかし、やがて意を決したように顔を上げ、すうっと、息を吸って、言った。
「あ、あたしは、あなたが大好きですっ!」
そして、彼女は見たこともないほどに顔を真っ赤にしてうつむく。


436:⑤
06/05/10 16:40:54 wvAR5qcG0
「ち、ちゃんと・・・言ったこと・・なかったから・・それが・・心残・・・りで・・すごく
伝えたくて・・・・」
彼女は、その体と同じく今にも消え入りそうな声でつぶやく。
そんな、初めて見せる彼女の姿を見ながら、僕は、何とか涙をこらえ言葉を伝えようとする。
「僕も・・大好きだよ」
すると、彼女は、まだ赤いままの頬で、今まで見たこともないほどのとびきりの笑顔で言った。
「知ってるよ、バーカ!」
そして、そのままの笑顔で、すうっと、彼女は消えた。

「せっかちだね、別れのキスはなしかよ」
僕は、抑えれそうもない涙をごまかすようにつぶやいた。
 
    ふと、唇にやわらかい感触

僕は、泣きながら「まだ、いたんだ?」と声をかけるが、もう返事はない。
(そういえば、彼女からキスしてくれたのってこれが初めてだなあ)
そう思いながら、僕は天を仰ぐ。涙でにじむ空は、ムカつく位晴れていた。
晴れ渡る空、彼女のいない屋上、残された僕。
不器用で、感情を伝えることが苦手だった彼女。
最期に残した唇の感触は
   とても暖かく、やさしかった。


437:本当にあった怖い名無し
06/05/10 16:43:12 wvAR5qcG0
これで、終わりです。
稚拙な文で申し訳ないです。
読んでくださった方、ありがとうございます。

438:本当にあった怖い名無し
06/05/10 17:15:38 yrYDRif90
ええ話や……GJ!

439:本当にあった怖い名無し
06/05/10 17:44:38 oY/qTfuNO
>>428
>>432

共にGJ!
せつない終わりもまたいいね。

小娘の方は

かゆ

うま


な展開を期待した俺バイヲタ

さて俺は426なんだが帰宅時間が近づいてきたわけだが
もうワクテカしっぱなしですよ。
後日カキコがなきゃ俺はとり殺されたって事で。
心残りは書き途中のSSが宙に浮く事だが…

張り切って帰宅してくるノシ

440:One day,One Soldier,Lock and load.1/3
06/05/10 19:40:52 upKXBe3t0
よぉ。あんた見ない顔だな。どこの奴だ?
同業者か?そうかそうか。あんたもスナイパーか。この辺多いよな。
独立派と現政権側、国連の三つどもえだしな。稼ぎ時だわ。
まぁ、今日はその辺の関係はないからな。ゆっくりしようや。フリーファイアゾーンは遠いしな。
しかしあんた、額の傷、エラく派手にやられたもんだな。昔の傷だろうが、かなり目立つな。
そうそう。お前は何を使ってるんだ?
何?ヘカーテだと?
そいつはいただけねぇな。巨根至上主義は嫌いだ。ラプアマグナムなんぞ
よっぽど遠い所じゃなきゃわざわざ使うもんでもねーだろ。何撃つんだ?
ん?そういうお前の銃は何かって?
SVDだよ。
ん?ああ、そうだな。別に精度が良い訳でもない。狙撃用ではあるがつまるところ量産品だし、
精密な射撃向けだけどロングレンジで信用できるかと言えば疑わざるを得ない銃だよな。
何でそんな銃を使っているのかって?
あー、コレがまたややこしい事情があるんだよな。
前まで使ってたWA2000が壊れたんでな。さすがに砂漠で移動しながら使うのは無理みたいだった。
高い銃だったから無理して再起不能になるのも嫌だったし、さくっと修理に出したよ。
んで急場をしのぐために中古で安かったから露店でSVDを買ったんだ。
またWA2000なんて精密機器買ってオシャカにしてもつまらんし。何より重かったからな。
ほとんど捨て値だったな。そんなにややこしい仕事でもなかったから
まぁ調整すりゃ300m位なら余裕だろ、と思って買ったんだけど…安物買いの銭捨てって奴だな。
当たるっちゃ当たるんだが…


441:One day,One Soldier,Lock and load.2/3
06/05/10 19:42:04 upKXBe3t0
見事に「憑いてた。」なんか元々使ってた奴、ってのがゲリラだったみたいなんだけどさ。
いわゆるチャイルドソルジャーって奴だな。13歳くらいの女の子なんだけど。
どっかの傭兵にレイプされて殺されたらしいんだわ。まぁ良くある話だな。
んでそいつが憑いてる訳。いやマジマジ。話しかけてくるんだって。
スコープのぞいてる時とか、顕著だな。突然レンズ隠されたりとか、
撃とうと思った瞬間に何故かマルファンクション起こしたりとか。まぁ半分は古い銃だから
だろうけど。よっしゃ、コレは行けるぞー、って時にばっかやりやがる。
何でそんな銃手放さないかって?んー、なんか情が移っちゃってね。
誰かがこのSVDを買ったり、拾ったりするたびにそいつに話しかけて、
殺した奴をなんとか誘導して殺させようとしてたみたいなんだけど、
みんなそいつを見つける前に死んじまったみたいでさ。
んで回り回って俺にたどり着いた訳。
コイツ俺もとり殺すんじゃネェだろな?とも思ったけどさ、一回コイツに助けられた事あったのよ。
のぞいてる時にスコープレンズを隠されて、文句を言おうと顔どけた瞬間にスコープがバーン!
カウンタースナイパーだな。ヤバかった。少し遅れてたら落っことしたスイカみたいになってたとこだ。
本人は「偶然だ。さっさと死ね。」見たいな事いってたけど。
でな?コイツひどい殺され方したみたいでさ。

442:One day,One Soldier,Lock and load.3/3
06/05/10 19:43:20 upKXBe3t0
なんか他の捕虜を助けたければ地雷原の上を歩け、とか言われて。
まぁ当然足吹っ飛ばされた訳で。その状態でわざわざ体に鉄棒ブッさしてたぐり寄せてレイプしたらしいな。
なんか子供であればあるほど興奮するタチのやつだったみたいでさ。
内蔵引きずりながら泣きわめくのを楽しんでたらしいな。
『額に傷のある』『金髪の長身』『ヘカーテを持ってた』奴らしい。
そんなクソ野郎、生きてる意味、ねーよなぁ。
ん?どした?熱中症にでもかかったか?顔引きつってるぞ?
んでまぁ、話は変わる訳だが。俺、元々アメリカの海兵隊にいてさ。他の国はしらねぇけど、
ウチは基本的にスポッター(観測)とシューター(射撃)でバディ(二人組)組んでたんだよ。
その名残で俺も今相棒と一緒に動いてる訳なんだが。俺は実はスポッターなんだよ。

もう意味は分かるな?『俺はスポッター』だ、クソボケ。
ココからフリーファイアゾーンまでは300m。
遠いが「流れ弾が跳んで来てもおかしくない」距離だな。
そう、あのガラクタSVDなら、ギリギリの距離だ。
おいおい、俺につかみかかってもしょうがない。暴力は嫌いだよ。
俺はスポッターだからな。しっかり観測しとくとしよう。
糞ペドフィリア野郎の脳みそは、どんな色なんだろうな。


"Sniper,Fire at will."

443:本当にあった怖い名無し
06/05/10 20:27:23 yO9Fe/Mi0
・・・なんかこんな話なかったっけ?

444:本当にあった怖い名無し
06/05/10 21:12:03 opEuaFcj0
あまり書き込み無くなったなぁ。
来た当初はもっと盛り上がっていたものなのに……
おもしろい話が時々書かれても反応が少ない。
日に日にに住人が減ってきているのが残念だ。
これで空気嫁とかカエレとか言われるんだろな。
そもそも霊がいるって考えるのがナンセンスだ。
ましてこんなつんデ霊なんて、夢のまた夢。
そろそろみんないい加減目を覚ますべきだ。
古神社を探したって人が死んだ部屋に引っ越したって何も無いと。


445:本当にあった怖い名無し
06/05/10 21:35:31 eN8cy3M/0
>>444










446:本当にあった怖い名無し
06/05/10 21:37:51 opEuaFcj0
>>445
べ、別に寂しかったから書いたとかそういう訳じゃなくて、ほんの気まぐれなんだからねっ!

でも……ありがとう。

お礼に、これからずっと、


 憑 い て 逝 っ て あ げ る ね

447:本当にあった怖い名無し
06/05/10 21:38:10 Fv5xgkk7O
>>443
同意。
確か運動場氏の「ミツケタ」という作品じゃまいか?
間違ってたらごめんなさい>運動場氏
背景は兎も角人物相関図みたいなのを考えるとかなり似ている。
でも十分にGJ

448:片栗粉285('A`)
06/05/10 21:44:51 Fv5xgkk7O
名前入れ忘れた…orz

>>445-446
おまいらスゴいな。をい。

449:本当にあった怖い名無し
06/05/10 21:45:54 tCLIQozO0
>>445
天才

450:序
06/05/10 21:58:23 iGQYjvVy0
……何故あんな丈の短い着物を着てるのかしら、右那?
……知らないわよ。そこら中、皆持っているあの小箱、何、左那?
『携帯でんわ』、ね。小箱に語りかけるだなんて……解らないわね、右那?
世の中解らない事ばかりが増えていくわ、左那?
そうね……
そうよ……

……左那?私、退屈だわ……
……私もよ、右那?我慢なさい

……
……
…………
…………

…………っ。右那?あれっ……!
なぁに、左那?…………!

珍しい男……。ね、右那?……ふふっ
ええ。でもやっと落ち着けるわ。ね、左那?……ふふふっ

451:壱
06/05/10 21:59:27 iGQYjvVy0
右那、思った通り、ね?
本当ね、左那。この男、背中に“空き”が二つも。

「あれ、身体が……重い……?気のせい……?」

ふふっ、不思議そう……すぐ慣れるわ。それに、“空き”を二つ持っている方が不思議。ねぇ、右那?
ふふふっ、そう。おかげで、離れられない私達が一遍に憑くことができたわ、左那。


452:本当にあった怖い名無し
06/05/10 21:59:59 yO9Fe/Mi0
>>447
今まとめサイト見てきたらそれだった。デジャヴの正体が判明したぜ、ありがと。

453:弐
06/05/10 22:00:11 iGQYjvVy0
この男、居心地が良いわ……。ね、右那?
本当。この男、弱々しい気がしたけど……大したもんね、左那。


454:参
06/05/10 22:00:58 iGQYjvVy0
男が勉強しているわ、右那?
男だって学問の一つや二つ修めていないことにはね。価値がないものね、左那?
邪魔をしたくなるわ。ふふっ……あははっ、急に筆が折れたものだから呆然としているわ、右那?
ふふふっ……意地が悪いことをしてはいけないわ、左那?

455:肆
06/05/10 22:01:44 iGQYjvVy0
右那?何をしているの?
『てれびじょん』を消しているのよ、左那。五月蠅くて仕方がないわ。
男が目を白黒させているわ、右那。あんまり驚かしては可哀相よ……ふふっ。
私は静かなのが好きなのよ、左那。この男の都合は知らないわ。


456:伍
06/05/10 22:02:33 iGQYjvVy0
男が寝ているわ、左那。無防備ね。賊が入り込んで来たらどうするつもりなのかしらね?
刀が無い時代は不便ね、右那。……台所に刃物があったわ。握らせておいてあげたら?
寝返りでもしたら男が怪我をするじゃない。危ないわ、左那。
あら、本当。寝返りして自分を切りつけちゃったわ、右那?……これ位の傷、死にはしないわ。


457:陸
06/05/10 22:03:20 iGQYjvVy0
色々な本があるわ、左那。これは何の本かしら?…………あっ。
この男は力が弱そうね、右那?だけど、頭は回る性質…………あっ。
本棚が……倒れてちゃったわ、左那。男が下敷きよ。……まぁいいわ。
大丈夫かしら、右那?


458:漆
06/05/10 22:04:06 iGQYjvVy0
ねぇ、右那?私達のおかげで、この男の運気随分と揚がったわね?何度か怪我させてしまったけれど。
ええ。この男、二つも“空いていた”ものだから随分と損をしてきたみたい。感謝してるかしらね、左那?

459:捌
06/05/10 22:04:50 iGQYjvVy0
「……ええ……そう……最近……おかしな……まさか……本当ですか?……」
「……いますね……霊……二人……貴方……憑かれて……だから……」

男が話しているわ、右那。話し相手の女は嫌な感じがする……。
そうね、左那。嫌な感じ……。

460:玖
06/05/10 22:05:37 iGQYjvVy0
左那、見て……。この女、私達が見えているわ。
睨んでいるわね、右那。…………なのにこの男、何がなんだか分からないみたいな顔をして……ふふっ。
馬鹿面ねぇ……ふふふっ。あら……?嫌な女が、もっと嫌な物を取り出したわ。どうするの、左那?
この男から剥がされたら堪らないわ、右那。厄介だけど……女を殺すわ。
そうね……。女は殺した方がいいわね、左那。


461:拾
06/05/10 22:06:21 iGQYjvVy0
嫌ね、私ったら……ふふ……ねぇ、右那?
ふふふ……左那はまだいいじゃない。私なんか両腕切り飛ばされてしまったわ……ふふふっ。
……この男が……間に入らなかったら、消されていたかもしれないわね、右那?
……そうね、左那。


462:前拾
06/05/10 22:07:08 iGQYjvVy0
「大丈夫ですよ!霊は二人とも苦しんでますから!このまま消してしまいましょう!」

「…………え?」

「?どうかしましたか?…………さあ!抵抗は止めて!さっさと消え…………!……ぇ、何ですか?」

「……やめてください」

「……は?」

「やめてください……やっぱり除霊しなくていいです。やめてください」

「え、あの……。え?」

「除霊、やめてください」


463:拾壱
06/05/10 22:08:00 iGQYjvVy0
男が心配そうな顔をしているわね……、右那。……あら……私達が見えているみたい……ふふ……。
相変わらず情けない顔の男ね、左那?……ふふふっ……。ねぇ、あなた……?
あ……男が近寄っただけで怪我が消えるのね、右那。やっぱり、大したもんじゃないの……。
本当ね、左那……。……あなた、私達を剥がしたかったんじゃないの?

…………


464:拾弐
06/05/10 22:08:46 iGQYjvVy0
右那、男が大学へ行くわ。送らないの?
え?もう行ってしまうの?私も送るわ、左那……。
行ってらっしゃい……。
気をつけてね……。

男は難しい顔をしていたわ、右那。何か気に障ったかしら……。手は振らない方が良かったかしら……。
照れているのよ。可愛いじゃない。照れ隠しなのよ、左那。


465:拾参
06/05/10 22:09:29 iGQYjvVy0
「痛いのとか、苦しいの、嫌なんですよ」
「憑かれていて……ははは、痛い思いもしましたけど」
「苦しんでますから、って言われたとき、なんか……嫌だったんで……止めました」
「生活に支障無さそうですし、憑いていても、いいですよ……?」

変な男よね、右那?
そうね。変な男よね、左那?……でも少し…………。
少し……なぁに、右那?
少し……ふふふっ…………。
ふふっ、そう……。私も……。

466:拾肆(左那)
06/05/10 22:10:13 iGQYjvVy0
ねぇ?疲れているんじゃない?……うん、そう。大分疲れてるわ。休んだ方が……ね?
あら……何処行くの?寝室?必要ないわ、私が膝枕してあげるから。
……さ、どうぞ?
そぅ、そぅ。んっ、もっとこっち向いて?ほら、お互い顔がよく見える。
耳掻き、してあげようか?随分してないんでしょ?遠慮しないで、ってば……。
気持ちい?ん?気持ちい?ね?ふふっ……あっ……おっきーの取れたわよ?

あ……もう終わり?元気になった?そう……?
何かあったら、左那にいつでもお申し付けくださいね……なぁんて……。


467:拾伍(右那)
06/05/10 22:10:59 iGQYjvVy0
まだ……寝ないの?『れぽぉと』?を書くの……???『れぽぉと』ってなにかしら……。
あんまり無理したら……うん、早く寝なさいね?おやすみ……。

失礼します……。
……あ。起きてたの……?御心配なく。私も寝るところだから。
あら、同衾は嫌いなの?……でも、断るわ。
……暖かい、ね……ふふふっ……。
え?私が冷たい?……あぁ、死んだ身が恨めしいわね……。
それじゃ、名残惜しいけど……。用事は、遠慮なく右那に、ね?


468:拾陸(左那)
06/05/10 22:11:46 iGQYjvVy0
良い湯加減かしらね……。ん、どうしたの?そんなに驚いて……。
だって私、幽霊だもの。壁を抜ける位。
さ、頭を洗ってあげる。おいで。
……はいはい、その慎ましい姿勢、私も見習うべき所が多々あります。
さ、頭をこっちに……。


469:拾漆(右那)
06/05/10 22:12:30 iGQYjvVy0
頭は洗い終わった?長いわよ……っとに。
さっ、次は身体を洗ってあげるわ。
そっちに立ってて……。ん、どうしたの?座ってたら洗えない。意地悪しないで?
背中が広いね……。え?なぁに、大変だなんて。
洗いながらでも話はできるから……。さぁ、おいで。


470:拾捌(左那)
06/05/10 22:13:19 iGQYjvVy0
さ、口を開けて。私が食べさせてあげるから。
あ~~~ん。
どうして逃げるの?……ふふっ、恥ずかしいんでしょ?分かってる……ふふ……。
さ、……また逃げる。早く食べないと口移しにするわよ。あぁ、それがいいわね……。んっ……。ほら口開けて……。
……ちょっと。なんで早食いするのよ。


471:拾玖(右那)
06/05/10 22:14:04 iGQYjvVy0
口元汚れてるわよ……。拭いてあげる。あら……。
顔を逸らさないように。
ほぉら……子供じゃないだから……ふふふっ……。しょうがないわね……。
え?あぁ、気にしないでいいわ。私の手拭位、何枚汚れても構わないから。ね?
ほらぁ、また汚してる……ふふふっ……。

472:結
06/05/10 22:14:50 iGQYjvVy0
あなた……後悔してない……?
私達を憑かせ続けたこと……。

そぅ……良かった。

こんな美人を、それも二人、侍らせてるんだもの……ふふっ。
当然の回答ね……ふふふっ……。

あなたが死ぬまではずっと一緒……。ね?
でも、あなたが死んだ後は……また二人ぼっち、かしら……。

もうちょっとだけ……時間があるから……。ね?
あなたがいなくなるときのことは……考えない……。

473:本当にあった怖い名無し
06/05/10 22:17:09 2lR5otfc0
ID:iGQYjvVy0
つまんね。


474:本当にあった怖い名無し
06/05/10 23:20:24 Fv5xgkk7O
>>473
ツン補給乙。

>>472
このスレで一番萌えたかも…超GJ!
(`・ω・´)

>>452
ばっ……別にあんたの為じゃないんだから! ////
偶々…そう、偶々私も同じ事思っただけなんだから!

475:本当にあった怖い名無し
06/05/10 23:29:38 upKXBe3t0
SVDの話書いた人だけど、今さらっとよんでいくとほとんど同じ話で同じ語り口の話があったようです。
盗作よろしく書いてしまって筆者に申し訳ない+スレ消費申し訳ない。

476:本当にあった怖い名無し
06/05/10 23:32:14 JCJWrivr0
>>440-442
Dragunovにそんなおまけが憑いてたら
最高だろ。

477:本当にあった怖い名無し
06/05/11 00:09:16 7VRrqsTI0
>>475
WA2000とはマニアックなw
ドラグノフの霊と射手の絡みがもっと見たかった。

478:本当にあった怖い名無し
06/05/11 00:10:56 xSrQ7eMi0
きっとあれだな。ブロンドの短髪でアホ毛が出てる幽霊だな。

479:本当にあった怖い名無し
06/05/11 00:13:32 dt0YFVmkO
ドラグノフは俺も好きだが正直
言ってる意味がわからない人多かったと思う。
書きもしないくせに揚げ足とるような真似してごめんなさい。

右那タン左那タン(*´Д`)ハアハア

480:本当にあった怖い名無し
06/05/11 00:14:04 N/D+N0Sv0
>>478
「ごめんね」って言われながらキシュキシュされるぞ

481:本当にあった怖い名無し
06/05/11 00:53:32 x5p9nW4b0
右那左那、話自体は好きだけど多すぎる「…」が鼻につくなあ。

482:380
06/05/11 02:46:23 PGMRXQ6K0
此処は一体・・・何処なんだ?
いつもの苦しさを感じない不思議な幕開け。

気が付くとそこは見慣れない場所だった
いつもと違う始まり。
混乱したが周りを見回して、何とかそこが病室だと理解した。
「良かった。気が付いたんですね。今先生を呼んできますから」
見たことの無い女が何か騒いでいる。
医者から話を聞いたところ、俺は1年近く意識が無かったらしい。
だが、それ以外は何も教えてもらえなかった。
「彼女はっ・・・巻き込まれた彼女は無事なんですかっ?」
「それは、おいおい・・・回復してからお教えします。
 まずは自分のことを優先してください。」

しばらくして、何とか車椅子で動けるようになった頃、担当医から
「会ってみますか?」
突然訊かれた。最初は何の事か分からなかった。だがすぐに
「会えるんですか?彼女に」
「会うだけ・・・でしたらね。」
連れて行かれたのは違う棟の病室だった。
そこで彼女は静かに眠っていた・・・
「貴方と同じで、意識が戻らないんですよ。」
「そう・・・ですか。」

彼女もまた俺と同じように生きていた。

483:380
06/05/11 02:48:36 PGMRXQ6K0
それだけで嬉しかった。
今度は俺が待つ番だ。
いいさ待つぐらい、いくらでも我慢できる。
「なぁ、俺もうそっちに行けないよ・・・」
「・・・・・・」
「お前もこうやってずっと待ってたのか?」
「・・・・・・」
「辛いよなただ待ってるってゆうのは・・・」
「・・・・・・」
「早くこっちに来いよ・・・両想い・・・なんだろ・・・」
「・・・・・・」
「お前の声・・・聞きたいよ・・・」
静かに眠ったままの彼女。
毎日、時間の許す限り彼女の傍で声を掛け続ける。
いまだに返事は貰えない。

484:380
06/05/11 02:49:41 PGMRXQ6K0
辛いリハビリをこなし、何とか自分の足で歩けるようになった。
「俺、もう自分で歩ける様になったよ」
「・・・・・・」
「いい加減起きてくれよ・・・」
「・・・・・・」
「お前の声、聞きたいよ・・・」
「・・・・・・」
「俺の事忘れてても良いから・・・
 嫌いになってても良いから・・・
 目を・・・覚ましてくれよ・・・」
ピクッ
「えっ?動・・・いた?」
彼女の瞼が震えたような気がした。
そして零れ落ちる涙。
「泣いて・・・いるの?
 そんなに辛いのか?」
「・・・・・・」
返事は無い・・・だが、彼女の目が・・・開いていく
「俺が・・・見えるか?
 声が聞こえるか?
 誰か解るか?」
「ん・・・ん?」
「良かった・・・良かった・・・」
「あ・・・れ・・・?」
「ごめんな・・・ごめんな・・・良かった・・・」
馬鹿みたいに同じ事しか言えない

485:380
06/05/11 02:51:45 PGMRXQ6K0
その内、涙があふれて嗚咽しか出なくなった。
「ば・・・かぁ・・・」
「うん。ごめんな。」
「寂し・・・かった・・・よぉ」
「うん。俺も・・・」
「何で・・・泣いてる・・・のよぉ」
「泣いてなんか・・・ないぞっ」
無理やり笑顔を作ってみる・・・が、無理だった。
「悪い、嬉しくても笑えないや」
「ふふっ・・・変な・・・顔」
「やっと・・・笑った・・・」
久しぶりに見る彼女の笑顔。
まだぎこちないがやっと見れた。
それだけで、全てが報われた気がした。

どうして生きていたのか・・・
あそこがどういった場所なのか・・・
今となってはどうでも良い。
これでやっと新しい物語が始まるのだ・・・

486:380
06/05/11 02:52:34 PGMRXQ6K0
その後
「ちょっと!早くしてよっ」
「ま、待て・・・心の準備が・・・」
「な、何よっただのマッサージでしょっ。
 早くしてくれないと・・・私も・・・緊張してボソボソ」
「分かった。分かりました。今すぐやります」
「へ変な所・・・触らないでね」
リハビリ後のいつものやり取り。
もうすぐ彼女も退院できる。
「なあ、退院したら何処行きたい?」
「海が良いなぁ・・・別に・・・貴方と一緒なら・・・何処ボソボソ」
「うんいいねぇ海。ん、顔、赤い?」
「水着は・・・ダメ・・・よ」
「なっ!」

487:380
06/05/11 02:53:53 PGMRXQ6K0
ムリヤリ、ハッピーエンド風にしてみたけど・・・
そういうセンスは元から無かったorz

488:本当にあった怖い名無し
06/05/11 06:37:16 sXpOGfnZO
>>450-472
グッ‥‥‥ジョブ!!
激しく萌えますた(;´д`)

489:本当にあった怖い名無し
06/05/11 06:39:54 sXpOGfnZO
ageちまったorz
吊ってくる‥

490:本当にあった怖い名無し
06/05/11 09:51:01 Ld8HSfYkO
ときに>>426マダー?

491:本当にあった怖い名無し
06/05/11 10:07:04 yLacpK8H0
>31-37  こんくらいのデレ具合が好き 緊張感のある展開もお気に入り
>96-107 うますぎ
>192-198 しぶい 地味に泣ける
>292-302 この前半部がマジ泣ける
>391-405 霊視点は大好き 
>428-431 叩かれながらも実はリクエストに応えてくれてる中の人ラブ

反応が少ないとのことだったので(斜めだけど)無理矢理反応してみた

492:本当にあった怖い名無し
06/05/12 08:47:54 SEqh5BoRO
>>472は個人的に一番萌えた
「…」をよく使って話すと幽霊っぽさが出ててイイ(・∀・)
性格もはっきりしてて読みやすかった。
主人公が左那と右那たちにもちっと優しくしてる場面が欲しかった。

493:片栗粉285('A`)
06/05/12 10:01:05 ds+IRU9sO
左那右那の「最近耳掻き…」のシーンで「そういや俺も最近してねぇや」と思い、
自 分 で 耳掻きした俺は負け組

494:①
06/05/12 12:18:36 rynGN27b0
只今、肝だめし開催中。場所は、出ると噂の旧校舎。
通常、男女ペアで行うのだが、僕はくじであぶれたために
一人で長く暗い廊下を歩いてた。
まあ、僕は、幽霊なんて信じていないから平気だけどね。
 コースも中盤にさしかかったところ、突然目の前に女の子が現れた。
年は十代後半位、シャギーの入ったボブカットの似合うなかなかに可愛い女の子だ。
問題は、その全身が透けていること。残念ながら、服だけじゃない。
・・・・・でやがった。

495:②
06/05/12 12:19:28 rynGN27b0
「きゃーーーーーー!!!」
女の子の霊が悲鳴を上げる。・・え?そっちが?
「ちょっと、驚かせないでよ!」
「いや、それ、こっちの台詞だし。つか、幽霊の癖に悲鳴上げんなよ・・」
「ひ、悲鳴なんて上げてないわよ!ちょ、ちょっと驚いただけじゃない!」
そして、「はぁ」と息を吐いて、女の子は落ち着かせるように、胸に手を当てる。
いや、お前心臓止まってるだろ。
ようやく、落ち着いたのか、女の子が顔を上げる。
「そういえば、あんたは驚かないのね?あたし幽霊だよ?」
そういわれても、目の前にいるのは、透けているところを除けば、ただの可愛い女の子にしか
見えない。ちっとも怖くなんか無かった。
それを、そのまま伝えると、「な、何よ、それ!あたしは、怖い幽霊なんだから!
呪ったりするんだから!」と、取り乱したように大声を出す。
よくわからないが、僕は無害であると判断し、関わるのも面倒なので、先に進むことにする。
女の子の横を通り過ぎようとしたとき、『クンっ』と体を引っ張られる。
見ると、女の子が、そっぽを向きながら僕の服のすそをつかんでいる。
「・・・・・」
とりあえず、無視して先に進んでみる。女の子はあたりをきょろきょろ見回しながら、
すそをつかんだまま、とてとてとついてくる。
(なんだかなぁ・・・)

496:③
06/05/12 12:20:13 rynGN27b0
その時、遠くのほうで『ガシャン!』と音がする。先に行った誰かが、
何かを倒したかしたのだろう。
「ひうっ!!」
小さく悲鳴を上げ、びくっとた女の子が、僕の腕にしがみついてくる。
「・・・・もしかして、怖いの?」
「ち、ちがっ!な、何ゆってんのよ!」
思い付きだったのが、図星らしい。幽霊の癖に、暗闇が怖いとはね。
「じゃあ、何で僕の腕にしがみついてるの?」
「そ、それは・・・そ、そう!あんたにとり憑いたのよ。ほ、ほら、あたし幽霊だしっ」
「ふーん」
「な、なによぅ」
別に、とだけ言って、僕は再び先に進んだ。

497:④
06/05/12 12:21:06 rynGN27b0
しばらくして、僕は足を止める。
「むぎゅっ」と、彼女が僕の背中に追突する。
「何よ、急に止まらないで・・・」
そこには、校舎の出口。僕は、彼女の手を裾からはずした。
とたん、彼女は、まるで捨てられた子犬のような顔をした。
「はあ」とため息をひとつ。それから、裾からはずした手をつなぐ。
「うちに来る?ここよりは、明るいよ?」
「な、何よそれ!調子に乗らないでよ!なんで、あたしがあんたのとこなんか・・・」
言いながらも、つないだ手をほどこうとはしない。
「僕にとり憑いたんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・ぅん」
 こうして、ぼくはへんな拾い物をしてしまった。

498:本当にあった怖い名無し
06/05/12 13:18:38 XAiWUJdVO
GJ!

なんとなくたまねぎ氏の文体に似ているような気が。

499:本当にあった怖い名無し
06/05/12 15:30:11 HMuCMFJg0
カラカラ・・・・ カラカラ・・・・
うーん・・・ 呪うんだからねもう・・・ 
カラカラ・・・ もう祟るんだから・・・・

深夜、灯りの落ちた部屋に響く音だ。最近なんか夜中にトイレに
行く習慣が出来ちゃって気付いた。

カラカラはハムポンが回し車を回す音。
ハムスターは夜行性だし、元気のバロメーターだからよしとしよう。
もうもういってるのは・・・・

「寝言かよっっ」

「むにゃっっ?!な、ななによっやる気っ?!・・・・むーふふ・・・」

ある意味とても霊障だが、夜は何をいっても無駄なのは、この数日で
十分わかった。第一何をやるんだ。どつき合いっても姿も見えないじゃないか。

カラカラ・・・・カラカラ・・・・

朝まではしばらくある。二度寝するか。

500:片栗粉285('A`)
06/05/12 17:20:36 ds+IRU9sO
Σ
ポ、ポン介……!?

501:レイポン ◆ZMp2Jv9w5o
06/05/12 21:31:26 HMuCMFJg0
片栗粉ねっあんたは知ってるわっ
ひまわりの種あげる。遠慮しなくていいのよ?

502:片栗粉285('A`)
06/05/12 22:22:12 ds+IRU9sO
つ……つまりそれは片栗粉にヒマワリの種を加えると、
より強い幻かk…いやいや霊能力を得られると?
ハンターズ科学部、至急調査せよ! 繰り返す、至急調査せよ!

いやでも久々にレイポン読めて嬉しい俺ガイル

503:本当にあった怖い名無し
06/05/13 00:00:32 nHegHy990
レイポンキター!

504:本当にあった怖い名無し
06/05/13 00:42:31 dapRaXVv0
おかえりなさいレイポン!(´∀`)

そういえば、最近昔のコテを見かけないね
また彼らのSSを読みたいものだ

505:本当にあった怖い名無し
06/05/13 01:52:56 FtIUmddFO
>>494-497
萌 え た (;´д`)

506:ツンデ霊の入場です!
06/05/13 05:06:32 Mz8J8fHAO
メイドの土産はツンデレとはよく言ったもの!
献身的な萌えがいま実戦で爆発する!
「メイドさんと僕」美和さんだ!
 
兄は私のモノ!
邪魔する女は罵倒して罵倒して追い散らすだけ!
「ごめんね、お兄」よりツンデ霊妹だ!
 
私は学院最萌えなのではない!
ツンデ霊最萌えなのだ!
ご存じ御姉様!
「ツンデ霊女学院」!
 
いまやツンデレの神髄は姉にある!
私を驚かせる霊はいないのか!
「跡取り」姉
 
魚類最萌えこそツンデ霊最萌えの代名詞だ!まさかこの魚が来てくれるとは!
「レイトウマグロ」
 
超一流神様の超一流モフモフだ!
生で頬摺り萌え死にやがれ!
稲荷様の萌狐「祠のミカド」!
 
何でも有りならこいつが怖い!
酸化のピュア金属!
「銅タン」
 
ツンデ霊は口数少なくてナンボのモン!
超寡黙霊の「屋上の先輩」!


507:ツンデ霊の入場です!
06/05/13 05:07:53 Mz8J8fHAO
 
不幸少女は生きていた!
あのオナホールの衝撃を乗り越え更なる萌を磨いて甦ったぁ!「匠の業を訪ねて」!
 
すべての除霊へのベストディフェンスは私の中にある!
部屋憑き霊の神様がきた!
「部屋の主」
 
真の萌えを知らしめたい!「濡れおなご」
 
先輩殺しはいいのか!?
ツン魂冷めやらず!
殺すも生かすも思いのまま!
「電気をつけなくて良かったな2」!
 
特に理由は無い!
小動物が萌えるのは当たり前!
「ハムスター←僕←ツンデ霊」よりハムポン!
ミレレイには内緒だ!
 
悩殺なら誰にも負けん!
ツンのテクを見せたる!
「ツン・デレ・バトル」よりツンデ霊!
 
引き籠もって磨いたシュールな芸風!
ツンデ霊界のデンジャラスガール!
「俺と守護霊」より守護エモン!
 
ツンデ霊だから此処へきた!ストーリー、文脈、人物、一切不透明!
「スナップショット!」
 


508:本当にあった怖い名無し
06/05/13 11:18:10 wp701gv/0
>>506-507
哭けるッ!
今夜は哭けるぞッッッ!!

509:本当にあった怖い名無し
06/05/13 14:18:45 bGafPiMU0
>>506
あれ、ミカドって狐だったっけ?

510:本当にあった怖い名無し
06/05/13 16:01:35 Y4JQ6Io4O
>>506-507

このシリーズ大好きだ!
これからも頼むぜ!

511:本当にあった怖い名無し
06/05/13 19:27:10 mWOqZsOQO
モフモフ狐は確かあのチョコあげたら
「甘――― !!!」
ってやつじゃないっけ

512:本当にあった怖い名無し
06/05/13 21:59:26 wbOB+L760
こやつ 祟り神様を外しおるとは・・・・

513:本当にあった怖い名無し
06/05/13 22:52:12 jtIqy86g0
哭けた

514:本当にあった怖い名無し
06/05/13 23:01:37 50mGJlnE0
>「ハムスター←僕←ツンデ霊」よりハムポン!

誰かここにツッこもうぜw ミレレイ相変わらず不憫で萌えるが。

515:本当にあった怖い名無し
06/05/14 00:11:23 C/NOVzOlO
ごめん、ミレレイとレイポンの記憶がごっちゃな俺に
誰か説明してくれませんか。

516:本当にあった怖い名無し
06/05/14 00:57:53 ddIyjSiDO
>>472
霊視点で物語を進めていくのが新鮮で一番ヨカタ。
次回作もwktk

517:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:33:08 BqKzer2B0
登校してみたら花が飾ってあった。
ちょうど俺の前の席、工藤さんの机。
「あはは、何? イジメ?」
俺はそこに座ってる工藤さんに話し掛けた。
無神経なわけじゃない。そんな度胸のあるやつは、この学校にはいないと知っていたから。
部活の先輩ですら、彼女を呼び捨てにはしない。この地域は、彼女の親が経営する会社で
保っているのだ。容貌もキツめのせいもあり、イジメられるなんてイメージからは程遠い。

「そんなこと、するわけないでしょ。知らないの?」
俺の前の、そのまた前の席の、高見盛が振り向き、咎めるように言う。
(テメーには全然まったく訊いてねえ!)
……って言えたらなあ。
こんなヘンなことでもない限り、工藤さんとしゃべる機会なんかないんだよ!
俺、小心者だから!ブサイクだから!生物として同じ括りにいるのが申し訳ないから!
勇気を出して声かけたのにどーしてくれんだ。

「うん、何かあったの?」
としか言えねえ俺。弱え。
工藤さんは、目の端でこっちを見る。かんっぜんに無表情。
うお、怖え。たまんねえ!

「工藤さんね、昨日、亡くなったの。事故で」
テメーには訊いてねえ高見盛いいかげんに……

「……なくなった?」

高見盛は、伝えることはもうないとばかりに、席を立った。

518:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:34:21 BqKzer2B0
オイオイ脂肪が脳に詰まってんじゃねーのか?日本語くらいちゃんとしゃべれよ?
だがこれで新しい話題ができた。邪魔者もいなくなったしな!
俺は工藤さんの声を聞くべく、再チャレンジ。がんばれ、俺…

「亡くなったって、どの工藤さん?」
工藤さんはめんどくさそうに(見えるけどいつものこと)髪をかきあげた。
「私」
「ふうん」
「…………」
「…………」

はっ!? だ、ダメだ俺! それで満足するな俺! もっと会話に広がりを!

「え、えーと、ああ、演劇部で何か、やってるの? 役作りとか」
「いいえ」
「そ、その花は?」
「…………」
「…………」

が、がんばれ俺!

「もしかして、ほんとにイジメとか?」
「あなた、私に話してるのよね?」
「や、そ、そんなこと、される人じゃないと、思ってるけど」
「私に、話してるのよね?」
「う、あ、ご、ごめん」

いきなり顔を近づけられて、謝ってしまう。怖え。
俺みたいなゴミ虫が話し掛けられる身分の人じゃないよね、やっぱり。

519:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:35:51 BqKzer2B0
「そうじゃなくて――」
工藤さんは、ふいに、窓際に固まったクラスメイトたちに目をやった。次いで、
順繰りに教室を見渡していく。

俺も釣られてきょろきょろとしていると、あることに気が付いた。
全員が俺たちに大注目してる。
会話が続かなくて悪戦苦闘してる俺を応援してる、ってわけでもない。
てゆーか、今までのヘタレぶり、みんな見てたの?俺ハズカシイ!

「なんだよおまえら?」
精一杯の虚勢を張って、俺は怒鳴った。

静まり返る教室。
HR前のこの時間には、ありえなかった静寂。

「――アンタ、何やってんのひとりで」

誰かの、おびえを含んだ一言が、起爆剤となった。

つーか基地外?おまえやばいよ洒落になんねー呪いとかキモイ近づかないほうが興味ある
んなわけねー冗談はやめてよね何のつもりだか知らないけど見える人なのかよ頭オカシイ
でもいる気がしないそこにいるの何て言ってんだよなにそのツンデ霊もしかしてほんとに
霊能力怖いウソだよ前からそういうやつだったあたしは信じない面白いつもり………

わかった。
このイジメの標的は俺だってことが。
人に好かれるキャラじゃないと思ってたけど、けっこーショックでけえな。
工藤さんて、意外とノリいいんだ。こいつぁ新発見だ。

520:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:42:46 BqKzer2B0
俺は、今日はサボることを心に決め、席を立った。明日は…どーしよーかな。

「みんな、私が見えてないの」
「そうみたいだね」
さすが演劇部だよ。
「どうしてあなたは――」
「さあね」
アドリブ下手でごめんね。こんな会話だったらしないほうがいいから。俺にとっては。
「ちょっと待っ…!」

「ちょっと待てよ! そこに、いるのか? ほんとに?」
教室を出るとき、オカルト好きで、よくこっくりさんとかをやってるやつに止められた。
これも名演だと思った。

「ああいるよ」

俺がそういい残したドアの向こうで、また大きなざわめきがあった。
知ったことか。
楽しいかよおまえら。

521:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:45:47 BqKzer2B0

逃亡先には屋上を選んだ。
学校から出ず、イジメられっ子の気分を盛り上げたかったのが、その理由。
昼休みでもなければ、人は来ない。

と思ったら先客がいた。
だらしなく脚を投げ出して座り、煙草をふかしている。
野球部のエースで、有名なやつだ。なんて名前だっけ。

「よう。吸うか?」
意外なことに、向こうから話し掛けられた。
俺は首を振った。
「いいのか? 夏大近いのに」
彼は、ふっ、と短く息を吐き出した。笑っている。

「いいんだよ、もう。たぶん、俺らは試合に出らんねーから」
「へえ」
「……野球、興味ないか?」
「なんで」
「いや、もーちょっと突っ込めよってこと」
「ああ、悪い。なんで」
「さっきと変わんねー…」

彼は力なく笑う。
訊いたところで、話すつもりがあるとは思えなかった。

「おまえ、確か、み―工藤、さんのクラスの」
「ああ、後ろの席だよ」
「そっか…」

さすが有名人。把握のされかたが「3-A」じゃないんだ。

522:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:47:54 BqKzer2B0
「あの、な。何か、言われてたか?」
彼の口調から、弛緩したものが薄れた。漠然としすぎていて、何のことだかわからない。
が、あったことはただひとつ。俺は話したくもないが。

「工藤さんが死んだって。馬鹿騒ぎしてたな」
「それで?」
「べつに。くだらねーよ」
「は。くだらねーか。……この学校に、そんなやつもいるんだよなぁ」
「なんだよそれ」
「いや。少し、気が楽になった、気がする」
「?」
「そのうちわかると思うけど……おまえみたいなやつにだったら、話してもいいかな」
「??」

「工藤、さんが死んだのは―俺のせいだ」

彼はうつむき、そう告白した。
何を言っている?
3-Aの工藤さんの話じゃないのか?
またネタか?

「事故は、俺がやったわけじゃない。でも。俺が。死ななくてもよかったのに。助かった
はずなのに。俺が。俺のせいで。俺の――」

支離滅裂で、理解できない。彼が最も悔やんでいること、それがどうしても言葉に出せない
らしい。

523:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:49:29 BqKzer2B0

「やめて」

凛とした声。
俺たちの前に、工藤さんが立っていた。

「あれ、いつから?」
ほんとに気づかなかった。
屋上の扉は重い鉄製で、開閉の際には大きな音がするんだけど。

「ひっ!?」

隣で、息を飲む音が聞こえた。
見ると、彼は大きく目を見開き、固まっている。

「み、弥夜、お、俺は!ゆ、許してくれ!」
「呼び捨てにしないで」
「わ、わかった。お、俺のせい、俺のせいだ!」
「あなたなんかのせいじゃない。くだらないこと言わないで」
「悪かった!お、俺が悪かったから――!」
「何も悪いことなんかされて」

工藤さんが言い終わる前に、彼はものすごい慌てようで逃げていった。
なんだろうあれ?

524:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:52:42 BqKzer2B0
「工藤さんて、やっぱり怖いんだね」
「……やっぱりって、何」

形のいい眉がひそめられる。いや、やっぱり怖えって!自覚ねえのか!?

「い、いや?何でもないデスよ?と、ところで何あれ、彼氏とか?」
「冗談言わないで」

ぬお、冗談禁止?冗談でもないんだけど!とにかく会話が続かねえ!

「そ、そうだね、工藤さんの彼氏なんて想像できないし!」
「モテないって言いたいの」
「ち!?ちがっ!?あれ?なんでそういう方向にっ!?」
「どこが違うの」
「何もかも!アイドルがうんちしないのといっしょ!」
「あは、何それ」

おおお!笑顔キタ―!!めちゃくちゃ可愛い!どーしていいかわかんねえ!下ネタ最高!

「野郎なんてうんこだよ。うんこと工藤さんなんて組み合わせ、想像……」
「しないで」

今までで一番の殺気を感じ取り、俺は口をつぐんだ。うん、下ネタは引っ張るもんじゃ
ないな。大事なのは瞬発力だ。

525:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:55:12 BqKzer2B0
「それで、坪井君から、どこまで聞いたの」
「つぼい…あーそんな名前だった。べつに何も?工藤さんが死んだとか…死んだとか…」

ああ、俺、そんなネタでおもちゃにされて落ち込んでるんだっけ。
屋上に二人きりってシチュに、舞い上がってた。

「!!つーか、授業中!もう始まってるよ、工藤さん!?」
「私はいいの。もう、ね。それに今、教室には誰もいないから」
「へ?」
「あなたが嘘つき呼ばわりされてたから、なんだか気に入らなくて花瓶割ったの。だから」
「だから、って……?」

工藤さんは、小首をかしげて、頬に手を添える。お悩みのポーズだ。

「ううん、どうしようかな…ちょっといい?」
「うん。…え?」

目の前に、顔が近づいてくる。額にかかる髪を一度、かきあげて。
唇の感触が――

「……わかった?」

悪戯っぽく、工藤さんは微笑んだ。

526:本当にあった怖い名無し
06/05/14 07:56:36 BqKzer2B0
鼓動が、鼓膜を圧迫した。
感触はなく。体温もなく。ありえない距離にまで近づいた―重なった、彼女の姿を見て
しまった。

「み、みんなの話は」
「ほんとうのことね」
「死んだって」
「死んだみたいね」
「でもここにいる」
「そうね」
「幽霊」
「幽霊」

工藤さんは自分を指差して、そう言い切った。なぜだか、少し楽しそうに。

「わかったことがあるの。私が見える人のこと――」

今度は、俺が最後まで話を聞かなかった。
情けないことに、そこで意識を失ったからだ。


                おわり

527:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/05/14 11:30:55 mUrxF8gq0
エエェェ(´Д`)ェェエエ

そこで終わりー?
とりあえずエクセレントGJ!

528:本当にあった怖い名無し
06/05/14 11:31:26 mUrxF8gq0
コテトリ失礼orz

529:本当にあった怖い名無し
06/05/14 16:02:39 C/NOVzOlO
GJ! 新鮮な視点で楽しみますた!

530:本当にあった怖い名無し
06/05/14 20:39:42 bxzaddwb0
おもしろかった、GJ!
主人公の霊に対する反応とか、リアルっぽくていいよね

531:本当にあった怖い名無し
06/05/14 23:16:19 LX4CbqzZ0
エエェェ(´Д`)人(´Д`)ェェエエ
作者もツンデレなのか・・・orz

532:本当にあった怖い名無し
06/05/15 00:15:28 PFQj2sgzO
なによ、結末なんて教えてあげないんだから!




って事?

533:本当にあった怖い名無し
06/05/15 06:57:02 LP3RwxE30
そうらしい

534:本当にあった怖い名無し
06/05/15 10:21:03 OE6Ql7Pm0
なんだこれ

535:本当にあった怖い名無し
06/05/15 23:47:09 PFQj2sgzO
まとめサイトの中の人、更新乙!\(^o^)/

536:見習いく~る幽霊
06/05/16 02:46:33 ylV1PEEl0
「うぐぅ…気持ちが悪いよぉ。 風邪でも引いたかなぁ…」
 なぜだか最近、体の調子が悪くなってきた。
 あんまり、幽霊に驚かない馬鹿と同居してるからかなぁ…
 体調を崩して、風邪でもひいたのかも知れない。
 これじゃ、幽霊としての自分が情けないよ。
 …あ、そこのキミ、何で幽霊が風邪をひくんだ、とか思ったでしょ。
 昔からよく言うじゃない、病は気からって。
 だから、気合いのある幽霊だって風邪ぐらいひくんだよ
「へっくち」
 ……とはいえ、こんなあたしの姿、アイツに見られたら笑われるんだろうなぁ…
 アイツ――そう、名前も知らないこの部屋の住居人だ。
 転入し、私が驚かせようと思った直後にアイツは言った。
『変な幽霊』
 …むぅ、すっごいムカツク!
 巷じゃ く~る な幽霊で通ってる(はずの)あたしだって、流石に頭に来たね。
 よりにもよって変な幽霊――
「へっくし、へくちょんっ!」
 ……あ~駄目だ、力説してる場合じゃないや。
 うん、寝よう。 風邪をひいた時にはそれが一番だ。
 布団を敷いて…って、しけないし…
 仕方ない、このまま寝ようかねぇ…風邪が治るといいけど…

537:見習いく~る幽霊
06/05/16 02:48:04 ylV1PEEl0
「で、おまえさんは何で、人の部屋のど真ん中で堂々寝てるんだ」
「へにゃ…?」
 寝ぼけ眼、開口一番にそう言う言葉が響いた。
 言ったのは、この部屋の住居人……
 ――しまった! 寝てるところジロジロ視姦されてた!
「なぁに今更慌ててるんだよ、どうどうすぴょすぴょねやがって。
 おかげで、俺も一瞬驚いたぐらい何だからな」
「う……うるさぁい。 体調が悪いんだからしょうがないじゃない!」
「体調が優れない…?」
 あたしの言葉を聞いて、ソイツは一瞬考え、一言
「幽霊…だろ?」
 と。 で、顔がゆるんでいくんだ、ソイツ。
 絶対笑われる。 ムカツク。
 ……と、思って、先の行動を予測していたんだけど、ちょっと違う展開になった。
「幽霊でも体調とか在るんだな…ちょっと待ってろ」
 そういって、台所の方へ引っ込んでいった。
 ……? なんだろ、いつもと違う反応。

538:見習いく~る幽霊
06/05/16 02:49:57 ylV1PEEl0
「ほらよ」
 暫く待って、ソイツは鍋を持ってきた。 その中からはいい匂いがする。
「ナニコレ?」
「卵雑炊、体調が悪い時にはこ~ゆ~食べ物が効果的なんだぜ」
 ………
 えと。
 なぜだかよく分からない。 けど、料理を作ってきたみたい
「食べるの? 誰が?」
「おまえが」
 ………
 思考停止状態? ちょっと待って、コイツ何言ってるの?
「なんで?」
「体調が悪そうだから」
 ………
 つまり、こいつは『あたしのために、卵雑炊を作った』わけで
 ………
 えぇぇぇぇ!? ちょ、まっ!
「あ!? あうぅ!? はう!?」
 あたしなんか、うまく言葉がでなくなってた。
 だってちょっと待ってよ。
 こいつにとっては、あたしは怖ぁい幽霊なはず! 言っちゃえば、そんなに好かれることも…その、ないはず。
 なんだけど!?
 それに、今まであたしなんか、散々こいつにからかわれたりもして!
 その、お世辞にも仲がいいなんて事はないのに。
 こいつ、あたしのために?

539:見習いく~る幽霊
06/05/16 02:52:41 ylV1PEEl0
「嘘……?」
 風邪をひいてからなのか、あたしの灰色の脳細胞もパニック状態だ。
「嘘なんかじゃねぇよ。 なんつうか、体調を崩した奴を放っておくなんて俺には出来ないしよ」
 そういって、中身をすくった匙を差し出してきて一言。
「あ……」
 卵雑炊を乗せた匙は、あたしの躰を貫通した。
 考えてみれば、あたしの躰は気合いを入れなきゃ、物に触れることも出来ない。
 んで、今の体調からそんなのはほぼ不可能状態になってる。
 そんなあたしを見て、ソイツは一言言った。
「あ~、やっぱり駄目かぁ。 しかしコレを捨てるのももったいないなぁ。
 ああ、残念残念。 自分で食べるとするかぁ」
 ………
 あろうことかあろうことかー。
 『あたしの為に作った卵雑炊』は、作った本人があたしの目の前で食べていった。
「むっかぁ~! な、なによそれ!」
「だって、しょうがないじゃなぁい♪」
 歌いながら、どんどん食べていくそいつ。
 くぅ! 乙女幽霊心を弄んで…!
 この恨みは絶対いつか晴らす! 晴らすったら晴らすんだ!

「…けど、ホント残念だよ」
「へ…?」
 何か言った気がしたけど、ま、いっか




540:見習いく~る幽霊
06/05/16 03:00:51 ylV1PEEl0
はいはい、空気の読めない俺が
>53-58の続きのような物を書き込みにきましたよってに。
あんまり気にしないで下さい。 ツンデレ気味もないし
んじゃ、寝る

541:本当にあった怖い名無し
06/05/16 03:16:59 D1h6XgaI0
んな卑下するな。面白かったよGJ。

542:本当にあった怖い名無し
06/05/16 12:14:31 +m5RCkfG0
続き物は最近少ないから全然おk
お耽美系の姉とか守護霊とか、もっと読みたいんだけど
>>428-431とかは続いて欲しいと思う キャラ立ってるし

543:本当にあった怖い名無し
06/05/16 13:10:34 YBr/3xqcO
男のか?

544:本当にあった怖い名無し
06/05/16 13:22:43 +m5RCkfG0
斜向かいの鈴木さんちの末娘の方も
コイツがデレたら最強

545:本当にあった怖い名無し
06/05/16 19:11:16 98lVzNer0
>>536-540
エレガントGJ!

第三者不在の場合は基本デレ全面押し出しっが
いいと思うっいいデレだった

>>542
お耽美系の姉って?あれ?w

>>544
kwsk

546:導入編。小娘と俺の嫌な日々
06/05/16 20:28:30 AOdfHNFvO
今日もいい天気だ。
俺は神にチョイスされた毎食パンの耳でOKな人間!だからそこらのパンピーみたく働く必要はナッシング。
 
さて、優雅にツンデ霊と戯れるとしよう。
「うへへへ、観念するんだな銅タン
いや!やめて!触らないで!
そんなコト言っちゃって…本当は感じてるんだろう?」 
ぽた、しゅうぅぅ
「こんなに泡をだしちゃって…ハァハァ」
ジョン・レノンも歌ったよな、イマジンは偉大だって。
想像力!萌えあがれ、想像力!
 
「…ウッ!…ふぅ~エクセレントォ!」
ごしごし
今日も太陽が黄色いぜ。
 
「……何…やってんのよ…あんた…」
 
「うおぅッ!?こ、小娘!いつからそこに!」
「…あんたが一人芝居しつつ銅に希硫酸垂らしてるあたりからいたけど?」
 
「シィィット!!視姦しやがって…俺サマのパラダイスタイムが台無しだ!
この絶壁胸!あやまれ!あやまれよぅ!」
「ちょっと逆ギレしないでよ!粗チンのくせに!」
 
なんてコトを!!
「ほほほ包茎ちゃうわ!見れ!このバズーカを!で乙女ちーっくに赤面しつつ指の隙間からチラ見しろや」
 
「…クス」
なんですか、その微笑ましいモノを見たような生暖かい笑いは?
ちくしょうポークビッツ!ポークビッツだと!?

547:本当にあった怖い名無し
06/05/16 21:18:44 98lVzNer0
・・・・(・ω・)
続きはー?

直球エロで実は笑っていた俺としては続ききぼんw

548:俺と小娘①
06/05/16 23:13:32 AOdfHNFvO
ああ、神は死んだ。
ニーチェ、あんたは正しい。
 
「そんな事より、ほら!次の見つけてきたわよ」
 
うるさいだまれそうさ俺は生まれたままの清いカラダさ童貞だし火星人だし―
って?見つかった?
 
「マジか!?貴様のアホ毛センサーにツ、ツンデ霊反応があったのか!?」
「アホ毛ゆーなぁ!…別にこの毛で探してる訳じゃない!」
 
「ともかくでかした!よくやったぞ貧乳!」
「貧乳じゃない!Bは貧乳じゃないもんッ!」
 
でやってきました、深夜の公園。
うん、いかにもツンデ霊サマが降臨しそうな雰囲気だな。


549:俺と小娘②
06/05/16 23:15:30 AOdfHNFvO
「そろそろ出る時間よ」
ブラ不必要娘がきょろきょろしながら言う。
「今度は平気なんだろうな?つか何の霊だよ?」
 
「えっと…義弟が心配で出てきたはいいけど不器用だから素直になれない義姉の霊…だって」
 
「!!ブラヴォー!!オォ、ブラヴォー!
テッパンだなッ!
imitation sisterキタ―(゚∀゚)―!!」
「……偽姉?」
 
「黙れ中学生。本場イングランドじゃこう綴るんだよ」

「どーでもいいけど。あ、いたわよ、あそこ」
 
小娘の指差す先には―
「 YES!YES!!YES!!!ナイスだ!
マジにハクいスケじゃーん!なぁ?」
「オヤヂうぜぇー!ってはやく行きなよ」
 
「おうよ!
会いたかったよー!
ねぇさあぁーん!」
 
 ぴと
 
「おお!いきなり寄り添ってきましたよ!で、でれキタ―(゚∀゚)―!!」
「良かったわね、その調子よ!」


550:俺と小娘③
06/05/16 23:19:25 AOdfHNFvO
 

 わたしと―
  ファイトなさい
 
「うはぁ!義姉さんいきなり馬乗りになってんですけど?」
「さすが義姉、積極的だわ!あんた童貞なんだからリードしてもらいなさいよ!」
 
 拳は強く強く―
  でないと骨を―
 
「なんかビキビキ筋をたてて拳つくってるけど!?」
「バカね、あんたが緊張してるからほぐしてくれるのよ!ほら力抜いて!リラックス、リラァーックス!」
 
  ジェノッサァァーイッ!!
 
「あがががががが何かタコ殴りなんですけど!?よく見たらジッポ握ってるよ?この人!」
 
「大丈夫!それツンだから!
YO!ツンK・I・T・A―!」
「YOH!SuGoi!ツンK・I・T・A―!!!
 
 
って死ぬ!死んじゃうよ!違う!
これ違うよパパン!」


551:俺と小娘④
06/05/16 23:21:38 AOdfHNFvO
 
なんとかガードポジションでしのいでマウントから脱出。
全力で撤退。
鼻曲がって前歯全折だが気にするな、俺。どうせ保険に入ってないし。
 
「ケッ、根性なしが」
「ふざけんな!このビッチ娘!そのツインテール固結びにすんぞ!」
 
「あーはいはい、次はちゃんとしたの探すから大丈夫、大丈夫」
 
「その意気だブラ要らず!よし、次こそは!」
「ウフフフ…そう…次こそは、確実に…ね」
 
ちょっと コイツに任せるのは不安になってきたがまぁいいや。
ツンデ霊を手にするまで俺たちの旅は終わらない!
 
【次回は小娘視点…の予定】

552:本当にあった怖い名無し
06/05/17 00:09:37 2fyDjGB80
携帯が鳴った。久しぶりにディスプレーに洋子の名前が表示された。
「もしもし、私よ。また事故起こしちゃった」

「なっ・・・なによ、今度もまたうろたえちゃって。
 べつに声が聞きたくて電話したわけじゃないからね。
 ただ・・・ 」 洋子は口ごもった。

「ただ・・・ なんだい」と例によって聞き返す俺。洋子は言った。
「今度も示談にしたいのに、持ち合わせがないの。だから・・・」 洋子は口ごもった。

「今度こそ、お金を届けに行けばいいのかい」と聞くと、女は取り乱して言った。
「ちっ、違うわよ。それじゃあまるで、あんたに来て欲しくて電話したみたいじゃない。
 バイク便を手配したから、お金を渡してくれればいいのよ。勘違いしないでよね」

俺は答えた。
「洋子、もう事故の事は気にしなくていいんだよ。それに最新の手口なら郵送だよ。」
生前の洋子は流行に敏感だった・・・

553:見習いく~る幽霊
06/05/17 04:17:30 5gq7kya+0
6月21日
 アイツが実家に帰るって言って、家を出ていった。
 なんだか、久々に家族が一同揃うらしい。
 何でこんな時期に。 こいつの一家というのがよく分からない。
 とりあえず、久々に一人になることになる。
 ひまなんで、日記でも付けよう。

6月22日
 朝起きたら、誰もいなかった。
 当たり前、アイツ、実家に帰ったんだもん。
 もてる気力を振り絞ってテレビを付けてみる。
 そういえば、あたしが一人で新しい住居人を待っている間だって
 こんな文明の利器もなかったんだよねぇ。 う~ん、いい時代になったもんだ。

6月23日
 ちょっと暇をもてあましてきた。
 ま、24日に帰ってくるとの話なので、一人の満喫ももう終わってしまうだろう。
 ちょっと残念だ。
 ま、あいつが帰ってきたら く~る に練った作戦で驚かそう。
 そうだ、あたしは幽霊なんだもん。 驚かさなきゃ。

6月24日
 一日待っても帰ってこなかった。
 ま、そう言うこともあるよね。
 驚かすネタは、明日に取っておこう。

6月25日
 何をやって居るんだろう。
 昨日帰ってくるっていったのに、今日も戻ってこなかった。
 腹いせに、アイツの食器を割っておいた。
 世間ではポルターガイストの一言ですむことだろう。
 でも、絶対アイツは驚かない。 むしろ怒るだろう。

554:見習いく~る幽霊
06/05/17 04:18:13 5gq7kya+0
6月26日
 帰ってこない。 寂しい……

6月30日
 ああ、そういえば、あいつが帰ってくるまでの間、日記でも付けようって思ったんだっけ?
 忘れてた。
 あいつはまだ帰ってこない。

7月1日
 寂しい。 一人ってこんなんだっけ。

7月7日
 帰ってきた!
 この日記もお役御免だ!
 なんでも、実家の人間に長らく引き留められたらしい。
 にしても長すぎだ! 3日の予定が弐週間だなんて!
 こいつ、どれだけ、あたしが心配したと思ってるんだろう。
 ―ご、ごめん。
 そいつはそう言った。
 なによそれ。
 謝られたって、過ぎた時間は戻らないんだよ。
 でも、戻ってきてくれただけでも嬉しい。
 これで、考えに考えを練った驚かし方が出来る!

 ……それだけなんだからね、勘違いしないでよ!

555:眠い…
06/05/17 04:21:50 5gq7kya+0
はいはい、空気読めない俺が更に続きを書いてみましたよ。
いつもと趣の違った文が書きたかったのが原因。 仕事中にこんなの考えてるから
俺って人間はツンデ霊が好きなんだよ。

>548-551
おまいのテンション大好きだ。
テンション高い良質書けるのが羨ましいGJ!

>552
俺なら洋子さんに振り込むんだろうな、写真付きで

556:本当にあった怖い名無し
06/05/17 11:14:46 mug3eo3MO
>>555
十分おもしろいから。無闇に髭すると
むしろ空気読めてないっつーの。









GJ

557:本当にあった怖い名無し
06/05/17 13:14:12 4z6fxoHU0
>>552
なんか切ないぞ
面白かった。GJ

558:本当にあった怖い名無し
06/05/17 19:41:15 /AwwYy6P0
下がりすぎてるからageるだけなんだからねっ

559:はじまり。
06/05/17 19:59:30 Hyva5BY70
「げ」
「あ?どした?」
「……」
「何?」
「やばいかな」
「だから何―ぁ。やばいんじゃね?」
「え?」
「やばいだろ。後ろ後ろ」
「何―」
「志村、後ろ」
「馬鹿」
「ごめ、おっ、先、逃げるわ」
「ちょっ、おい!…………あんだよぉ、っとに。後ろに何かあんの―」

――。


560:いち。
06/05/17 20:00:15 Hyva5BY70
「うは。まじやばくね?ここ」
「やばいだろー……。やばいって……」

……。

「なにビビってんだよ。やばいのがイイんじゃん。ほれ見ろ。こんな廃工場のど真ん中に石あるぜ」
「なんで石なんかあんの?まじ怖いよ……」

…………。

「おぅおぅ。ご丁寧にお札貼ってあるし」
「帰りたい……」

………………。

「なんか彫ってあるぞー?あ~……比、蔭……沙、紀……?女の名前?お墓かなー、これは?」
「なにニヤニヤしてんだか。とにかく怖いって…………げ、」

――。


561:に。
06/05/17 20:01:00 Hyva5BY70
「ひっ……!!??」
振り返った途端、目に入ったのは真っ黒な人影。
その存在どころか、気配すら感じなかった。僕は、息を呑んだ。というか、息を殺してしまった。
棒立ちで、突っ立っているその人影。着ているものは白い―水色だろうか、暗くて色がよく分からない―、膝下まである丈の長いワンピース。
けれど、真っ黒だ。白から露出している腕や、脚。そして、顔。全てが、真っ黒だ。
肌が黒いのではない。
どんな腕をしているのか、細いのか太いのか。
どんな脚をしているのか、長いのか短いのか。
どんな顔をしているのか、見えない。真っ黒。表情どころか、顔が見えない。
その身体中を覆い尽くす長い髪に隠れている、だけか?
とにかく、黒、に多い尽くされている、その人影。尋常でない。有体に言えば、生きてない。
「ぃ……ぃ…………!!!!」
情けない悲鳴も上がらない。喉が、挫けてしまった。恐怖で。
僕が指一本も動かせないで固まっているところ、微かな……、
声?

……ォ、ォ……ォ―ォ…………ォ……。


562:さん。
06/05/17 20:01:41 Hyva5BY70
目の前で立ち尽くす女性―ワンピーススカートだし、女性だろう?たぶん。何か聞こえてきた。
僕が凍っているように、彼女も一歩も動くことがない。ただ、直立したまま。音―声、か。
真っ黒は、真っ黒なまま、何も見つけられない。とても不安定。誰なのか。……これは、

泣いている?

……ォ―……ォォォォ……ォ、ォ、ォ……。

ォ―ォォォ……ォォォォォ……―ォォォ!!

オオオオォ……オオオオオオオオオ!!!!

泣いている、のか……。
僕は呆然としてしまった。人影、おそらく女性だろうが、それが、泣いている。
顔が見えない。口も見えない。この、彼女が泣いていると判断するのは、彼女から、泣き声が聞こえてくるからだった。
ぼんやりと、彼女の方から、低い、なのに甲高い、強烈な響きが聞こえてくるからだ。それが泣き声に聞こえる。
彼女から視線を外すことができない。怖い。
唐突に出現したことも怖かった、しかしそれはむしろ、驚きだ。
怖いのは。真っ黒な彼女が意味も分からず泣き続けていること。そしてその泣き声が、凄絶だから。
これ以上は、耐えられなかった。

僕は、気を失ってしまった。


563:よん。
06/05/17 20:02:21 Hyva5BY70
背中が冷たい。キンキンしている。耳に、板敷きの上で砂を踏みしめる音。誰か、近づいてくるようだ。
静かだ。また一歩、砂を踏みしめる音。それ以外に何も聞こえない。しん、としている。
また一歩。一歩。一歩。
目が覚めた。うっすら。頭を下げた姿勢で、石碑に寄り掛かっている。脚が、見えた。
ぞっとした。真っ白。陶磁器みたい、そう思った。投げ出した僕の足元に、ほっそりとした陶磁器が二つ並んだまま。じっとしている。
「……」
顔を上げていいものか……。砂を踏みしめる音が消え、打ち捨てられた廃工場には、何もない。
まばたきを数度繰り返しても、彼女はそこを動かない。ちょっとがに股……。
靴なんて履いてたのか。小学生が履くような、布とゴムだけでできた、簡素な靴だった。
「……」
顔を上げて、みようか。待ってる、のかも。
ゆっくりゆっくり、視線を上げていく。
陶磁器のようなほっそりした両脚に、
白とも水色とも言えないような、淡い色をしたワンピース、
腰の辺りにようやくボタンが見えるような、シンプルなデザイン、
両腕も、真っ白な、細長い、水を含んだかのような長い長い髪が巻きついている、
胸元、小ぶりです……、
首はさらに白く、細い、
彼女と、目が合った。


564:ご。
06/05/17 20:03:02 Hyva5BY70
強烈、
泣き声の比じゃない。く、とおかしな音をたてて僕の喉が鳴った。脳味噌が、停止、だ。
なんて顔してるんだよ……。
錆だらけの、何を製造するとも知れない機械に囲まれた薄暗い廃工場の真ん中で、女が立っている。
顔を歪めて。
最初に思いついたのは、これは泣き顔だろうか。いや……
そんなもんじゃない。そんな生やさしいものではない。泣き声は、凄絶だった。でもこの顔は、この顔は……何だ?
思いつかない。だから、
「なんて顔、してんの……?」
驚きとも、慰めとも、なんとも言いようのない、そのまんまの言葉が出てきてしまった。ぼて、と口から転がり出た。
彼女は、何も―動きもしない。黙って、顔を歪めている。
そのまま僕らはじっと見つめ合う形になった。僕が、彼女を見上げる形で。彼女が、僕を見下ろす形で。
見つめたまま、ぐ、と今度は唾を飲み込んだ。息をするのも忘れた。

気付かなかったのだろうか。ん、と手元に違和感を感じた。
お札。
背中を預けている石碑に張られていた筈の、お札。
友人―薄情にも彼は逃げ帰ってしまった―が石碑に刻まれた文字を覗き込んでいる間、僕はお札を突っついていた。剥がれちゃった訳だ。
はっと彼女の方に視線をやると、彼女は変わらず棒立ちのまま、泣いているのかどうなのかそれすら知りえない、顔を歪めている。


565:ろく。
06/05/17 20:03:42 Hyva5BY70
お札、元に戻さなきゃ。
それと、
泣き声、だったからやっぱり泣いているのかな。

怖かったけど、
泣かせたまま突っ立たせておくのも、ね……。

恐る恐る、彼女の様子を窺いながら。じっと歪めている。じっと立っている。
石碑の元の位置にお札を貼り直す。
不思議に、ぺた、と貼り付いた。
ほ、と僕は安心した。そうしてから、またもや、恐る恐る彼女を振り返る。
「あれ…………?」
彼女はもう、いなかった。


566:なな。
06/05/17 20:04:22 Hyva5BY70
「あの廃工場、こわかったなー」
「置いてけぼりにしたくせに……」
「ハハハ。お前本気でビビってんだもん。俺の迫真の演技でマジチビったんじゃね?」
「まさか……」
あの夜、友人は何も見ていなかったそうだ。後ろ後ろ、とか言ってたのは演技だった。
でも、僕が振り返ったときには―ホンモノ登場、と。
別段危害を加えられたわけでもなく、彼女は泣いていたようだし……。なんとなく、友人には、彼の迫真の演技から先のことを話していない。

さて……。
危害は、加えられなかった。怖かったけど。
だけど、呪われたような気はする。いや、嘘だな。魅了された、かな。
あの歪めた顔に魅了も何も無い気はするが、なんだ、あれだ、そのぉ……。
まぁ、気になるわけだ。あの夜から。あー……あの女性のことが。

じゃ、ま、そう言うことで、行きますか。廃工場。


567:はち。
06/05/17 20:04:55 Hyva5BY70
あの夜と同じように、廃工場に忍び込む。忍ぶ必要も無い程、打ち捨てられてはいるのだけど。
今日は、一人だ。ま、当然か。
石碑。比蔭沙紀。それでお札。お札には「封」とか書いてある。お墓だかなんなんだか、分からないな。
「あのー、すみませーん」
呼び掛けてみる。しばらく、ぼんやりと自分の声が、天井の高い室内に響いた。返事は無い、か。
腕組みで思案顔などしてみる、が。どうしたものかね。
お札、剥がしてみる?
「……あの泣き声と顔を再現するのはなぁ」
神経、というか、命そのものが磨り減る心地だ。
「そういえば……」
彼女の素顔、見てないな。ずっと歪めてたし、な。ああ真っ白だと、な。ちょっと、わくわくしてしまう。
やっぱ呪われたんかな自分は、と苦笑。しかし、
「どうするかなぁ」
勇ましく乗り込んだはいいが、肝心の―そう、肝心の―彼女がいないんじゃなぁ。
やっぱり、
「剥がす?でもなぁ……」
あの凄絶な泣き声と、強烈な表情。嫌がってるようにも見えたしなぁ。
「うーん……」
考えを言ったり来たりさせていたところ、

なぁに?

そ、と声が聞こえた。


568:きゅう。
06/05/17 20:05:28 Hyva5BY70
「え!?」
聞こえた!?今、声が!

なぁに?

やっぱり!!ころんころんと軽やかな声が、聞こえる。彼女、か。
「あ、あっあのっ!自分は、前、その、あれ……お札!剥がしちゃった馬鹿で、えっと!」
破滅的な自己紹介だった。後は、あの、その、えっと、だけ。段々と僕の声は消えていく。

ふふっ。

笑った!?おかしそうに。その、一言―にも満たない微笑む声―。簡単に僕は魅了された。
女の子に笑い掛けられてどきどきしたのは中学校以来じゃないか……。ちょっと恥ずかしくなった。
それでも何を喋ったらいいのか分からず、相変わらず僕は、えー、だか、あー、なんて。

また剥がしに来たの?

ころんころん。
うっとりしてしまう。この声は、魔物だ。でも、魔物でいい。ああ駄目だ、参ってしまう、この声。

また剥がしたら、殺そうかな?

はっと。ぞっと、した。でも、うたた寝でもしたくなるような、ころんころん。
「あ!いや!!そんなつもりは!!」
思ったくせに。我ながら安直な奴だ。


569:じゅう。
06/05/17 20:06:06 Hyva5BY70
なぁに?

「え?」
何、とは?

何か用事?

…………。
惚れちゃいましたー、なんて。死直行、かな?剥がしたら殺す、とか言ってたし。正直に、
「えー、と。なんか、あー、また会って……みたくて、ですね」

ふふふっ。

うおわ!!駄目だこの声!!理性的になれない。耳に心地よすぎる。

幽霊を誑し込むの?

あ、やっぱり幽霊ですか。なんとなく、何故か、納得。
いやっ、誑し込む、なんて、つもりでは……なくて。

やらしい。

ころんころん。意地悪そうな声だ。あ、駄目だ。落ちた、僕。そして、落ちた男は、『押す』だけだ。


570:じゅういち。
06/05/17 20:06:41 Hyva5BY70
「あのっ!会ってもらえませんかっっっ!!!」
我ながら、ストレート一直線だ。もう、『押す』しか……、

いい、です、よ。

「へ―」
ころんころん、今度はリズムをつけて。すんなり。あんまり簡単に了承が得られた。僕は意外そうな顔で呆然と、
石碑の後ろで、何かが形作られていく。するする、と陰から抜け出てきたかのように。あっという間に、彼女が、現れた。
「はい、こんばんは」
長い髪を一撫で。真っ白な顔を薄暗闇に輝かせ。ふ、と微笑む、彼女。
呆然としてしまった。あの、歪めた顔。成程。真顔は、笑顔は、こんな、か。
「へ、」
恐ろしい。これは、怖い。恐怖だ。とんでもなく、美しい。目も、鼻も、口も、涼しげに澄んでいる。濁りが無い。そのくせ、愛嬌のある笑顔で。ふ、と微笑んだ。
「さっきから、へ、へ、へ、って……やっぱりやらしい」
言葉とは裏腹に、表情に嫌悪感は微塵も無い。
「あ、え、こんばんは……?」
僕も、御挨拶。


571:じゅうに。
06/05/17 20:07:15 Hyva5BY70
昔。稼動する工場。大勢の作業員。ごうごう、と機械の駆動する音。
所狭しと奔走する作業員。女性。美しい。大勢の男性作業員がちらちら窺っている。
視線にお構い無しに、額に汗を浮かべあっちにこっちに走り回る女性。
おっと。誰が仕舞い忘れたやら、作業用の小道具。彼女はそれに気付かず。ああ、足を掛けてしまった。
目の前には、

ごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごう

フル回転する鉄の塊。熱い熱い鉄板をもっと薄くするために、

ごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごう

彼女は身体のバランスを失って、頭から、

ごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごうごう

大騒ぎ。


572:じゅうさん。
06/05/17 20:07:46 Hyva5BY70
静かな工場。
お祓い?石碑が誕生。お札まで?
化けて出たのかねぇ、綺麗な方だったがねぇ、残念だな、これあの娘のワンピース、お供えしとけ―
いろいろとコメントが。

いつしか誰も工場に来なくなって。
廃工場。
ぽつん、と。
ずっと。

誰か――


573:じゅうよん。
06/05/17 20:08:24 Hyva5BY70
「あのぉ。では何故、お札を剥がしちゃいけないんですか?」
目の前で、微笑を絶やさない彼女―沙紀さん―に聞いてみた。
「お札が剥がされちゃうと、痛い。ずっとずっと溜め込んだ分、痛い」
ふふ、と微笑んで答える沙紀さん。あの凄まじい形相と泣き声は、痛みの蓄積、か……。
沙紀さんが事故死されて、100年近く?ごうごうごうごう―なんというか、ごつい機械。僕らが腰掛けている―に突っ込まされる痛みの、100年分。それが一気に、襲ってくる、と。
「それは……痛かったですね。ご、ごめんなさい……」
思わずしょぼん、としてしまう僕に沙紀さんは、ふ、と笑っているだけ。
「だから、また剥がしたら、ね?」
逆鱗に触れる、と。殺されちゃうわけか。
「で?」
え?
沙紀さんが突然話を進め、面食らう。
「わたしと会って?」
沙紀さんと、会って……?
「え、と?」
どういう意味だろう?沙紀さんは呆れたような顔。微笑んだままで。
……こんな美人さんが僕の隣に座っているのは、想定の範囲外だ。等と分析の真似事を、
「ふふ?」
意味深に微笑む沙紀さん。僕は頭に疑問符ばかり。
「耳貸して?」
「え?はぁ……」
二人きりで内緒話は意味もない気がする。が、しばらく耳元で沙紀さんの、

ころんころん。


574:じゅうご。
06/05/17 20:09:26 Hyva5BY70
「はっ!?!?」
「なぁに?いや?」
驚く僕の傍で、ふふ、と沙紀さんは変わらぬ微笑み。でも、頬は高潮している。
長い長い黒髪が、僕の肩に置いた沙紀さんの手にまで掛かっている。僕は、緊張した。
ぐ、と僕の肩を引き寄せ、沙紀さんが呟いた。
「生きてる女の子の方が、いい?」
ちょっと、これは……反則な微笑みだ。寂しげに寄り掛かってくるような微笑みじゃないか。
というか、まぁ、僕はもう、
『押す』だけ、ですから。止まりませんよ。
「いいえ。沙紀さんの方がいいです!」
馬鹿正直に自分は、と半ば呆れながら、僕は目を閉じた。
「そう。わたしの方がいいか……」
微かに微笑み混じりの声で―嬉しそうに―、じゃり、と砂を鳴らしながら立ち上がり、僕の頭を柔らかく抱え込んだ。

打ち捨てられた廃工場。錆だらけの機械の真ん中で。かつて余りに美しい女性を巻き込んだ鋼鉄の傍ら。
季節外れの涼しげなワンピース姿の女性が、
そっと男にキスをした。


575:おわり。
06/05/17 20:10:10 Hyva5BY70
目を開けてみれば、沙紀さんの顔。変わらず、ずっと微笑んでいる。
「怖い……」
「わたし、怖い?」
「ビビっちゃう位、美人さん、ってことです」
「『ビビッチャウ』?」
時代が違ったか。苦笑してしまう。
沙紀さんは訳が分からないというふうに、ふ、と笑って。す、と音も無く跪く。
「頑丈だけが取柄のはずが、子供も産めません……ですが、精一杯尽くしますので、どうぞよろしくお願いいたします」
三つ指突いて、頭を下げる。
こちらも恐縮してしまい、慌てて土下座。沙紀さんが、にこ、と笑った。朗らかな。
「う、ん。じゃ、石、運んでくださいな」
沙紀さんとその痛みを封じ込めている石。これを持って帰る。僕の部屋に。
「うん。お、結構重い、です……」
「ふふっ。しっかり」
沙紀さんはよろける僕の傍にピッタリくっ付いて。
僕らは、家に帰った。


576:おまけ。
06/05/17 20:11:36 Hyva5BY70
さすが、というか。
料理は、和食なら、なんでも作ってくれた。洋食は、あれだ、ビフテキとか?南蛮風?みたいな?
服のボタンでも解れていたら、甲斐甲斐しく縫い付けてくれた。その見事なこと。
部屋の掃除、溜まり込んだ洗濯まで片付けてくれた。時代、なのか。
いいよそんなことまで、なんて遠慮でもして自分でしようとしたら、
「胡坐かいてお茶でも飲んでて」
うむ、尽くしてくれる女性だ、等と。男尊女卑、なんてゼミで取り上げてたなぁ、なんて思いながら。
なんというか、良妻?ていうか、僕駄目人間?

ちなみに、友人―迫真の名演技―から貰った本、ビデオ、DVD、等。
「ふふ、ん」
謎の力がはたらいて炎上。炭も残らず消失。文字通り、消えた。ああ、なんて情けない声が出てしまったが。
「いらないでしょう、あんなもの」
そう言って、ごそごそ擦り寄ってくる沙紀さん―呼び捨てて、とは言われたが、まだ年上だし―を見ると、うんうんいらないいらない等と思う。

最近、沙紀さんは僕を名前で呼ばなくなった。
「今日は何がいいです?あなた」
割烹着を片手に、狭い台所に立つ彼女。その笑顔に、寂しさは微塵も無い。これでいい。

577:本当にあった怖い名無し
06/05/17 20:11:57 jaZdL3zl0
GJ乙

578:本当にあった怖い名無し
06/05/18 00:47:50 PxK0PveaO
ちょwwテラGJwww
なんつーか背筋がしっかりしてて嫌みがない感じでよかとです。
後日談までついてて痒いところへの対処もばっちり!
ごちそうさまですた。

579:つんでれぃ見習い・1
06/05/18 15:01:09 RiImwaBa0
今日、すげえかっこいい人みかけた。
あたしが高校に入学して通学路になった道で、桜の木を見上げてた。
その辺の男子みたくチャラチャラしてなくて、どっか線が細い感じで。

ラッキーなことに、学校への行き帰りには、必ず彼を見かけるようになった。
けど、あたし、そのうちに気がついてしまった。
彼は、生きてる人じゃなかった。

580:つんでれぃ見習い・2
06/05/18 15:01:57 RiImwaBa0
フツーの人には見えないようないろんなものが見えるあたしは、そのことについては友達にも言わずに過ごしてきた。
あんまり話すようなことじゃないなって思えて。
あたしの場合、ギュって感じで睨むと、その「いろんなもの」って見えなくなるんだ。
見ていて怖くなる相手だと、睨んだままでやりすごすわけ。
見えなくなるだけで、その対象がいなくなるわけじゃないんだけどね。

彼が、あたしが睨むと見えなくなることに気がついたとき、とても悲しかった。
あんなかっこいい人にカレシになってもらうなんて夢の夢…というよりも、そもそもカレシカノジョになれないような気がする。


581:本当にあった怖い名無し
06/05/18 15:03:10 RiImwaBa0
今日もいる。やっぱり睨むと見えなくなってしまう。
って、、目が合った?

「何でいつも俺のこと睨んでるんだ?」

ひゃあ、喋った!
あたし、言葉が出なかった。
すげえ緊張するというかどきどきするというかもうどうしていいか、何か喋らなきゃ、何か…。

「ち、だんまりかよ。 ざけんなコラ」
「…にっ睨んでなんかないもん! ふざけてもいないもん!!」

ぎゃー、そうじゃないだろあたし!
喧嘩ふっかけてどうすんの!

「いい度胸してるよな…」
あーあ、やっぱり怒らせたよ、あたしのバカ。
「俺が幽霊なのわかってやってんのか?」
「バーカ幽霊なんて別にこわくなんかないよーだ!」
…泥沼。バカはあたしじゃん。
いたたまれなくなったあたしは、その場から走り去った。

582:つんでれぃ見習い・4 581は3です
06/05/18 15:04:24 RiImwaBa0
「ふーん、いい部屋じゃん」
ひゃ?
あたしの部屋に、あの人が立ってる。
「な、なによ人の部屋に勝手にあがりこんで、バッカじゃない!」
憎まれ口しか出てこない自分の口が恨めしい。
そりゃ、仲良くなってもしょうがないかもだけど、喧嘩するのはもっとしょうがないじゃんよ。
アコガレの人なのにさ(幽霊だけど)。
「あのな、俺としても、毎回睨まれるのは不愉快なわけだ。この際理由言わなくてもいいから、睨むのはやめろ。祟るぞ」
彼はそう言うと、しゅうっと消えてしまった。
部屋に一人残ったあたしは泣きそうな顔をしているんだと思う。なにやってるんだろう、あたし。

583:つんでれぃ見習い・5
06/05/18 15:05:14 RiImwaBa0
「睨むなって言ったろ、これで何度目だ」
「睨んでないもん。いちいちつっかかってこないでよ、うるさいなぁ幽霊のくせに」
「お前俺の言ったこと覚えてないんじゃねえの? マジで祟られたいのかよ」
「うるさいなぁ、あんたのことなんて怖くないもん。バーカバーカバーーカ」
あたし、もうダメだ。こんな調子で止まらなくなってしまった。
途端に、すうっと空気が冷えて、彼の顔色がより青く見えた。
祟られるのも自業自得ってやつよね。幽霊に喧嘩売ってるんだし。
「怖がらせようとしてもムダなんだから! やれるもんならやってみやがれ、バーカ」
彼は凍りついたような表情を浮かべ、無言で、あたしのほうに手を伸ばす。
さよならお父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃん友達。
あたしは、目を閉じて、そのときを待った。

584:つんでれぃ見習い・6
06/05/18 15:06:26 RiImwaBa0
ひんやりとやわらかいものが唇に触れた。
閉じていた目を開くと、目の前に彼の顔があった。
もう一度唇に、さっきと同じ感触。
キスされたんだ。
あたしは真っ赤になって彼から離れた。
「ひどいよ、祟るんじゃあなかったの?」
涙が出てくる。
「人の弱みにつけこんで…どうせあたしはあなたを好きだよ、バカー!」
そこまで言うともう涙が止まらなくて、あたしはわんわん泣いた。

585:つんでれぃ見習い・おしまい
06/05/18 15:07:15 RiImwaBa0
結局あたしは祟られることはなかった。
そのかわりに、あたしだけに触れられる、大切な彼氏ができた。
たまにとんでもないタイミングでエロに走るのが玉に瑕だけど、それ以外はさして不満もない。
「俺幽霊じゃん。それは問題ないのか?」
…うん、問題ない。大好きだよ。

586:本当にあった怖い名無し
06/05/18 15:42:56 OwiTQjmT0
>>559-576
>>579-585
GJ!GJ!!
おいしゅうございました。

587:本当にあった怖い名無し
06/05/18 16:07:45 K92oWmik0
>>579-585
GJ!!生きてる女の子がツンデレか。新しい視点だな。

588:俺と小娘・小娘視点編①
06/05/18 16:43:46 tEzDcpymO
私の名前は鈴木良美。
 
年齢は14歳、極々ふつーな中学生
…だった。
数日前までは。
 
今の私は俗に言う幽霊ってヤツだ。
トラックにひき逃げされて死んじゃったらしい。
 
当初は自分が死んだのに気が付かず随分と戸惑ったけど
我が家で行なわれた他ならぬ自分の葬式を見て自分が死んでいる事を実感した。
 
そう、私は死んで、幽霊になった。
 
道理で誰も私を見ず、いくら呼び掛けても返事もしてくれない訳だ。
 
これからどうしよう?
 
成仏したらいいのかな?
でもやり方なんて分かんない。
教わりたくてもみんな私をシカトするし。
仕方ないか…だって私は幽霊なんだもん。
でもやっぱりちょっと、悲しい。
一人は…淋しい。
私はぼんやりそんな事を考えながらふらふらしていた。


589:俺と小娘・小娘視点編②
06/05/18 16:45:39 tEzDcpymO
「浮遊霊ハケーΣ(゚∀゚)―ッ!Getだぜー!食らいやがれ、虚数素子ビィィーム!びびびび」
「…はぁ?」
 
目の前には見るからに怪しげな中年オヤシが。
これまた怪しげな事を叫んでいる。
 
ヤバいよ、ヤバい人だよ。
て、私に言ってるのかな?もしかして見えてるの?
 
「おや?なんか見覚えあると思ったらオマイ、斜向かいの鈴木さんちの末娘じゃん?」
 
斜向かい?…あぁ、お母さんが『絶対あそこの人に近寄っちゃだめよ!』ってよく言ってたっけ…
 
「よーし、小娘ッ!
喜んでいいぞ!
貴様を栄えあるツンデ霊探知機に任ずる!
ジーク、ツンデ!」
「話がみえないんだけど?ツンデ霊?何それ?」
 
「ジーザス!ツンデ霊も知らないなんて!ゆとり教育の弊害を目のあたりにした気分だぜ?」
奴はアメリカナイズに大仰に手を広げ肩をすくめてポーズをとる。
うわ、何かムカつく。


590:俺と小娘・小娘視点編③
06/05/18 16:47:17 tEzDcpymO
「あんた、頭おかしいんじゃない?」
 
「黙れアホの子、いいか?ツンデ霊サマは何よりも優先される…
食事よりも、水よりも、酸素よりも、だッ!」
逆ギレされた。
つまり、そのツンデ霊?とかいうのを探すのに協力しろと言いたいらしい。
 
「大体貴様に拒否権なぞ無い!
この俺の手に虚数素子装置、通信販売で税込\498000!!がある限りなぁぁ!」
 
いや、騙されてる。だってただのドライヤーだよ、それ。 
でも…黙っていよう。
成仏出来ないまま一人でいるよりも誰かと一緒に居れるならその方がいい。
 
それにコイツ、ちょっとキモいけどにぎやかで楽しいし。
 
「よし!行くぞ!
そのアホ毛でツンデ霊を探知するんだ!」
「アホ毛言うなぁ!」
 
  良かった。
 これで私は
もう一人じゃないんだ。

【続いたりします】


591:本当にあった怖い名無し
06/05/19 08:51:06 k/PLEiHo0
>588-560
笑いのつぼがマッチしたよ!w
GJ!
続きまだー?

592:本当にあった怖い名無し
06/05/19 10:08:50 o3/BBPvC0
義妹編以来の正統派?ツンデ霊の匂いがするよジークツンデ!

593:本当にあった怖い名無し
06/05/19 21:02:38 Lsja8IToO
おまいら、最近のツンデ霊はすごいですね。


サキさん大好きだwwうぇっwwww

594:本当にあった怖い名無し
06/05/19 23:28:22 xM5aHtfrO
しかし良美でツンデレとくるとどうしてもypを思い出してしまう

595:本当にあった怖い名無し
06/05/20 01:50:43 0arHxHEO0
ツンデ霊 の検索結果 約 19,700 件中 1 - 10 件目 (0.05 秒)

どんどん増えてくなー

596:俺と小娘・小娘視点編④
06/05/20 17:54:27 a+4CykZWO
面白くない…
とても面白くない。
 
この男、こんな美少女がいるってのにほったらかしにしてエビフライやマグロの刺身にハァハァ興奮してやがる。
 
ハッキリ言おう、コイツはダメ人間だ。
まず32歳、独身、無職。
この時点すでリーチだが
ツンデ霊とかいうのに熱中し毎日学校やら安アパートやらを片栗粉片手に徘徊している。
 
おまけに全然私に構ってくれないし。
 
このままじゃダメだ。
私が屑人間街道まっしぐらなコイツを更正させてあげないと!

第一、私はエビフライより魅力がないって―の?
そりゃ、胸はあまり無いけどさ…
せ、成長期!
そう、成長期なんだからッ!
 
とにかく!何としてでもコイツの目を覚まさせてやる!
そうと決めたらまずは敵を知らないと。


597:俺と小娘・小娘視点編⑤
06/05/20 17:57:25 a+4CykZWO
『ツンデ霊』ってのをヤツのパソコンで調べてみた。
 
ふむふむ…ツンツンしてて…デレデレね?で、霊っと。
……腐ってるなぁ
しかし意外と認知されてるみたい。
ヒット数もすごいし。
 
マイガッ!ゆとり教育の弊害を目のあたりにした気分だわ!!
 
いけない、あのバカの口癖が移った。
 
しかし、実際かなりマズイ。
この近辺の霊はかなりタチが悪いのが多いし…アイツになまじ霊感があるってのが問題だ。
迂闊に近づくとチャンネルが繋がってとり殺されてしまう。
 
早く私が何とかしないと…
 
ツンデ霊を諦めさせるのが一番良い方法かな?
そうしたらヤツも社会復帰出来るし
ヤバい場所を徘徊することも無くなるだろうし…
私に構ってくれるかも!
 
方針は決まった、あとは作戦を練らないと。


598:俺と小娘・小娘視点編⑥
06/05/20 17:59:48 a+4CykZWO
本物の悪霊に近付ける訳にはいかないので、ヤラセでちょっと危険なメにあってもらう
そうすればツンデ霊に幻滅するだろう
 

準備はバッチリ!
幸い協力者も見つかった。
祠にいた祟り神様に事情を話したところ快く引き受けてくれた。
 
彼女はいいひとだ。ぶっちゃけ見た目ゾンビだけど。
 
と言うわけで次の日、いよいよ誘導。
しかし…あいも変わらずコイツはハイテンションだ。
そのエネルギーがあれば何処ででも雇ってくれるだろうに。
「…平日の真っ昼間からこんな事してないで働けよ」
「うるせぇな、探知機。いいから働け」
 
ダメだ、やはりツンデ霊を諦めさせないと真人間への道は開けない。
 


599:俺と小娘・小娘視点編⑦
06/05/20 18:03:39 a+4CykZWO
でもコイツ、私の事どう思ってるのかな…?
ちょっとサグリいれてみるか。
「つーか、私、成仏したいんだけど」
 
も、もしかしたら引き止めてくれたりしたりして?
少しどきどき
 
「ハハハ、君の成仏なんてツンデ霊サマに比べたら塵芥程の価値もないヨ」
 
「…死ね!キチガイ野郎!」
傷ついた、今のは傷ついた。
人の気も知らないで好き勝手な事をぬかすダメ人間め、祟り神様にキツくお仕置きしてもらわなくちゃ!
 
(こちらスネーク、ターゲットを連行する、八割方殺っちゃって構わないオーバー)
(こちらメタルギア、了解した。これより作戦実行フェーズに移行する)
 
廃墟で待ち伏せてる祟り神様と念話。
さてうまくいくといいけど…


600:俺と小娘・小娘視点編⑧
06/05/20 18:06:02 a+4CykZWO
 
「チッ…あと少しだったのに」
残念ながら作戦は失敗。
あと少しで逃げられちゃった。
「ふざけんな!このズベタ!そのツインテール引っこぬくぞ!」
「あーはいはい、次はちゃんと探すわよ、そうちゃんとしたのを…ね」
やはり懲りてないか…
 
まぁいいや、次はすごいのを用意してツンデ霊の幻想を粉々にしてあげるわ。
「その意気だ!アホ毛!次こそは!」
 
ヤツは能天気に盛り上がっている。
「そう…次こそは…ウフフフ」
 
そう、次こそは
あなたを
真人間にしてあげる
そしたら…
 
ちょっとだけ、ちょっとだけなら
ら、らぶらぶになってあげなくもないわよ?


601:本当にあった怖い名無し
06/05/20 18:20:34 hVauMfmc0
小娘さんに告ぐ。そんな「俺」なんてやめて別のにしとけ。

ってのはともかく続き早く頼む。む、むりはしなくていいんだからねっ!

602:本当にあった怖い名無し
06/05/20 22:20:57 TXdiJ9Ob0
祟り神様を貶めるな・・・・

603:本当にあった怖い名無し
06/05/20 23:01:49 WJR0EJOPO
なんでスネークとメタルギアが通信してんだwww

604:本当にあった怖い名無し
06/05/20 23:16:22 WJhsBt/2O
まぁまぁ、あのゾンビが祟り神様とは一言もでていないんだから
祟り神様が連れてきた知り合いのゾンビだってことにしとけ

605:ゾンビのおねーさん・番外編
06/05/21 00:19:32 s/lmbS9W0
屍「眼球が腐っちゃったの。替えをお願いね、魔王」
魔「え?まだ大丈夫では」
屍「腐ったの」
魔「は、はい。こちらの灰緑色が最近は人気ですが」
屍「そう。それにするわ」
魔「…またあの小僧とスライム狩りですか」
屍「根性のないスライムを鍛えてやってるのよ」
魔「それはそうと、勇者どもがラストダンジョンに到着したとか」
屍「髪はもう少し明るい色のほうがいいかしら」
魔「あの、勇者どもがゴフゥッ!?」
屍「テメーのケツくらいテメーで拭けボケ!髪は・これで・いいのか・ああん?」
魔「よ…よろしい…かと」
屍「そう」
魔「あ、あの、姐さん、殴らないで聞いていただけますかね?」
屍「内容によるわね」
魔「…恋もいいですが、我が魔王軍の戦況は芳しくなくて」
屍「恋?」
魔「はい」
屍「誰が?」
魔「姐さんが」
屍「誰に?」
魔「小僧に」
屍「私が…?」
魔「恋愛などいつでもできます。今は姐さんに陣頭指揮を」
屍「…………これが…恋!!!」
魔「ご、ご自分でお気付きでなかったので?」
屍「うふふ、グッジョブよ魔王!そうとわかれば!」
魔「は、はい?」
屍「サキュバスのカラダとナーガの舌が要るわ。いますぐブチ殺して用意なさい!」
魔「え?あ、あの、魔王軍は戦力が不足してゲフぅっっ!?」
屍「待っててね、ボウヤ。うふふふふ」

606:本当にあった怖い名無し
06/05/21 17:42:49 VEVjsBUeO
みんなGJ

でもナーガの舌ってなにさ?wwwww

607:本当にあった怖い名無し
06/05/21 19:23:52 bhjBU9AYO
ナーガ(Naga)
カテゴリ:悪竜
地域:インド
元々は民間信仰において地下世界を司る蛇の神であり、七つのコブラの頭を持ち、その顎には美しい宝石がきらめき、その光が地下世界と信者の闇を照らし出すとされている。
ナーガは神鳥ガルダが落としたアムリタ、つまり神酒ソーマを舐めた為に不死の力を得ている。元来、蛇の神は水と結びつけられ信仰されてきた。ナーガも雲を呼び、雨を降らす魔力を持つとされる。
古い民間信仰から派生した神であった為、新しい宗教である仏教やヒンドゥー教では悪魔とされた。
しかし、仏教では他の神々とともに仏道に帰依し、八部衆として曼陀羅に加えられた。
ヒンドゥー教においても、神々の飲み物であるソーマをつくる儀式の乳海攪拌(ニュウカイカクハン)において体内の毒を吐き出し、その結果清められて神となり、シヴァ神のベルトとして彼に付き従い、悪魔を捕らえる為の縄として活躍することになる。

山北 篤/佐藤 俊之 監修 「悪魔事典」(新紀元社)より。

ゲームなんかで人間の女性の姿があてられたりするけど、元々は七つ頭のコブラだよ。

608:本当にあった怖い名無し
06/05/21 20:11:12 1VtKzncj0
>>607
ナーガはは拘束具として使用するわけだ…
舌だけ?

609:本当にあった怖い名無し
06/05/21 20:54:40 mw1Vi0Lh0


610:本当にあった怖い名無し
06/05/21 21:53:45 VGIXGi5l0
『悋気の火の玉』は、演じ様によっては立派なツンデ霊になるとみた。
さておき、流行に乗って中途半端にギャグに手を出そうとしたのが間違いだった。

IDをNG指定推奨。10レス予定。反省はしていない。


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