06/03/09 22:35:33 wvSpW4630
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オレはなんとなくその理由がわかっていた。
一応この辺は地元で、近くには民家がない事は知っている。
そして、彼女の服と『眠れない』『出てきた』という言葉が引っかかっていた。
「私はいいの、一人で帰れるから・・」
彼女は俯きながら答えた。
「そうか・・気をつけてな」
オレは車のドアを開けてから問いかける。
「また、ここに来てもいいかな?」
彼女は驚いたように顔を上げた。
「なっ、なにばかなこと言ってるのよ。
わたしもヒマじゃないんだし、いつ来るかわからないあなたを
待ってるワケないじゃない」
オレは間髪いれずに返答する。
「じゃ、今週の土曜。夜8時頃来るから」
言い終わると同時に車のエンジンを掛ける。
「ちょ、ちょっと、勝手に決めないでよ!
わたしは待つとは言ってない・・待っててなんかあげないんだから!」
彼女は言葉とは裏腹に笑っていた。
オレは笑みを返し手を振ると車を発進させる。
バックミラーで確認した彼女はどこか透けて見えた。
「さて、安全運転っと」
そしてオレは遅い帰路についた。