06/03/02 20:52:05 WPnMKUHg0
どうやって・・・。僕は必死に思考を巡らしながら、だが姉を見つめ返した。
目をそらさない。それは最低条件だったから。
「どう・・・やって?」
姉の頬が心なしか紅潮し、声はかすれていた。
「ひざまづいて。僕に」
「・・・はい」
姉はそのまま僕にひざまづいた。うつむいた顔からは表情は伺えない。
「姉さんは僕に・・・忠誠を誓う最初の一人になるんだ」
声が震えていたが、言い切った。僕は、華族の名門の跡取り。
姉がゆっくりと顔をあげる。
「・・・まだまだ。そんなことでは忠誠は誓えないわね」
初めて見下ろす姉の顔。紅潮し、桜色の頬にはにかんだ笑みがかすかに漂う。
「でも・・・私はあなたの最初の一人になるはずよ」
ひざまづく姉の肩に手を置く。指先は震えていたが、姉が掌を重ねた時震えは
溶けるように、消えた。
「そうだね」
「いつかくるのかしら?楽しみにしているわ」
静寂の中、僕と姉はただ見つめあった。