06/03/01 01:57:31 78oLPrCk0
終わった。
俺は生徒会だから当然卒業式にはそれなりの立場で関わる必要があった。
司会を俺は担当していたがなんだ?感動も何もない。
ま、当事者の3年でもなければ送辞を読むわけでもない。会計なんだからしょうがない。
6クラス240人、退学者もいれば留年者もいるわけだ。俺には関係ないけどな。
何事にも中途半端に位置する俺は他の奴等と一緒に3年が座っていたパイプ椅子を片付ける。
めんどくさい。3年も教室で使っている椅子使えよ。
5組の一番最後、40人目の椅子を片付けようとした。
「すいません、どいてくれますか?」
あきれた。まだ感傷に浸ってる奴がいるのか。邪魔だ。
彼女は悲しそうな目で式台を見つめていた。5のマークの組章がきらりと光る。
「あの・・・・すいません」
「・・・・チィ」
彼女は舌打ちをすると体育館の隅に行った。糞アマめ。式台を見る目と俺を見る目が明らかに違う。
片付けが終わるといつものように軽く反省会。顧問は同じことしか言わない。
"来年はお前らも" そんなこと入学した時からわかっている。
反省会が終わり体育館を出ようとした。隅っこに目を向けると彼女はまだいた。
おい、もうどこのクラスでも最後のHRやってるんだぞ。すこしは現実を見ろ。別れだ。
ここまでくると余計なお世話の一つや二つしたくなる。