なにそのツンデ霊★2人目at OCCULT
なにそのツンデ霊★2人目 - 暇つぶし2ch600:本当にあった怖い名無し
06/02/26 04:15:08 ZcJ+UwjoO
( ´∀`)σ)∀`)ツンツン
( ´∀`)σ)Д`*)デレデレ

601:本当にあった怖い名無し
06/02/26 08:03:41 8P5W5jH8O
10人に回さないと祝ってやる!祝って祝って祝いまくってやるんだからね!
こんなチェンメならホシス…
(´・ω・) ナ!タマネギ!

602:本当にあった怖い名無し
06/02/26 08:52:57 GImJprCkO
お前それはタマネギに書けといってるのかw

603:2-1
06/02/26 09:07:57 OKLjIQ2w0
「・・・また血が流れてるね」
「そうね」

あたしには自傷癖があった。自分を傷つけて血を流し、安心する。
痛みと恐怖が、安心になった。
そして、またあいつが現れる。悪霊ってやつだろう。
あたしが傷をつけ、血を流すと現れる。

「舐めてほしい?」
同年代の女。いつもあたしを見下すような目をしていた。流れる血を
舐める。傷にkissをする。
「好きにすれば」

「ふん・・・・ちゅ・・・・」
「んっ・・・・・」

誰もいない部屋。誰からも愛されず必要とされないあたし。
流れる赤い血に舌をのばし、傷に唇を這わすこいつは私の死神か。


「甘い」
「・・・・そう?」
「血は・・・止まったわ」
「・・・・そう」



604:2-2
06/02/26 09:08:30 OKLjIQ2w0
ワンルームの狭い部屋の中、沈黙だけが漂う。
屈み込んだまま、あたしを見つめる・・・悪霊。
その顔に表情はなく、唇には血がついている。

「血は、とまったわ」
「・・・ふん。あ、ありがとうとでもいわれたいの?」
「いいたいの?」

白い肌、青みががった瞳。胸元にあるその顔は日本人とは思えず、
あたしから見ても美しい。
「・・・いわない」
「そう」

そのまま、あたしたちは何もいわず見つめあった。
本当は知っている。こいつあたしが、傷をつけると現れる。
血を流すと現れる。血を止め、痛みがひくまで消えないって事を。

「何考えてるか、あてようか?」
青みがかった瞳が、あたしの心の奥まで見透かすように輝いた。
「・・・いい」
「そう?」

あたしはきっとまた自傷する。こいつが・・・現れるから

605:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 09:38:02 mrxrO+tu0
>>598さん 乙です。耽美型は私もいつかチャレンジしたいです。

さて、それでは私も投下です。


606:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 09:39:30 mrxrO+tu0
「この手紙を受け取った方は必ず100人にメールを回してください」

おお、懐かしいの来たよ、これ。
しかも、見ろよおい。メールなのに、手紙ってどうなん? お、他の文章も破綻してるなぁ。
しっかし、迷惑なものだ。最後の部分はやはりお決まりの…の?

「メールを止めないでください。もし止めたらあなを祝います」

…おいおい。何だコリャ。ぷふー(笑)。こいつ駄目だ。駄目駄目だ。
俺はひとしきり大爆笑したあと、あっさりそれをごみ箱にドロップした。

607:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 09:40:08 mrxrO+tu0
夜。ドアが乱暴に開く音で目が覚めた。な、なんだ?

はっと気が付くと部屋に女がいた。手には包丁が月の光を受け鈍く輝いている。

「なぜ? メールを止めるの?」な、な、な、なんだこれは! 俺は動転して反応できない。
「あなたには私の苦しみがわからないのね。あなたはメールを最後まで読んだんでしょう?」俺はこくこくとうなずく。

「死んでよ」い、いやだ。こんなわけのわからない死に方はいやだ。
「メールを止めたら死ぬって書いたわよね?」…いや、確か書いてませんでした。

「…何いってるのかしら。いまさら苦し紛れの言い逃れ?無駄よ」
女はすごんでいるのだが…あれだ。土壇場の人間ってすげー。今、俺、超冷静。
俺はふとんから起き上がってパソコンをつけた。ごみ箱にはまだ、メールがいきていた。開いて見せてあげる。

文章の破綻部分を指摘するたび女は顔を赤らめ「ふ、ふん、わ、わざとよ」とかいっていた。
よく見ると、この女、可愛いかも。
「…ふ、ふん。それがどうしたのよ。でもでも最後の部分はちゃんと警告してるじゃない」来たーw
「最後の部分読むぞ。『もしとめたら、あな を いわいます』じゃねぇか」あなって何だよ(笑)

「…」女は無言だ。肝心な部分を間違えたんだから無理も無いだろう。

「…合ってるわよ」…へ?

「私はあなたを殺して、新しい墓穴を祝ってやるつもりなんだから」と微笑んだ。

608:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:04:35 ysLUovVn0
>>606-607
GJ!
でも結局殺されちゃうんだよね(´・ω・`)
違ったらスマソ

609:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:09:13 OKLjIQ2w0
>>606-607
意外やブラックなオチw
GJ!

610:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:10:58 IIINoUlFO
>>597
チェンメ作る香具師ってだいたいが真性DQNだから。

>たまねぎ
イイなコレ。こういうチェンメ来ないかな。

611:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 10:20:15 mrxrO+tu0
あはは・・・、実はデレ部分を間違えて大幅に消しちゃいまして。
打ち込みが間に合いませんでした:;


>>607 続き

結局俺は殺されませんでした。
怪訝な表情を浮かべる男に、女は

「生かしてあげる。べ、別に許したわけじゃないからね。ぶ、文章を一緒に考えて欲しいだけなんだから」

といって、出て行った。

それからは、毎晩、女のメールを添削している。

612:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:32:36 8P5W5jH8O
>タマネギ氏
グハッッッwwwなんかリクエストしたみたいな形になってしまってるしorz
スマソ!!そして激しくgj!!!&夢をありがとう!

613:本当にあった怖い名無し
06/02/26 12:09:40 ysLUovVn0
>>611

そういうことだったのか。GJ!

614:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/26 14:21:26 OKLjIQ2w0
ハムポンは砂浴びをするように、僕はお風呂に入る。
狭いながらも風呂はついている。
ちょっと郊外だったし、訳あり物件で安かったのもあるけれど。

頭を洗うのは僕はヘタだった。シャンプーハットが実家にはある。
いつも目が開けられなくなってしまうのだ。
「あ・・・あれ。手桶・・・」
「はい」
「あ、ありがとう」

・・・・ん?
深く考えるのはやめておこう。いろいろと、あれだ。

「ふぃー・・・」
湯船につかると一日の疲れが吹っ飛ぶ気がする。いつものように誰もいない台所から
レイポンにいわれるままに、買い揃えた食材を調理する音が・・・・しない。

深く考えるのはやめておこう。いろいろと・・あれだ。
「あー・・・そろそろでようかなぁっっ」

・・・・ガタタッッ   トントン・・・トントン・・・
台所からいつものように誰もいないのに、調理の音が聞こえてきた。
「あーいい湯だった」
「お、溺れないか監視してたんだからねっ」

こちらの配慮はお構いなしだった。


615:本当にあった怖い名無し
06/02/26 14:24:25 GImJprCkO
添削バロスwwwwwwwwww

616:本当にあった怖い名無し
06/02/27 03:00:13 iSQGZJc9O
あんたたちの考えた話なんておもしろおかしくもないんだから!全部読んだけど…

617:本当にあった怖い名無し
06/02/27 14:46:54 ZifbpkeIO
>>616
「おもしろおかしくもないんだから!」の使い方が変。
「おもしろくもなんともないんだから!」とかきたかったのか?

618:本当にあった怖い名無し
06/02/27 14:54:44 26GRh9180
全部みたっ
たまねぎさんの成長が微笑ましい(笑
ポン介さんは、名無しのほうがいいかな。

みんなすごいっ

619:2-1
06/02/27 21:12:27 hLr1AYDB0
正確には僕はこの家柄を継ぐ存在ではなかった。

格式高い家柄というものは、何かと面倒が多い。
産まれる時、親は選べないというが・・・家柄もそうなんだ。
平安から続く家柄だかなんだか知らないが、僕は落ちこぼれであり
本来ならば、外に出されていた存在らしい。本来ならば

「・・・もう一度。顎をあげて。早くなさい」
「・・・・~~っ」
ナイフで切り取り、フォークで口に運ぶ。
簡単なことだ。テーブルマナーくらいできて当たり前だった。

「ダメよ。もう一度。口で迎えにいかないっ」
フォークを持つ手を白い指が押さえ、口に運ぶのを止めた。
「・・・早くなさい。もう一度」

すっかり料理は冷め、もうゴムのようになったステーキにナイフを入れる。
横に立ち、僕を見下ろす目線は冷ややかで一挙手一投足も見逃さない。
「音を立てないっ」
「む、無理だよ姉さんっ僕には無理だっ」
「・・・・もう一度といったのよ」

姉は肩に手を回し、屈み込んで一言づつかんで含むようにいった。



620:2-2
06/02/27 21:15:26 hLr1AYDB0
カチャカチャ・・・
冷徹なまなざしに見据えられ、僕は肉を切り結び今までの作法を
頭に描きながら口に運ぶ。

「・・・・そうよ」
うなずきながらほっとしたような響きと共に姉がいった。
「いい。こうして・・・手を任せて」
僕の手に手を添え、姉が所作を行う。
自分の手じゃないかのように肉は切られ、口元に運ばれた。

「姉さんがいれば・・・僕は・・・」
「そうね。でも今は貴方が当主にならなきゃいけないの。わかるわね」

姉の死には不振な点が多かった。決して語られる事はないが、自殺であったと。

そしてそれは僕が里子に出されると知らされた夜のことだった。
両親は姉のその立ち振る舞いに、存在に次期党首の期待をかけていただけに
落胆は大きかった。
そして、残された僕への失望もまた、大きかった。

姉は今、こうして僕を教育している。姉は何もいわないが、僕は期待に答えなければ
ならないだろう。姉が残したこの道を進むことで。

「じゃあもう一度してみなさい」
「・・・・はい」
「そう。いい子ね」

621:本当にあった怖い名無し
06/02/27 21:57:19 5LR+iuU9O
>>619-620
とりあえず続きを要求させてもらおうか ウホッ

622:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/27 22:22:42 mWJAc7CR0
>619-620
ああ、ほんのり怖くていいなあ。耽美だ。

623:本当にあった怖い名無し
06/02/27 23:33:41 +F85Aet9O
>>619

( ^ω^)続き期待してるお

624:本当にあった怖い名無し
06/02/28 00:09:10 NRcvGy160
>>619
姉ってのは、また変化球できたな。
期待してるから続きを早く~。

625:何が書きたかったのか自分でもわからねぇ 1/1
06/02/28 01:46:27 1scErAP00

 …『クズ』って言われてるようなヤツは、大きく分けて二種類。
 身分や出身で差別される、なす術のないやつと。 やることなすこと全て、どうしようもないやつと。
 ――――俺はその、典型的な後者だった。

 頭が良いってわけじゃない。 運動だってうまくもない。
 顔だって良くもない。 性格がいいとは到底思えない。
 ……努力さえ、したことがない。 まさに、クズそのものだ。

 そんなヤツが周りから疎まれるのは、もちろん当然。
 このたび、もう愛想つかされ、一人暮らしはじめましたー、ってトコだ。
「っはは、はは、はははははは」
 自分があまりに滑稽で、笑いが止まらない。

 ああ、ほんと。 何から何まで、もう面倒だ。
 メシも、最後に、いつ、なにを食ったのか。 それすら思い出せない。
 ……夢でも、見よう。 起きた時には、何もかも終わっていればいい。 ベッドに倒れこむ。


「…寝れない」
 さっきから、壁からバシバシと音が鳴っている。
「ほっといてくれよ。 俺を苦しめて、楽しいか?」
 壁に向けて、かすれた声で呟いた。 …無意味だって、自分でも分かってる。
 どうせ鳴り止まない。 俺が寝ようとすると、すぐこれだ。

 何ひとつ、することがない。
 …だから、少しでも渇きを潤すために水を飲む。
 ベッドに倒れこむと、また壁が鳴きはじめた。

「……どうしようもないようなヤツを、生かすなよ。 これじゃ、死ねねぇじゃねぇかよ。
  生きてることが、どうしようもなく苦しいんだよ。 …おまえには、分からないかも知れないけどな」
 ―――壁に向けて。 かすれた声で、呟いた。

626:本当にあった怖い名無し
06/02/28 02:47:51 qvICGrtI0
一年ぶりに訪れたそこは、まるで事故などなかったかのように
すっかり綺麗に修繕されていた
ガードレールに腰掛けて、タバコをふかせる

「久しぶりね」

どこかで聞いたような懐かしい声
まさかと思いつつ、しかし振り向いてしまえばすべてなかったことになってしまいそうで、
身体は凍りついたように動かない

「今日はお前に渡すものがあるんだ」

そう言って懐から取り出したのは、一年前に渡せなかったあの指輪

「約束の指輪だよ」
「……指輪? なにそれ」
「なにそれって……約束したじゃないか」
「なに言ってるかわかんないんだけど」
「だからお前が欲しがってたやつだよ」
「知らない、誰かと間違えてんじゃないの、っていうか誰と間違えてんの?」
「なに言ってんだよ沙希!」
「沙希って誰よ! 祐一、あんた他に女がいたの!」
「なっ、お前こそ祐一って誰だよ!」

とうとう我慢できなくなって振り向いた俺の目の前には……

「…………」
「…………」
「えっと、ウ、ウラメシヤ~……みたいな?」

指輪を沙希に、花束は彼女に供え、俺は帰途についた


627:ジャクリーン・ハンマーは食いしん坊属性
06/02/28 07:27:22 Do+f850rO
あれから数日後、バイトから帰宅するとあの金髪女ぎソファにふんぞり返って葉巻をふかしていた。
 
「馬鹿なッ!確かに射殺されたハズ!!」
「胸にな、鉄板を埋めこんであるのだ。心臓をガードする為に」
平然と答える金髪女。
 
「それはそうと、私は非常に空腹だ。何か食料をよこせ」
葉巻を握りこんでもみ消しながら言う。
「いや、何もないんだけど…」
 
「ならお前をとって喰う」
 
「戸棚にドラ焼きがございます!」
 
「少ない。もっとマシなものはないのか?」
ドラ焼きを一口で頬張りながら問う金髪女。
「金が無いんスよ」
「…金か。少し待ってろ」
 
窓から外に躍り出て、数十分後
「金だ、早く何か買ってこい」
帰るなりたくさんの財布を俺に放り投げる。
 
「……いや、なんでこの財布どれも血塗れなんスか?」
 
「余計な詮索はやめとけ。
命が惜しければ、な」
 
うちの周辺で金品を強奪された撲殺死体が大量に見つかり大騒ぎになりました。


628:本当にあった怖い名無し
06/02/28 08:47:32 k7K5Gri6O
>>619‐620
台詞だけ見るとすごいエロいなw
エロ展開きぼん

629:本当にあった怖い名無し
06/02/28 13:39:04 qykyGHQS0
>>620
なんか(゚∀゚)イイ!

630:本当にあった怖い名無し
06/02/28 13:57:46 ZUrYol8EO
>>627
どこがツンデレ?どこが霊?
話としてもつまらないし。何がしたいの?
二度と来ないでね。

631:本当にあった怖い名無し
06/02/28 14:03:53 C2WdKdQHO
>>630
上げてまで言うことじゃないよな、要するに釣りか。

632:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/28 14:57:16 auPOj4eu0
―私を見て 私はココにいる ココよ コ コ… 
―ほら、あ な た の う し ろ

僕の学校の踊り場には鏡がある。ただし、この西棟の階段の3‐4階部分にだけだ。
こういったものにはお決まりの怪談がある。曰く、異次元の扉だの、悪魔の通路だの。
僕はそういったことを信じていなかった。思春期の浮かれた女たちの他愛もないうわさだと。

その日は疲れていた。生徒会室でうとうとしていた。気がついたら夜だった。
僕は荷物をまとめ、近道のために西棟から急いで帰ろうとした。
例の鏡の前を通ったときだ。
呼ばれた気がした。つ…と鏡に視線を移す。僕がぼんやり立っているだけだ。
気のせいか…。…!?いや、気のせいじゃない。一人で映っていなければいけないはずの鏡に、女がいた。
鏡の端っこにひざを抱えて上目遣いで僕を見つめている。
冷や汗が一気に噴き出した。恐る恐る、鏡から視線をはずし、横を見る。

何もない。

女は、鏡の中にだけいる。

633:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/28 14:57:53 auPOj4eu0
女は立ち上がり鏡の中の僕の真横に来た。もちろん、現実の僕の横には誰もいない。うごけない。
そっと女は僕の手に触れる。手を僕の体に這わせていく。腕から胸、胸から顔。
現実の僕にもその感触はある。体が、金縛りにあったようにうごかない。
女はにぃっと笑うとささやいた。
「こわいの…?」こ、こわい。声はでず、思考で答える。
「臆病者…ね。こちらに来る?」と僕の手をまた、握りなおした。冷たくひやりとした感触。
鏡の女はその手を自分の胸に押し付ける。なんだろう、怖いのになんだか悲しい気分になった。
女の瞳には、怪しい輝きと寂しさが同居していた。この子…。
「さびしいんだね?」そのとき急に、自然と言葉がでた。
女ははっとして、僕を見つめた。
「…!」ぱっと僕の手を離し、ハンカチを投げつけられた。
「あ、汗臭いのよ、あなた。やっぱり連れて行くのはゴメンだわ」というなり女は消えた。
踊り場には女物のハンカチが落ちていた。小夜子と名前が書かれていた
僕はそれを拾い、校舎をあとにした。

次の日、古株のT先生にその話をした。
先生によると15年ほど前にその女性は存在したそうだ。
階段から落ちて、亡くなったらしい。
状況からみて、彼女は夜、帰宅しようと急いで、階段を踏み外したらしい。
さびしがり屋だが、心の優しい女性だったとT先生は語った。

僕はその日、校舎が暗くなるのをまち、例の鏡の前にハンカチを置いた。
女はいなかった。ただ、鏡に、

『夜、走ると危ないんだからね』

…とチョークで書かれていた。


634:本当にあった怖い名無し
06/02/28 15:18:25 Bqg7zS2A0
>>625
いいよいいよーGJ!

>>626
カンチguyかよwワロスw

>>627
しななかったのっ!?ツンデ霊ぢゃねえしw

仕事の合間に見に来るのが楽しみだよ。GJ!

635:本当にあった怖い名無し
06/02/28 15:52:32 Bqg7zS2A0
>>632-633
学園モノいいねっ!かわいいGJw

>>576の続きマダー?チンチン
そして仕事しろ俺

636:本当にあった怖い名無し
06/02/28 18:09:58 A7frMwLl0
あんただ霊?

637:本当にあった怖い名無し
06/02/28 20:58:43 3wXSejZFO
たまねぎさん、グッジョブ!
Σ∩
.(∃ ∧∧
 \(゚∀゚)
  ヽ  E)


638:本当にあった怖い名無し
06/02/28 21:33:34 pcoKa79IO
>>627
きもいよ。
センスないから書き込みやめなよ。

639:本当にあった怖い名無し
06/02/28 22:21:17 jJ5/ex4N0
と、センスのかけらも無い粘着煽りが申しておりますwwwwwwww

640:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/28 22:21:59 pB1PLWl/0
>>632 
了解。
いままで、読んでくれた人、ありがとうございました

641:本当にあった怖い名無し
06/03/01 00:47:56 lHnHNQ5C0
「ねえ、フィギュア見ようよ、フィギュア」
「うるさいな、そんな時間まで起きれねーよ、さっさと寝ろ」
「幽霊が夜に寝てどうすんのよ」
「とにかく俺は寝るからな、お前は勝手にしろ」
「うー、バカタレ。もういいよ」

明け方、どうにも我慢ができなくなってトイレに起きたら、

/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 荒川のイナバウアー!  |
\               /
   ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  (⌒)         __∩
/ ̄ ̄|      ⊂/  ノ )
| ||.  |      /   /ノV
\__|      し'⌒∪
 |   |

こんなことになってた

「やっぱりイナバウアー、百人乗ってm」
「うるさい!」

その後、エクソシストのスパイダーウォークで小一時間追いかけられた

642:本当にあった怖い名無し
06/03/01 01:57:31 78oLPrCk0

           終わった。

俺は生徒会だから当然卒業式にはそれなりの立場で関わる必要があった。
司会を俺は担当していたがなんだ?感動も何もない。
ま、当事者の3年でもなければ送辞を読むわけでもない。会計なんだからしょうがない。
6クラス240人、退学者もいれば留年者もいるわけだ。俺には関係ないけどな。
何事にも中途半端に位置する俺は他の奴等と一緒に3年が座っていたパイプ椅子を片付ける。
めんどくさい。3年も教室で使っている椅子使えよ。
5組の一番最後、40人目の椅子を片付けようとした。

「すいません、どいてくれますか?」

あきれた。まだ感傷に浸ってる奴がいるのか。邪魔だ。
彼女は悲しそうな目で式台を見つめていた。5のマークの組章がきらりと光る。

「あの・・・・すいません」
「・・・・チィ」

彼女は舌打ちをすると体育館の隅に行った。糞アマめ。式台を見る目と俺を見る目が明らかに違う。
片付けが終わるといつものように軽く反省会。顧問は同じことしか言わない。
 "来年はお前らも" そんなこと入学した時からわかっている。
反省会が終わり体育館を出ようとした。隅っこに目を向けると彼女はまだいた。
おい、もうどこのクラスでも最後のHRやってるんだぞ。すこしは現実を見ろ。別れだ。
ここまでくると余計なお世話の一つや二つしたくなる。


643:本当にあった怖い名無し
06/03/01 01:59:57 78oLPrCk0
「悪い、ちょっと先行ってろ。」

他の役員に伝える。俺は大またで彼女の所へ向かう。

「あの・・・・先輩、そろそろHR行った方がいいんじゃないですか?」

どうせ今日限りなんだ。どう話かけようが関係ない。
彼女はまだ式台を見ている。眼中に俺の姿はないようだ。現実へ背中を押す必要があるようだ。
彼女の前に立ち訴えかける。

「先輩、卒業式は終わりました。教室へ行ってください。みんな待ってますよ。」
「 邪 魔 よ、どきなさい。」

肩を掴まれてはらわれた。どうやら動く気はないみたいだ。
ったく担任はなにしてんだ。ここにまだ一人いるのに。仮に彼女が留年だとしても迎えに来いよ。
もうかまってられるか。勝手にしろ。帰る。俺もHRがあるんだ。
生徒会を言い訳にすれば遅れたことぐらい簡単に誤魔化せる。

「・・・・早く戻ってくださいね。」

俺は体育館を後にした。

644:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:01:02 78oLPrCk0
HRが終わって俺は生徒会室に向かう途中3年5組の担任に会った。
生徒会をやっていれば先生ぐらい覚えるし向こうだって俺のことを覚える。

「こんにちわー」
「こんにちは」
「先生のクラスも大変ですねぇ、一人足りないままHRやっちゃって。迎えに行ってあげれば
 よかったじゃないですか。多分この調子だと先輩、まだ体育館にいますよぉ。」
「いや、俺のクラスは全員揃って感動のフィナーレを迎えることができたぞ?違うクラスと
 間違ってないか?」
「んぁ?でも先生のクラスの組章付けてましたよ?」
「それ多分一年か二年と間違えたんだろ?とりあえず二次試験合格者の会議があるからあとでな」
「あっ、さよならー」

腑に落ちない、彼女は3年だ。靴の色だって3年と同じだったし、なにしろあの席に座っていたんだ。
まだいるだろうか?信じられない自分をたまには信じてみることにした。足は自然と体育館に伸びる。
いた、こんどは式台の上に立っている。遠くから見てもわかる。悲しい目をしている。

「先輩っ!!」

まただ、軽蔑するような視線。冷たい。
しかし俺のことは覚えててくれてるみたいだ。

「なに?またあなた。しつこいわ。」
「失礼ですけど・・・・先輩ってどこのクラスですか?」
「それがあなたに何か関係が?」
「いえ、特に何も・・・・ないです。」
「答える義務はないわけね。帰ってちょうだい。」
「先輩3年5組の生徒ですよね。でもさっき担任に」
「いいかげんしつこいわ。邪魔よ帰って。」

冷たいそんな印象しかなかったが一つだけヒントを見つけた。靴に苗字が書いてある。


645:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:03:29 78oLPrCk0
「木崎木崎・・・・・・」

俺は生徒会室に戻り生徒名簿で彼女、木崎さんを調べていた。

            ない。

1年、2年、3年、全て該当なし。やっぱりおかしい。
カラカラ、顧問が来たようだ。聞く価値は少なくともある。

「先生、木崎っていう生徒しってますか?」
「ああ木崎か、木崎はな ―」




646:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:05:06 78oLPrCk0
「先輩、まだいたんですか?」

やはり式台の上にいた。

「いたらなんなの?あなただっていいるじゃない。うっとおしい。」
「先輩、死んでるんですってね。6年前に。」
「だったらなんなの?死んでたらあなたと何か関係あるの?」
「卒業おめでとうございます。」

俺は先輩に卒業証書を渡す。生徒会室には何も書いてない賞状や証書がある。
それをちょっと拝借、パソコンのプリンターで印刷させてもらった。

「家族が証書もらっても実感ないでしょ?自分がもらったほうがいいですもんね。」

本物ではない卒業証書をまじまじと見つめる先輩の目から涙が流れてきた。
まるで何年も涙を忘れていたようだ。

「うっ、ぅっ、ぅぁああああああぁぁ」

口を大きく開けて泣きはじめた。今まで溜まっていたものを全て流すように。
その姿は幼い子供が泣きじゃくる姿に似ていた。

「ぁあっ、っぅうっ、うっぅ」

泣き止む様子もなく何をしていいかわからない俺はその場で立ち尽くしていた。


647:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:07:02 78oLPrCk0
何分経っただろうか彼女は泣き止み式台の階段に座り話してくれた。
自分の胸中の悲しみ、不安、期待、希望、その全て。

「私さ、ベタなこと言うけど看護婦さんになりたかったんだぁ。」
「安定した給料・・・・・いいですねぇ。」
「フフッ、もう無理なんだけどね。」
「・・・・・・・・・・」

なんとも言えない、彼女の人生は18歳で止まっているんだ。自分の事でもないのに悲しくなる。

「そんな暗い顔しないでよ。私だって暗くなるじゃない。」

なんで彼女はこんなにも明るくなれるんだろう。死んでるのに。



648:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:08:13 78oLPrCk0
「先輩、明るいですね。」
「だって嬉しいじゃない、私とうとう卒業したのよ。」
「でも先輩は」
「"でも"じゃないの。死んじゃったのはしょうがないでしょ?そっちのことはもう解決したから。
 あとは卒業したいって思っていたけど・・・・・・・今日したから。思い残す事、ないかな。」
「じゃあ、その、しちゃうんですか?成仏?」
「今日あたりするかもね。よかった。あなたみたいな人がいて。」

彼女はうつむいているが本当に嬉しそうだ。彼女がいくのならば見送ろう。ここまでしたんだ。
義務がある。

「そうですか。ならば見送らせてくださいよ。ちょっと興味があるし。」
「別にいいよ。でもいつだか私にもわからないんだ。だから余所見しないほうがいよ。
 いついなくなるかわからないからね。」
「不安になること言わないでくださいよ。」

不安だから俺は話し続けた。いついなくなるかわからないから。
突然彼女は人差し指を突き出してきた。俺はトンボのようにそれを目で追う。
彼女の右指を追う俺は完全に左を向いた。

唇であろう彼女の一部が俺の右の頬に触れた。

「ちょ!!先ぱ・・・・・い?」

どうやらいついくかわかっていたようだ。

649:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:11:45 78oLPrCk0

           これで第56回、卒業式を閉会します。

去年の卒業式からちょうど一年。今度は俺が卒業した。泣きはしなかったが胸に息苦しい感覚がある。
やはり感動は当人しかわからないものがある。去年感動しなかった俺が感動してるんだ。

「おまえ達はこの3年間 ―」

担任が語る最中俺は去年の俺になっていた。

死んだ先輩に会って、卒業証書を渡して、泣かれて、キスされて、帰った。

どうしてこんなことしたんだろうと今でも思う。見ず知らずの死んでいる先輩にあそこまで
したんだろうと。俺じゃなくてもよかったのではないか。誰でもいいんじゃないか、と。
担任の話が終わると同時に今の自分に戻る。どうやらさよならの時間だそうだ。

「3年間ありがとうございました!」

ルーム長の合図に俺も合わせる。そのあと一気に友人が数人集まってくる。

「最後ぐらい一緒に帰ろうぜ。」
「今日は打ち上げいきますかぁ?」

「悪い、ちょっと先行ってて。すぐ追いつくから」

結局俺は体育館に向かった。彼女に、先輩に会うために。
しかし誰もいない。そうだ、彼女はとっくに卒業したのだ。いるわけない。
最後ぐらい話がしたかった。この一年の話を聞いてほしかった。でもいないんだ。


650:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:12:40 78oLPrCk0
俺は先に行ってる友人の元へ向かった。この校門をくぐるのも最後だ。桜が咲いてる。


            「卒業おめでとう」


最後の一歩と同時に聞こえたたった一言。

「先輩!?」

そうか待っててくれたんだ。待たせてごめん、先輩。
先輩に証書を渡した理由はわからない。誰でもよかったかもしれない。
だけど俺が選ばれた。だからそうしただけなんだろうな。
深く考えるのはやめた。俺、中途半端だから。


        
         俺は最初の一歩を先輩と踏み出した。

651:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:38:38 JNQfeFIE0
>>642-650
とっても良かったお・゚・(ノД`)・゚・。

652:本当にあった怖い名無し
06/03/01 03:06:53 8gE5iGAcO
いい話だなぁ…。・゚・(ノД`)・゚・。

653:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/01 03:19:25 12amC49k0
…自分が恥ずかしい…わけのわからない勘違いしていました。
これもツンデ霊の仕業なんでしょうか。

>>642さん、いいお話をありがとう。

654:本当にあった怖い名無し
06/03/01 06:49:52 2PPiksQ8O
>>653
自分が>>627だと思ったの?

655:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/01 10:22:48 qudMwuTD0
すいません、>>654さん。その通りです。

家で見たとき、なぜか、番号がずれていました。なぜでしょう?
あ、あまり気にしないでください。

それと私個人は>>627さんの文は好きです。もう少し、ツンとデレがあれば嬉しいです^^;

656:2-1
06/03/01 13:04:33 aEJ1vj4W0
戦争の勝利に沸きあがり、日比谷では焼き討ちもあったという。
そんな喧騒とは無縁の、静謐とした屋敷の中に僕はいる。

広いホール。高い天井とほの暗い灯が影をつくる。
影は・・・ひとつだ。
「さあ。この前教えたようにやってごらんなさい」
「・・・はい」

前に立つ姉の腰に手を回し、腕を取る。
僕のリードでダンスが始まった。蓄音機が動き、音楽を奏でる。

「そう。もっと腰をよせて」
僕の動きにあわせ姉は揺れる。長い髪が薄明かりに照らされて舞う。
「もう少し早く。そうよ」

僕は少しだけダンスに関しては,才能があったらしい。
姉は満足げに僕の動きに合わせている。
「いい子ね。うまくなったわ」

だが・・舞う影はひとつ。

657:2-2
06/03/01 13:05:09 aEJ1vj4W0
静かに曲が終わりを迎え、広いホールはまた静寂を取り戻した。

「いい子ね。この様子なら、大丈夫でしょう」
姉が身を寄せたまま、うっすらと微笑んだ。
「・・・はい」

すこしはにかんで頷く。褒められるのは、嬉しい。

「何をしているっ」
静かなホールに叱咤の声が響いた。・・・父だ。
軍国の機運にかぶれ、華族たる何かを失いかけている。
前に姉は侮蔑していた。姉の顔から笑みは消えてしまう。
「・・・一人で踊っていたのか。薄気味悪い奴だ。部屋に戻って勉強しなさいっ」

「・・・・いくわよ」
僕にしか見えない姉は、僕の掌中から抜け出るとひとり歩き出した。
「・・・はい」
「早くなさい」「早く戻りなさいっ」

部屋に戻り、ベッドに座るよう促された。
頬を掌で包むと顔を上げられる。
「いい。貴方はこの家の当主になるの」
「・・・」
「目をそらさないで、私を見なさい」
「・・・はい。姉さん」

姉は僕を見つめる。その眼差しはどこまでもまっすぐで、清冽だった。

658:地下闘技場司会
06/03/01 16:03:39 gPAnwI7/O
『―ツンデレッ!
 
我々チャネラーはこの言葉に飽くなき萌えを禁じえません!
しかし!
しかしです!
 
我々は実際にツンデレに遭遇したことがあったでしょうか!?
ツンデレの劇的反転が現実の人付き合いの場で炸裂したことがあるのでしょうか!
 
ツンデレの存在はいつもノンフィクションの中です!
我々はツンデレに魅了されるあまり
その虚実を論ずることはなかったのです!!
 
もう我々チャネラーはハッキリと言うべきなのですッ!
 
ツンデレは絶滅している!』
 
たまねぎツンデレ
「野郎…タブー中のタブーに触れやがった」


659:本当にあった怖い名無し
06/03/01 16:38:41 IG3tnhVm0
>>655
このスレ、あぼーんが入ってるから、
専ブラ使ってるとログ再取得しない限りレス番ずれてまっせ。

俺も気がつかずに>>626に「(゚∀゚)イイ!」と宛てたつもりが>>627に。ヽ(`Д´)ノウワァァン
いやハンマさん嫌いじゃないけどさ。

660:本当にあった怖い名無し
06/03/01 16:45:33 IG3tnhVm0
連投スマン。
>>658
ツンデ霊創作界の裏ストーリーって感じで、こういうのも(゚∀゚)イイ!

しかし何だ、たまねぎさんも地下闘技場さんも、
成り行き(?)で始めたはずなのに、この発想と文章力の凄さは何だ?!

661:本当にあった怖い名無し
06/03/01 20:53:29 TTH6MoFsO
>>656

最高にgjです! なんか姉系はそそるな~w
(*´Д`)ハァハァ

662:85pesOZL ◆iXH4QxWypI
06/03/01 22:08:47 iSu6QDpO0
皆様お久しぶりでつ。
口だけ番長の命名ヲタ、85pesOZLでつm(__)m

>>661
私は>>656-657じゃないですが…(遅まきながら>>656-657GJ!!)
そうですか、やっぱ姉系の需要もあるんですねw
私もそっち系が好みだったりw
時間はかかりますがTRYしてみまつ


ところで久しぶりに来ましたが、なんだか雑談が少なくてサミシス…
もしかして私の五月蝿さのせいで雑談が少なくなってるんでつか?

作品の密度が高くなったのは嬉しいところですが、馴れ合いぎりぎりの雑談も心地よかったのでつが…
なんというか、皆さんの好みや読み易さ(難さ)が判って参考になるというか…

あぁ、お呼びでない?
失礼しますたノシ

そのうち駄作を投下させて頂きますデス

663:85pesOZL ◆keaGkWNWxw
06/03/01 22:32:26 iSu6QDpO0
おおっと、トリに一文字入れ忘れ

664:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/03/01 22:37:39 aEJ1vj4W0
あ、ミレレイだw
そういってくれればわかったのに

665:1/8
06/03/01 22:52:03 ytZ8MYZV0
ぼんやりと天井を眺めながら、はたしてあの人は幸福だっただろうか、と考えてみた。
23歳で結婚。そのわずか一年後に旦那さんは職場の事故で死亡。二人の間に子供は無く、
以来再婚することも考えていないかのように仕事の鬼と化した、バリバリのキャリアウーマン。
敏腕故に多くの部下を持つようになったやり手の女課長は、出張先で交通事故に巻き込まれ―

「………なーに呆けてるかね、この子は」

―現在は俺の上空で呆れ顔をしている。
享年32歳。近所に住む伯父の娘さんで、つまりは俺の従姉である。

「佳織さん、頭上に居られると凄く気になるんだけど……」
「男が小さなこと気にするもんじゃないの」
「…………」

初七日の法要後自室に戻ると、死んだはずの従姉がソファーでくつろいでいた時の衝撃は忘れがたい。
ドアを開けたままの姿勢で固まる俺に対して、にんまりとした笑みを浮かべながら
「ありゃ。よし坊には私が見えるんだね」と事も無げに言い放ったのがつい三日前。

「……ヘンなことになっちゃったよなあ」
「そんなことより勉強でもしなさい、このグータラ学生。前期試験そろそろじゃないの?」

以来、彼女はこの部屋を拠点として悠々自適のゴーストライフを満喫している。

666:2/8
06/03/01 22:52:54 ytZ8MYZV0
「少しは部屋片付けたらどうなの? あーあー、洋服も脱ぎ散らかしっぱなしで」
「母さんみたいなこと言わないでくれよ……」
「言われる前にさっさと片付ける! ほら!」
「はいはい」
「はい、は一度で結構。……怒るよ?」
「……はい」

母に言われた時よりは素直に部屋の片付けを始める。
なんだかんだ言いつつも生前から頭の上がらなかった相手である。
実年齢より随分と若く見える佳織さんは、幼い頃には年の離れた姉のような存在として。
その後思春期を迎え、彼女がそこらを探しても滅多に見かけない美人だと気付いてからは
仄かな憧れの対象として俺の精神野に君臨していた。

「キチンと綺麗になさいよ? 私はその間、よし坊のマニアックな性癖を検分してるから」
「うわああああああああっ!!?? そ、その本どこから引っ張り出してきたんだよっ!!!」
「ベッドの下なんていうベタな隠し場所は避けなさい。……うわー、このモデルめっさ縛られてる」
「返せっ! 返せよーっ!!」
「小さい頃はあんなに可愛かったよし坊が、今やこんな淫獣に……」
「それ以上言ったら泣くぞっ! ホントに泣くからなっ!」 

彼女の行動拠点が俺の部屋、という弊害は日々顕著になっていく。
ああ……この人にだけは知られたくなかった俺の恥部が次々と……。 
ライブ○アじゃあるまいし、これ以上株を下げるわけには………!

「……アンタのパソコン起動して jpg.ram.mpeg.wmv.avi.あたりで検索かけてみたいわねえ」

底値になる。そんなことしたら。

667:3/8
06/03/01 22:53:49 ytZ8MYZV0
霊となった佳織さんは、時折どこかに出かけていく。
それは例えば自分の勤務していた会社であったり、親しい友人の家であったり。

「うん。まあどうにか仕事は順調にいってるみたいで良かった」
「見えないと分かってはいるんだけどね。『心配しないでね』って伝えたくてさ」

ふわふわと漂いながらてへへ、といった感じの笑いと共にそんなことを話す
佳織さんの姿は、俺の目には新鮮だった。
小さい頃はともかく、ここ数年はどこか近寄りがたい雰囲気を発していた彼女の姿しか
記憶に無いからだ。わけても旦那さんを亡くした直後の佳織さんは―

「なんか……懐かしいな」
「ん? 何が?」
「いや、肩の力が抜けた佳織さんを見るのって久しぶりな気がするから」
「あっはっは。まあ、死んだ後までせかせかしても仕方ないしねえ」
「……まだしばらくはここに居るの?」
「どうなんだか。霊の決まりごとってのは良く知らないけど、まだ御呼びがかからないみたい」
「ふーん」

こんな風に気軽には話せなかった。
ふと、八年前に旦那さんの葬儀に参列した日のことを思い出す。
初恋の相手だった佳織さんを“奪われた”ように感じていた馬鹿餓鬼の俺は、
死者を悼む気持ちなど申し訳程度にしか持ち合わせておらず、むしろ残された
佳織さんのことだけが気がかりだった。父や母と一緒に見よう見まねの焼香を
済ませ、遺族に一礼する。

668:4/8
06/03/01 22:54:42 ytZ8MYZV0
その時に見たのだ。佳織さんの目を。

機械的に返礼する佳織さんの目には何も映っていなかった。
いつも生気に溢れていた大きな瞳は、ガラス玉を思わせる無機質さで俺の姿を反射していた。
一体どれだけ泣いたのだろう? 化粧でも隠せないほど腫れた瞼、ひび割れた唇。
死人よりもっと死んでいるように見える佳織さんが、そこに立っていた。


「……どうしたの? なんだか思いつめた顔しちゃって」
「い、いや……なんでもないよ」

それから、この人はどこか捨て鉢とも思えるひたむきさで仕事に取り組んでいき
偶に顔を合わせてもろくに話をすることも無かった。
それを寂しいと思う反面、彼女のあんな顔を見続けるよりは余程いい、と
自分を誤魔化して等閑な付き合いをしてきた。
だが、今にして考えると……

「……俺って馬鹿な餓鬼だなあ、と思ってさ」
「なにそれ。今更だね?」
「少しはフォローが欲しい……」
「私、自己憐憫に浸るような気持ち悪い男は嫌いだから」
「……ごもっともです、ハイ」
「そこで言い返せないような腑抜けも嫌い」
「どうしろとっ!?」

カラカラと笑う佳織さんといつまでこうしていられるかは分からないけど。
大事なものは無くしてから気付く、なんていう陳腐なフレーズがやけに胸に刺さる。

669:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/01 22:55:24 iSu6QDpO0
>>664
またその名前…ポン介さんてばw

>>656-657GJですたよ♪
この後エロスは発展するんですか?

670:5/8
06/03/01 22:55:43 ytZ8MYZV0
佳織さんは暇に飽かせてどこにでも現れる。
大学の講義中に、いつのまにか隣席に座っていたときは心底驚いた。
彼女曰く「授業参観w」だそうだが、試験前に必死でノートの貸し借りをする程度には
不真面目な学生である俺の姿勢に佳織さんはいたく御立腹の様子。

「よし坊……あんたね、御両親が高い学費払ってんのにその態度は何?」
「わ、悪かったから……うん、今後はちゃんとするから……」
「あんた昔っからそーだったでしょ! 
 算数のドリル全然終わってなくて私に泣きついてきた頃から全然進歩が無い!!」
「はい、その節はお世話に……」
「真・面・目・に・聞・け……このボンクラ学生が!」
「sir! yes sir!!」

鬼軍曹と化した佳織さんにガン付けられながら板書に精を出す。
遠い昔の夏休みにもこんなことがあったなあ、と不似合いな感傷に浸りながら。

「ニヤけてんじゃないわよ! ほら、次の講義は!?」
「……全部付き添うつもりかよ」

だから、こんなのも楽しいな、とそう思った。

671:6/8
06/03/01 22:56:44 ytZ8MYZV0
「よし坊、ちょっとこれからデートしようか?」

四十九日の法要が終わったその夜、佳織さんが出し抜けにとんでもないことを言った。
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で宙を見上げる俺に構わず、彼女はさっさと部屋を出ていく。
訳も分からず上着を着込み、慌てて玄関へ。訝しげな顔の母に「ちょっとコンビ二行ってくる」と
言い訳をしてドアを開けると―

―そこは異世界だった。

時刻は確かに夜10時をまわっていた筈だ。ならば、この穏やかに降りそそぐ陽光は何だ?
季節はまだ冬だった筈だ。だったら、この辺り一面満開の桜並木は一体どういうことだ?
理不尽で非現実的で……とても美しい光景が広がっている。
ぽかんと口を開ける俺の耳に、背後から馴染み深い声が少し違ったトーンで響いた。

「私も知らなかったんだけど……気が利いてるね。
 ここさ……いつだったか、結婚前にあの人と歩いた道だよ。うん……記憶と同じ」
「佳織さん…………だよね?」
「あははっ、いかにも。どうやら『一番気に入ってる記憶』が迎えに来てくれたみたいね」
「……………」

振り向いた先にいたのは、確かに俺の知っている佳織さんだ。
―ただし、10年近く前の。俺と殆ど変わらない年齢の彼女がそこにいた。
まじまじと無遠慮な視線を送る俺に、恥じらうような表情を見せている。

「なによ。なんかおかしい?」
「……いや、おかしくなんか、ないけど……」
「じゃあ行こうか。この道を歩いていって、それで終わりだから」
「終わり?」
「よし坊や皆とお別れってこと」
「……そっか」

672:7/8
06/03/01 22:57:43 ytZ8MYZV0
そうして、薄桃色の花びらが舞う中を二人で歩き始める。ゆっくりと、でも確実に。
右隣には眩しいものを見るように目を細める佳織さんがいて。
この時間が終わらなければいい、と未練がましく願ってしまう。

「ねえ、楽しい?」
「何が?」
「生きること。……楽しい?」
「……良くわかんないよ」

突然の問いかけは、俺みたいな餓鬼には難しすぎる質問だった。
歌うような声が続く。

「私はね、楽しかった」
「…………」
「あの人と出会って、死に別れて、自分も死んで。……それでも楽しい人生だったよ」
「…………だろうね」
「この風景がその証拠。この道はきっと、良いところに続いてる」

ああ、それは間違いないだろう。
だってこんなにも綺麗で優しい風景で。
おまけに―

「佳織さん。じゃあ、俺はここまで」
「……?」
「あとは“あの人”のエスコートでしょ? 俺はもうお呼びじゃないよ」

俺が指し示す先を見て、佳織さんが息を呑んだ。

673:8/8
06/03/01 22:58:45 ytZ8MYZV0
「………っ…………」

彼女が呟いた名は、折り良く吹いた風にかき消されてよく聞こえなかった。
一際立派な桜の大樹にもたれて、彼は立っている。
佳織さんが駆け出した。彼の名を、大切な名を呼びながら駆け出した。
……少しだけ妬けるけど、まあ脇役の出番はここまでだ。

「じゃあね、佳織さん! ………さんも!!」

子供じみた嫉妬心から、一度も呼ぶことのなかった名前。彼女の夫であった、彼の名前。
寄り添った二人は同時にこちらを向いて微笑んだ。やがて、一際強い風が花霞を作り―

「……お幸せに、ってか」

冬の夜道に立ち尽くす俺。
先程の風景はそれこそ夢のように消え去り、古びた街灯がスポットライトのように
道化役の俺を照らしている。ふと、視界の隅に違和感を覚えて視線を巡らすと
右肩の上に小さな白いものが乗っていた。そっと手にとってみる。
こんな季節にあるはずもない、桜の花びらがひとひら。
家の方角を目指して歩きながら、はたしてあの人は幸福だっただろうか、と考えてみた。

―そんなの、考えるまでもない

掌中の花びらを強く握りこんで、俺は走り出した。

674:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/03/01 22:59:42 ytZ8MYZV0
終わり。悪魔の数字もゲット。うふふ。

675:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/01 23:01:15 iSu6QDpO0
運動場整備部隊さん豚切りゴメナサイ…
ホントタイミング悪いわ俺…

676:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/01 23:10:40 iSu6QDpO0
改めて全部読みましたよ、おっほほほw
運動場整備部隊さんも「姉」属性w
しかもオーメンゲトオメGJ!!

677:本当にあった怖い名無し
06/03/01 23:12:08 BNl7rGJcO
>>662
馴れ合いを嫌う人間がいることを忘れないでくれ。
折角の良スレなんだから、コテの馴れ合い場になっちまうのは勘弁。

>>674
GJ!。・゚・(ノД`)・゚・。

678:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/02 00:01:21 iSu6QDpO0
>>677
あ、いや「馴れ合い推奨」って事ではなくて、
「作者のあとがき」みたいなものをインターバルにして、
作品に対する思い入れとか、別設定の要望とかを出すことで
それぞれの作品に対する読みを深く出来ればな~、と。

679:1/3
06/03/02 01:56:12 uUO8YkNn0
ツンデ霊 「今日はどちらがあの男の服を脱がせるか、で勝負しましょう」
デレデ霊 「ん~? ツンちゃんには不利じゃない?」
ツンデ霊 「く…っ! どういう意味よ!?」
デレデ霊 「やってみればわかるよ~」
ツンデ霊 「フン。見てなさいよ!」


ツンデ霊 「ちょっとそこの。呪い殺されたくなかったら脱ぎなさい。一枚のこらずよ!」

ヌギヌギメータ [>>              ]MAX 

ツンデ霊 「はやくなさいっ! このグズ!」
デレデ霊 「……ツンちゃん、それじゃだめだよ~」
ツンデ霊 「黙ってて。何よ、私のことがきけないって言うの?」

ヌギヌギメータ [>>              ]MAX

ツンデ霊 「な!?」
デレデ霊 「だからツンちゃんはダメなんだよ~。お手本を見せてあげるね」
ツンデ霊 「く、違うわ! このバカは言葉を理解してないのよ!」


デレデ霊 「ねえ、あたしね? 生前からずっとあなたが好きだったの。もうどうしようも
     ないくらいなの。最近は裸のお突き合いをしたくてガマンできないの。…どう
     したらいいかなあ?」
ツンデ霊 「よく恥ずかしげもなく、そんなセリフが言えるわね」
デレデ霊 「まあ、結果を見てよ~」

680:本当にあった怖い名無し
06/03/02 01:58:12 v/sthajsO
>>678
一度VIPのツンデレスレでも見に行ってみたら?
真似しろとは言わないけどあそこは誰もコテ酉なんて付けないし付けたら外させられるからコテ同士の馴れ合いがない。
だからROMも読みやすいし感想も言いやすい。伊達に173まで続いてないよ。

681:2/3
06/03/02 01:59:57 uUO8YkNn0
ヌギヌギメータ [>>>>>>>> ]MAX

ツンデ霊 「し、信じらんないわ…。なにこの生物? 脳ミソあるのかしら」
デレデ霊 「男なんてこんなもんだよ~。勝負はまたあたしの勝ちだね」
ツンデ霊 「ちょ、ま、待って! 色仕掛けなんてズルよ! コスイわ!」
デレデ霊 「そんなルールなかったよ~? じゃあツンちゃんもやれば?」
ツンデ霊 「私が?」
デレデ霊 「それでダメだったらあたしの勝ちね~」
ツンデ霊 「や、やってやるわよ!」


ツンデ霊 「そこのカス、よく聞きなさい。今から言うことは本心じゃないの。いい?
      くれぐれもカン違いしないでちょうだい」
デレデ霊 (……うぁ、前から思ってたけど、この人バカだ)

ヌギヌギメータ [>>>>>>>>>> ]MAX

デレデ霊 (ありゃ?)
ツンデ霊 「あ、あああああの。わ、わた、私もす、好きだったんだから! ほ、ほんとは
     そんなこと思ってもいないけど! しかたないんだから!」

ハァハァメータ [>>>>>>>>>>>>> ]MAX

デレデ霊 (ありゃりゃ?)
ツンデ霊 「だ、だから……あー! もう! 服脱ぎなさいって言ってるのよ……っ!?」

ハァハァメータ [>>>>>>>>>>>>>>>]DANGER!!

682:3/3
06/03/02 02:01:35 uUO8YkNn0
ツンデ霊 「って、キャ―っ!?」
デレデ霊 「あァ、ツンちゃんがタイヘンなことに」
ツンデ霊 「み、見てないで助けなさいよ! なんでコイツ霊に触れんのよっ!」
デレデ霊 「煩悩パワーってやつかなあ」
ツンデ霊 「ふ、ふざけんなあああああああああ…っア! んん――っ!?」
デレデ霊 「うわぁ、ツンちゃんがスゴイことに」
ツンデ霊 「み、見ないで! っお、おねが…っっ!」
デレデ霊 「いやぁ、ツンちゃんがエ(ry ………」


ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「………………」

ハァハァメータ [>>              ]MAX

ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「……よかったね。ツンちゃんの勝ちだよ。ブッちぎりで」

ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「ツンちゃん?」

ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「あ、昇天しちゃったみたい。いいな~」




683:本当にあった怖い名無し
06/03/02 03:04:19 9ACLJzWuO
ハァハァメータの少なさから、
なかなかの体力をお持ちとみた。

684:本当にあった怖い名無し
06/03/02 03:06:47 9ACLJzWuO
あ、勘違いしていた。

馬鹿だ俺。
もうネンネしよ。
永遠に。

685:本当にあった怖い名無し
06/03/02 03:13:52 oeQIDjtT0
>>663
そういうトリップのヒントになる事は言わないほうが良いよ。
たとえばこの場合難しい問題 (56bit解読) がやさしい二つの問題 (49bit解読)+1024 に分解できる。

686:本当にあった怖い名無し
06/03/02 09:02:02 kHjIGY2r0
煩悩パワーで……って横島?

687:本当にあった怖い名無し
06/03/02 14:42:30 +41i9YA2O
>>682阿保みたいに激しくオッキしたwwwgj…
…ほ…本心じゃないんだからな!!

688:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/02 15:04:34 Hn6U0km70
>>679さん

ツンデ霊にそんな料理の仕方があったなんて、お勉強になりました!!



689:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/02 15:48:08 Hn6U0km70
「ツンデ霊なんて、いねーんだよ」
私は行き詰っていた。モニターの外でひとり毒づく。
「ツンツンしてて、デレデレしてくる幽霊? はん! さっさと除霊しろと俺は言いたい」
しかし、私の指はいつの間にかキーボードを叩いている。
なぜだ? 私はツンデ霊否定派ではないか。なのに、ツンデ霊に想いを馳せ一心不乱に物語をつむいでいく。
「…これは私が書いているのだろうか」
いつしか、疑問が生じる。これは、私が書いているのではないのか?
疑問はすぐに確信に変わる。私の知らない文体。私の知らない物語。間違いない…。

わたしは

    おそるおそる

          ふりかえる…

薄らぼんやりとした女が、背後でキーボードを打つ仕草をしていた。
それは、私の指と同じ動きだった。
私の視線に気づくと

「き、気づいてもらえて嬉しいわけじゃないからね、本当なんだから!!」

と叫んで、消えた。

690:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/02 15:53:53 Hn6U0km70



>>658さん、あなたの後ろにもいるかもしれませんよ



691:本当にあった怖い名無し
06/03/02 19:33:26 ABjSeT0w0
>>680
オマイはそこだけにいろここにくるな
他人に押しつけるな
ウザイ

692:本当にあった怖い名無し
06/03/02 19:39:11 qIfFsldwO
>>680
住み分けが大事

693:本当にあった怖い名無し
06/03/02 19:58:46 Ml7X0wse0
はしゃぎすぎなのも自治気取りなのも両方ウザいんだが。
そいつらがいない時はマッタリしてるじゃん、ここ。

694:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/03/02 20:05:03 WPnMKUHg0
部屋でハムポンを見ながら至福の時を過ごしていると
レイポンが話しかけてきた。
「・・・あのさ。明日は何の日か知ってるよね?」
・・・当然だ。僕がその日を忘れるはずがない。

「ああ。レイポンも知ってたのかい?明日はハムポンがうちに来た日・・」
「な・・・ばっかじゃないのっ!」

なんだというんだ。新発売のおやつを新聞のチラシでチェックした。
明日はハムポンに買ってきてあげるつもりだったのに。

「ばっかじゃん・・・いいよもう」
それきりレイポンは黙り込んでしまった。掃除やエサをあげる係りを独占している
くせに。このところのレイポンは情緒不安定だ。

プルプルプル・・・・
珍しい事に携帯がなった。親は今海外に旅行中だし、かけてくる奴なんかいたろうか?
「はい。もしもし」
「・・・明日はひな祭り。あんたどうせ気づいてないでしょ」
霊感少女だった。ああ・・・そうか。だからレイポンはそわそわしてたのか。
「知ってたとも。ありがとう」
「・・・はいはい。じゃね」

明日は・・・何か関連グッズをハムポンのおやつを買うついでに買ってやろう。
豆をまくんだったか。男兄弟しかいないから、よくわからない。

695:本当にあった怖い名無し
06/03/02 20:26:49 WPnMKUHg0
馴れ合い・・・って言葉はあまり好きじゃないけど、作品の
語らいとかこういう意図でやってるとかはまとめサイトでやってます。
感想がもらえるのは励みになりますが、ここではいろいろみんな思うことも
あるでしょうし、意見もいろいろだと思います。
でも、喧嘩しないでやりましょう。

696:跡取り 2-1
06/03/02 20:51:34 WPnMKUHg0
書庫から一冊の本を持ち出し、読み始めた。
僕に足りないのは覚悟だ。そしてそれが立脚する自信だと思ったからだ。

「・・・マキャベリ?貴方は絶対的な支配者になれるの?」
「あっ姉さんっ」
いつの間にか姉が背後にいた。何か恥ずかしい気持ちでいたたまれなくなった。
「答えて」

君主論。冷徹な支配者たる指針の書。僕の真逆にあるような書だ。

「・・・わかりません」
「わからない?・・・まだ読み始めたばかりなのね。いいわ。こっちに来て」
姉は僕を促し部屋の真ん中に導いた。

「わたしを服従させられる?」
姉が僕を射抜くように見つめた。その表情からは真意が見抜けない。
「・・・それが、君主であるという事なら」
声が震えた。でも、それがきっと、姉が求める答えだと思ったのでそういった。
心臓が早鐘のように響く。手が痺れる。

「どうやって?」
姉はあくまで冷静に尋ねてきた。どうやって・・・?

697:跡取り 2-2
06/03/02 20:52:05 WPnMKUHg0
どうやって・・・。僕は必死に思考を巡らしながら、だが姉を見つめ返した。
目をそらさない。それは最低条件だったから。

「どう・・・やって?」
姉の頬が心なしか紅潮し、声はかすれていた。

「ひざまづいて。僕に」
「・・・はい」
姉はそのまま僕にひざまづいた。うつむいた顔からは表情は伺えない。

「姉さんは僕に・・・忠誠を誓う最初の一人になるんだ」
声が震えていたが、言い切った。僕は、華族の名門の跡取り。
姉がゆっくりと顔をあげる。

「・・・まだまだ。そんなことでは忠誠は誓えないわね」
初めて見下ろす姉の顔。紅潮し、桜色の頬にはにかんだ笑みがかすかに漂う。
「でも・・・私はあなたの最初の一人になるはずよ」

ひざまづく姉の肩に手を置く。指先は震えていたが、姉が掌を重ねた時震えは
溶けるように、消えた。

「そうだね」
「いつかくるのかしら?楽しみにしているわ」

静寂の中、僕と姉はただ見つめあった。

698:本当にあった怖い名無し
06/03/02 21:09:08 XJUB1gDf0
>>696-697
ツンデレってか…クーデレ?
もっと発展させれw
GJ!!

699:本当にあった怖い名無し
06/03/02 21:12:46 XG3ZXOdW0
>>698
なんてエロエロしい状況なのか。すげえ。

700:本当にあった怖い名無し
06/03/02 21:14:02 XG3ZXOdW0
間違った…>>697ね。

701:本当にあった怖い名無し
06/03/02 23:30:35 64lyNyPuO
>>696-697
続きが気になるwktk

702:本当にあった怖い名無し
06/03/03 00:52:19 dkpmA3My0
ノリ’ー’)   たけしへ。私メリーさん、今駅前にいます。

(`Д)   うるさい死ね メールすんな殺すぞ

ノリ’ー’)   メリーさん初めてメールしたから、ごめんね。今あなたのアパートの前にいます。

(#`Д)   うるさいくたばれ、メールすんな

ノリ’ー’)   手紙届いてました。机の上に置いておきますね。今あなたの後ろにいます。

ヾ(;`Д)ノ 死ねくそ女

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            o
__        ゚ 
 た |
 け |
 し .|  ∴  J’ー’リ<私メリーさん、今あなたのお墓の前にいます。
─┐ ∀  << )

703:本当にあった怖い名無し
06/03/03 00:55:21 OLGUfsQo0
85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
GJ!! こうゆう話すごい好き!これからも期待してます。

704:本当にあった怖い名無し
06/03/03 00:56:50 OLGUfsQo0
sage忘れた・・・吊ってきます・・・

705:本当にあった怖い名無し
06/03/03 00:57:27 GX3fOgpg0
>>702
カアチャン…

706:703
06/03/03 01:35:57 OLGUfsQo0
しまった・・・運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q さんのまちがいですた。
グダグダだ・・・逝ってきます・・・

707:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/03 10:39:22 KmsGprRb0
>>680さん、アドバイスどおりVIPのスレに逝って来ました。

んん~、まぁそれなりに楽しめましたが…
やっぱりこのスレの雰囲気が好きですね。

ツンデ「霊」という縛りがあるぶん、それぞれの話にドラマがあるというか…
VIPの過去スレまでは読んでないので簡単に言うのもどうかとは思いますが、
VIPが173スレまで伸ばしたならこっちもガンガレばいいじゃないでつかw
>>703さんの催促もあるので、今夜あたりハピョーウしまつ。

708:本当にあった怖い名無し
06/03/03 11:11:35 GGw7KRN5O
>>707
>>706

709:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/03 11:36:41 KmsGprRb0
>>708
いやいや判ってますがなw
でもここはツンデレスレ、遠まわしの催促と受け止めさせていただきますw

710:703
06/03/03 11:58:59 OLGUfsQo0
>>709
あなたに期待なんてしてないんだから!!


でも・・・書いたら一応読んであげる・・・

711:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/03 16:18:45 cwDJlFeQ0
>>710マリガトw

冗長な駄作だが、夜を待たずに前半投下しまつ。

712:1of12
06/03/03 16:18:47 cwDJlFeQ0
今日も美しいピアノの音が校舎を駆けぬけていく。
ピアノに向かった彼は、繊細な指使いと大胆なタッチで、抜けるような透明な音を奏でている。

(トオル先輩…)

智子は、それだけをつぶやくのにもかなりの努力を必要とした。


ひとつの部屋で皆の憧れの先輩と二人きり…
この高校の女子生徒ならば、10中8人までが想い焦がれるシチュエーションだ。
しかも卒業を控えて忙しいはずの3年生と。

だが智子は他の女の子より一歩だけ進んでいるのかもしれない。
いま彼が弾いている曲も、智子が後輩の誕生日のために作曲したものなのだ。

トオルはふと、智子のほうに目をやると、椅子から立ち上がりこちらへ近づいてきた。

智子の目前まで来ると前かがみになり、そっと手を伸ばしてきた。



 ― その手は智子の体を透りぬけ、智子の背後にあった鞄を開けた。

713:2of12
06/03/03 16:19:38 cwDJlFeQ0
そう、すでに智子はこの世の者ではないのだ。

二ヶ月ほど前のある日曜日、月に二度ある校外練習の日だった。
可愛がっている音楽部の後輩から、出掛けに唐突に頼まれたおつかいが、
年末でごったがえす商店街を抜けるのに予想外に手間取ってしまい、智子は自転車で道を急いでいた。
(まぁったく、なんだってのよ美香のヤツ。自分で注文したものなら自分で取りに行きなさいっつーのよね。
  …まぁでもかわいい甘えんぼのためだ、仕方ないかw)

そのかわいい後輩の美香が先生に事情を説明してくれているので特に急ぐ必要もないのだが、
根が真面目な智子には部長の自分が練習に遅れたということがプレッシャーに感じられたのだった。

(ふふふっ美香のヤツ、一緒に誕生日プレゼントを渡したら、どんな顔するんだろw)
予定より三日遅れてしまったが、美香のために精魂込めて作曲した楽譜。
体が勝手に急ぐのは、美香にそれを早く渡したいからかも知れなかった。

(この陸橋を越えたら交差点をあと三つ。左折・直進・直進で、すぐ左の建物。)
距離にして1kmとちょっと。健康で快活な智子には、たとえ全ての信号で止められたとしても15分もかからない近さだった。

その陸橋を降り、一つ目の交差点にさしかかろうとした時、
角にあるケーキ屋から小学校低学年くらいの男の子が智子の自転車めがけて飛び出してきた。
「あっっ!ごめなしゃ…」
間一髪で双方が身をかわした時、男の子はとっさに叫んだ。

「大丈夫?!気をつけて~」
接触すらしなかったし自分は急いでるしで、
男の子の無事をちらっと見やった智子は、自転車を走らせながら声をかけた。
(なによびっくりしたわね、ちゃんと周り見て歩きなさいよ!ったく…
   …でもあの子、「あっごめなしゃ」だって。ふふっかわいい♪)


左折しながらもう一度安否を気遣って振り向いたとき、進行方向から大きなクラクションが聞こえた。

714:3of12
06/03/03 16:19:46 cwDJlFeQ0
校外練習場の中に入ると、もうみんな発声練習を終えて整然と並んでいた。

「(…すみませぇーん…遅刻しましたぁ…)」
誰に聞こえるかすら怪しい小声で遅刻の報告をしつつ列に並びながら、この遅刻の元凶である美香を軽く睨んだ。
(まったくぅ、美香ったら「関係ありません」みたいな顔しちゃってさ…
   …トオル先輩もムッとしてるみたぁい…落ち込みぃ~↓↓)
普段は柔和だが練習には厳しい先生の右後ろで、ピアノに向かいながら眉根をひそめているトオルの姿が見えた。
つい先日、某有名音楽大学に推薦が決まったので、ボランティアで練習に参加してくれているのだった。

ひととおり通して練習した後、先生が細かい指導をしようとしたときだった。
備え付けの黒電話がけたたましく鳴り、いままでの緊張した空気を少しほぐした。

先生が電話に出ている最中、生徒達は小声で談笑していた。
(いまどき黒電話ァ?この練習場も古っ臭~いw)
いまどきの女子高生としては至極当然の感想を抱きながら、美香の頼まれものを渡し忘れていた事に気付いた智子は
そっと列を離れ、鞄を取りに行った。
(あの楽譜も一緒に渡してあげよう―)

小さく練習するトオルのピアノの音が、どこか物悲しく聞こえたのは気のせいだったろうか?
「皆さん…今の電話は…とても重要な…お知らせでした。」
いつの間にか電話を終えた先生は、静かに、しかし毅然として皆に注意を促した。
普段と明らかに異なる雰囲気をたたえたその口調に、自然と皆が押し黙った。

自制を失わないためか、無用なショックを与えないようにとの配慮からか―
一言、一言、区切りながら、なるべく感情を抑えたようなその口調はむしろ、
尋常ならざる事態が起こったことを伝えるに充分過ぎるほどであった。

「悲しいことですが、今日…先ほど、部長の…伊吹…智子さんが、…自転車でこちらに向かっている途中に…
 トラックに撥ねられ……ッ…お亡くなりになりました……!」

715:4of12
06/03/03 16:19:54 cwDJlFeQ0

体を失ったことが判ってから、ショックが和らぐまでさほど時間はかからなかった。
悲鳴や嗚咽が洩れ聞こえる練習場内で、下に弟妹を二人持つ長女の智子はいち早く自分を取り戻せていた。

(まったくこの子達ったら、あたしが居ないとホントにだらしないんだからっ。)
ショックのせいか原因と結果とを混同しながらも、持ち前の面倒見の良さで、智子は自分に出来ることを探し始めた。

だが体がないことがこんなにも不便だなんて、夢にも思わなかった。
美香の髪を撫でようとしても、先生に話しかけようとしても、実体の無い智子の努力は全て徒労に終わった。


とりあえずここには出来ることが無いと悟ると、自宅が心配になってきた。
(何もできなくてもいい、弟や妹の近くに行ってあげなきゃ)
そんな気分だった。どこかに、(肉親なら通じ合えるかな?)という考えがあったからかもしれない。


警察で面会を終えた家族に付き添うように自宅まで戻ってきた智子は、そのやりきれなさにしょげ返っていた。
頑固(石頭?)な父には期待していなかったが、理解があったと思っていた母にも、
ましてや感受性豊かとされる世代の弟妹にすら智子の存在を気付いてもらえなかったのだから。


716:5of12
06/03/03 16:20:03 cwDJlFeQ0

前向きな性格、そう自分で言い切ってしまえるほど今は吹っ切れていた。

まぁ検死時の自分の「抜け殻」を見たときのその壮絶さに蘇生の望みを見出せなかったこととか、
現世の物に触れることすら出来ない、そのある種の心地よい潔さが背中を押してくれたのは幸いだった。



だが唯一心残り…というか激しく自責の念に襲われた瞬間はあった。

急な事故ゆえに二日後に行われた通夜で、美香が智子の鞄 ―事故当日にプレゼントの楽譜を入れていた― にすがり付いて
この世のものとも思えない形相で号泣していた。
(美香、みか、あんたのせいじゃないよ……
   そんなに泣かないでよ… …ほら…あんたの涙がせっかくの楽譜を…汚しちゃうじゃない……ばか…)

生前、感情が無いのじゃないかと思っていた父の涙が、当たり前だと思える幸せにも驚いた。

  ― 視界の片隅では、うつむきながら両手を固く握り締めたトオルの姿も見えた。





初雪は智子の涙を受け止めてくれなかった。

717:6of12
06/03/03 16:24:59 cwDJlFeQ0
事故から一月。


自宅と学校とをなんとなく行き来する以外、特にすることも出来ることもなかったし、
智子はいつ天に召されてもいいな、と思っていた。


 ……が……四十九日を過ぎても何の変化も無かった。

(あれれ?まさか…親不孝をしたから…じ、地獄行きぃ?)
そう思って萎縮した時も度々あった。

だが悪魔とか天使とか、かつて死後の世界で会うと聞かされたどんな存在にも逢う事は無かった。

(何よ、あたしは浮遊霊になったって…コトぉ?)

そういえばたしか、強い「未練」がある人間の霊はこの世に残ってしまうとも聞いた気がする。

(あたしの未練…って……?
   …まさかッ!…トオル先…輩…っ?!)



718:7of12
06/03/03 16:25:05 cwDJlFeQ0
トオルと智子とは、音楽部で双璧を成す音楽家だった。

声楽家の父・ジャズピアニストの母を持つトオルは、生まれ持っての才能と幼少からの英才教育で類稀なる楽才を発揮していた。
彼は両親の弟子に揉まれた事で、一人っ子の悪癖にあげられる傲慢さとか甘えとかは感じさせない少年だった。

ドイツ中世文学専攻の父とバレエで国体にもでた母との間に生まれた智子は、
秀でたリズム感と優れた音楽理論を身につけ、二年生ながら主に作曲・編曲、技術指導のリーダー格に成長していた。

二人は互いをライバルと認め、部活が終わった放課後に暗くなるまで討論することもザラであった。


二人とも純粋に音楽が好きなだけで、周囲の口さがない噂とは違って異性を意識する必要もなかった…

…と智子は思っていた。いや、思いたかっただけなのかも知れない。

快活で世話好きなので周りにいつも誰かがいる智子とは異なり、
トオルはその孤高を感じさせる風貌とあいまってごく少数の男子生徒としかつるまない。
彼に憧れる女子生徒は数え切れないほどいたが、彼女達は智子との関係を邪推したのか
トオルを遠くから見守るだけの様だった。
それでもトオルが一人のときに突撃する勇気のある娘たちもいた様だったが。

(あたしはトオル先輩とは、別に何にもないんだけどなー^^;)
彼女達の恋路を邪魔する気持ちが無いことを、近しい友人にも頻繁に漏らしていた。
(トオル先輩とは音楽の話しかしたことないし、第一、お互い意識したことなんてないわよw)
友人の冷やかしも大人ぶって笑い飛ばしていた。

 ……だが……

719:8of12
06/03/03 16:25:13 cwDJlFeQ0
トオルが部活中に勇敢な女子生徒達に呼び出されたとき―

    智子は彼を無意識に目で追ったりしていなかったか?

クリスマスイブの美香の誕生日に送る予定だった自作曲を、放課後トオルだけに評価してもらったとき―

    それはただ美香に内緒にするためだけだったか?

放課後の二人だけの討論会中、廊下から女子生徒がトオルを待っている気配を察したとき―

    知らず感じた優越感や高揚感を、無理に音楽の情熱に昇華させようとしてはいなかったか?

何度も違う女子生徒に告白を受けているのにどうして誰とも付き合ったりしないのかと、智子が友人から聞かれた夜―

    自分の存在がそうさせているのかも…と風呂に浸かりながら照れたこともあったではないか。



混沌とする自分の感情をもてあましながら、この二週間ほどは音楽室にずっと漂っていた。

智子というよきライバルを亡くしたトオルは、もうすっかり引退して部活動には関係ないのだが、
智子の事故から毎日、結果的に智子の遺作となってしまった美香への誕生日プレゼントであるあの曲を弾いていた。

智子を頼れる副部長とも姉とも慕っていた美香は、あれだけ熱心だった部活動そのものに滅多に出なくなってしまっていた。
智子の死後、両親が智子に代わって楽譜を渡してくれていたが、
もう少し気持ちが落ち着くまで弾くことが出来ないからと、一時的にトオルに楽譜を預けたようだ。
(美香…あなたにあげたんだからずっと持ってて欲しかったな…)
智子はすこしがっかりしたが、美香の性格を考えると無理もないと思い直した。

720:9of12
06/03/03 16:25:20 cwDJlFeQ0
3月3日金曜日 生徒のいない放課後―

今日も美しいピアノの音が校舎を駆けぬけていく。
ピアノに向かった彼は、繊細な指使いと大胆なタッチで、抜けるような透明な音を奏でている。

トオルは智子の背後にあった鞄から楽譜に書き込むための専用のペンを取り出すと、
ピアノの前に戻り、楽譜の1p目の上の方になにやら書き足した。


ガラガラ、と音がして音楽室の引き戸が開いた。

美香だった。

トオルは少し意外そうな顔をしたが、この楽譜を預けられたいきさつを思い出し、そっと楽譜をしまおうとした。
美香は無言でそれを押しとどめ、無言のままトオルに弾くように促した。


最初、高音部のトレモロで始まる優しい音色は、左手の温かい音色の低音部と融和して、
あまくやわらかに旋律を歌い上げる。


決して奇を衒いはしないが、飽きさせることもないその曲調は、自ら作曲した智子をすら思い出の世界に引き込んでいった。

721:10of12
06/03/03 16:25:29 cwDJlFeQ0
思い出していたのは美香やトオルとの小さな出来事だった。


音楽部の女子生徒の間で冗談交じりでトオルとの関係を囃されると、最後に美香は
「でもホントはトオル先輩のこと好きなんじゃないんですかぁ?」
とニヤニヤしながら聞いてきたものだ。


一年前に美香たち一年生が入ってきたとき、普段なら人を苦手とか嫌いとか評価しないトオルがぼそっと
「あの美香…っていう子?あの子にはなんだか近寄りたくないなぁ…」と言ったのを聞いたことがあった。
理由は、言動が他力本願にしか見えないし、他人に媚を売っているように見えるから、とのことだった。
まぁ智子にも多少は思い当たる節があったが、当時部長だったトオルを軽くたしなめたりもした。


夏休み恒例の二泊の合宿で、毎年一年生に企画させるキャンプファイヤーが見事にグダグダになったのだが(w)、
トオルの機転で事なきを得たことも―



突然、ガダンッという大きな音と共に曲が止み、智子は強制的に思い出から引き戻された。

見ると、漆黒のグランドピアノの傍らで俯いて小刻みに震えている美香と、
椅子を足元に転がしながら驚いた表情で美香を見つめているトオルの姿があった。

俯く美香の顔の下には、小さく輝く液体があった。


美香を慰めようと右手を差し伸べた ―正確には差し伸べようとして固まった― トオルを見て、
智子はこの世に残した「未練」の正体をはっきりと悟った。

722:11of12
06/03/03 16:26:58 cwDJlFeQ0
いつからそれに気付いていたのか、そして気付かない振りをしようとしていたのか。
そんなことはもうどうでもよかった。

トオルは美香に、美香はトオルに惹かれている。

そしてお互いに意識しながらも、共通する奥手さ故か智子への遠慮からか、ぎこちない関係になっていたのだ。

(…ふぅ…なぁにやってんだかw
   これじゃあたしが邪魔だった…って訳でも無いみたいね)
幼い子を見守る親のような気持ちで、二人の距離をもどかしく思う。
(このまま銅像みたいにずぅっと突っ立ってるつもりなのかしら?
   こういうときはオトコから行動するもんでしょっ)



「あっっ!ご、ごめん…」
トオルはいきなりバランスを崩し、美香を抱きすくめるような格好で謝罪を口にした。

一瞬、ビクッとした美香だが、トオルの目に浮かんだ感情を確かめると、
トオルの背中に手を回し小さく声を上げて泣き始めた。

「…うん……うん…」
美香はトオルの腕の中で何事かを訴えているのだろう、トオルの慈しむ様な相槌だけが智子には聞こえた。

723:12of12
06/03/03 16:27:03 cwDJlFeQ0

もうすでに長くなった日が、音楽室の中にまで差し込んできている。

ひとしきり泣いて落ち着いた美香とトオルは焼けはじめた空をバックに、並んで窓際で談笑していた。



(ふふっおふたりさん、すっごくお似合いよ♪
   桃色の屏風に飾られて、まるでお雛様みたい)


智子はなんとなく、穏やかな純白の光が近づいてきているのを感じていた。


トオルは、あの時よろめいた理由(ワケ)を知ることは永遠にないだろう。
美香は、もう悲しみでピアノに近づけないことも、涙でピアノを濡らすこともないだろう。


それでいいのだ。

(あたしはなんにも出来なかったけど、でもいいの。
   少なくとも形見はこの世に残せたんだしね。
      その楽譜、大切にするのよ、二人とも。)


消え行く視界の中で、トオルが最後に書き込んだ曲の題名がにじんでいった。

724:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/03 16:29:42 cwDJlFeQ0
ごめんなさい、またウソついちゃいましたw
前半だけじゃなくて全部投下完了です。

いや~ホントに無駄に長い。
全部読んでくださった皆様、感謝感謝でございます。

725:本当にあった怖い名無し
06/03/03 18:51:02 bnuniiDc0
>>724
GJ!!
ギリギリで涙が流れるのを制した。
でも結局泣きそう(´Д⊂グスン

726:本当にあった怖い名無し
06/03/03 19:23:38 OLGUfsQo0
GJなんて言わないんだから!!


でも・・・悪くはなかったわよ・・・

こんなかんじでいいかな?www

727:本当にあった怖い名無し
06/03/03 20:05:33 LuU6Pvkn0
くるおしくGJ!
いい話や・・・

728:俺と守護霊
06/03/03 23:22:10 yJ1iYHn40

俺「金がないな」
霊「いつものことであろ」
俺「女は金がかかる」
霊「…………」
俺「セックスしてぇ」
霊「…………」
俺「……どうした」
霊「う、うまく…いっていたのだな……」
俺「俺を誰だと思っている」
霊「そなただからだ。信じられぬな」
俺「何気にひどいぞ」
霊「……では、女との付き合い方を教えてやろう」
俺「断る」
霊「…………」
俺「すごくいいコなんだ。ジャマすんな」
霊「そう…か。そうだな。すまない……」
俺「俺のためなら自分の幸せなんかいらないってさ」
霊「けなげな娘だな」
俺「そのコ、幸せになる壺を持ってるんだ」
霊「…………」
俺「そんな全人類垂涎のレアアイテムを俺に譲ってくれるそうだ」
霊「いくらで」
俺「50万」
霊「効力の割に安いな」
俺「だろ?」
霊「……はぁ……」
俺「なんだよ」
霊「これ以上、私の仕事を増やすでない」
俺「そんな嬉しそーなカオすんなよ……」

729:本当にあった怖い名無し
06/03/03 23:28:50 bnuniiDc0
>>728
GJ&続きwktk

730:本当にあった怖い名無し
06/03/03 23:33:34 4Ve8FTvj0
はッ?!今日はひな祭り…ココは一つツンデ霊なのろいの雛人形でも…

731:本当にあった怖い名無し
06/03/03 23:34:35 bnuniiDc0
>>730
是非!

732:本当にあった怖い名無し
06/03/03 23:48:02 OLGUfsQo0
>>128
GJ! これからもこのシリーズ期待してます


733:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/03/03 23:52:06 ibP5l94m0
>>728
えらく癒される。かわいいなあ……「俺」

734:本当にあった怖い名無し
06/03/04 00:03:10 0PY7NFuu0
しまった さっきのまたさげ忘れてた・・・
>>733
投下期待してますw 運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q さんのファンなんでw

735:本当にあった怖い名無し
06/03/04 00:40:10 vrvX4AG80
30分で書けるかーガァァ!!

ツンデレかどうかは微妙だが
URLリンク(www1.axfc.net)
キーとパスはツンデ霊

736:本当にあった怖い名無し
06/03/04 01:43:20 Ts4oOMcm0
もしもドラえもんがドラえもんじゃなくて守護霊なドラえもんっぽいやつだったら

の「助けてドザエモーン! ジャイアンにいじめられたよー!」
ド「ドザエモン言うな」
の「なにか道具出してよ、ドザエモン」
ド「そんなもんあるわけないでしょ、自分でなんとかしなさい。男でしょ。あとドザエモン言うな」
の「そんなのできるわけないよ、ジャイアンに勝てるわけないじゃないか」
ド「ホントに情けない子ね。勉強はできない、運動はできない、女の子のお風呂を覗く。
  もう立派な変態ね」
の「変態じゃないよ、僕なりの愛情表現じゃないか」
ド「……もういいわ。とりあえず道具はあげるから、あとは自分でなんとかしなさい。えーと……」
の「ちょっと待って! 不思議アイテムをくれるのは昔からネコ耳って決まってるんだよ。
  ドザエモンもこのネコ耳をつけてよ」
ド「あんた、こんなもんどこで見つけてくるのよ。それから今度ドザエモンって言ったらぶん殴るからね」
の「いいから早く!」
ド「ハイハイ……これでいいの? じゃあ出すわよ」
の「ちょっと待って!」
ド「なによ、まだなにかあるの?」
の「ネコ耳にはメイド服だよ。これぐらい常識だよ。だからドザエモンもこrftygふ」
ド「いい加減にしないとあんたを呪い殺すわよ。……それにこんなものまで……まったく」
の「わー、やっぱりネコ耳メイドは萌えるなー」
ド「呆れて言葉もないわ。それじゃ、もういいわね。あなたに出す道具はこれよ」

            テケテテッテレー 丑の刻参りセット~!

ド「これは呪いたい相手の髪の毛を仕込んだ藁人形を神社の御神木に丑三つ時に打ち付けるだけで
  相手を呪い殺せるという、不思議アイテムよ。これでジャイアンをやってしまいなさい」
の「うーん、やっぱりメイドさんはいいなー。ドザエモン、明日からはずっとこれでいこうよ」
ド(この子ホントにダメな子だわ)

この時、この少年が将来ネコ耳美少女メイド型ロボット「銅鑼絵-M0N」を開発するとは誰も思わなかった。
後の「ドラえもん」である

737:本当にあった怖い名無し
06/03/04 02:26:31 zjNntFst0
ホントはジャイアンどうでもいいだろ!
ネコ耳つけちゃうのかよ!
メイド服着ちゃうのかよ!
ジャイアン殺っちゃうのかよ!
メイド部分ドコいったんだよ!

738:本当にあった怖い名無し
06/03/04 07:14:49 /eOG8WBdO
>>736
つまらん。

739:本当にあった怖い名無し
06/03/04 20:07:57 afW3sMnJ0
レ  プ ◆riDYjNSHkc
運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
>>414の人
とか拉致ってミザリーみたいなことをしてみたい。

740:本当にあった怖い名無し
06/03/04 21:26:05 MVwo4LEV0
……て、>>739さんが言ってるんだけど、どう思う?

他のお二方はともかく、アンタみたいなの拉致っても仕方ないでしょうに。

うん、まあそれは同感なんだけどね。嬉しいな、とも思うよ。

駄文書き散らすしか能が無い妄想野郎が勘違いしてんじゃないわよ。
ああ、それとも739さんを自分好みの女性の姿に置き換えて被虐的な愉悦に打ち震えてるって訳?
アンタみたいな変態はダンボールやペットボトルと違って、潰して刻んでも有効なリサイクルが
出来ないから始末に困るわね。いっそ有機肥料にでもしてくれようかしら。

……君は何故、言葉で僕を殺そうとするのかな。

鈍器や果物ナイフやバールのようなもので殺そうとしないだけ感謝なさいな。
さっさと何か書いたらどうなのよ。それしか出来ないお猿さんなら、書いて書いて書きまくってれば?w

溜まってから一気に出すのが気持ちいいんだよ。

………っ! ……あ、アンタねえ……そ、そういう下品な言い方……

自分だってその前に似たようなこと言ったでしょ? ん?

………へ……変態。なによ、ここぞとばかりに嬉しそうな顔で……

うふふふふふふふふ……うん、頑張ってカクよ。君の見てる前でカクからさ……

やめなさいって言ってるでしょ! ちょっ……ホントに…や、やめっ……!

……カイて出すとこ、きちんと見ててね? 

いやああああああああああああああああああああっっ!!!

741:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/03/04 21:27:08 MVwo4LEV0
とまあ、いつもこんな感じで守護霊さんと戯れつつ脳細胞シゴいてます。
あ、守護霊さんが両手で顔を覆いながらも指の隙間から見てますね。顔が紅潮して息が荒くなってます。
でもどうしてこの部屋には窓が無いんでしょう。お医者さんに聞いても答えてくれません。ぷんぷん。

742:本当にあった怖い名無し
06/03/04 22:32:34 afW3sMnJ0
催促しちゃったみたいでごめんなさい。
思う存分溜めてくださいすいません。

743:本当にあった怖い名無し
06/03/04 22:50:52 /eOG8WBdO
だれかまともなの書いてよ。

744:本当にあった怖い名無し
06/03/04 23:17:27 1LALiaWw0
>>735のパスは何よ!
…ベ、別に落としたいわけじゃないんだからっ!

745:本当にあった怖い名無し
06/03/04 23:21:05 J5RmeiEeO
>743
すまん。
力になりたいのはやまやまなんだが、
俺のは標準にも満たない粗末な息子なんで
応えられないんじゃよ…

746:本当にあった怖い名無し
06/03/04 23:28:24 vrvX4AG80
キーはローマ字で tundere
パスはツンデ霊をコピペ

微妙にうpの仕方を間違いたらしい…

747:本当にあった怖い名無し
06/03/04 23:28:56 eC3oUruW0
>>744
書いてあるじゃないか、そのまんま。

748:747
06/03/04 23:31:22 eC3oUruW0
>>746

スマソ、かぶった上に俺の書き方は正確じゃなかった。
ごめんね>>744


749:本当にあった怖い名無し
06/03/04 23:33:52 FUyVEuae0
>>745
いや、十六時間近く繋ぎっぱなしのあげくに
>>738
>>743
この態度のコジキ相手に下手に出てやる必要ないだろw

750:本当にあった怖い名無し
06/03/05 00:23:23 c7EL1P9c0
男『なァ、いつまでここに居るんだよ』
霊『………オマエガシヌマデサ』
男は深いため息と共にうなだれた。
事の始まりは三日前。友達とノリで行った心霊スポットで、見事に憑かれてしまったのだ。
声しか聞こえない相手は不気味ではあるが、特にこれといった実害が無い為に
イマイチ恐さが無く慣れてしまっていた。
男『随分と気の長い話だなオイ。そうだ、お前姿現せられないのか?』
霊『…?』
男『退屈だしさ。どうせ死ぬまで憑くっつーなら、俺も顔ぐらい知っておくべきだろ?』
霊『デキル……オマエカワッテル。コワクナイノカ?』
数秒ほど間を開けて答えた霊。わずかに戸惑ったように男に尋ねた。
男『いや、何されてるってワケじゃないしさ。物とか触れるのか?ゲーム付き合えよ』
そう言って男はテレビ台の下からゲーム機を取り出した。
霊『タブン……デモ、ヤッタコトガナイ』
男『んじゃ覚えろよ。教えてやるからさ。結構面白いんだぜ?さ、姿見せろよ』
霊『ウン………』
おずおずと言う返事が聞こえるや否や、男の目の前に白いモヤが発生した。
そのモヤは段々と濃くなり、人間の形を帯びてくる。
男『おぉっ!SFみてーだな!』
さすがに驚きながらも感動の声を上げる男。
そして、ついに霊はその姿を現した!
霊『どうだ?見えるか?』
そう言って手足を確認する霊。
黒い髪は肩まで伸び、白く透き通るような肌(実際僅かに向こうが見える)。
パッチリと大きな瞳の女幽霊が現れた。

751:本当にあった怖い名無し
06/03/05 00:39:35 c7EL1P9c0
霊『どうだ?』
それまでの声はくぐもっていてわからなかったが、今は完全に普通の女の声だった。
男『見えるぞ!おまえスゴいなー。こうして見ると普通の人間と変わらないじゃん』
霊『そ、そうか?』
感心して言う男に圧倒され、霊は戸惑いながら答えた。
男はそんな霊をまじまじと見て口を開く。
男『女幽霊か……しかも結構可愛くないか?』
霊『なっ!何を言ってるのだ!』
男の発言に白い肌を紅潮させ、慌てて怒鳴る霊。
男『だって幽霊らしいって言うよりも、普通の可愛い女のコって感じだし』
霊『え?あ、あーっと………うらめしや~』
男『古ッ!』
男は霊が苦し紛れに出した【幽霊らしさ】に突っ込みを入れた。
霊もさすがにハズしたのがわかったのか、さらに顔を紅くして俯いてしまった。
幽霊としての尊厳を傷つけられてショックだったのか、唇を噛み締めて目には涙を
浮かべている。
男はその様子を見てさすがに慌て、バツが悪くなったのか台所に移動した。
男『な、なんか飲むか?お茶で良いか?』
霊『…………』
霊からの返事は無く、男は頭をポリポリと掻いて茶を煎れた。
霊『わ、私は幽霊だぞ!それを可愛いなどと……』
ようやく少し落ち着いたのか、霊が強い口調で台所にいる男に言った。
男『悪かったよ。だって可愛いと思ったからさ。可愛いって言われんの……嫌いか?』
男は台所から戻り、自分と霊の前に茶の入った湯飲みをそっと置いて言った。
すると霊は俯いたままの紅い顔をプイっと横に逸らし、震える唇を動かす。
霊『私は幽霊なんだぞ……でも、嬉しくない訳じゃ…ない』

752:750
06/03/05 00:40:25 c7EL1P9c0
ツンデレ度が低い……駄文失礼

753:本当にあった怖い名無し
06/03/05 00:41:55 4nkNbObf0
>>752
いやいや、よかったですよ。
GJ!

754:本当にあった怖い名無し
06/03/05 04:14:39 VUE/t5lx0
「この桜を一緒に見るのもこれで最後だね」

風に舞う花弁が彼女の身体をすり抜けて―

「……もしかして泣いてるの?」

楽しげな笑みを浮かべて僕の顔を覗き込む―

「メソメソおっとこらしくないな~、最後ぐらい笑いなさいよ」

そう言って桜の木の下を踊るように歩くその頬に―

「約束! もう二度とわたしのために泣かないで!」

流れる雫を見た気がした―

「あなたはこれからまだ生きていくのよ」

振り向いた彼女はいつもの笑顔―

「わたしはもう側にいることはできないけれど」

可愛いと言えばいつもみたいに怒るのかな―

「大丈夫よ、あなたはわたしが愛した人だもの」


あれから五年が過ぎた
君を失ってからの僕には、この世界はとても色褪せて見えていた
でも、きっと大丈夫
君がくれた笑顔を、僕はまだ憶えているから

755:本当にあった怖い名無し
06/03/05 05:10:58 3HTdmhfU0
>>754
短いのにとってもよかったお・゚・(ノД`)・゚・。

756:744
06/03/05 11:40:45 OUPJTSOK0
DLPがtundereなら最初から書いておきなさいよ!
一生懸命コピペしたり「tunderei」とか「tunnderei」とか「tsunderei」とか打ち込んじゃったじゃないのっ!

まぁその…あ、ありがと >746-747

757:1of2
06/03/05 11:43:22 x04lHSSn0
「……なぁ」 「?」
「………おい#」 「何?」
「いい加減背中に張り付くのやめろよ」 「え?なんでぇ?」
「おれは仕事中なんだぞ」 「邪魔はしてないわよ?」
「ぴったりくっつかれて集中なんて出来るわけないだろ#」 「でもでもぉ、まだ実体化してないよ?」
「アホか!気配だけの方が始末が悪いわ」 「ww じゃぁ実体化するね♪」
「(しまった…orz) ば、ばかッいきなり実体化するなっ!! 椅子との隙間に強引に入り込みやがって…」 「あ、ごめぇん…どっか挟んだ?」
「……いや…挟んだんじゃないけど……その……む、胸が……(当たる…)//////」 「『胸が…』? なになに、あちしの胸がどうかしたの?w」
「ちょ、お前おしつけるなっ////// ………お前わざとやってるだろ?」 「『わざと』? ん~ふふっふ、な・に・をぉ?」
「(んっ!!)ばっかやろ、耳元で笑うな! 鼻息がかかるっ」 「(ぺろんっ)」
「ひぁっ?!」 「そっかそっかw耳が弱いんだったっけ♪」
「てめっ、仕事中だっつってんだろ!」 「だあってぇ、ちっとも構ってくれないんだもん。」


758:2of2
06/03/05 11:45:07 x04lHSSn0
「だから仕事中だと何度も…」 「でもお話くらいは出来るでしょ?なのに話しかけても無視するから…」
「……ちょっと待て。 この前に廻した手は何だ?」 「えぇ?……さぁ、なんでしょー♪」
「話はしてやるから、とりあえず離れろ」 「ねぇねぇ聞いて、あちしってこう見えても結構器用なんだよー」
「…話を聞け# ………って!ぁあっ?! な、何を…」 「ほらほら、服だけ透り抜けて体をさわれるの♪」
「ばかてめ胸を…(ち、乳首を)触るな…ッ」 「なぁに?『ドコ』だってぇ?(クリクリ)」
「ちっ、力が抜けるゥ」 「あらら、いきなり へにゃっ って体がやわらかくなったよ?」
「書類についたばっかりの判子が顔に写っちゃったじゃないか…」 「でもでもキミの下の『判子』は硬いままだね♪」
「ひゃァふぅゥんン……」 「(ありゃまw)……女の子みたい//////」
「…んぅー……おま…ぇの……せいじゃんかぁ…」 「ごめんね? もう止めた方がイイ?w」
「…………//////(やだ)」 「聞ぃこぉえぇなぁいーww」
「……ッ……///(お、お願いしますゥ)///」 「なぁにぃをぉー?ww」
「(ガバッ!!)」 「きゃっ!?」
「(むちゅう~)」 「(モガモガ)…ぷはっ。 ばっ、ばっかねぇw あせらないの♪」


日曜出勤で誰も居なくてよかったねw
この場には誰も居ないから、この後は判りませ~ん。

759:本当にあった怖い名無し
06/03/05 12:06:53 EV+YQW8qO
ツンの部分はとっくに通り過ぎてデレ一筋って解釈でFA?

760:本当にあった怖い名無し
06/03/05 12:19:06 x04lHSSn0
ごめん、♂=ツンデレ、♀=霊

761:本当にあった怖い名無し
06/03/05 13:25:20 iGRya1+m0
>735の声優、二・三人わかった俺はもうダメですか?

762:本当にあった怖い名無し
06/03/05 13:57:52 ftNAKxMpO
>>752
続きよろ!

763:本当にあった怖い名無し
06/03/05 15:31:16 ZUvHOWYRO
>>752 俺としても激しく続きをキボンヌなのだが…

764:本当にあった怖い名無し
06/03/05 16:31:11 o/LWQ+KR0
なんか最近ハァハァメーターが上昇する傾向にあるな。
でも皆さんGJ!


765:752
06/03/05 16:34:20 c7EL1P9c0
えーと、続きの内容は考えてたりしますので、追々書かせていただいておk?
創作文芸の方や趣味でも色々書いてるので、亀更新ですがヨロ。

エロ無いがな。

766:本当にあった怖い名無し
06/03/05 17:01:55 wqi8shTn0
>>140-148は神の領域だな。

767:本当にあった怖い名無し
06/03/05 17:16:08 e+e6ecPrO
>>766
禿同

768:本当にあった怖い名無し
06/03/05 19:35:49 GpK/oT9y0
URLリンク(dokuo-ha-hitori.dyndns.tv)

見つけたものを。

霊ではないが、まぁ人外ってことで

769:本当にあった怖い名無し
06/03/05 19:42:54 POTlvnbPO
乗せてください(* ´Д`)

770:本当にあった怖い名無し
06/03/05 19:53:01 x04lHSSn0
運動場整備部隊さんとか>>752さんを待ちつつ、基本に立ち戻ってみた。
洒落怖からの改変。


もう何年も前の話ですが。

ある男性は、絶世の美女に追い回される夢を見ました。
そのあまりの形相に、助けを求めようとしましたが、間もなく捕まって奴隷に!
自分のモノスゴイ悲鳴で目が醒めました。


ある日彼は、近所の公園の側を歩いていました。
すると、なんと夢で見た女王様にソックリな女が向こうからやって来るでは
ありませんか!
その異様な笑みに恐怖したあまり、彼は電話ボックスに駆け込み友人に電話をかけました。


女は通り過ぎました。


安堵の胸を撫で下ろし、再び歩き始めた彼。
するとまた向こうから薄笑みを浮かべたあの女がやって来たのです!

心臓は割れ鐘のように乱れ打ち、腋も手の平も冷や汗でじっとり濡れています。
しかし今度は逃げ込む場所がありません。

彼は、女の、横を、通り抜けました。

女は そのまま 通り過ぎながら 呟きました「今度はあたしが尽くしますわ」

771:本当にあった怖い名無し
06/03/05 20:39:19 nv8b2NGD0
>>770
あー、確かに初期は改変が基本でしたな。シンプルで味わいのあるのが多かった。

>間もなく捕まって奴隷に!

羨ましい、と思ってしまった俺の脳は膿んでるに違いない。

772:本当にあった怖い名無し
06/03/05 20:55:16 x04lHSSn0
じゃご降臨をお待ちする間にもうひとつ改変もの。


友達から聞いた話で、結構ぞくっとしたのを一つ。

ある若いカップルに子供ができてしまい、
おろそうかどうしようか悩んだあげく、産むことにした。
しかし、まだ若い二人は育てることも出来ず、
相談した結果、その子を殺すことにした・・・。
二人は夜中に湖に行き、おいてあるボートに乗って
真ん中あたりまで漕いで行った。
彼女は何度も「ごめんね、ごめんね。」
と言いながら赤ん坊を湖にポチャンっと落とした。
それから何年かして、そのカップルはようやく
結婚することになった。
そして二人の間に女の子が産まれ、幸せに暮らしていた。
その女の子が4歳くらいになったある日、その子が
突然湖に行きたいと言い出した。
父親は気が進まなかったが、あまりにしつこく言うので
仕方なく親子3人で出かけることに。
湖につくと今度は「パパ、あれ乗りたい。」
とボートの方を指さして言う。
しつこくねだられ、しぶしぶボートを借りて
湖の真ん中あたりに来たところで、女の子が
「パパ、おしっこしたい。」と言い出したので、
仕方がないと思い、周りに誰もいないのを確認して
湖にさせようと娘をだっこした。
ちょうど両足を持って、二人が同じ方向を向いていると
娘がくるっと振りかえり、「今度もまたおとうさんとおかあさんの子供になるね」

773:本当にあった怖い名無し
06/03/05 21:08:36 x04lHSSn0
連投スマソ しかも無駄にageちゃった…orz

5年くらい前夜中の2時30分頃テレビをつけたら
カラーバーが映っていて(あたりまえですが)
ああ、やっぱりこの時間は放送やってないな、寝ようと
ふと思ったその時急に画面が切り替わって
ゴミ処理場が映し出されました。そしてテロップに
NNN臨時放送と出てひたすら処理場を遠景で映し続けるのです。
なんなのだろうと思って様子をうかがっていると
人の名前がスタッフロールのようにせり上がってきて
女性のナレーター?が抑揚のない声でそれを読み上げていきました。
バックには暗い感じのクラシックが流れ
だいたいそれが5分くらい続いたでしょうか、最後に
「明日の犠牲者はこの方々です…
 …逃げて……逃げて!そこからはやく!超逃げてー!!」

その出来事で2chを筆頭に至るところで祭となり、
名前を読み上げられた人は早急な避難をしたため無事だったそうです。

774:752
06/03/05 22:12:46 hUKxqBVw0
 男と霊の奇妙な生活の続き。
昨日初めて姿を見せた霊と男は自己紹介を済まし、身の上話をしている。
男の名前は吉野裕也。21歳の大学生で、アパートに一人(+幽霊一人)暮しをしている。
霊の名前は床次綾。享年17歳。江戸時代に神官の家系に生まれた巫女だったが
町民の男と恋仲になった。しかし周囲にその仲は許されず、結局何処かへ消えてしまった
男を恨んで自害。それからは怨霊となり、男に取り憑いてはその死を見て来たそうだ。
『……そりゃゾッとしないなー…』
裕也は背中に冷たい汗を感じながら言った。
『私は怨霊だと言ったハズだ。お前が死ぬまで憑くともな』
当然のように言い、ズズっと少々ぬるくなりかけた茶をすする綾。
『ふーん…でも、俺に物理的な実害は与えないんだろ?』
『あァ。しかし、大体の者は気が触れて自殺しているな。憑いている事は度々本人に伝える』
『まァ見えない所で声がするっつーのは恐いわな。謎だとか未知だとか、正体不明な
モンに人間は弱いだろうから。あ、新しいお茶いるか?茶請けもあるけど』
裕也は空になった自分と綾の湯飲みを盆に乗せ、台所に移動する。
『あのな……私にはお前のその態度が不可解だ。なぜ私を恐れない?』
綾はゆったりとした白装束の袖をガバッと逆立たせ、いらだった様子で床を叩いた!
『あ、バカ!下の部屋の人うるせーんだから床叩くなよ!』
『あ…う……す、すまん』
いきなり強い口調で怒られ、しょんぼりとする綾。その周囲はずーんと暗くなり、
どこから出したのか人魂まで浮いている。


775:752
06/03/05 22:15:08 hUKxqBVw0
(ったく…しょーがねー幽霊だな)
落ち込む綾の様子を見て裕也は苦笑した。ヤカンに火をかけ、茶請けを出そうと棚を開ける。
『あ、クッキーしかねーや。綾は江戸時代生まれって言ってたけど…食うのかな?』
そんな疑問を浮かべて裕也は台所のカーテンから顔だけを出す。
『おーい……ってまだ落ち込んでんのかよ』
先ほどよりも一層暗さを増した雰囲気の綾にため息をつく裕也。
『放って置いてくれ……所詮は低級霊。人に恐れられないだけでなく、よもや叱られようとは…』
そう言って後ろ向きの体育座りをする綾。気づけば人魂も増えている。
(あっちゃー…落ち込む幽霊に憑かれてる俺って…)
浮かびかけた若干の情けなさを無視し、裕也はクッキーの箱を取り出した。
『もー怒ってねーから。な?それよりも綾、お前クッキー食べられるか?こんなモンしか
なかったんだけど、食えなかったら何だからよ…あれ?うわあっ!』
裕也が言い終わるか終わらないかの内に綾の姿が消え、突然裕也の目の前に姿を現した!
『く、くっきぃか!?わ、私も食べて良いのだな?裕也、男に二言は無いな?』
『お、おう!』
ガラリと態度を変えて興奮気味にまくし立てる綾に圧され、裕也は裏返った声で返事をした、。
『嗚呼…早く茶が沸かないだろうか。裕也、何か手伝う事は無いか?』
長く生きている中で、綾は当然現代の食事や菓子に興味を持っていた。
しかしそこは幽霊、想いを馳せるだけで口にした事は無かった。
『あーっと…とにかく静かに待っててくれ。用意すっから』
『大人しく待てばよいのだな?わかったぞ♪』
そう言ってニコニコ顔でチョコンと正座をする綾。
先ほどまでの暗さや人魂は消え、ほのかに輝いているように見える。
裕也は簡単なことに気づき、湯気を立てるヤカンに近づき小さく笑った。
綾は幽霊ではあるが、17歳の女の子に変わりは無いのだという事に。


776:752
06/03/05 22:16:54 hUKxqBVw0
ツンデレ路線じゃねーな…
スレ違いになりそうな悪寒。

重ね重ね駄文スマーソッ

777:本当にあった怖い名無し
06/03/05 22:25:50 4nkNbObf0
>>776
駄文だなんてとんでもない、重ね重ねGJ!

778:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/05 22:30:47 x04lHSSn0
>>776
GJでやんす!!
俺のなんかよりずっと読み易い

>>777 い~なぁ~スリーセブン…
もうちょっと早く気付けば…orz

779:752
06/03/05 22:34:30 hUKxqBVw0
>>777フィーバーッ
ありがとうございます。
次回また後日、投稿(?)させていただいた時に読んで貰えたら嬉しいです。
どもっ!

780:777
06/03/05 22:47:56 4nkNbObf0
>>778
レス番号も見ず書き込んだ後すぐ消しちゃったんでわかんなかったw

>>779
こちらこそありがとうございます。
楽しみに待ってます。

781:1/4
06/03/06 00:59:45 Qc4wGz1J0

 電話のベルが鳴る。
 この場―四畳一間の殺風景な部屋―には異質な、禍い気配。
「わたし、メリーさん」
 昨日から、電話越しに聞いていた、刃物のように鋭利で、花のように可憐な声。
 …その声の主がどんな人なのかって、想像したりもした。
 というか、電話をかけたのはこっちだ。 噂を信じて、やってみた。
 「今、ドアの前」らしい。 楽しみだ。 ……楽しむのは間違いかもしれないけど。

「―――今。 あなたの、後ろにいるの」
 背後から視線を感じて、咄嗟に振り向いた。 …彼女の顔が、見てみたかったから。
「……………な」
 白く、まるで雪のような肌。 肩まで伸びた、漆黒の髪。
 そして、人形のように整った顔。 その表情からは、何ひとつ読み取れない。
 ……ただ、目だけは違う。 カエデのように紅いその目からは、明確な殺意が感じられた。
 着ているのは、黒のドレス。 とてもよく似合っている。
 どこをとっても、完璧と言っていいくらい、美しかった。 ……右手にもつ大鎌が、どこかアンバランスだが。

 男として。 こんなキレイな子に殺されるなら、本望だろ。
 平々凡々に、病気かなんかで死ぬよりずっといい。
 ……なんてコトを考えていると、彼女がその小さな口を開いた。
「…私に殺される前に答えて。 何故、自分から電話を掛けたの?」
「すごいキレイな子だって聞いたから、掛けてみた。 ここまでキレイだとは思わなかったけど」
 …僕がそういうと、彼女は僕をぎろり、と睨みつけた。
「笑えない冗談はいいわ。 …そんな、ちっぽけな理由で自分の命を掛ける人間なんて、見たことないもの」
 …ジョークだと思われてるらしい。 心外だなぁ。
「価値観っていうのは、万人共通ってわけじゃないからね」
「…そうね。 あなたの価値観は、普通の人間とはかけ離れているわ」
 嘘じゃない、と納得してくれたらしい。 呆れているようだけど。

「ところで。 少し、話をしないかな? 自省の句、ってやつだと思って」
 こくり、と頷く彼女。 それが、彼女のイメージと重ならなくて、ちょっと笑ってしまった。

782:2/4
06/03/06 01:00:27 Qc4wGz1J0

「…なにが、おかしいの?」
「いいや、なんでも。 それじゃあ、お近づきの印にこれを」
 冷蔵庫まで歩いて、ヤクルトを取り出す。
「…いらないわ」
 差し出すも、払いのけられた。
「……おいしいのになぁ、ヤクルト。 うーん…いちご大福食べない?」
 戸棚から大福を取り出す。 賞味期限はまだ大丈夫だ。
「いらないって、言ってるでしょう」
 またも払いのけられる。 …こまったな、もう女の子にあげるような物がない。

「ああ、もううまい棒しかないね。 僕まじすげぇひでぇ劣悪なる環境下」
「さっきから、しつこいわね。 …何が目的なの?」
 ……目的もなにもない。 僕は、ただ――
「君の笑顔が見てみたい、かな」
 その凍った表情を、溶かしてあげたいだけなんだ。

 だって、だってさ。 誰からも怖がられてて、ずっとひとりでいる。 それは、何よりも辛いことじゃないか。
 その苦痛は、彼女にしかねぎらえないものだ。 けど…彼女だって、僕らと同じで感情を持っている。
 ……だったら。 僕ひとりでも、彼女の苦痛をねぎらってやりたい。
 だって、誰からも理解されないなんて。 …そんなの、虚しすぎる。 哀しすぎる。

「恩を着せがましいわね。 …気持ち悪いわ、そういうの」
「うん、そうかもね。 ……でも、本心だよ。 君の笑顔が見てみたいって言うのは」
 思っていることが、すぐに口から出てしまう。 …ああ、恥ずかしいな。
 ―――たぶん。 僕は、彼女に惚れている。 これ以上ないってくらい、首っ丈に。

「食べれないってわけじゃないなら、食べてよ。 最後の頼みだと思ってさ」
「…食べ物を食べるバケモノなんて、いないわ」
 ……その発言に、なぜか、かちんときて。
「君は、バケモノなんかじゃ、ない…!」
 …自分の口から出たとは思えないくらい、力強かった。


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