06/02/22 01:37:07 zVRNbdbK0
わたしの幼馴染である舞、どんなときも一緒だった。
これからも、いつまでも一緒にいようねと約束してた。
その約束は今も守られている。
そう、中学の頃に彼女が交通事故で死んでしまっても守られている。
新しい企画の書類を手に階段を降りてるとき、背中に衝撃が走り天地が逆転、回転する視界の中では舞い散る書類と共に、あのときのままの姿の舞が見えた。
『あんただけのうのうと生きてる。許せない』
脳裏に響く呪詛の声。済まない気持ち、不安感、そして、
「大丈夫か!?」
がっしりとした胸板に支えられる安心感。
「まったく、しっかりしろよ……」
苦笑する彼。この会社に入ったときからずっとわたしを支えてくれた先輩だった。
説明のつかないトラブルと共に脳裏に響く舞の呪詛、そして彼のフォロー。
自然と彼との距離は縮み、わたしの心に深く入り込んできた。
舞がいた空間を見上げると、彼女は慌てふためいていた。
『相変わらずトロいわね。あ、いやその……ふんだ、どうして、どうしてよ、あんたをとり殺してやりたいのにどうしてこうなっちゃうのよ!』
何もない空間に地団駄踏みながらぼやき消えていった。