なにそのツンデ霊★2人目at OCCULT
なにそのツンデ霊★2人目 - 暇つぶし2ch500:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:37:07 zVRNbdbK0
 わたしの幼馴染である舞、どんなときも一緒だった。
 これからも、いつまでも一緒にいようねと約束してた。
 その約束は今も守られている。
 そう、中学の頃に彼女が交通事故で死んでしまっても守られている。

 新しい企画の書類を手に階段を降りてるとき、背中に衝撃が走り天地が逆転、回転する視界の中では舞い散る書類と共に、あのときのままの姿の舞が見えた。
『あんただけのうのうと生きてる。許せない』
 脳裏に響く呪詛の声。済まない気持ち、不安感、そして、
「大丈夫か!?」
 がっしりとした胸板に支えられる安心感。
「まったく、しっかりしろよ……」
 苦笑する彼。この会社に入ったときからずっとわたしを支えてくれた先輩だった。

 説明のつかないトラブルと共に脳裏に響く舞の呪詛、そして彼のフォロー。
 自然と彼との距離は縮み、わたしの心に深く入り込んできた。
 舞がいた空間を見上げると、彼女は慌てふためいていた。
『相変わらずトロいわね。あ、いやその……ふんだ、どうして、どうしてよ、あんたをとり殺してやりたいのにどうしてこうなっちゃうのよ!』
 何もない空間に地団駄踏みながらぼやき消えていった。

501:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:37:45 zVRNbdbK0
 ある日、会社のPCがウイルスにでも感染したのかまともに作動しなくなり、データも滅茶苦茶に破壊されて社内は大混乱に陥った。
 彼女の気配に気づき振り向くと、案の定舞がほくそえんでいた。
『仕事失って路頭に迷うといいんだわ』
 そして彼女は消えた。
 実際、この騒ぎによって納期が遅れた。
 だが、これは僥倖だった。
 破壊されたデータは上層部の暴走による違法建築のものだったのだ。
 もし納期に間に合っていたら、それを元にとんでもない建物が作られ沢山の人生を狂わせていただろう。
 この問題は隠蔽しきれず会社は傾き、私も彼も人員整理のため退職することになったが、むしろ救われた気持ちだった。
 責任とるため社に残りトラブルの収拾という過酷な仕事に立ち向かう上司のおじさんが私と彼の肩をたたき、若いお前たちはまだやり直せると励ましてくれた。

 帰宅し、ベッドに寝転ぶ。
 これからどうしようか、考えねばならないことはたくさんあんるけど決して絶望的な気持ちにはならなかった。
『ああもう、どうしてあんたはそうして幸せそうなのよ!』
 振り向くと舞が仏頂面でいた。
 わたしは思わず彼女を抱きしめていた。相変わらず素直じゃないけど、それでもわたしのことを思いやり、支えてきてくれた大事な友達。
 幽霊のはずなのにわたしの腕の中にすっぽりと収まった、あのときのままの体格の彼女の感触を感じる。
 あのときから時が止まった舞。
 背を追い越し、大人になってしまったわたし。
 すっかり大人と子供という図式になってしまった親友同士のわたしたち。
 彼女に対するいとおしい気持ちは、頭をなでるという行為に向かってしまった。
 もう、あのときのようにはできない。
 それでもしばらくは素直に撫でられてくれたけど、すぐに跳ね除けられ、すっと彼女の体の感触が消えて腕はすり抜けた。
『ふん、子供扱いするんじゃないわよ! あの時はあたしのほうがずっと背が高かったのに!』
 そう憎まれ口をついて消えていった。なでなでされるのいやなら実体化しなけりゃいいのに。

502:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:38:43 zVRNbdbK0
 どうしよう、顔の紅潮が収まらない。
 下腹部から満ち足りた感覚が伝わってくる、どうしよう。

 なかなか再就職先が見つからないわたしと彼は、皮肉なことにハロワで再会した。
 近況を話しながらしとしとと冷たい冬の雨の中彼と連れ立って歩く。
 そのとき、傍を通りがかった車が急にハンドルを切り、わたし達に近づいてきた。
 車の進行方向には怪しげに微笑む舞が見えた。
 幸いすぐに車はハンドルを切り返し、ぶつかることはなかった。
 だが、水溜りに突っ込み跳ねた泥でびしょ濡れになってしまった。
 そして、彼の家は近くだというのでそこに向かい、なし崩し的に……。

 それを思い出すと、顔が赤くなるのを押さえられなかった。
『あーあ、あたしみたいに車に跳ねられて死ぬのがお似合いだと思ったのに』
 相変わらずの憎まれ口に振り向くと、案の定舞がいた。
 素直になれない彼女のサポートにはどんなに感謝してもしきれない。
 またも抱きしめ、撫でてやろうとしたが今度は初めから腕は空振りし、彼女の感触を感じることなく腕はすり抜けた。
 舞は一瞬寂しげな笑みを浮かべ、すぐにいつもの勝気な顔に変わる。
『いい加減、ドンくさいあんたをからかうの空しくなったからやめるわ』
「……え」

503:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:39:22 zVRNbdbK0
 そのときわたしは、彼女にこれまでにない変化を発見していた。
『正直、うんざりしてたのよ。行動のろいし、自分でものごと決められないし、自発的になかなか行動起こさないし、あたしがケツひっぱたいてやらなきゃダメだし。もう面倒見きれないわ。
 これまでの消え方とは異なり、形がぼやけ、揺らいでゆく。声も不明瞭になっていった。
 あるひとつの可能性、私はそれを悟ってしまった。
「……そうだね、わたし、もう大人なんだから自分でやらなきゃね」
『そうよ、あたしとちがってアンタは生きてて、大人になったんだから』
「……うん、わたし、しっかりしなきゃね」
『じゃ、あたしもう消えるから。悪かったわね、今までつきまとって』
 そんなことない、そう言いたかった。でも私の喉は言うことを聞いてくれない。
 いつのまにか舞の顔もぐしゃぐしゃに泣き崩れていた。
 そして舞の姿は更にぼやけ薄れていく。
 抱きしめ、撫でてあげたいけど手はやはりすり抜ける。
 そしてあいかわらず、声はかけられない。
 消える間際にふたたび舞は不敵な笑みを浮かべた。
『そうそう、言い忘れてたけど、あんたが彼とシてるときのアレに穴あけといたの。あんなさえない男のタネ埋め込まれて、一生を棒に振るといいんだわ』
「……え!?」
 わたしの質問も待たず、舞は消えた。
 フリーズしていたわたしの貧弱な脳ミソはようやく再起動し、思考を再開する。
「そうだね、もう、自分で決めなきゃ」

「ほら、パパに行ってらっしゃいしなさい」
「いってらっしゃーい」
 夫を見送ったあと、あの子は何かを手にし、とてとてと駆け寄ってくる。
「どうしたの? 麻衣」
「おかあさーん、ごほんよんでー」
「はいはい……むかしむかしツンデレラという……」
 止まっていた彼女の時間は動き出す。

 これからも、いつまでも一緒にいようね。

 あの約束は、今も守られている。

504:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:47:55 DzWl5kHe0
>>499

>>500-503

GJ!!!

505:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:50:39 ymgW8zFHO
たまにはいいな、こういうのも 取りあえずgj

506:本当にあった怖い名無し
06/02/22 02:11:23 u18MHNZzO
(*^ー゚)b グッジョブ!!

507:本当にあった怖い名無し
06/02/22 02:38:27 kuNyYsah0
ぼくにもそのごほんよんでええええええええ!!!

508:本当にあった怖い名無し
06/02/22 02:52:18 qlI433vl0
ここは番町皿屋敷
今宵もお菊の悲しい声が響く……


「一枚……二枚…………七枚……八枚……きゅ……あ、あれ? 二枚足りない、なんで?」

「いやーすまんすまん、今日出す料理の皿が足りなくてさ、一枚借りたよ」

「ちょ、なにやってんのよ! 勝手に持ち出さないでよ!」

「だから悪かったって。どうしてもいい皿が見つからなくてさ、料理長に怒られるんだよ」

「うるさい! そんなんだからいつまでたっても半人前なのよ!」

「……しょうがないじゃないか……これ返すよ、ありがとう」

「あっ、ちょっと……わたし、あなたの料理、結構おいしいと思うわよ」

「……ありがとう」


ここは元番町皿屋敷、今はとある日本料理屋
今宵もお菊の優しい声が響く……

「八枚……九枚……だから表も裏もちゃんと洗えってあれほど言ってるのに!」

509:本当にあった怖い名無し
06/02/22 07:47:32 ujr33+13O
お茶ドゾドゾドゾー
    旦~
 旦~    旦~
   ヽ ) ノ
旦~⌒(`・ω・)ノ旦~
   / ( ヽ
 旦~    旦~
    旦~

510:喪主・堕ヤン
06/02/22 13:02:15 EGd3xRstO
付き合っていた彼女が交通事故で死んだ。
5日前のことだった。
それ以後毎晩のように夜に現われる。
昨夜は「氏ね…氏ね…オマエなんか氏んじゃえ…」とぐいぐい首を絞めてきたのでお経をとなえて追い払った。
 
そして今夜は耳栓を装着をし青竜刀とヌンチャクで武装して僕の前にいる。
「殺す…殺す…殺殺殺殺殺殺殺!ヒャッハァ!」
目が血走っている。
 
以前からの疑問を紙に書いてぶつけてみた。
『なんで事故をおこした相手に祟らないで僕に祟るの?』
彼女はボッと赤面し
「べっ…べつにあんたが一緒じゃなきゃ淋しいとじゃないんだからねっ!
か、勘違いしないでよね!」と照れながらヌンチャクで僕の頭を打ち砕いた。
いまでは二人仲良く自縛霊として新しい入居者にたたっています。


511:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/22 13:10:12 jgHejIry0
>>510
は…ハッピーエンドなんですよね? 乙です。

耳栓した女性に声が届いたのは不問にします。

512:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/22 13:11:05 jgHejIry0
すいません、よく読んだら、紙に書かれたんですね。

吊ってきます。

513:本当にあった怖い名無し
06/02/22 13:57:15 u18MHNZzO
>>511
耳栓をした男に何故「べっ…べつにあんたが一緒じゃなきゃ・・・
が聞こえたのか、だろ?

514:本当にあった怖い名無し
06/02/22 14:56:05 0cnG50dZ0
ここってまとめサイトあるの?

515:本当にあった怖い名無し
06/02/22 15:44:49 l2WxRdbP0
>>514

>>340

516:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 19:02:22 eIw7nQUe0
朝目覚めるとちゃぶ台の上に朝ごはんが
用意してあった。
そういえば昨夜、また用事で朝からでるといっていた。

どこに行くんだろう・・・。
気にはなるけど、いわないのなら聞かない。
ハムポンは朝はもう寝ている。夜行性だから仕方ない。

ふと見るとメモが一枚添えられていた。

「勘違いしていい気にならないでよね。帰りにキャベツを買ってくること。
私はあなたにとりついているんだから。餓死とかされちゃ困るからだからね。
私があなたを祝ってやるんだから。祝って祝って祝いまくるんだから。
いってきます」

・・・・・誕生日でもないのにそんなに祝われても困るなぁ。
だが・・・ほんのり気になる。彼女に聞いてみようか。
彼女・・・霊感少女だ。

517:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 19:02:57 eIw7nQUe0
「これを見てくれないか」
例の霊の残した書置きを見せた。
「・・・・何これ?あんたすごい祝われてるのね」
「そうなんだ。いや、そうじゃなく・・・」

僕は書置きを残して消えるレイポンの話をした。彼女は僕の斜め後ろ、
入り口などをちらちらと見ている。
「なるほど。いないわね。ジラシのテクじゃないみたい」
そしてじーっと僕を見る。

「知らないなら知らない。解らないならわからないでいいんじゃない?」
といった。明らかにどうでもよさそうだった。
ただ、漢字辞書を買ってやれとアドバイスされた。そうだな・・・

「・・・何これ?キャベツはどうしたのっ?何やってるのよっ」
「・・・え?あっしまったっ・・・・」
ショックだった。いろいろ思うところがあるとはいえ、僕がハムポンのご飯を買い忘れる
なんて。ありえない失態だった。僕に生きる価値なんか、なかった。

「すぐ買ってくるっ」
部屋を飛び出し戻ると、レイポンはいなかった。ご飯は出来ていたが、呼んでも返事してくれない。
ご飯にメモが添えられていた。
「朝は祝ってやっただけよ。夜は呪ってやるんだから」

恥ずかしいんだなぁ。悪いことしたな。

518:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 19:14:27 eIw7nQUe0
とりあえず話のみで。

みなさんすごいツンデレですね。
私の話はツンが足りないような気がするのですが、いかがでしょう。
範馬親子(ファンです)のようなツンとデレが必要かと思う今日この頃です。

519:本当にあった怖い名無し
06/02/22 20:03:11 VwCcjEXd0
>>518
暴(ry

520:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/22 20:28:27 k4OF8wQq0
雄子さんはツンというよりザクッとかドキュッとか。……殺愛だね。

521:喪主・堕ヤン
06/02/22 20:34:46 EGd3xRstO
主人公(?)の彼女をレイープしてしまうような雄子さんをツンと認定するにはためらいを感じるような気がしなくもなくもないような。


522:本当にあった怖い名無し
06/02/22 20:55:11 DKurJ7XfO
ツンデレのツンってのは要はかまって欲しいが素直になれないわけだから雄子タソは…






でも!でも!俺は好きなんだからね!

523:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 21:48:36 eIw7nQUe0
ただいまです。
雄子さん大人気ですね。いろんな意味でw
でもなんか好きなんですよね。

で・・・感想などもいただけたらと(;ω;)

524:本当にあった怖い名無し
06/02/22 21:56:11 DKurJ7XfO
スマソorz 雄子のほうに気をとられちまった
>祝って祝って祝いまくる
がたまらんよね!
こういう間違い可愛いよな!gj!

525:本当にあった怖い名無し
06/02/22 22:02:26 kuNyYsah0
>>524
のところが良すぎた
これをオチに持ってきたらなー、って思った
いや好みの問題だけど

526:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/22 22:04:40 k4OF8wQq0
>僕がハムポンのご飯を買い忘れるなんて。
>ありえない失態だった。僕に生きる価値なんか、なかった。

レイポンの報われなさっぷりに号泣だ。そりゃ祝いたくもなるだろうw


527:本当にあった怖い名無し
06/02/22 22:25:05 ElqthhUD0
ええと、こういう時はアレだな。有名なヤツ。
URLリンク(www.happy-page.jp)

528:422
06/02/23 00:23:35 lBxtxbZi0
>>508
なんか今書いてるやつがカブッちゃったよ。 「番町皿屋敷」モノ。
まだ書きかけだから修正します・・・。Orz

529:本当にあった怖い名無し
06/02/23 00:28:22 GNLLjyjP0
>>ポン介
チクショウ!毎晩「レイポンに会えるかもV」とか
絶対思ってやってないんだからね!
…でも2日に一度くらいなら会ってあげてもいいけど…

(ごめんなさい。ぶっちゃけすっげー楽しみにしてます!)

530:本当にあった怖い名無し
06/02/23 01:06:16 P4qjBj160
アイタタ…

531:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/23 06:30:37 T5cErjGf0
おはようございます。
すいませんっ寝てましたorz

感想ありがとうございます。励みとし、精進しますっ(・ω・)ゞ

532:本当にあった怖い名無し
06/02/23 09:43:46 gWHpboiaO
VIP でやれ
終了

533:本当にあった怖い名無し
06/02/23 10:09:57 ZsFFswwQO
ハン板に帰れ。再開。

534:本当にあった怖い名無し
06/02/23 19:06:51 X72nAIRRO
急に人が居なくなったような・・・

535:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/23 19:11:20 oxIMQX6+0
とんとん。と、誰かが背中を叩く。
部屋には俺一人しかいない。そんなことはありえない。
俺は無視してパソコンのモニターを見る。
今度は、どんと壁が打ち鳴らされた。
俺は一人。俺は一人。俺は一人。

今度はバサバサッと本が落ちる音がした。
とんとん。とまた、誰かが背中を叩く。
小便ちびりそうなのをこらえて、モニターにかじりつく。
電気がちかちかっと明滅した。
怖い怖い怖い。
俺は諦めて恐る恐る後ろを向いた。

もちろん、誰もいない。拍子抜けした。
俺はパソコンのモニターを落として、布団に入った。当たり前だが布団は頭まで被る。
電気はつけておく。
怖くない怖くない怖くない。
ぎぃ…と、ドアが開く音がした。
こつ、こつ、こつ。堅い廊下をヒールで歩くような音がする。
ありえない。幻聴だ。だって、この部屋畳みだし。
ことっと、なにかを枕元に置く音がした。

こつ、こつ、こつ…ばたん。
ドアが閉まる音。そーっと、頭を出すとしびんがおいてあった。

手に取ると耳元で声がした。
「もらされると部屋がくさくなるからよ。あなたのためじゃないんだから…」

漏れました:;

それからは、俺がトイレにいったあとにだけ、怪異が起きるようになりました。

536:本当にあった怖い名無し
06/02/23 19:49:44 W+IFq+NsO
気遣い霊w
GJ!

537:本当にあった怖い名無し
06/02/23 20:22:37 T5cErjGf0
>>535
しびんw
その優しさが染みるいい話ですねw

GJ!

538:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/23 20:52:52 ZKIdv98j0
書いた自分が言うのもなんですが、受けるとは思いませんでした

練る時間が足りなかったので・・・

539:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/23 21:05:36 T5cErjGf0
宿題をちゃぶ台でやっつけてる。
いつも小難しいプリントを用意してくれる先生だった。
覗き込んだと思われるレイポンは

「ま・・頑張んなさい。ふふんっ」
といって、台所に今はいるようだ。洗物をする音がする。
あの余裕はなんだ・・・?
ハムポンはかさかさっと出てきて今は砂浴びをしているようだ。
そんな一人暮らしの賑やかな静寂の中・・・・

「きぃぃやぁぁーーーっっ」

静寂を破る悲鳴が響いた。レイポンだっ
「ど・・どうしたっ?」
台所に駆け込むと、黒いあの昆虫がっ
「で・・・でたぁっでたのよぅ」

お化けが出る部屋で、お化けに出たといわれる存在、ゴキブリだった。
僕も正直苦手だった。最近の食生活の向上に伴い、出たのだろう。
新聞を丸めて戦おうとするも間に合わず、ゴキブリは姿を消していた。

「あ・・・あれしましょう。しゅってして・・めぼーってなるやつっ」
レイポンの声は哀れなほどに震えている。
「落ち着いて。何かわかんないよ」
「バ・・バルサンよっ」
「ハムポンがいる部屋でそんなもの使えるかーっ」
「な・・・~~ばかーっっ」

その後夜を徹しての狩をやらされた。宿題はできなかった

540:本当にあった怖い名無し
06/02/23 21:24:16 350eTkyDO
レイポンは可愛いなぁもう

541:本当にあった怖い名無し
06/02/23 21:31:34 h4f/4qeSO
レイポン下さい…
・。'(ノД`)゚,・
gj

542:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/23 21:37:25 T5cErjGf0
レスありがとうございます。

まとめサイトにオチスレ(?)作ったので、よろしかったら
来てください。まとめサイトで僕と握手っw

543:本当にあった怖い名無し
06/02/24 02:02:05 ZAKaD0nH0
>>539
ハムポンはゴキブリを食べるお

544:本当にあった怖い名無し
06/02/24 03:29:01 /ENJz97b0
そしたらレイポンドン引きだな

545:ジャクリーン・ハンマーはツンツン
06/02/24 05:45:04 qj2TZk+DO
とりあえず、住居不法侵入で刃子を警察に突き出して一安心。
部屋に帰ると長身の金髪女が注射でクスリをキメている真っ最中だった。
 
「…なにやってんの?」
 
「ツンデレ強化薬だ。ツンデレの為なら明日など要らぬ」
静脈に蛍光ピンク色の液体を注射しながら答える金髪女。
 
「いや、他でやって欲しいんだけど…」
「黙れ、殺すぞ」
ドスの効いた声で凄みだした。
 
「おぉぉぉ、きた!キター!
ツンデレレレレピキッ!
か、神が神が見えるッ!
ヒャッハァーッ!」
イッちゃった目付きでテーブルを引っ繰り返し、ベッドをへし折りタンスをたたき壊す女。
 
ひとしきり部屋を破壊した後、「デレレレレッ!ツーン!」と叫び窓を打ち破り外に飛び出した。
 
「私は今ツンデレを越えたッ!ハムポンの前に立つ!」などと世迷い言を叫びながら通行人に襲い掛かり、殴りつけ、蹴りとばし暴虐の限りをつくす金髪女。
 
二時間後駆け付けた警官隊により金髪女は射殺されました。


546:本当にあった怖い名無し
06/02/24 05:56:16 Ov7wZXEsO
もうここまでくると暴走っぷりがたまらないw
gjw

547:本当にあった怖い名無し
06/02/24 07:55:54 cn4s+nV30
>>545
ワロスw


548:本当にあった怖い名無し
06/02/24 08:51:48 nbH7HnidO
めくるめくGJ!w

549:本当にあった怖い名無し
06/02/24 09:49:38 8G7CeFuwO
良スレあげ。1から全部読んじゃったよ。正直、胸がドキュンとなった(*´Д`)ハァハァ

550:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/24 10:12:27 uM1B4Ejg0
>>545

やばい、もうジャクリーンなしでは生きられない。
でも、ジャクリーンしんじゃったよ…

あ、そうか、これでツンデ霊になるのね。

551:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/24 10:49:04 uM1B4Ejg0
「でれれれ、つーん!!」
家のドアを開くとと俺んちにいすわる座敷ワラシが大はしゃぎしていた。
「…」俺は開けたドアをそのまま閉める。

1…2……5………10。きっかり10秒数えてもう一度ドアを開ける。
何事もなかったかのように座敷ワラシは居間でお茶をすすっていた。
俺も何事もなかったかのように自分のデスクにすわり、パソコンを開く。
ログが残っていた。…ああ、>>545を読んだな。

ず、ずずずずずずず。お茶をすする音が大きくなる。
「…きにいったの?」聞いてみる。
「…」スルーされた。相変わらずつんとしやがって。そこでひらめいた。この計画をやってみよう。
俺はほくそ笑みながら次の日を待った。

552:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/24 10:51:10 uM1B4Ejg0
翌日。
仕事から帰る。今日は先にインターホンを鳴らしてやった。
ドアを開ける。座敷ワラシは俺がもらったバレンタインチョコレートを食べていた。まぁ、俺は甘いの苦手だからいいんだけど。
今日もとりあえず、声をかけてみる。
「おいしい?」もちろん答えはない。俺は机の横のビデオカメラからビデオをとりだし、居間のテレビで再生した。


―でれれれれ、つーん!!
―GJ!!


そこには俺が見たことのない座敷ワラシのはしゃぎっぷりが映っていた。
「…楽しそうだな…うぶっ!?」言い終わらないうちに座布団をぶつけられた。
「や、やめ、おぶっぶ、ぶぶっ!?」座布団、チョコレートの包み、湯のみ、トドメはいすだった。
意識が遠のく中、最後に聞いた音は…ぱたぱたぱた、ぎぃ、ばたん。座敷ワラシの出て行った足音だった。

それから、3週間後。怒涛の日々が過ぎた。会社は倒産し、親戚の借金をひっかぶされ、借金取りが大挙する毎日。
おれも、限界でそろそろ首を吊ろうかと思っていた。

首に縄を通し、さようならと一人ごちる。…いすを蹴った。はかない一生だったなぁ

ぷつっ、っと縄が切れた。どしん。…あはは…死ねんかった。
死ななかったことの安堵とこれからの未来を考えると涙が止まらなかった。うつむいて嗚咽を漏らす。
ふ…と、目の前にハンカチが差し出されていた。座敷ワラシがいた。

「あんたのために、戻って来たんじゃないんだから。パソコンが見たかっただけなんだから」
ぷいと、座敷ワラシはそっぽを向く。

それから、急に俺の運気は好転した。借金は祖父の遺産から支払われ、大手企業に再就職が決定した。
俺は、その日から、会社に行く前にパソコンの前にケーキとお茶を準備して出かけるようになった。

教訓:あまり人のプライバシーをのぞくのはやめましょう。

553:本当にあった怖い名無し
06/02/24 11:55:42 nbH7HnidO
座敷わらし萌w
ナイス!


554:本当にあった怖い名無し
06/02/24 11:56:18 Ov7wZXEsO
ガチで上手くなってないか?!
…もうただのタマネギじゃねぇんだな…
gj!

555:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/24 12:13:25 uM1B4Ejg0
>>553 >>554

・。'(ノД`)゚,・ありがとーございますー!!

556:本当にあった怖い名無し
06/02/24 13:37:32 ZdHx1IgTO
たまねぎ(*^ー゚)b グッジョブ!!
次も楽しみに待ってるお

557:本当にあった怖い名無し
06/02/24 16:23:29 uPChSi3GO
何このスレwwww

レイポンwww(´д`)ハァハァ

558:本当にあった怖い名無し
06/02/24 22:16:09 GGwHYEL/0
>>551-552
GJ!

559:本当にあった怖い名無し
06/02/24 23:28:39 sl2NFE9X0
ツンな女の子に、デレな霊が取り付いてっつーネタは、ツンデ霊に含まれるか否か?

560:本当にあった怖い名無し
06/02/25 00:15:11 buJMSt/V0
コア霊にツンパーツとデレパーツがドッキングして自縛戦士ツンデ霊になるんだよ。

561:本当にあった怖い名無し
06/02/25 00:18:37 U7LIOkf7O
地縛戦隊ツンデレンジャー

562:本当にあった怖い名無し
06/02/25 01:49:35 YJpE/k9hO
>>545
ほんとにつまんないんだけど・・・

563:本当にあった怖い名無し
06/02/25 02:21:54 qUrV4VDb0
ここ最近、グッと来るものが無くなったような希ガス。
皆なんか暴走してない?

564:本当にあった怖い名無し
06/02/25 02:26:45 YDEtjfwVO
ネタ切れかな?
基本幽霊がツンデ霊だからね

565:本当にあった怖い名無し
06/02/25 02:30:59 U7LIOkf7O
続き物ばっかりだからな。
俺は運動場~氏のSSをずっとワクテカしながら待ってる。

566:本当にあった怖い名無し
06/02/25 05:44:33 ooquWmcE0
抜き打ちの数学のテストがあった
あまりにひどい点数を取った数名が放課後に居残りで再テストを受けるはめになった
時刻は午後7時を過ぎ、テストを終えたやつからさっさと帰っていく
とうとう最後は俺一人になってしまった

まったくわからないのでカンニングをすることにする
誰も見てないし問題ないだろう
普段から教科書を机に入れておくとこんなときに役に立つ

「そんな問題もわからないの?」

突然背後から声をかけられ振り向く……がそこには誰もいない

「カンニングなんてセコイ真似しないでさ、どうしてもっていうなら教えてあげてもいいよ」

今度は頭上から声がする
上を見上げるが、やはりそこには誰もいない
無視して教科書を取り出す

「ちょ、ちょっと! わたしが教えてあげるって言ってるじゃない!」
「いい」
「カンニングなんてして恥ずかしくないの?」
「別に」
「どうせ教科書見たってわからないんでしょ?」

うるさいので相手をするのを止めることにする
それでも誰かさんが耳元でブツブツ何事かをつぶやくので集中できない

「……どうしてもって言うなら、教わってやらないこともない」

嬉々とした声で解説を始める誰かさんのおかげで問題はあっさりと解決した
後日、満点の再テストが俺にカンニングの疑惑をもたらすことになったのは言うまでもない

567:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:41:38 jadRwqAM0
上浦真帆は、不幸な少女だった。

自室で転倒した挙句に打ち所が悪くてポックリ逝く、というその死に様もさることながら
約400キロも離れた街から転校してきて、その日の夜に死亡するのはかなり同級生の意表
を突いたに違いない。悲しむというよりポカーン、である。打ち切り漫画より展開が速い。
かくして葬儀の列には一様に微妙な表情をしたクラスメート(初日限定)が並び、あまつさえ
風邪で欠席していたまま真帆と会うことさえなかった者などは、小声で「……ねえ、何が起きてるの?」
と隣の生徒に尋ねる有り様だ。訊かれたほうもさぞ困ったことだろう。

「…………じ、自分のお葬式がこんな痛々しい雰囲気になるなんてっ」

読経する坊主の真後ろ、フジロックやサマソニならステージ前に相当する場所でうなだれているのが
件の少女、真帆だ。無論死んでいる。女子高生→女子高生の死体→女子高生の幽霊、という
華麗なるジョブチェンジを遂げた彼女は、状況を理解すると同時にこっ恥ずかしさで死にたくなった。
もう死んでるのでそれは叶わないのだが。まあ、気持ちだけでも。

「うううううぅぅぅ……親不孝でお間抜けでノーフューチャー……最悪」

父母の悲しむ姿はこれ以上見たくないし、同級生の狐につままれたような顔も見たくない。
どうやら誰の目にも映らない上に声も届かないとなれば、もはやここに居ても気まずいだけだ。
真帆はふらつきながらも立ち上がり、そのまま斎場を後にする。
これからどうするべきか頭を悩ませてみるが、なにぶん死ぬのは初めての体験なので
さっぱり善後策が見つからない。天国行きの切符はどこに行けば手に入るのかな、と考えて
「あ、今のフレーズ詩人ぽくない?」などと独りごちるあたり、わりと余裕カマしてる節さえある。

「……西に行けば、どーにかなるかな?」

それは西遊記だ。

568:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:42:17 jadRwqAM0
死にたてホヤホヤの女子高生は、とりあえず西と思われる方角に向かう。
なにしろこの街に越してきてまだ一週間も経っていないので、どこに向かおうと同じことだ。
あてどなくぶらぶらするうち、真帆の脳裏に「本当に自分は誰にも見えていないのだろうか」と疑念が湧く。
死んでいるという実感がイマイチ希薄だし、もしかしてこれはあれだドッキリではないのか、
もうすぐ「だーいせーいこーう」と叫びながらネタばらししてくる若手芸人の出番ではないのか、
だとすればカメラはどこだろうか、かわいく映ってるといいな、髪きちんとセットしておきたかったな、
などなど。既に論理的思考ではなく連想ゲームに突入していることにすら気付かない。

「……こんにちは、上浦真帆、でーす」

それでも一応は試してみるつもりらしい。交差点の信号待ちで、隣に立つオジサンに自己紹介。
援交と間違われたらダッシュで逃げ出す所存。これでも身持ちは堅いほうだ。

「…………」
「まほまほ、って呼んでもいーよ?」

信号を見据えたまま無反応のオジサンにもう一声。
この安部譲二似のオジサンに、実際にまほまほなどと呼ばれたら泣きそうだ。怖くて。
されどオジサンはその幹部クラスの強面を動かすこともなく、終始無言を貫く。
どうやら自分は本当に空気のような存在になってしまったらしい、と落ち込む真帆。
やがて信号は青に変わり、オジサンもその他の人々もせわしなく歩き始める。
ぽつねん、と立ち尽くす真帆の心中に、怒りにも似た感情が湧き上がる。

……なんだこれは。
……一体全体なんなんだ。
……17歳やそこらで死んで、挙句に皆にシカトされる存在になるほど悪いことをしたのか。

569:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:43:02 jadRwqAM0
怒りにまかせて歩き出し、スクランブル交差点のど真ん中に立つ。大きく息を吸って、

「①番、上浦真帆っ! モノマネしまーーーーーーっす!!!!!」

キレた。右手で右の耳をつまみ、左手で左耳をつまむ。そのまま耳を可能な限り引っ張って―

「佐藤藍子!!!!!!!!」

彼女の姿が見えるなら「……あちゃあ」なり「やっちゃったよ……」なり「寒っ!!」なりの
リアクションが得られるだろう。だが彼女は幽霊で、ここはスクランブル交差点の真ん中だ。
何もない交差点の中央に注意を払うものなど居るはずもない。

はずもない、のだが。

「………えっ?」

真帆の目が、不思議な光景を捉える。
向かって正面にあるオフィスビルの前を通りかかった若い男が、じっと真帆を凝視している光景だ。
やがてその表情は崩れて、男の顔に苦笑にも似た笑いが浮かぶ。「仕方ないなあ、この子は」とでも
言いたげな顔でくっくっく、と笑っている。真帆の姿が見えているとしか思えない反応だった。

「つか、見えてる? ………………………見えっ!!?? い、いまのっ……!!」

ぼっ、と音を立てそうな勢いで赤面する一発芸人。
それほど恥ずかしいならやらなければよかっただろうに、どーせ見えないという驕りが生んだ敗北だ。
交差点の中央でがっくりと膝をつく。四つんばい女子高生の近くをびゅんびゅん車が通り過ぎる。
当たらないとはいえマジおっかないので立ち上がった真帆の目前、例の男がスタスタと歩き去っていく。

「………わ、笑い逃げなんかさせるかあぁ……」

無論、おひねりが欲しいわけではない。

570:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:44:32 jadRwqAM0
こそこそと前方の男についていく霊が一人。
先ほどのスベりウケに、いたくプライドを傷つけられた真帆だ。
ストーカー気質があるわけではないが、なんとなく声をかけるのが躊躇われた結果こうなっている。
十メートルほど前を歩く男は、大学生か新社会人といった年齢だろう。
平日にこんなトコをブラブラしているのなら、無職という線もありえる。
このニートめ、と甚だ一方的な決め付け視線を背中に突き刺しつつ、離されないよう小走りを交えて
追いかける。やがて男は人気の無い寂れた公園に立ち入り、うっそうと茂った木陰に隠れるように
設置してある長椅子に腰掛けた。

「……チャンス。人もいないし……ククククッ」

自らの思考と言動が追い剥ぎのそれになっていることも気にせず、真帆は背後から忍び寄る。
忍び寄ってそれからどうするか、までは考えていないのが彼女の粗忽者っぷりを如実に現しているが
まあそれは今更言ったところでどうにもなるまい。レットイットビー、でひとつ。

「………………」
「………………」

無言を保ったまま、真帆はじりじりと長椅子を目指して歩く。
砂や落ち葉を踏む音もしないので、男を驚かせるには好都合だろう。
おお、そうだ、驚かせばいいんだ。わたし冴えてるー、と今頃になって方針を定める。
5メートル、3メートル、1.5メートル、と距離が詰まり、真帆は大きく息を吸って―

「わっ!!!!!!!!!!」
「ひゃああああああああああああああああっ!!!!!????」

突然振り向いた男に、逆に驚かされた。

571:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:45:26 jadRwqAM0
「……いや、その、俺が悪かったから。そんなに泣くなって」
「う、ぅ……ぇっく………ひっ……く」
「そもそも、お前が俺のこと驚かそうとしたんだろ?」
「だって……笑われた、し、わたし、むかついてたし……ぐすっ」

長椅子の両端に腰掛けて、ぼそぼそと会話する一組の男女あり。
ぐしぐしと泣く少女を慰める若い男の姿は、人が見ればいろいろなことを想像させるだろうが
如何せん少女の方は幽霊で大概の人には認識できないために、男は職務質問寸前の怪しさだ。
こんな男がいる公園に、近所の奥様方は決して子供を遊ばせには来るまい。

「驚かされたくらいで泣かなくてもさあ」
「だって……だって……」

彼女が泣き出した理由は、当の本人にも説明し難いものだ。
驚かされて尻餅をつき、人の悪そうな笑みを浮かべた男が「幽霊見っけ」と言った時に
真帆の涙腺は決壊した。


 見えてる     声も聞こえてる     さっきの恥ずかしいモノマネも

   見えるひと、いた   死んだのに            わたし死んじゃった

ビックリした          笑ってる          笑われた

      これからどうしよう      わたし、これからどうしよう?


572:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:46:20 jadRwqAM0
雑多な思考に脳髄が攪拌され、気付けば真帆は泣いていた。
そして男に促されるままベンチに座ってこうして話している。
やがて少しだけ落ち着きを取り戻すと、今度真帆を襲ったのは凄まじい恥ずかしさだった。
微妙なモノマネ、ストーキング、サプライズカウンター喰らって号泣。
いずれも初対面の人間を相手にするべき行為ではない。というか、多少親しくても危ない。

「…………」
「今度はだんまりか? カミウラマホさん」
「……気安く名前呼ばないでよ」
「だったら大声で名乗らないでよ」
「むっ、むかつくっ………」

からかうような口調で話す男の年齢は、20歳前後といったところか。
いかにも今時の若者らしい風体で、それなりに背も高い。
ちらちら横目で観察しながら「ん。わりとイケてるかも」と真帆はジャッジを下す。
むかつきはするが、評価は公正に。

「……ぶっちゃけ、あのモノマネはどうかと思う」
「…………ぅぅっ……」

やっぱむかついた。
蒸し返すなこのハゲッ、とハゲてもいない男に対して失礼なことを考える。
ちなみにハゲてる人に対しても失礼だ。全方位型失礼である。

「でもまあ、モノマネする霊なんて見たのは初めてだからさあ。面白かったよ」
「別にアンタ笑わすためにやったんじゃないもん」
「俺も別にモノマネがおかしくて笑ったわけじゃ………に、睨むなっつーの。
 お前みたいな幽霊が珍しかったからさ、つい」
「……ほかの幽霊って、どんなのよ?」

573:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:48:58 jadRwqAM0
幽霊になった以上その辺りは重要な点だ、と真帆は思う。
郷に入っては郷に従えの精神でやっていかなければ、幽霊業界で干されてしまうかもしれない。
ハブにされるのはマジ勘弁。基本的に彼女は淋しがりだった。

「……俺が見る幽霊は、あんまり“よくない”のが多い。聞かないほうがいいぞ」
「よくない? なにそれ?」

にやにやと笑っていた男が急に真顔になるのを見て、内心で緊張する真帆。
それでも知りたい気持ちに変わりはないので、意を決して口を開く。

「もったいぶらないでよ。こっちはマジなんだから」
「…………俺が通ってる大学の近くに、十字路がある。半年くらい前にそこで人身事故があった」
「うん、それで?」
「母親と、小学生くらいの男の子が即死した。それからそこに出る」
「……あたしみたいな幽霊になって?」

男は言葉を切って、なんともいえない目で真帆を見据える。
困ったような、悲しむような目の色をしたままで呟く。
お前みたいな幽霊ならよかったんだけどな、と。

「血まみれの母親が、グチャグチャの男の子を抱えて、立ってる」
「……………」
「裂けそうなくらいでっかく口開けて、ずっと叫んでる。『あああああああああああ!!!!!!』って」
「……もう、いいよ」
「男の子の腹からはみ出た内臓を、元に戻そうとして無理やり……」
「もういいって!!!!!」
「……趣味の悪い話し方だったな。ゴメンな」

574:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:50:11 jadRwqAM0
事故があったらしい時間帯に、その光景が毎日繰り返される、と男は言った。
おそらく自分と子供の死に気付いていないのだろう、とも。
胃壁に霜が降りるような感覚に、真帆はぞっとする。
安らかな死ばかりではないのだ。ズダボロになったわが子を抱きしめたまま叫ぶ霊。
壊れたテープのようにその行動が繰り返されているとすれば、それは―

―それはつまり、地獄ではないか


「………あんた、そんなのばっかり見えるの?」
「そこまで酷いのは稀だけどな。他にもいろいろ。
 ……子供の頃は、街を出歩くのがホントに怖かった。でも誰にも言えないから、さ」
「……………」

いつのまにか先ほどまでのニヤニヤ顔に戻っている男を、真帆は少し違う感慨でもって見つめる。
この世界には怖いものや悲しいものが溢れていることくらい、17年も生きていれば知っている。
後ろめたさを感じながら、そういうものから少しだけ目をそらして日々をやり過ごすのが
普通のことだ。だが、この男は人より多くのものが見える。見たくなくても見える。
相談する相手もいないままに、怖いものを見続けて生きていくのだ。

「……わたしのこと、怖くなかった?」
「全然怖くねえw おまえ、結構綺麗だし。学校じゃモテたろ?」
「が、学校? んー、どう、だろう……」

160cmオーバーの長身に明るいマロンブラウンの髪。気の強そうな美人、というのが
真帆の基本スペックであり、事実前の学校では幾度も告られた。
外見の派手さに似合わぬ地味めでオクテな性格のおかげで、全部お断りしてしまったが。
おかげさんで「調子こいてる」「あの女ムカつかね?」などという評価も頂き、人知れず
枕を涙で濡らしたりもしたものだ。キャラを装いすぎるのは良くない、という好例である。
次の学校では……言うまでもない。一陣の風のように過ぎ去った新生活、グッバイ。

575:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:51:26 jadRwqAM0
とりとめもない思考に没入していると、不意に立ち上がる気配があった。
慌てて右を見ると、男が真帆を見下ろして穏やかに笑っている。

「さんきゅ、な。初めて幽霊に和ませてもらった。……んじゃ、これで」
「ま、待って待って。現役女子高生の幽霊相手にその素っ気無さは何?」
「……付加価値あるのは認めるけど、その身体じゃ援交なんかできねえぞ?」
「ンなこと誰がするかあっ! いままでカレシだっていなかったのにっ!!」
「………そりゃ、なんつーか……ご愁傷さま」
「うっ……」

演繹して考えていけば、処女であることまで暴露したに等しい発言だ。自爆も甚だしい。
自爆霊、という言葉が真帆の脳裏をよぎり、思わずブンブンと頭を振る。
そんなエキセントリックなジャンルの霊になりたくはない。何事も中庸が一番だ。
さりとてこれから先どうするべきかも分からず、座ったまま頭を抱える真帆。
何か行動の指針が欲しい。一般的な霊のとるべき行動なんて、皆目見当がつかない。 
それを知っているのは―

「…………あんた?」
「俺? 俺がどーした?」

天啓を得たような気持ちで、男の顔を見据える。
そう悪いヤツではなさそうだし、いまのところ唯一話ができる人間でもある。
笑われた上に驚かされた恨みもあるし、幽霊としては恨む相手に憑くのがスジでは
なかろうか、とスジが通っているような通っていないような極論に辿り着く。
それに、なにより……

―よくないものが見える
かつては怖かった、と男は言った。では今は怖くないのだろうか。

―血まみれの母親が、グチャグチャの子供を
その光景が怖くないはずがないだろう、と思う。怖くて、悲しいはずだ。

576:本当にあった怖い名無し
06/02/25 10:55:06 jadRwqAM0
―はじめて幽霊に和ませてもらった

自分が傍にいてやれば、そんなには怖くなくなるだろうか。
怖いこと悲しいことやりきれないことが全部帳消しになるわけではないにせよ。
だからこれは、きっとギブ&テイクになるはずだ。……なると、いいな。
勢いは尻すぼみになったが、そう結論づけた。

「……あ、あのさ、わたし、とり憑き先を探してるんだけど……」
「ふーん…………まあ、気長に探せばいいんじゃねえ? 俺以外にも“見える”人間はいるだろうし」
「だ、だよねっ! いるよねっ!? それで、その……正式なとり憑き相手が見つかるまで……」
「そこのトーテムポールに憑くのか。頑張れよ!」
「憑くかあっ!! ……あ、またイッコ恨み増えた。あんたが悪いんだかんね」
「…………あの、よ。なんかヘンなこと考えてねえ?」

訝しげな表情の男を見据えて、真帆は含み笑いを漏らす。
願わくば邪悪な笑みに見えますように、と考えているのは本末転倒だが、彼女は気付いていない。

「あんたに憑くことに決めました。よろしく」
「……………………えー…………」
「その迷惑そうな顔にまたムカついたので、もう手遅れ」
「マジで? 自分の家とかに帰らなくていいんか?」
「……たまには帰ろうかな、と、思う……」
「単なる放蕩娘だろ、そりゃ」
「う、うっさい! いいからキリキリ歩く!」
「………へーい」

そうして二人は並んで歩き始める。男は首を捻りながら。女は上機嫌で鼻歌まじりに。
真帆の脳裏には、尻餅をついていた時と同じ言葉が浮かんでいる。
ただし、その言葉に付随する感情はネガティブなものではない。あくまで上機嫌に―

わたし―これからどうしよう?

577:3-1
06/02/25 10:55:20 OA6cyqaa0
小さいながらも、細々と続けてきた会社だったが
昨日ついに不渡りを出してしまった。
従業員には、心ばかりの手当てを渡した。
みな、何も言わず受け取り私を責めはしなかった。

齢50。もう、悔いはないまでは生きた。
いや・・・心残りはあるがせん無いことだ。

この工場も人に渡る。資産価値を下げてしまうのは申し訳ないが、
ここが私の終着点だ。もう疲れた

「内藤さんですか?」
誰もいない深夜の工場に、若い女性の声が響いた。
「・・・はい。私が内藤です」
早いな。私はたいして動じなかった。翌日には業者や金貸しが来るだろう。
早出してきたのだろう。家を処分しわずかなら返せる。遺書にしたためてあった。
振り向くと、髪をまとめ上げ、スーツを着た女性が立っている。20代後半くらいか。
私を見つめる瞳は厳しく、赤い口紅を塗られた唇は引き結ばれている。
誰かに似ている・・・はて。しかも一人なのか?

「何をなさるつもりです?」
「何って・・・。貴方はどちら様です?工場は危険です。立ち入らないでいただきたいな」
詰問の口調はするどい、だが私にはとくに気にならなかった。
当然だ。私のした責任を、私は果たさず逃げるのだから。

578:3-2
06/02/25 10:55:52 OA6cyqaa0
ヒールを響かせ、女性が近づいてくる。
背は私より頭ひとつ低いが、堂々とした立ち振る舞いがより大きくみせていた。

「・・・京子の、娘です」
「・・・美里か」

散々苦労をかけ、不倫した挙句別れた妻との間に産まれた娘。
私の罪は深く、重い。過去も私の責をせめるのか。

「大きくなったね。気づかなかった・・・どうして、ここが?」
とりあえず椅子わ勧め、私も小ぶりの作業用の椅子に腰をかけた。
京子・・・もう20年になる。元気でやっているのだろうか。
「母に聞きました。そして・・・会いにいってこいと」
「そうかね。元気でやっているかい?」
「母は・・・死にました」
「・・・・・そうか」

すまなかったね京子。最後に、会いにいけといってくれたのだろうか。
それは優しさだったのか。それとも恨み節だったか。
「・・・内藤さん。会社の件聞きました」
「うん・・・すまんな。何もしてやれんよ」

父さん・・・そう呼んではもらえんか。当然だ。そうだろう。

579:3-3
06/02/25 10:56:23 OA6cyqaa0
「死のうと・・していましたね」
ひそめた柳眉が美しい。京子の面影を感じる。そうか・・覚えがあるわけだ。
「ははは・・・。もう、何もないからね」

背筋をピンと伸ばし、椅子に腰掛けまっすぐに私を見つめる視線に戸惑う。
情けないが、いたずらを見つかった子供のような心境だった。

「それで逃げようというんですか」
「う、うむ・・・」
つけつけと言う。気の強さも親譲りか。

「責任を取ってください」
ふと足元に目を落とし、一瞬躊躇したのち、美里はいった。さっきの口調より柔和だった。
「責任?すまんね。もう資産はすべて配当先を決めている。何もないんだ」
「知っています。でも貴方は私たちに償いをすべきじゃないでしょうか」
「・・・どうしたら、いいのかな?」

美里は私を見つめる。私も見つめた。彼女のいう事はもっともだ。
「・・・生きて一生かけて、償ってください。母のお墓に、10年後来て下さい」
生きろ・・・か。生きて苦しめという事か。それは中々にひどい仕打ちだ。
「・・・ははは。厳しいな。生きろか。何もない私に」
「生きて、生きて苦しんでください。苦しいけど生きてください」

厳しい口調だったが、目は優しかった。
「私と、母の分まで生きてください」

朝日がまぶしい。あと10年か。やり直すには十分な時間だろう。

580:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/25 10:57:09 jadRwqAM0
終わり。霊視点に挑戦したがムズい。つか皆、書くペース速いなー。


581:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/25 11:00:16 jadRwqAM0
うわあ、なんか人の書いたやつの最後に俺のレスがっ!w 
俺のは578-579さんのやつではなく、その上の読みづらいやつです。
良い話書いてくれた579さんスマン。ほんとゴメン。

582:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/25 11:03:46 OA6cyqaa0
>>566
めくるめくGJ!

>>567-576
くるおしくGJ! 真帆さんハァハァw

>>577-579
これだけ・・・これだけ言わせてくれ

美里「父さんの会社、倒産っ」

本当にありがとうございました

583:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/25 11:06:40 OA6cyqaa0
>>580-581
ダブりましたwこちらこそすいません。
ポンポン入れて更新して腰抜かしましたorz

584:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン
06/02/25 12:58:31 4KBPGTJg0
>>582
ちょwwwwwww台無しwwwwwww

585:本当にあった怖い名無し
06/02/25 18:09:42 Ac6ONw4oO
いや、ホントに、みんなマジで上手いね!
( ^ω^)gjだお


586:(`・ω・´)
06/02/25 19:31:55 YJpE/k9hO
>>582
自分の作品ならともかく他人の作品なんだから、少しは気をつかいなよ。

587:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/25 19:39:41 4tjVPmXh0
>586
志村ー! ID! ID!

588:本当にあった怖い名無し
06/02/25 22:31:33 m2VRiCea0
あれは1989年の冬.12月の出来ごとです 
私には今年結婚したばかりの亭主がいます。亭主の名前は森木勝也さん.私は彼を心から愛し、誰よりも彼のことを理解していました。彼
も私のすべてを理解してくれていて.愛し合ってました。幸せとはまさにそのことなのだろうと思うほど私は幸せでした。しかしそんな幸せが突
然消えていきます‥‥あの日は寒い12月のこと、私はその日体調を崩し朝から寝込んでいました//
彼は私を安じ仕事を休み看病してくれていました。お昼になり体調も回復して来たので昼食にすることにしました。「彼はなにが食べたい
?」と聞いてくれたので私は「あなたの作ったオムライスが食べたい」と言いました。彼は「いいよ。あっ!卵切らしてるみたいから買ってくる
ね。すぐ帰ってくるよ」と、しかしそれから1時間待っても2時間待っても彼は帰ってきません。ついには5時間が過ぎようとしたその時電話が
かかってきました。相手は警察の方…「ご主人のことで大事なお話が…署にこれますか?」私は嫌な予感がしました「はい」と答え私は警察署に
行きました…署で警察の方は深刻な表情を浮かべてます。「主人がどうかなせれましたか?」と聞くと警察の方は「…ご
主人は亡くなられました」と…
えっ!私はなにがなんだか分からなくなり「嘘ですよね?嘘と言ってください…」私は泣き叫び生きる希望を無くした気がしました.死因は通
り魔による[焼死]だそうです…彼は生きたままガソリンを掛けられ燃やされたそうです‥「さっきまで‥ついさっきまで私の側にいてくれたのに……私がオムライスなんて食べたいって言うから……」私は自分を攻め
同時に犯人への激しい怒りが沸き、できることなら私があの人を殺した犯人を見付けて殺してやりたい…しかし彼はそんな
こと絶対望んでないと思い、警察の方が犯人を捕まえ法律で裁いて欲しいと思い直しました。
しかし半年、1年、2年が過ぎても犯人は捕まりません…2年間犯人が捕まることだけ考えてきました。しかし警察の方達は犯
人は発見できず捜索を止めてしまったのです。私はどうしても犯人を捕まえたい……

589:本当にあった怖い名無し
06/02/25 22:41:01 YlRNp03D0
・・・・・・と、いったところで笑点おひらき!

590:あぼーん
あぼーん
あぼーん

591:本当にあった怖い名無し
06/02/25 23:27:43 z9GeK9NA0
あー少し進化したな…前に俺が見たのは【なんかよく解らないがスーパーなハッカーを雇ってスーパーなコンピーターでおまいが誰だかわかるんだぞ】っていう内容だったな。

それにしても、相手の職業までわかるなんてすごい機械だなー(棒読み)






始めは、ツンデ霊ネタで切り返そうと思ったが上手いオチが思いつかなんだ・・・ orz

592:本当にあった怖い名無し
06/02/25 23:47:03 jm3WTBY7O
>>588>>590
ネタかと思って真面目に読みました
つかこれクラスで出回ってたな

593:本当にあった怖い名無し
06/02/26 00:29:36 XRHDQFAPO
そのチェンメ マジレスすると暴対法違犯なんだよな
まぁ本気にする人はいないだろうが

594:本当にあった怖い名無し
06/02/26 00:57:53 6BWYXSOW0
つまり>>589が的を得た意見を書いてたってことでOKね。

595:本当にあった怖い名無し
06/02/26 01:40:31 Kd/mFA5z0
的は射るものです、というさんざん既出のツッコミしていい?

596:本当にあった怖い名無し
06/02/26 01:51:54 BqoClV5F0
ダメに決まってるじゃない!?

597:本当にあった怖い名無し
06/02/26 02:02:00 qDqnjlsEO
>>588
>「主人がどうかなせれましたか?」

はぁ?
「なせれましたか?」は誤打だとしても、なんで人様に話す時に旦那に対して敬語使ってるんだ?
警察の捜索もよくわからねー使い方だし、日本語もろくに使いこなせねー厨房が書いたのバレバレ!

598:本当にあった怖い名無し
06/02/26 02:37:38 COtGXpPL0
>588
もう『あぼーん』されちゃってるけど590は見つけて殺すって奴だろ。
殺るなら殺りに来いよ、逆に殺ってやるから。
例え生首になろうとも喉笛喰い千切ってやるからな。
あっ、でもここオカ板だから『祟り殺し』の方がいいか。

599:本当にあった怖い名無し
06/02/26 03:20:27 K+Tge7lK0
まぁまぁ、みんな落ち着け。
ココは、ツンデ霊スレだ。ツンデ霊らしい切り返しをしようぜ。

という訳で、>>588についてどう思う?
【ハァ?どう思うも何も、全部デタラメじゃない。こんなのに引っかかるヤツなんて居るわけ…】
…・・・
【…あなた、もしかして…】
はい、ご想像のとうりです。10人にコピペしてメールしました…
【もぅっ!バカじゃないの!!いえ、完全なバカだわ!バカの見本市】
そんなに、バカバカいわなくても…
ほら、ココ、一応オカ板だし…祟られたりしたら怖いし…
【それなら大丈夫よ。あなたにはもう私が憑いているんだから】
え?それって
【!!!今、一瞬変なこと想像したでしょ!か、勘違いしないでよね。私は悪霊なんだから!このまま一生憑いて祟ってやるんだから!!///】

うーん、ツンデ霊って難しい…

600:本当にあった怖い名無し
06/02/26 04:15:08 ZcJ+UwjoO
( ´∀`)σ)∀`)ツンツン
( ´∀`)σ)Д`*)デレデレ

601:本当にあった怖い名無し
06/02/26 08:03:41 8P5W5jH8O
10人に回さないと祝ってやる!祝って祝って祝いまくってやるんだからね!
こんなチェンメならホシス…
(´・ω・) ナ!タマネギ!

602:本当にあった怖い名無し
06/02/26 08:52:57 GImJprCkO
お前それはタマネギに書けといってるのかw

603:2-1
06/02/26 09:07:57 OKLjIQ2w0
「・・・また血が流れてるね」
「そうね」

あたしには自傷癖があった。自分を傷つけて血を流し、安心する。
痛みと恐怖が、安心になった。
そして、またあいつが現れる。悪霊ってやつだろう。
あたしが傷をつけ、血を流すと現れる。

「舐めてほしい?」
同年代の女。いつもあたしを見下すような目をしていた。流れる血を
舐める。傷にkissをする。
「好きにすれば」

「ふん・・・・ちゅ・・・・」
「んっ・・・・・」

誰もいない部屋。誰からも愛されず必要とされないあたし。
流れる赤い血に舌をのばし、傷に唇を這わすこいつは私の死神か。


「甘い」
「・・・・そう?」
「血は・・・止まったわ」
「・・・・そう」



604:2-2
06/02/26 09:08:30 OKLjIQ2w0
ワンルームの狭い部屋の中、沈黙だけが漂う。
屈み込んだまま、あたしを見つめる・・・悪霊。
その顔に表情はなく、唇には血がついている。

「血は、とまったわ」
「・・・ふん。あ、ありがとうとでもいわれたいの?」
「いいたいの?」

白い肌、青みががった瞳。胸元にあるその顔は日本人とは思えず、
あたしから見ても美しい。
「・・・いわない」
「そう」

そのまま、あたしたちは何もいわず見つめあった。
本当は知っている。こいつあたしが、傷をつけると現れる。
血を流すと現れる。血を止め、痛みがひくまで消えないって事を。

「何考えてるか、あてようか?」
青みがかった瞳が、あたしの心の奥まで見透かすように輝いた。
「・・・いい」
「そう?」

あたしはきっとまた自傷する。こいつが・・・現れるから

605:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 09:38:02 mrxrO+tu0
>>598さん 乙です。耽美型は私もいつかチャレンジしたいです。

さて、それでは私も投下です。


606:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 09:39:30 mrxrO+tu0
「この手紙を受け取った方は必ず100人にメールを回してください」

おお、懐かしいの来たよ、これ。
しかも、見ろよおい。メールなのに、手紙ってどうなん? お、他の文章も破綻してるなぁ。
しっかし、迷惑なものだ。最後の部分はやはりお決まりの…の?

「メールを止めないでください。もし止めたらあなを祝います」

…おいおい。何だコリャ。ぷふー(笑)。こいつ駄目だ。駄目駄目だ。
俺はひとしきり大爆笑したあと、あっさりそれをごみ箱にドロップした。

607:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 09:40:08 mrxrO+tu0
夜。ドアが乱暴に開く音で目が覚めた。な、なんだ?

はっと気が付くと部屋に女がいた。手には包丁が月の光を受け鈍く輝いている。

「なぜ? メールを止めるの?」な、な、な、なんだこれは! 俺は動転して反応できない。
「あなたには私の苦しみがわからないのね。あなたはメールを最後まで読んだんでしょう?」俺はこくこくとうなずく。

「死んでよ」い、いやだ。こんなわけのわからない死に方はいやだ。
「メールを止めたら死ぬって書いたわよね?」…いや、確か書いてませんでした。

「…何いってるのかしら。いまさら苦し紛れの言い逃れ?無駄よ」
女はすごんでいるのだが…あれだ。土壇場の人間ってすげー。今、俺、超冷静。
俺はふとんから起き上がってパソコンをつけた。ごみ箱にはまだ、メールがいきていた。開いて見せてあげる。

文章の破綻部分を指摘するたび女は顔を赤らめ「ふ、ふん、わ、わざとよ」とかいっていた。
よく見ると、この女、可愛いかも。
「…ふ、ふん。それがどうしたのよ。でもでも最後の部分はちゃんと警告してるじゃない」来たーw
「最後の部分読むぞ。『もしとめたら、あな を いわいます』じゃねぇか」あなって何だよ(笑)

「…」女は無言だ。肝心な部分を間違えたんだから無理も無いだろう。

「…合ってるわよ」…へ?

「私はあなたを殺して、新しい墓穴を祝ってやるつもりなんだから」と微笑んだ。

608:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:04:35 ysLUovVn0
>>606-607
GJ!
でも結局殺されちゃうんだよね(´・ω・`)
違ったらスマソ

609:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:09:13 OKLjIQ2w0
>>606-607
意外やブラックなオチw
GJ!

610:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:10:58 IIINoUlFO
>>597
チェンメ作る香具師ってだいたいが真性DQNだから。

>たまねぎ
イイなコレ。こういうチェンメ来ないかな。

611:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/26 10:20:15 mrxrO+tu0
あはは・・・、実はデレ部分を間違えて大幅に消しちゃいまして。
打ち込みが間に合いませんでした:;


>>607 続き

結局俺は殺されませんでした。
怪訝な表情を浮かべる男に、女は

「生かしてあげる。べ、別に許したわけじゃないからね。ぶ、文章を一緒に考えて欲しいだけなんだから」

といって、出て行った。

それからは、毎晩、女のメールを添削している。

612:本当にあった怖い名無し
06/02/26 10:32:36 8P5W5jH8O
>タマネギ氏
グハッッッwwwなんかリクエストしたみたいな形になってしまってるしorz
スマソ!!そして激しくgj!!!&夢をありがとう!

613:本当にあった怖い名無し
06/02/26 12:09:40 ysLUovVn0
>>611

そういうことだったのか。GJ!

614:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/26 14:21:26 OKLjIQ2w0
ハムポンは砂浴びをするように、僕はお風呂に入る。
狭いながらも風呂はついている。
ちょっと郊外だったし、訳あり物件で安かったのもあるけれど。

頭を洗うのは僕はヘタだった。シャンプーハットが実家にはある。
いつも目が開けられなくなってしまうのだ。
「あ・・・あれ。手桶・・・」
「はい」
「あ、ありがとう」

・・・・ん?
深く考えるのはやめておこう。いろいろと、あれだ。

「ふぃー・・・」
湯船につかると一日の疲れが吹っ飛ぶ気がする。いつものように誰もいない台所から
レイポンにいわれるままに、買い揃えた食材を調理する音が・・・・しない。

深く考えるのはやめておこう。いろいろと・・あれだ。
「あー・・・そろそろでようかなぁっっ」

・・・・ガタタッッ   トントン・・・トントン・・・
台所からいつものように誰もいないのに、調理の音が聞こえてきた。
「あーいい湯だった」
「お、溺れないか監視してたんだからねっ」

こちらの配慮はお構いなしだった。


615:本当にあった怖い名無し
06/02/26 14:24:25 GImJprCkO
添削バロスwwwwwwwwww

616:本当にあった怖い名無し
06/02/27 03:00:13 iSQGZJc9O
あんたたちの考えた話なんておもしろおかしくもないんだから!全部読んだけど…

617:本当にあった怖い名無し
06/02/27 14:46:54 ZifbpkeIO
>>616
「おもしろおかしくもないんだから!」の使い方が変。
「おもしろくもなんともないんだから!」とかきたかったのか?

618:本当にあった怖い名無し
06/02/27 14:54:44 26GRh9180
全部みたっ
たまねぎさんの成長が微笑ましい(笑
ポン介さんは、名無しのほうがいいかな。

みんなすごいっ

619:2-1
06/02/27 21:12:27 hLr1AYDB0
正確には僕はこの家柄を継ぐ存在ではなかった。

格式高い家柄というものは、何かと面倒が多い。
産まれる時、親は選べないというが・・・家柄もそうなんだ。
平安から続く家柄だかなんだか知らないが、僕は落ちこぼれであり
本来ならば、外に出されていた存在らしい。本来ならば

「・・・もう一度。顎をあげて。早くなさい」
「・・・・~~っ」
ナイフで切り取り、フォークで口に運ぶ。
簡単なことだ。テーブルマナーくらいできて当たり前だった。

「ダメよ。もう一度。口で迎えにいかないっ」
フォークを持つ手を白い指が押さえ、口に運ぶのを止めた。
「・・・早くなさい。もう一度」

すっかり料理は冷め、もうゴムのようになったステーキにナイフを入れる。
横に立ち、僕を見下ろす目線は冷ややかで一挙手一投足も見逃さない。
「音を立てないっ」
「む、無理だよ姉さんっ僕には無理だっ」
「・・・・もう一度といったのよ」

姉は肩に手を回し、屈み込んで一言づつかんで含むようにいった。



620:2-2
06/02/27 21:15:26 hLr1AYDB0
カチャカチャ・・・
冷徹なまなざしに見据えられ、僕は肉を切り結び今までの作法を
頭に描きながら口に運ぶ。

「・・・・そうよ」
うなずきながらほっとしたような響きと共に姉がいった。
「いい。こうして・・・手を任せて」
僕の手に手を添え、姉が所作を行う。
自分の手じゃないかのように肉は切られ、口元に運ばれた。

「姉さんがいれば・・・僕は・・・」
「そうね。でも今は貴方が当主にならなきゃいけないの。わかるわね」

姉の死には不振な点が多かった。決して語られる事はないが、自殺であったと。

そしてそれは僕が里子に出されると知らされた夜のことだった。
両親は姉のその立ち振る舞いに、存在に次期党首の期待をかけていただけに
落胆は大きかった。
そして、残された僕への失望もまた、大きかった。

姉は今、こうして僕を教育している。姉は何もいわないが、僕は期待に答えなければ
ならないだろう。姉が残したこの道を進むことで。

「じゃあもう一度してみなさい」
「・・・・はい」
「そう。いい子ね」

621:本当にあった怖い名無し
06/02/27 21:57:19 5LR+iuU9O
>>619-620
とりあえず続きを要求させてもらおうか ウホッ

622:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/27 22:22:42 mWJAc7CR0
>619-620
ああ、ほんのり怖くていいなあ。耽美だ。

623:本当にあった怖い名無し
06/02/27 23:33:41 +F85Aet9O
>>619

( ^ω^)続き期待してるお

624:本当にあった怖い名無し
06/02/28 00:09:10 NRcvGy160
>>619
姉ってのは、また変化球できたな。
期待してるから続きを早く~。

625:何が書きたかったのか自分でもわからねぇ 1/1
06/02/28 01:46:27 1scErAP00

 …『クズ』って言われてるようなヤツは、大きく分けて二種類。
 身分や出身で差別される、なす術のないやつと。 やることなすこと全て、どうしようもないやつと。
 ――――俺はその、典型的な後者だった。

 頭が良いってわけじゃない。 運動だってうまくもない。
 顔だって良くもない。 性格がいいとは到底思えない。
 ……努力さえ、したことがない。 まさに、クズそのものだ。

 そんなヤツが周りから疎まれるのは、もちろん当然。
 このたび、もう愛想つかされ、一人暮らしはじめましたー、ってトコだ。
「っはは、はは、はははははは」
 自分があまりに滑稽で、笑いが止まらない。

 ああ、ほんと。 何から何まで、もう面倒だ。
 メシも、最後に、いつ、なにを食ったのか。 それすら思い出せない。
 ……夢でも、見よう。 起きた時には、何もかも終わっていればいい。 ベッドに倒れこむ。


「…寝れない」
 さっきから、壁からバシバシと音が鳴っている。
「ほっといてくれよ。 俺を苦しめて、楽しいか?」
 壁に向けて、かすれた声で呟いた。 …無意味だって、自分でも分かってる。
 どうせ鳴り止まない。 俺が寝ようとすると、すぐこれだ。

 何ひとつ、することがない。
 …だから、少しでも渇きを潤すために水を飲む。
 ベッドに倒れこむと、また壁が鳴きはじめた。

「……どうしようもないようなヤツを、生かすなよ。 これじゃ、死ねねぇじゃねぇかよ。
  生きてることが、どうしようもなく苦しいんだよ。 …おまえには、分からないかも知れないけどな」
 ―――壁に向けて。 かすれた声で、呟いた。

626:本当にあった怖い名無し
06/02/28 02:47:51 qvICGrtI0
一年ぶりに訪れたそこは、まるで事故などなかったかのように
すっかり綺麗に修繕されていた
ガードレールに腰掛けて、タバコをふかせる

「久しぶりね」

どこかで聞いたような懐かしい声
まさかと思いつつ、しかし振り向いてしまえばすべてなかったことになってしまいそうで、
身体は凍りついたように動かない

「今日はお前に渡すものがあるんだ」

そう言って懐から取り出したのは、一年前に渡せなかったあの指輪

「約束の指輪だよ」
「……指輪? なにそれ」
「なにそれって……約束したじゃないか」
「なに言ってるかわかんないんだけど」
「だからお前が欲しがってたやつだよ」
「知らない、誰かと間違えてんじゃないの、っていうか誰と間違えてんの?」
「なに言ってんだよ沙希!」
「沙希って誰よ! 祐一、あんた他に女がいたの!」
「なっ、お前こそ祐一って誰だよ!」

とうとう我慢できなくなって振り向いた俺の目の前には……

「…………」
「…………」
「えっと、ウ、ウラメシヤ~……みたいな?」

指輪を沙希に、花束は彼女に供え、俺は帰途についた


627:ジャクリーン・ハンマーは食いしん坊属性
06/02/28 07:27:22 Do+f850rO
あれから数日後、バイトから帰宅するとあの金髪女ぎソファにふんぞり返って葉巻をふかしていた。
 
「馬鹿なッ!確かに射殺されたハズ!!」
「胸にな、鉄板を埋めこんであるのだ。心臓をガードする為に」
平然と答える金髪女。
 
「それはそうと、私は非常に空腹だ。何か食料をよこせ」
葉巻を握りこんでもみ消しながら言う。
「いや、何もないんだけど…」
 
「ならお前をとって喰う」
 
「戸棚にドラ焼きがございます!」
 
「少ない。もっとマシなものはないのか?」
ドラ焼きを一口で頬張りながら問う金髪女。
「金が無いんスよ」
「…金か。少し待ってろ」
 
窓から外に躍り出て、数十分後
「金だ、早く何か買ってこい」
帰るなりたくさんの財布を俺に放り投げる。
 
「……いや、なんでこの財布どれも血塗れなんスか?」
 
「余計な詮索はやめとけ。
命が惜しければ、な」
 
うちの周辺で金品を強奪された撲殺死体が大量に見つかり大騒ぎになりました。


628:本当にあった怖い名無し
06/02/28 08:47:32 k7K5Gri6O
>>619‐620
台詞だけ見るとすごいエロいなw
エロ展開きぼん

629:本当にあった怖い名無し
06/02/28 13:39:04 qykyGHQS0
>>620
なんか(゚∀゚)イイ!

630:本当にあった怖い名無し
06/02/28 13:57:46 ZUrYol8EO
>>627
どこがツンデレ?どこが霊?
話としてもつまらないし。何がしたいの?
二度と来ないでね。

631:本当にあった怖い名無し
06/02/28 14:03:53 C2WdKdQHO
>>630
上げてまで言うことじゃないよな、要するに釣りか。

632:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/28 14:57:16 auPOj4eu0
―私を見て 私はココにいる ココよ コ コ… 
―ほら、あ な た の う し ろ

僕の学校の踊り場には鏡がある。ただし、この西棟の階段の3‐4階部分にだけだ。
こういったものにはお決まりの怪談がある。曰く、異次元の扉だの、悪魔の通路だの。
僕はそういったことを信じていなかった。思春期の浮かれた女たちの他愛もないうわさだと。

その日は疲れていた。生徒会室でうとうとしていた。気がついたら夜だった。
僕は荷物をまとめ、近道のために西棟から急いで帰ろうとした。
例の鏡の前を通ったときだ。
呼ばれた気がした。つ…と鏡に視線を移す。僕がぼんやり立っているだけだ。
気のせいか…。…!?いや、気のせいじゃない。一人で映っていなければいけないはずの鏡に、女がいた。
鏡の端っこにひざを抱えて上目遣いで僕を見つめている。
冷や汗が一気に噴き出した。恐る恐る、鏡から視線をはずし、横を見る。

何もない。

女は、鏡の中にだけいる。

633:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/28 14:57:53 auPOj4eu0
女は立ち上がり鏡の中の僕の真横に来た。もちろん、現実の僕の横には誰もいない。うごけない。
そっと女は僕の手に触れる。手を僕の体に這わせていく。腕から胸、胸から顔。
現実の僕にもその感触はある。体が、金縛りにあったようにうごかない。
女はにぃっと笑うとささやいた。
「こわいの…?」こ、こわい。声はでず、思考で答える。
「臆病者…ね。こちらに来る?」と僕の手をまた、握りなおした。冷たくひやりとした感触。
鏡の女はその手を自分の胸に押し付ける。なんだろう、怖いのになんだか悲しい気分になった。
女の瞳には、怪しい輝きと寂しさが同居していた。この子…。
「さびしいんだね?」そのとき急に、自然と言葉がでた。
女ははっとして、僕を見つめた。
「…!」ぱっと僕の手を離し、ハンカチを投げつけられた。
「あ、汗臭いのよ、あなた。やっぱり連れて行くのはゴメンだわ」というなり女は消えた。
踊り場には女物のハンカチが落ちていた。小夜子と名前が書かれていた
僕はそれを拾い、校舎をあとにした。

次の日、古株のT先生にその話をした。
先生によると15年ほど前にその女性は存在したそうだ。
階段から落ちて、亡くなったらしい。
状況からみて、彼女は夜、帰宅しようと急いで、階段を踏み外したらしい。
さびしがり屋だが、心の優しい女性だったとT先生は語った。

僕はその日、校舎が暗くなるのをまち、例の鏡の前にハンカチを置いた。
女はいなかった。ただ、鏡に、

『夜、走ると危ないんだからね』

…とチョークで書かれていた。


634:本当にあった怖い名無し
06/02/28 15:18:25 Bqg7zS2A0
>>625
いいよいいよーGJ!

>>626
カンチguyかよwワロスw

>>627
しななかったのっ!?ツンデ霊ぢゃねえしw

仕事の合間に見に来るのが楽しみだよ。GJ!

635:本当にあった怖い名無し
06/02/28 15:52:32 Bqg7zS2A0
>>632-633
学園モノいいねっ!かわいいGJw

>>576の続きマダー?チンチン
そして仕事しろ俺

636:本当にあった怖い名無し
06/02/28 18:09:58 A7frMwLl0
あんただ霊?

637:本当にあった怖い名無し
06/02/28 20:58:43 3wXSejZFO
たまねぎさん、グッジョブ!
Σ∩
.(∃ ∧∧
 \(゚∀゚)
  ヽ  E)


638:本当にあった怖い名無し
06/02/28 21:33:34 pcoKa79IO
>>627
きもいよ。
センスないから書き込みやめなよ。

639:本当にあった怖い名無し
06/02/28 22:21:17 jJ5/ex4N0
と、センスのかけらも無い粘着煽りが申しておりますwwwwwwww

640:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/28 22:21:59 pB1PLWl/0
>>632 
了解。
いままで、読んでくれた人、ありがとうございました

641:本当にあった怖い名無し
06/03/01 00:47:56 lHnHNQ5C0
「ねえ、フィギュア見ようよ、フィギュア」
「うるさいな、そんな時間まで起きれねーよ、さっさと寝ろ」
「幽霊が夜に寝てどうすんのよ」
「とにかく俺は寝るからな、お前は勝手にしろ」
「うー、バカタレ。もういいよ」

明け方、どうにも我慢ができなくなってトイレに起きたら、

/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 荒川のイナバウアー!  |
\               /
   ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  (⌒)         __∩
/ ̄ ̄|      ⊂/  ノ )
| ||.  |      /   /ノV
\__|      し'⌒∪
 |   |

こんなことになってた

「やっぱりイナバウアー、百人乗ってm」
「うるさい!」

その後、エクソシストのスパイダーウォークで小一時間追いかけられた

642:本当にあった怖い名無し
06/03/01 01:57:31 78oLPrCk0

           終わった。

俺は生徒会だから当然卒業式にはそれなりの立場で関わる必要があった。
司会を俺は担当していたがなんだ?感動も何もない。
ま、当事者の3年でもなければ送辞を読むわけでもない。会計なんだからしょうがない。
6クラス240人、退学者もいれば留年者もいるわけだ。俺には関係ないけどな。
何事にも中途半端に位置する俺は他の奴等と一緒に3年が座っていたパイプ椅子を片付ける。
めんどくさい。3年も教室で使っている椅子使えよ。
5組の一番最後、40人目の椅子を片付けようとした。

「すいません、どいてくれますか?」

あきれた。まだ感傷に浸ってる奴がいるのか。邪魔だ。
彼女は悲しそうな目で式台を見つめていた。5のマークの組章がきらりと光る。

「あの・・・・すいません」
「・・・・チィ」

彼女は舌打ちをすると体育館の隅に行った。糞アマめ。式台を見る目と俺を見る目が明らかに違う。
片付けが終わるといつものように軽く反省会。顧問は同じことしか言わない。
 "来年はお前らも" そんなこと入学した時からわかっている。
反省会が終わり体育館を出ようとした。隅っこに目を向けると彼女はまだいた。
おい、もうどこのクラスでも最後のHRやってるんだぞ。すこしは現実を見ろ。別れだ。
ここまでくると余計なお世話の一つや二つしたくなる。


643:本当にあった怖い名無し
06/03/01 01:59:57 78oLPrCk0
「悪い、ちょっと先行ってろ。」

他の役員に伝える。俺は大またで彼女の所へ向かう。

「あの・・・・先輩、そろそろHR行った方がいいんじゃないですか?」

どうせ今日限りなんだ。どう話かけようが関係ない。
彼女はまだ式台を見ている。眼中に俺の姿はないようだ。現実へ背中を押す必要があるようだ。
彼女の前に立ち訴えかける。

「先輩、卒業式は終わりました。教室へ行ってください。みんな待ってますよ。」
「 邪 魔 よ、どきなさい。」

肩を掴まれてはらわれた。どうやら動く気はないみたいだ。
ったく担任はなにしてんだ。ここにまだ一人いるのに。仮に彼女が留年だとしても迎えに来いよ。
もうかまってられるか。勝手にしろ。帰る。俺もHRがあるんだ。
生徒会を言い訳にすれば遅れたことぐらい簡単に誤魔化せる。

「・・・・早く戻ってくださいね。」

俺は体育館を後にした。

644:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:01:02 78oLPrCk0
HRが終わって俺は生徒会室に向かう途中3年5組の担任に会った。
生徒会をやっていれば先生ぐらい覚えるし向こうだって俺のことを覚える。

「こんにちわー」
「こんにちは」
「先生のクラスも大変ですねぇ、一人足りないままHRやっちゃって。迎えに行ってあげれば
 よかったじゃないですか。多分この調子だと先輩、まだ体育館にいますよぉ。」
「いや、俺のクラスは全員揃って感動のフィナーレを迎えることができたぞ?違うクラスと
 間違ってないか?」
「んぁ?でも先生のクラスの組章付けてましたよ?」
「それ多分一年か二年と間違えたんだろ?とりあえず二次試験合格者の会議があるからあとでな」
「あっ、さよならー」

腑に落ちない、彼女は3年だ。靴の色だって3年と同じだったし、なにしろあの席に座っていたんだ。
まだいるだろうか?信じられない自分をたまには信じてみることにした。足は自然と体育館に伸びる。
いた、こんどは式台の上に立っている。遠くから見てもわかる。悲しい目をしている。

「先輩っ!!」

まただ、軽蔑するような視線。冷たい。
しかし俺のことは覚えててくれてるみたいだ。

「なに?またあなた。しつこいわ。」
「失礼ですけど・・・・先輩ってどこのクラスですか?」
「それがあなたに何か関係が?」
「いえ、特に何も・・・・ないです。」
「答える義務はないわけね。帰ってちょうだい。」
「先輩3年5組の生徒ですよね。でもさっき担任に」
「いいかげんしつこいわ。邪魔よ帰って。」

冷たいそんな印象しかなかったが一つだけヒントを見つけた。靴に苗字が書いてある。


645:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:03:29 78oLPrCk0
「木崎木崎・・・・・・」

俺は生徒会室に戻り生徒名簿で彼女、木崎さんを調べていた。

            ない。

1年、2年、3年、全て該当なし。やっぱりおかしい。
カラカラ、顧問が来たようだ。聞く価値は少なくともある。

「先生、木崎っていう生徒しってますか?」
「ああ木崎か、木崎はな ―」




646:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:05:06 78oLPrCk0
「先輩、まだいたんですか?」

やはり式台の上にいた。

「いたらなんなの?あなただっていいるじゃない。うっとおしい。」
「先輩、死んでるんですってね。6年前に。」
「だったらなんなの?死んでたらあなたと何か関係あるの?」
「卒業おめでとうございます。」

俺は先輩に卒業証書を渡す。生徒会室には何も書いてない賞状や証書がある。
それをちょっと拝借、パソコンのプリンターで印刷させてもらった。

「家族が証書もらっても実感ないでしょ?自分がもらったほうがいいですもんね。」

本物ではない卒業証書をまじまじと見つめる先輩の目から涙が流れてきた。
まるで何年も涙を忘れていたようだ。

「うっ、ぅっ、ぅぁああああああぁぁ」

口を大きく開けて泣きはじめた。今まで溜まっていたものを全て流すように。
その姿は幼い子供が泣きじゃくる姿に似ていた。

「ぁあっ、っぅうっ、うっぅ」

泣き止む様子もなく何をしていいかわからない俺はその場で立ち尽くしていた。


647:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:07:02 78oLPrCk0
何分経っただろうか彼女は泣き止み式台の階段に座り話してくれた。
自分の胸中の悲しみ、不安、期待、希望、その全て。

「私さ、ベタなこと言うけど看護婦さんになりたかったんだぁ。」
「安定した給料・・・・・いいですねぇ。」
「フフッ、もう無理なんだけどね。」
「・・・・・・・・・・」

なんとも言えない、彼女の人生は18歳で止まっているんだ。自分の事でもないのに悲しくなる。

「そんな暗い顔しないでよ。私だって暗くなるじゃない。」

なんで彼女はこんなにも明るくなれるんだろう。死んでるのに。



648:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:08:13 78oLPrCk0
「先輩、明るいですね。」
「だって嬉しいじゃない、私とうとう卒業したのよ。」
「でも先輩は」
「"でも"じゃないの。死んじゃったのはしょうがないでしょ?そっちのことはもう解決したから。
 あとは卒業したいって思っていたけど・・・・・・・今日したから。思い残す事、ないかな。」
「じゃあ、その、しちゃうんですか?成仏?」
「今日あたりするかもね。よかった。あなたみたいな人がいて。」

彼女はうつむいているが本当に嬉しそうだ。彼女がいくのならば見送ろう。ここまでしたんだ。
義務がある。

「そうですか。ならば見送らせてくださいよ。ちょっと興味があるし。」
「別にいいよ。でもいつだか私にもわからないんだ。だから余所見しないほうがいよ。
 いついなくなるかわからないからね。」
「不安になること言わないでくださいよ。」

不安だから俺は話し続けた。いついなくなるかわからないから。
突然彼女は人差し指を突き出してきた。俺はトンボのようにそれを目で追う。
彼女の右指を追う俺は完全に左を向いた。

唇であろう彼女の一部が俺の右の頬に触れた。

「ちょ!!先ぱ・・・・・い?」

どうやらいついくかわかっていたようだ。

649:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:11:45 78oLPrCk0

           これで第56回、卒業式を閉会します。

去年の卒業式からちょうど一年。今度は俺が卒業した。泣きはしなかったが胸に息苦しい感覚がある。
やはり感動は当人しかわからないものがある。去年感動しなかった俺が感動してるんだ。

「おまえ達はこの3年間 ―」

担任が語る最中俺は去年の俺になっていた。

死んだ先輩に会って、卒業証書を渡して、泣かれて、キスされて、帰った。

どうしてこんなことしたんだろうと今でも思う。見ず知らずの死んでいる先輩にあそこまで
したんだろうと。俺じゃなくてもよかったのではないか。誰でもいいんじゃないか、と。
担任の話が終わると同時に今の自分に戻る。どうやらさよならの時間だそうだ。

「3年間ありがとうございました!」

ルーム長の合図に俺も合わせる。そのあと一気に友人が数人集まってくる。

「最後ぐらい一緒に帰ろうぜ。」
「今日は打ち上げいきますかぁ?」

「悪い、ちょっと先行ってて。すぐ追いつくから」

結局俺は体育館に向かった。彼女に、先輩に会うために。
しかし誰もいない。そうだ、彼女はとっくに卒業したのだ。いるわけない。
最後ぐらい話がしたかった。この一年の話を聞いてほしかった。でもいないんだ。


650:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:12:40 78oLPrCk0
俺は先に行ってる友人の元へ向かった。この校門をくぐるのも最後だ。桜が咲いてる。


            「卒業おめでとう」


最後の一歩と同時に聞こえたたった一言。

「先輩!?」

そうか待っててくれたんだ。待たせてごめん、先輩。
先輩に証書を渡した理由はわからない。誰でもよかったかもしれない。
だけど俺が選ばれた。だからそうしただけなんだろうな。
深く考えるのはやめた。俺、中途半端だから。


        
         俺は最初の一歩を先輩と踏み出した。

651:本当にあった怖い名無し
06/03/01 02:38:38 JNQfeFIE0
>>642-650
とっても良かったお・゚・(ノД`)・゚・。

652:本当にあった怖い名無し
06/03/01 03:06:53 8gE5iGAcO
いい話だなぁ…。・゚・(ノД`)・゚・。

653:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/01 03:19:25 12amC49k0
…自分が恥ずかしい…わけのわからない勘違いしていました。
これもツンデ霊の仕業なんでしょうか。

>>642さん、いいお話をありがとう。

654:本当にあった怖い名無し
06/03/01 06:49:52 2PPiksQ8O
>>653
自分が>>627だと思ったの?

655:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/01 10:22:48 qudMwuTD0
すいません、>>654さん。その通りです。

家で見たとき、なぜか、番号がずれていました。なぜでしょう?
あ、あまり気にしないでください。

それと私個人は>>627さんの文は好きです。もう少し、ツンとデレがあれば嬉しいです^^;

656:2-1
06/03/01 13:04:33 aEJ1vj4W0
戦争の勝利に沸きあがり、日比谷では焼き討ちもあったという。
そんな喧騒とは無縁の、静謐とした屋敷の中に僕はいる。

広いホール。高い天井とほの暗い灯が影をつくる。
影は・・・ひとつだ。
「さあ。この前教えたようにやってごらんなさい」
「・・・はい」

前に立つ姉の腰に手を回し、腕を取る。
僕のリードでダンスが始まった。蓄音機が動き、音楽を奏でる。

「そう。もっと腰をよせて」
僕の動きにあわせ姉は揺れる。長い髪が薄明かりに照らされて舞う。
「もう少し早く。そうよ」

僕は少しだけダンスに関しては,才能があったらしい。
姉は満足げに僕の動きに合わせている。
「いい子ね。うまくなったわ」

だが・・舞う影はひとつ。

657:2-2
06/03/01 13:05:09 aEJ1vj4W0
静かに曲が終わりを迎え、広いホールはまた静寂を取り戻した。

「いい子ね。この様子なら、大丈夫でしょう」
姉が身を寄せたまま、うっすらと微笑んだ。
「・・・はい」

すこしはにかんで頷く。褒められるのは、嬉しい。

「何をしているっ」
静かなホールに叱咤の声が響いた。・・・父だ。
軍国の機運にかぶれ、華族たる何かを失いかけている。
前に姉は侮蔑していた。姉の顔から笑みは消えてしまう。
「・・・一人で踊っていたのか。薄気味悪い奴だ。部屋に戻って勉強しなさいっ」

「・・・・いくわよ」
僕にしか見えない姉は、僕の掌中から抜け出るとひとり歩き出した。
「・・・はい」
「早くなさい」「早く戻りなさいっ」

部屋に戻り、ベッドに座るよう促された。
頬を掌で包むと顔を上げられる。
「いい。貴方はこの家の当主になるの」
「・・・」
「目をそらさないで、私を見なさい」
「・・・はい。姉さん」

姉は僕を見つめる。その眼差しはどこまでもまっすぐで、清冽だった。

658:地下闘技場司会
06/03/01 16:03:39 gPAnwI7/O
『―ツンデレッ!
 
我々チャネラーはこの言葉に飽くなき萌えを禁じえません!
しかし!
しかしです!
 
我々は実際にツンデレに遭遇したことがあったでしょうか!?
ツンデレの劇的反転が現実の人付き合いの場で炸裂したことがあるのでしょうか!
 
ツンデレの存在はいつもノンフィクションの中です!
我々はツンデレに魅了されるあまり
その虚実を論ずることはなかったのです!!
 
もう我々チャネラーはハッキリと言うべきなのですッ!
 
ツンデレは絶滅している!』
 
たまねぎツンデレ
「野郎…タブー中のタブーに触れやがった」


659:本当にあった怖い名無し
06/03/01 16:38:41 IG3tnhVm0
>>655
このスレ、あぼーんが入ってるから、
専ブラ使ってるとログ再取得しない限りレス番ずれてまっせ。

俺も気がつかずに>>626に「(゚∀゚)イイ!」と宛てたつもりが>>627に。ヽ(`Д´)ノウワァァン
いやハンマさん嫌いじゃないけどさ。

660:本当にあった怖い名無し
06/03/01 16:45:33 IG3tnhVm0
連投スマン。
>>658
ツンデ霊創作界の裏ストーリーって感じで、こういうのも(゚∀゚)イイ!

しかし何だ、たまねぎさんも地下闘技場さんも、
成り行き(?)で始めたはずなのに、この発想と文章力の凄さは何だ?!

661:本当にあった怖い名無し
06/03/01 20:53:29 TTH6MoFsO
>>656

最高にgjです! なんか姉系はそそるな~w
(*´Д`)ハァハァ

662:85pesOZL ◆iXH4QxWypI
06/03/01 22:08:47 iSu6QDpO0
皆様お久しぶりでつ。
口だけ番長の命名ヲタ、85pesOZLでつm(__)m

>>661
私は>>656-657じゃないですが…(遅まきながら>>656-657GJ!!)
そうですか、やっぱ姉系の需要もあるんですねw
私もそっち系が好みだったりw
時間はかかりますがTRYしてみまつ


ところで久しぶりに来ましたが、なんだか雑談が少なくてサミシス…
もしかして私の五月蝿さのせいで雑談が少なくなってるんでつか?

作品の密度が高くなったのは嬉しいところですが、馴れ合いぎりぎりの雑談も心地よかったのでつが…
なんというか、皆さんの好みや読み易さ(難さ)が判って参考になるというか…

あぁ、お呼びでない?
失礼しますたノシ

そのうち駄作を投下させて頂きますデス

663:85pesOZL ◆keaGkWNWxw
06/03/01 22:32:26 iSu6QDpO0
おおっと、トリに一文字入れ忘れ

664:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/03/01 22:37:39 aEJ1vj4W0
あ、ミレレイだw
そういってくれればわかったのに

665:1/8
06/03/01 22:52:03 ytZ8MYZV0
ぼんやりと天井を眺めながら、はたしてあの人は幸福だっただろうか、と考えてみた。
23歳で結婚。そのわずか一年後に旦那さんは職場の事故で死亡。二人の間に子供は無く、
以来再婚することも考えていないかのように仕事の鬼と化した、バリバリのキャリアウーマン。
敏腕故に多くの部下を持つようになったやり手の女課長は、出張先で交通事故に巻き込まれ―

「………なーに呆けてるかね、この子は」

―現在は俺の上空で呆れ顔をしている。
享年32歳。近所に住む伯父の娘さんで、つまりは俺の従姉である。

「佳織さん、頭上に居られると凄く気になるんだけど……」
「男が小さなこと気にするもんじゃないの」
「…………」

初七日の法要後自室に戻ると、死んだはずの従姉がソファーでくつろいでいた時の衝撃は忘れがたい。
ドアを開けたままの姿勢で固まる俺に対して、にんまりとした笑みを浮かべながら
「ありゃ。よし坊には私が見えるんだね」と事も無げに言い放ったのがつい三日前。

「……ヘンなことになっちゃったよなあ」
「そんなことより勉強でもしなさい、このグータラ学生。前期試験そろそろじゃないの?」

以来、彼女はこの部屋を拠点として悠々自適のゴーストライフを満喫している。

666:2/8
06/03/01 22:52:54 ytZ8MYZV0
「少しは部屋片付けたらどうなの? あーあー、洋服も脱ぎ散らかしっぱなしで」
「母さんみたいなこと言わないでくれよ……」
「言われる前にさっさと片付ける! ほら!」
「はいはい」
「はい、は一度で結構。……怒るよ?」
「……はい」

母に言われた時よりは素直に部屋の片付けを始める。
なんだかんだ言いつつも生前から頭の上がらなかった相手である。
実年齢より随分と若く見える佳織さんは、幼い頃には年の離れた姉のような存在として。
その後思春期を迎え、彼女がそこらを探しても滅多に見かけない美人だと気付いてからは
仄かな憧れの対象として俺の精神野に君臨していた。

「キチンと綺麗になさいよ? 私はその間、よし坊のマニアックな性癖を検分してるから」
「うわああああああああっ!!?? そ、その本どこから引っ張り出してきたんだよっ!!!」
「ベッドの下なんていうベタな隠し場所は避けなさい。……うわー、このモデルめっさ縛られてる」
「返せっ! 返せよーっ!!」
「小さい頃はあんなに可愛かったよし坊が、今やこんな淫獣に……」
「それ以上言ったら泣くぞっ! ホントに泣くからなっ!」 

彼女の行動拠点が俺の部屋、という弊害は日々顕著になっていく。
ああ……この人にだけは知られたくなかった俺の恥部が次々と……。 
ライブ○アじゃあるまいし、これ以上株を下げるわけには………!

「……アンタのパソコン起動して jpg.ram.mpeg.wmv.avi.あたりで検索かけてみたいわねえ」

底値になる。そんなことしたら。

667:3/8
06/03/01 22:53:49 ytZ8MYZV0
霊となった佳織さんは、時折どこかに出かけていく。
それは例えば自分の勤務していた会社であったり、親しい友人の家であったり。

「うん。まあどうにか仕事は順調にいってるみたいで良かった」
「見えないと分かってはいるんだけどね。『心配しないでね』って伝えたくてさ」

ふわふわと漂いながらてへへ、といった感じの笑いと共にそんなことを話す
佳織さんの姿は、俺の目には新鮮だった。
小さい頃はともかく、ここ数年はどこか近寄りがたい雰囲気を発していた彼女の姿しか
記憶に無いからだ。わけても旦那さんを亡くした直後の佳織さんは―

「なんか……懐かしいな」
「ん? 何が?」
「いや、肩の力が抜けた佳織さんを見るのって久しぶりな気がするから」
「あっはっは。まあ、死んだ後までせかせかしても仕方ないしねえ」
「……まだしばらくはここに居るの?」
「どうなんだか。霊の決まりごとってのは良く知らないけど、まだ御呼びがかからないみたい」
「ふーん」

こんな風に気軽には話せなかった。
ふと、八年前に旦那さんの葬儀に参列した日のことを思い出す。
初恋の相手だった佳織さんを“奪われた”ように感じていた馬鹿餓鬼の俺は、
死者を悼む気持ちなど申し訳程度にしか持ち合わせておらず、むしろ残された
佳織さんのことだけが気がかりだった。父や母と一緒に見よう見まねの焼香を
済ませ、遺族に一礼する。

668:4/8
06/03/01 22:54:42 ytZ8MYZV0
その時に見たのだ。佳織さんの目を。

機械的に返礼する佳織さんの目には何も映っていなかった。
いつも生気に溢れていた大きな瞳は、ガラス玉を思わせる無機質さで俺の姿を反射していた。
一体どれだけ泣いたのだろう? 化粧でも隠せないほど腫れた瞼、ひび割れた唇。
死人よりもっと死んでいるように見える佳織さんが、そこに立っていた。


「……どうしたの? なんだか思いつめた顔しちゃって」
「い、いや……なんでもないよ」

それから、この人はどこか捨て鉢とも思えるひたむきさで仕事に取り組んでいき
偶に顔を合わせてもろくに話をすることも無かった。
それを寂しいと思う反面、彼女のあんな顔を見続けるよりは余程いい、と
自分を誤魔化して等閑な付き合いをしてきた。
だが、今にして考えると……

「……俺って馬鹿な餓鬼だなあ、と思ってさ」
「なにそれ。今更だね?」
「少しはフォローが欲しい……」
「私、自己憐憫に浸るような気持ち悪い男は嫌いだから」
「……ごもっともです、ハイ」
「そこで言い返せないような腑抜けも嫌い」
「どうしろとっ!?」

カラカラと笑う佳織さんといつまでこうしていられるかは分からないけど。
大事なものは無くしてから気付く、なんていう陳腐なフレーズがやけに胸に刺さる。

669:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/01 22:55:24 iSu6QDpO0
>>664
またその名前…ポン介さんてばw

>>656-657GJですたよ♪
この後エロスは発展するんですか?

670:5/8
06/03/01 22:55:43 ytZ8MYZV0
佳織さんは暇に飽かせてどこにでも現れる。
大学の講義中に、いつのまにか隣席に座っていたときは心底驚いた。
彼女曰く「授業参観w」だそうだが、試験前に必死でノートの貸し借りをする程度には
不真面目な学生である俺の姿勢に佳織さんはいたく御立腹の様子。

「よし坊……あんたね、御両親が高い学費払ってんのにその態度は何?」
「わ、悪かったから……うん、今後はちゃんとするから……」
「あんた昔っからそーだったでしょ! 
 算数のドリル全然終わってなくて私に泣きついてきた頃から全然進歩が無い!!」
「はい、その節はお世話に……」
「真・面・目・に・聞・け……このボンクラ学生が!」
「sir! yes sir!!」

鬼軍曹と化した佳織さんにガン付けられながら板書に精を出す。
遠い昔の夏休みにもこんなことがあったなあ、と不似合いな感傷に浸りながら。

「ニヤけてんじゃないわよ! ほら、次の講義は!?」
「……全部付き添うつもりかよ」

だから、こんなのも楽しいな、とそう思った。

671:6/8
06/03/01 22:56:44 ytZ8MYZV0
「よし坊、ちょっとこれからデートしようか?」

四十九日の法要が終わったその夜、佳織さんが出し抜けにとんでもないことを言った。
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で宙を見上げる俺に構わず、彼女はさっさと部屋を出ていく。
訳も分からず上着を着込み、慌てて玄関へ。訝しげな顔の母に「ちょっとコンビ二行ってくる」と
言い訳をしてドアを開けると―

―そこは異世界だった。

時刻は確かに夜10時をまわっていた筈だ。ならば、この穏やかに降りそそぐ陽光は何だ?
季節はまだ冬だった筈だ。だったら、この辺り一面満開の桜並木は一体どういうことだ?
理不尽で非現実的で……とても美しい光景が広がっている。
ぽかんと口を開ける俺の耳に、背後から馴染み深い声が少し違ったトーンで響いた。

「私も知らなかったんだけど……気が利いてるね。
 ここさ……いつだったか、結婚前にあの人と歩いた道だよ。うん……記憶と同じ」
「佳織さん…………だよね?」
「あははっ、いかにも。どうやら『一番気に入ってる記憶』が迎えに来てくれたみたいね」
「……………」

振り向いた先にいたのは、確かに俺の知っている佳織さんだ。
―ただし、10年近く前の。俺と殆ど変わらない年齢の彼女がそこにいた。
まじまじと無遠慮な視線を送る俺に、恥じらうような表情を見せている。

「なによ。なんかおかしい?」
「……いや、おかしくなんか、ないけど……」
「じゃあ行こうか。この道を歩いていって、それで終わりだから」
「終わり?」
「よし坊や皆とお別れってこと」
「……そっか」

672:7/8
06/03/01 22:57:43 ytZ8MYZV0
そうして、薄桃色の花びらが舞う中を二人で歩き始める。ゆっくりと、でも確実に。
右隣には眩しいものを見るように目を細める佳織さんがいて。
この時間が終わらなければいい、と未練がましく願ってしまう。

「ねえ、楽しい?」
「何が?」
「生きること。……楽しい?」
「……良くわかんないよ」

突然の問いかけは、俺みたいな餓鬼には難しすぎる質問だった。
歌うような声が続く。

「私はね、楽しかった」
「…………」
「あの人と出会って、死に別れて、自分も死んで。……それでも楽しい人生だったよ」
「…………だろうね」
「この風景がその証拠。この道はきっと、良いところに続いてる」

ああ、それは間違いないだろう。
だってこんなにも綺麗で優しい風景で。
おまけに―

「佳織さん。じゃあ、俺はここまで」
「……?」
「あとは“あの人”のエスコートでしょ? 俺はもうお呼びじゃないよ」

俺が指し示す先を見て、佳織さんが息を呑んだ。

673:8/8
06/03/01 22:58:45 ytZ8MYZV0
「………っ…………」

彼女が呟いた名は、折り良く吹いた風にかき消されてよく聞こえなかった。
一際立派な桜の大樹にもたれて、彼は立っている。
佳織さんが駆け出した。彼の名を、大切な名を呼びながら駆け出した。
……少しだけ妬けるけど、まあ脇役の出番はここまでだ。

「じゃあね、佳織さん! ………さんも!!」

子供じみた嫉妬心から、一度も呼ぶことのなかった名前。彼女の夫であった、彼の名前。
寄り添った二人は同時にこちらを向いて微笑んだ。やがて、一際強い風が花霞を作り―

「……お幸せに、ってか」

冬の夜道に立ち尽くす俺。
先程の風景はそれこそ夢のように消え去り、古びた街灯がスポットライトのように
道化役の俺を照らしている。ふと、視界の隅に違和感を覚えて視線を巡らすと
右肩の上に小さな白いものが乗っていた。そっと手にとってみる。
こんな季節にあるはずもない、桜の花びらがひとひら。
家の方角を目指して歩きながら、はたしてあの人は幸福だっただろうか、と考えてみた。

―そんなの、考えるまでもない

掌中の花びらを強く握りこんで、俺は走り出した。

674:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/03/01 22:59:42 ytZ8MYZV0
終わり。悪魔の数字もゲット。うふふ。

675:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/01 23:01:15 iSu6QDpO0
運動場整備部隊さん豚切りゴメナサイ…
ホントタイミング悪いわ俺…

676:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/01 23:10:40 iSu6QDpO0
改めて全部読みましたよ、おっほほほw
運動場整備部隊さんも「姉」属性w
しかもオーメンゲトオメGJ!!

677:本当にあった怖い名無し
06/03/01 23:12:08 BNl7rGJcO
>>662
馴れ合いを嫌う人間がいることを忘れないでくれ。
折角の良スレなんだから、コテの馴れ合い場になっちまうのは勘弁。

>>674
GJ!。・゚・(ノД`)・゚・。

678:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/03/02 00:01:21 iSu6QDpO0
>>677
あ、いや「馴れ合い推奨」って事ではなくて、
「作者のあとがき」みたいなものをインターバルにして、
作品に対する思い入れとか、別設定の要望とかを出すことで
それぞれの作品に対する読みを深く出来ればな~、と。

679:1/3
06/03/02 01:56:12 uUO8YkNn0
ツンデ霊 「今日はどちらがあの男の服を脱がせるか、で勝負しましょう」
デレデ霊 「ん~? ツンちゃんには不利じゃない?」
ツンデ霊 「く…っ! どういう意味よ!?」
デレデ霊 「やってみればわかるよ~」
ツンデ霊 「フン。見てなさいよ!」


ツンデ霊 「ちょっとそこの。呪い殺されたくなかったら脱ぎなさい。一枚のこらずよ!」

ヌギヌギメータ [>>              ]MAX 

ツンデ霊 「はやくなさいっ! このグズ!」
デレデ霊 「……ツンちゃん、それじゃだめだよ~」
ツンデ霊 「黙ってて。何よ、私のことがきけないって言うの?」

ヌギヌギメータ [>>              ]MAX

ツンデ霊 「な!?」
デレデ霊 「だからツンちゃんはダメなんだよ~。お手本を見せてあげるね」
ツンデ霊 「く、違うわ! このバカは言葉を理解してないのよ!」


デレデ霊 「ねえ、あたしね? 生前からずっとあなたが好きだったの。もうどうしようも
     ないくらいなの。最近は裸のお突き合いをしたくてガマンできないの。…どう
     したらいいかなあ?」
ツンデ霊 「よく恥ずかしげもなく、そんなセリフが言えるわね」
デレデ霊 「まあ、結果を見てよ~」

680:本当にあった怖い名無し
06/03/02 01:58:12 v/sthajsO
>>678
一度VIPのツンデレスレでも見に行ってみたら?
真似しろとは言わないけどあそこは誰もコテ酉なんて付けないし付けたら外させられるからコテ同士の馴れ合いがない。
だからROMも読みやすいし感想も言いやすい。伊達に173まで続いてないよ。

681:2/3
06/03/02 01:59:57 uUO8YkNn0
ヌギヌギメータ [>>>>>>>> ]MAX

ツンデ霊 「し、信じらんないわ…。なにこの生物? 脳ミソあるのかしら」
デレデ霊 「男なんてこんなもんだよ~。勝負はまたあたしの勝ちだね」
ツンデ霊 「ちょ、ま、待って! 色仕掛けなんてズルよ! コスイわ!」
デレデ霊 「そんなルールなかったよ~? じゃあツンちゃんもやれば?」
ツンデ霊 「私が?」
デレデ霊 「それでダメだったらあたしの勝ちね~」
ツンデ霊 「や、やってやるわよ!」


ツンデ霊 「そこのカス、よく聞きなさい。今から言うことは本心じゃないの。いい?
      くれぐれもカン違いしないでちょうだい」
デレデ霊 (……うぁ、前から思ってたけど、この人バカだ)

ヌギヌギメータ [>>>>>>>>>> ]MAX

デレデ霊 (ありゃ?)
ツンデ霊 「あ、あああああの。わ、わた、私もす、好きだったんだから! ほ、ほんとは
     そんなこと思ってもいないけど! しかたないんだから!」

ハァハァメータ [>>>>>>>>>>>>> ]MAX

デレデ霊 (ありゃりゃ?)
ツンデ霊 「だ、だから……あー! もう! 服脱ぎなさいって言ってるのよ……っ!?」

ハァハァメータ [>>>>>>>>>>>>>>>]DANGER!!

682:3/3
06/03/02 02:01:35 uUO8YkNn0
ツンデ霊 「って、キャ―っ!?」
デレデ霊 「あァ、ツンちゃんがタイヘンなことに」
ツンデ霊 「み、見てないで助けなさいよ! なんでコイツ霊に触れんのよっ!」
デレデ霊 「煩悩パワーってやつかなあ」
ツンデ霊 「ふ、ふざけんなあああああああああ…っア! んん――っ!?」
デレデ霊 「うわぁ、ツンちゃんがスゴイことに」
ツンデ霊 「み、見ないで! っお、おねが…っっ!」
デレデ霊 「いやぁ、ツンちゃんがエ(ry ………」


ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「………………」

ハァハァメータ [>>              ]MAX

ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「……よかったね。ツンちゃんの勝ちだよ。ブッちぎりで」

ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「ツンちゃん?」

ツンデ霊 「………………」

デレデ霊 「あ、昇天しちゃったみたい。いいな~」




683:本当にあった怖い名無し
06/03/02 03:04:19 9ACLJzWuO
ハァハァメータの少なさから、
なかなかの体力をお持ちとみた。

684:本当にあった怖い名無し
06/03/02 03:06:47 9ACLJzWuO
あ、勘違いしていた。

馬鹿だ俺。
もうネンネしよ。
永遠に。

685:本当にあった怖い名無し
06/03/02 03:13:52 oeQIDjtT0
>>663
そういうトリップのヒントになる事は言わないほうが良いよ。
たとえばこの場合難しい問題 (56bit解読) がやさしい二つの問題 (49bit解読)+1024 に分解できる。

686:本当にあった怖い名無し
06/03/02 09:02:02 kHjIGY2r0
煩悩パワーで……って横島?

687:本当にあった怖い名無し
06/03/02 14:42:30 +41i9YA2O
>>682阿保みたいに激しくオッキしたwwwgj…
…ほ…本心じゃないんだからな!!

688:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/02 15:04:34 Hn6U0km70
>>679さん

ツンデ霊にそんな料理の仕方があったなんて、お勉強になりました!!



689:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/02 15:48:08 Hn6U0km70
「ツンデ霊なんて、いねーんだよ」
私は行き詰っていた。モニターの外でひとり毒づく。
「ツンツンしてて、デレデレしてくる幽霊? はん! さっさと除霊しろと俺は言いたい」
しかし、私の指はいつの間にかキーボードを叩いている。
なぜだ? 私はツンデ霊否定派ではないか。なのに、ツンデ霊に想いを馳せ一心不乱に物語をつむいでいく。
「…これは私が書いているのだろうか」
いつしか、疑問が生じる。これは、私が書いているのではないのか?
疑問はすぐに確信に変わる。私の知らない文体。私の知らない物語。間違いない…。

わたしは

    おそるおそる

          ふりかえる…

薄らぼんやりとした女が、背後でキーボードを打つ仕草をしていた。
それは、私の指と同じ動きだった。
私の視線に気づくと

「き、気づいてもらえて嬉しいわけじゃないからね、本当なんだから!!」

と叫んで、消えた。

690:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/03/02 15:53:53 Hn6U0km70



>>658さん、あなたの後ろにもいるかもしれませんよ




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