なにそのツンデ霊★2人目at OCCULT
なにそのツンデ霊★2人目 - 暇つぶし2ch350:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 10:40:08 u0IPvT0E0
>>321…おもしろいわね」僕が2chでツンデスレを読んでると声がした。
薫だ。彼女は僕の背後霊をしている。

「私のことも書いてよ」実はもう、書き込んでいた。
薫を文字って香で書き込んだが、それがちょっと不評を買ってしまった。反省と照れくささで見せられない。

「そのうち書き込むよ。っていうか、これ、ツンデ霊だよ? 自覚あったの?」

「…!? ば、ばっかね、何いってんの。そんな訳ないでしょ。つんつんでれでれなんて意味わかんないんだから」しっかりわかってる。

自己分析が出来ているのか、キャラ作りでそうしているのか。
まぁ日常から接している僕はよくわかるのだが、薫の場合は前者だ。
2ch用語を知っていたのが恥ずかしかったんだろう。そっぽを向いている。

「…ふん、お休みの日も自宅でそんなの読んでて、不健全なのよ」薫も楽しそうによんでたじゃんか…。

「外行くわよ、外」「あ、ああぁ、まだ全部読んでないのにぃいい」僕は薫に引きずられるようにして家を後にした。

「どこ行くの?」「行き先は男が決めるものなの!!」おいおい。

「あて、なかったの?」「…ぐむっ」ぴ~ひょろろ、とトンビが鳴いている。間が長い。

「じゃ、あっち行こうか」とりあえず、歩き出した。

さて、ここで僕の悩みを打ち明けよう。僕には恋人がいる。でも、その子は背後霊なんだ。

見える人は見えるんだけど、見えない人には見えない。そうなると、まともなデートなどいけやしない。
彼女が出来たら金がかかる…なんて人いるけど、僕の場合は恋人がいない時と生活は変わらなかった。
僕も一般の人みたいな恋愛したいな…それが僕の悩みだ。

351:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 10:43:39 u0IPvT0E0
「どこ行くの?」今度は薫が僕に聞いてきた。
「いいからいいから」と僕は先を急ぐ。上演時間まで後15分だ。間に合うか?

僕がほぼ満員の映画館に飛び込んだのはそれから20分後。まだ、予告編を上映しているところだった。

「映画かぁ…それでなによ。いっちょ前に恋愛映画でいいムードでもつくろうっての? やぁらしい」
その声がちょっと弾んでる。映画につれてきたのが嬉しいんだろう。

生前の彼女は入院が多く、あまり、これなかったらしいから。
「で、タイトルは何?」「しっ、始まるよ」
僕は薫をひざの上に乗っけた。いくら幽霊でも、他人のうえには座らせられないだろう。

薫ははじめ、わくわくしていたからか、ゆらゆらと僕の体をゆらしていた。後ろの人、めいわくだったろうな。
ストーリーが進むにつれ、それは次第に小刻みになっていき、僕は震度3の地震にあってるかのような感覚に襲われた。
ぎゅっと僕の手を握り締められた。映画のタイトルは「サイレン」ゲームが原作で前からみたかったのだ。
そして佳境に入ったとき…

じわーっ…
…と僕の膝に生暖かい感覚が広がっていく。

…やられた。

映画がおわったあと、僕はさっさとコートを着て、抱きついて離れない薫を抱えて映画館を飛び出した。
「…あれは、誰もいないシートを濡らすから怪談になるんだよ。僕をぬらしてもなぁ…?」僕は薫に言った。

「ひぐっひぐっ…だって、だって、ぅ、うぐぅ…」薫は僕の胸に顔をうずめて泣き止まない。

コートの下の僕の膝はびしょびしょだった。
「…怖かったの?」「…」答えない代わりに、こくりとうなずく。
いつも勝気でいけいけな薫がこんなに怯えるなんて。ちょっとかわいそうなことしたかなぁ。

僕は夕暮れのベンチで薫が泣き止むまで、抱きしめた。

352:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 10:45:10 u0IPvT0E0
終わりです。
家に帰ってきた後、『僕』は一週間くらい薫に口をきいてもらえなかったそうです。

353:本当にあった怖い名無し
06/02/20 11:04:36 mJoiWpvI0
>ツンデレ初心者さん、乙!
お茶ドゾー
つ【旦】

354:本当にあった怖い名無し
06/02/20 11:20:57 v4udFtG40
馬っ鹿じゃないの?
みんなしてこんなことをやってるなんてさ。
時間の無駄よ、無駄。

こんなことしてる暇があるなら
彼女でも作って尽してあげなさいよ、まったく。




…ま、まぁ努力は認めるわ、努力だけね。


…な~に見てんのよ~
馬~鹿

355:本当にあった怖い名無し
06/02/20 11:32:07 Fm7tadApO
雄子さんに萌えた人が多くて、異例の打ち切り→復活のコンボは完成しないんですか?

356:本当にあった怖い名無し
06/02/20 11:39:34 VqBaqvA/0
はぁ?!
何を言い出すのかと思ったら、またそれぇ?
二言目にはそれね、あんたたち。

脳味噌わいてんじゃないの?
あごめーん、わくほど脳味噌無かったわね、ハハン♪

357:本当にあった怖い名無し
06/02/20 11:50:43 VqBaqvA/0
ハッ、あたしはいいの特別だから。
ここに居て、あんたたちの作成の総指揮をとってあげるわよ。

このあたし直々に指揮をとってもらえるなんて、
あんたたちはなんて運が良いのかしらね♪
感謝しなさいw

358:本当にあった怖い名無し
06/02/20 11:57:30 ujjwgjjRO
なんか変なのが沸いたな

359:本当にあった怖い名無し
06/02/20 12:10:07 mJoiWpvI0
華麗にスルー汁

360:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 12:13:37 u0IPvT0E0
僕には背後霊がいた。
勝気で横暴なところもあったけど、そそっかしくて、それでいて優しい僕だけの背後霊が…。
でも、それも昔の話。今は…もういない。

『薫と僕‐最終章‐』

僕と薫の微妙な関係が続いて早一年。ここのところ、体調を崩すことが多くなった。
病院にいってみたが原因はよくわからない。バイトが忙しかったからそのせいだろう。
「ふん、鍛練が足りないのよ」とかいいながら、薫は俺の看病をかいがいしくしてくれた。
だが…病状は悪化し、僕はついに入院することになる…。

田舎から僕を見舞いに母が来た。「あらまぁ、鬼のかくらんかねぇ。丈夫に生んだつもりなんだけど」僕を見て母は大笑いした。笑い事じゃねぇよ。
りんごをむいてくれている母が看護婦に呼ばれた。「あらら、治療費かしら…この金食い虫」なんていいながら母は出て行った。
「お母さん、きれいな人だね」それまで黙っていた薫が僕に声をかけた。彼女はいつもそばにいる。
「顔色よくないね」前までは僕を振り回していた薫だが最近は元気がない。
「いや、今日は調子がいいよ。ありがとう薫」僕はしゅんとしている薫を元気付けようと声をかけた。
母さんが戻ってきた。ちょっと顔色が悪い。「どうしたの? 高かったの?」
「う、うん。ちょっと手持ちじゃ足らなくてねぇ。ほんっと、この金食い虫…」あはは…すんません。
母さんはお金を下ろしてくると病室を出て行った。その後ろ姿を薫は眺めていた。
「私、外の空気吸ってくる。病室ってあまり好きじゃないから」薫も外に出て行った。
薫には調子が良いといったが、実は今日は絶不調だった。だから、僕が眠りにつくのは早かった。

深夜。目を覚ますと薫が僕の顔を覗き込んでいた。
「うわっ」「あら、起こしちゃった」薫が悪びれる風もなく言う。
「私、あなたの背後霊やめるわ」「…え…」唐突だ。
「何いってるの?」「私は病院嫌いなの。病弱な男に用はないのよ」ぐはっ。
「他の健康な男に取り付くの。じゃぁね。軟弱さん♪」
それだけ言い残して、薫の気配は消えた。あとに残された僕はただ、呆然と窓の外をみていた。

361:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 12:15:08 u0IPvT0E0
あれから、3週間後、僕は無事退院できた。
ただ、寂しさは募るばかりだった。ある日、そんな自分の夢枕に死んだおじいちゃんが現れた。
「少しは元気にならんと薫さんもうかばれんぞ」なんじゃそりゃ、僕は彼女に見捨てられたのだ。
「ほっほ。お前は短絡的な性格じゃぁなかったんだがな。あんなにべたべた見せ付けておったくせに彼女のこと何も知りゃせん」
「おあいにく、まだそれほど長い付き合いでもなかったからね。あんな浮気する女とは思わなかったよ」
爺ちゃんは僕を本当に情けなさそうに見て、「薫さんはの、お前のために成仏したんじゃよ」と言った。
「え…」「あの日、お前の母があの足のきれいな看護婦しゃんに呼ばれたろ」看護婦の足なんてみねぇよ。
「お前の母親のそのとき、お前の死の宣告受けたんじゃ」おいおい。そんな大病だったのか。
「原因は、薫さんじゃったんだがのぉ」「…は?」

人は食事をして栄養を取る。では、霊はどうするのか?
浮遊霊などは大気に散る有象無象の生気や精気からエネルギーを補給する。
しかし、人に取り付くとその人間の魂から力を得るらしい。それは、自分の意思でどうにかできるものではないそうだ。
人が吸う空気をを選べないように。
本来人間が支えられる霊は一体分のみ。自分の守護霊と呼ばれる霊のみだ。しかし、僕は薫も背負ってしまった。
僕の体はそれが原因で衰弱していったそうだ。

「ワシも悩んだんじゃが、やはり薫さんには本当のことをいったよ。そして彼女は成仏することを選んだんじゃ」
「なんで、早く言わないの!! 僕はちゃんとお別れを出来なかったんだよ!!」爺ちゃんにつかみかかった。
するりとすり抜ける。「まぁ、そういうわけじゃ。最後にの、お前が回復したら伝えてといってたことがある」
「これからも、がんばってね。…あんな別れ方でごめんね…じゃと」
夢から覚めた僕のほほには涙が伝っていた。僕はそれをぬぐって外に出た。
咲き乱れる桜、春のかおりが僕の鼻腔をくすぐった。

それから、15年。僕はゲーム会社を興して社長になった。お金はたくさん出来たが、嫁はもらわなかった。
僕の恋人はただ一人。薫だけでいい。いま、僕は32歳。忙しい日々に追われている。

362:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 12:16:06 u0IPvT0E0
「社長、恋人作らないんですか?」昨日入った新人バイトの子が僕に聞く。
「はは、仕事が恋人さ」顔も見ずに僕はいう。
「ばっかみたい。いまどきはやんないのよ」うあ辛らつだなぁ、この子。
「前の彼女を引きずっているとか?」しつこい子だ。
「…君、口は気をつけないと…」顔を上げて…絶句した。
そこには薫がいた。
「ほんと、あんたって馬鹿なんだから」おでこにキスをされる。
「生まれ変わりって、信じる? …ふふ、今度はちゃんとした恋愛しようね…」そういって走り去っていった。
涙でくしゃくしゃになっていく彼女の後姿を眺めながら、
こういうのもロリコンっていうのかなぁ…とふとおもった。

‐了‐

363:本当にあった怖い名無し
06/02/20 12:18:43 VqBaqvA/0
ちょっ、ちょっと待っ、待ってってばっ!
なによこれ、こんな格好までさせたくせにぃ…

こんなんじゃあたしの評判台無しじゃないのよっ!
どうしてくれるのよ、責任とってくれるんでしょうね!?


ちょっと…なんとか言いなさいよっ!
このままじゃ、あたし…あたし…
お嫁にいけないじゃないっ!

364:本当にあった怖い名無し
06/02/20 12:37:15 VqBaqvA/0
ほらっ、そこの長い髪の少年!
こっちに来てあたしの相手をしなさいっ!

365:本当にあった怖い名無し
06/02/20 14:24:59 +aeBAzBB0
>>340 本当にGJ!! あんた神だよ俺にとって!!

366:本当にあった怖い名無し
06/02/20 14:30:48 +aeBAzBB0
てかツンデレ初心者が徐々にうまくなってる件について

367:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 14:38:07 u0IPvT0E0
僕が薫と街中でデートをしていると、袖を引っ張られた。
「ねぇ、あれ」薫の指差すほうを見ると霊を背負った男がいる。
「ありゃ、なつかしいな」「ね、私たちもあんなだったのね」薫が懐かしげにつぶやく。

その霊は薄らぼんやりとして顔などはわからない。が、声は聞こえる。

―レ・・レイポンッ
―レイポンいうなっ

なんか、楽しそうだ。二人(?)はどんどん遠ざかっていく。
「絶妙ねぇ、実体化を抑えてあの男の人に負担をかけてないわ。私もああすればよかったか」薫がうんうんうなずく。
「あ」薫が怯えた声を上げて、さらにむこうを指差した。
「うあ」
そこには顔半分を包帯で覆った男がよろよろ歩いている。後ろには…なんだありゃ…。

―このままではおわらんぞー!
―だから終わりですってば

なんか、男についているでっかいモノが雄たけびを上げ、大気が揺れている。あきらかに生気を吸い取りまくっている。
だが、取り付かれてる男は困った顔しながらも楽しそうだ。


368:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 14:38:39 u0IPvT0E0
「いろいろな形があるのね」「あ、あぁ。でもあれはかんべんな」
その声が聞こえたのかのようにもう一度、遠くのアレが吼えた。
昨日夢うつつにみたテレビ通販の「強力除霊アイテム、アブゴーストクリーナー」で祓えるだろうか?
…無理だな…

すれ違う親子の会話が聞こえた。

―おとーさん。あのね、おくのおへやに、ね。おねえちゃんがいたの
―どんなお姉ちゃんだった?
―あかいおきものきてるの。きれいなひと

お父さんが妙に懐かしそうな顔をしていた。

マクドナルドに入ると楽しそうにおしゃべりをしているカップルに目が留まった。
「あそこにもいるね」男の後ろにいる女の霊が男の髪を引っ張っている。あれは嫌がらせ…じゃないな。
「奥手の彼をせかしてるみたいね」世話焼きな幼馴染ってところかな?

隣の別のカップルの会話も聞こえてきた。

―ねえ、あのカップ、どうしてあんなボロボロなの?
―ん? ああ……昔の彼女がくれたやつを次の彼女がぶっ壊して修復した
―じゃあ……現在の彼女であるあたしが、また叩き割ってもいい?

うあ、熱い会話だなw
僕たちはそうした声を背に店を出た。
日々は悠々と過ぎていく。その中に僕らのような奇妙な出会いもたくさんあるのだろう。
これから、そういった体験をする人たちに思いを馳せながら僕たちは帰路についた。



369:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 14:39:50 u0IPvT0E0
他の方のよんでたら、いろんなシチュエーションがあるんだなとおもい、ついやっちゃいました。
すいません。

370:本当にあった怖い名無し
06/02/20 14:50:24 REHrCOraO
>>285ハムスターが信号無視まで読んだ

371:本当にあった怖い名無し
06/02/20 14:52:38 Lset058n0
>>369
おもしろいけど、ちょっとやりすぎかも
これじゃあ、みんな同じ街にいるかの様で

…そうか、この世のどこかにツンデ霊がいっぱいいる街があるんだな!

372:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 14:59:16 u0IPvT0E0
あう、猛省します:;

373:本当にあった怖い名無し
06/02/20 15:07:49 xfO2mavLO
>>366 漏れもオモタ…
いやホント俺は普通に楽しませてもらいましたよっと
初心者乙!

つ旦







素直にgjと言わずスマン!

374:本当にあった怖い名無し
06/02/20 16:15:36 EgWIF7ey0
>>367-368
まあ番外編ってことでいいんでないの。
ほら、あれだ。マジンガーZにグレートマジンガーが出てきたみたいな感じで。


375:本当にあった怖い名無し
06/02/20 16:22:44 xTk77Tav0
>素直にgjと言わずスマン!

それがツンデレ

376:本当にあった怖い名無し
06/02/20 16:36:17 LuiBlK+u0
俺はツンデ霊のプロだぜ!

377:本当にあった怖い名無し
06/02/20 17:06:41 e8KJbqmw0
プロ市民みたいなもんか?

378:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/20 18:40:52 mJoiWpvI0
とりあえず途中経過報告。

>>314で大胆発言&約束をしたにもかかわらず、
 >現在2本構想中。
の部分の訂正をしなくてはなりません。
wktkでお待ちいただいた皆様には大変申し訳なく思っています。

現在、2本どころか10本にまでプロットが広がってしまい、
うち3本が校了致しました。
でもUPはもう少し待ってください。

何というか…「作品群」みたいなものになりつつあり、出す順番が結構重要になっちゃいますた。
といっても他の皆さんのように文章力も無いので思いつきだけが命なんですがw

なんだか自分の首を絞めているみたいだ…w
応援してくださった皆様ありがとう、も少しがんがります

379:本当にあった怖い名無し
06/02/20 19:19:18 xTk77Tav0
>>378
wktkで待ってます、ガンガレ!!

380:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/20 19:54:41 dLGujYeE0
>378
期待しつつ晩ご飯食べる。

ところで範馬雄子さんはもう見られないのだろうか。俺、愛してたのに。
全身黒づくめの、刃を思わせる雰囲気の長身美女に脳内変換して楽しんでたのに。
片タマくらいなら蹴り潰されてもいいほどに。

381:本当にあった怖い名無し
06/02/20 20:23:09 dt9QaKT60
いなくなったらいなくなったでさびしいな






な、なによ。そんな好きだったとかそんな感情じゃないんだからね

382:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 20:43:32 u0IPvT0E0
それでは、場つなぎに一本。
3部作です。

383:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 20:44:53 u0IPvT0E0
夜ひとりでに響くピアノ。一段増える怪談。歩き出す二宮金次郎。トイレの花子さん…etc…etc。
学校の7つの怪談。あなたはいくつ遭遇したことがありますか?

僕は残念ながらひとつです。…え、どの話だって?
僕の話はね…

『回る少女』

小学校5年の暑い夏の放課後。僕は学校に一人取り残されていた。体育の授業で逆上がりが出来なかったのだ。
一生懸命、がんばるがどうしても出来ない。カラスが寂しく鳴いている。
「できるわけ…ないじゃん」つい、愚痴が出る。それでももうひと頑張りしようとしたら鉄棒から落ちた。
「…くすくす」どこかで笑い声が聞こえた。「笑うな!」…あれ? 誰もいない。
「気のせいか」沈む夕日を尻目に僕は逆上がりの練習を続けた。

次の週の同じ日。
僕は相変わらず、逆上がりをしている。他のやつらは、なんでこんなこと出来るんだろう?
その日は僕は頑張りすぎた。いつの間にか日が落ちていた。
鉄棒のある場所は校庭の端っこにあったので管理人さんも見逃したのだろう。ちょっと寂しい。
…てー…ん…て…ーん。
ボールをうつ音が聞こえてきた。…ひとりじゃないんだ。僕は不思議を感じるより先に、誰かがいることに喜んだ。
「もう一回、やって帰ろ」…誰かがいる喜びのためか、怖くて帰りたかったためか。出来ちゃったよ、逆上がり。
「ひゃっほぅい!!」調子にのって再チャレンジ。また出来た。んじゃ、もう一度…と続ける僕に、
「あんた、馬鹿じゃない」唐突に声をかけられた。目の前に僕と同い年くらいの女の子がいる。
「こ、こんばんわ」「こんばんわじゃないわよ。馬鹿みたいな声上げて、くるくる回って。バターになるつもり?」
「で、でも出来たんだよ、逆上がり」「私でも出来るわよ。私なんて大車輪もできるんだから」…絶対嘘だ。
「じゃぁ、やってみろよ」「ふん、うら若き乙女がスカートの中身をさらせると思って?」確かに彼女はスカートをはいてる。
「じゃぁ、明日、ズボンでこいよ」「ふ…ふん、臨むところよ」そうして僕たちは約束を交わした。
僕が荷物を取って校庭に戻ると彼女はいない。先に帰ったんだろうか?
門をくぐろうとした僕は、また、…て…ーん、てーん…とボールの弾む音を聞いた気がした。


384:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 20:45:26 u0IPvT0E0
次の日の放課後、僕は昨日の少女を待った。しかし、いくら待ってもこない。しまいには用務員さんに怒られた。
もう…こないのかな? 僕は帰ろうと校門をくぐった。そのとき。
…てー…ん…て…ーん。あ…ボールの音。僕はなんとなく、鉄棒のところにもどった。
「おーい、だれかいるの?」声をかけるとボールの音がぴたっとやむ。
「…おそい」昨日の少女が腰に手をあて威張ってる。…遅いのは君だろ…。口には出さなかったが…
「私が世界の中心なの。私に不満をぶつけるのは50年早いわ」人の考えを読み取ったように答えた。…こいっつ…。
「さ、今日はちゃんと運動できる格好よ」そういった少女をみると…ん、なんか変だ。
テレビで見るような田舎っぽい格好している。「なんだぁ、それ。だっさーw」
「ふん、あんたごときには私のハイカラな格好は理解できないでしょうね」
ハイカラってなんだ? 僕はまた馬鹿にされるのもいやだったので聞き流して、鉄棒にスタンばった。
「それじゃ、いっせーのせ、でやるよ。いい?」
「ふん、はやくしなさいよ」
「じゃ、いっせーの…」

「せ!!」

…くるん。僕はちゃんと成功。隣の少女を見ると…

…くるん、くるん、くるん、くるん、くるん、くるん、くるん、くるん…回る回る。
…お見事です。
最初はゆっくり回っていたのだが、どんどん加速していく。
おいおい。こんなのスカートでも中身見えないよ。

…くるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるん…

少女は止まらない。


385:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 20:45:58 u0IPvT0E0
それを見てるうちに、ちょっと怖くなってきた。
「も、も、もぉいいよ。わかったよ。僕の負けでいいからやめなよ…」声が震える。
くるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるん…ヒュッ…ぐるんぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
くるくる回る彼女から、空気を裂く音が聞こえたかたと思うと、少女はさらに加速した。
「ひ、ひぇぇ…」ぐるぐるぐるぐるぐる…僕はもうどうしていいかわからない。
そういう時、人は本当に「ひぇえ」って言うんだなと何気に思った。

「もう、やめて!!やめて!!」僕は我に返り必死にお願いする。
…少女は相変わらずぐるぐるぐるぐる…。
…で気づいた。
彼女が少し小さくなってる気がする。
僕は昨日の少女との会話の「バター」を思い出した。
「う、うああああ、溶けちゃってるよ!!」僕は危険をかえりみず、彼女を止めた。
「わ、わ、わぁあああああああああああ!!!」遅かった。彼女の頭がもうない。頭がない!!
腰が抜けた。彼女の体がずるりと鉄棒から落ちる。…ドスン。ピクリともしない。
「ひ、ひぃい」股間が生暖かく湿ってくる。首のない体というのはとても気味が悪いものだ。
それが知っている人のものだとさらに、恐怖が増す。
僕は気を失った。

「ねねぇ、ちょっと起きてよ」…僕は少女の声で目が覚めた。「無事…だったの?」あたりを見回す。少女はいない。
もう、日は沈んでる。鉄棒のあった場所は真っ暗だ。
「無事といえば、無事なんだけどねぇ」僕は悪い夢でも見たのだろうか。それより、少女の姿がないのが不安だった。
声…聞こえるのに。…ん?どこから聞こえるんだろう。僕の真上…!?

木の上から少女の首が僕を見下ろしていた・・・

「うぎゃーーーーぁあああああああああああああああああああああああああ!」両手だけでその場を離れようとする。
「あ、あぁ、、あああ、い、いかないで、いかないでぇえ」怖い。怖い。怖い。なぜか僕は鉄棒の場所に来てしまった。

首なしの胴体がふらふらしていた・・・


386:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 20:47:10 u0IPvT0E0



ぷちっと何かが切れた音がした。すると妙に冷静になった。あれは、あれだ。夢だ。
遠くで「お願い、助けてー」とか言ってる。お笑いだw そんな現実はない。
僕は、もう一度、彼女を見に行った。大粒の涙がぼろぼろ…ぼろぼろ。
「わははは、ばっかみてぇ」僕はおかしくて笑った。どうやら、木に引っかかっているらしい。
僕を馬鹿にするからだ。「ごめんは?」「え?」うろたえる少女。急に強気になった僕にちょっと戸惑っているらしい。
「ご・め・ん…は?」「ごめんなさぁい…」僕は満足げにうなずいて木に登り、彼女をおろしてあげた。
手に持った彼女の髪からいいにおいがした。さすが女の子。ちょっと抱きしめてみる。
「む、むぐぅ」彼女が抗議の声を上げる。かわいい。彼女の体においてあげた。
「えっち…」自分の体とひとつになった少女がぽっと顔を赤らめて、走り去っていった。
さて、これは夢だ。ねなおそ…。僕はそのまま木の下で眠りについた。

翌朝。僕は用務員のおじさんにこっぴどくしかられていた。僕は木の下で寝ていたのだ。
夢の話をするとおじさんはこう話してくれた。
「あそこにはな。てまりの少女がおるんじゃ」
「夜中にな、ひとりでてーんてーんとてまりをついてるんじゃよ。」
「それでよーく近づくとな、まりはその少女の首なんじゃ」

それからはいつもの日常。
ただ、授業中窓の外をのぞくと、もんぺをはいた女の子が僕に手を振るようになった。
手を振り返すと、少女は満足げにうなずき首をはずして、てー…ん、てー…んと去っていくのだ。

…終わり。

387:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 20:47:45 u0IPvT0E0
ごめん、4部になっちゃった。

388:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/20 20:59:40 +380dzcr0
>>帰ってきたツンデレ初心者さま
ありがとうございます。夢の競演、びっくりしましたがとても
嬉しかったです。ハムポンがいないのが残念ですがw

>>ミレレイ
ガンバッ!ワクワクして待ってるよっ

みんなすごくおもしろいなぁ。仕事中いろいろ考えてしまうから、よろしくないねw

389:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/20 21:02:31 dLGujYeE0
あー……なんかシュールでいいなあ、これ。
少しだけホントに怖く感じる箇所があったりするのがいいですね。

>4部になっちゃった。
すごく良く分かります。書いてると歯止め利かなくなる俺には。

390:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/20 21:03:09 u0IPvT0E0
うわ、ポン介さんw
勝手にきゃら使ってごめんなさい^^;

僕は残業中にネタを溜めてます。で、日中、仕事の合間に直しして、アップしてます。
たまに、上司のお姉さんが白い目でみるのが・・・こわいです。


391:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/20 21:04:26 +380dzcr0
>>340
まとめサイト乙です!僕の話まで入れていただいて感激しました。
タイトルに笑いましたw
頑張ってくださいっ

392:本当にあった怖い名無し
06/02/20 21:06:51 Fm7tadApO
>>383-386
文体がアレだから萌えるけど、本気で怖くしようと思ったら思いっきり怖くなりそうだな…
取り敢えずGJ!

393:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐◇skvdFfJa0
06/02/20 21:10:48 u0IPvT0E0
たったいま、IDがその日ごとに変わることに気づきました。
すいません。
それで、みなさん、名前の後ろに最初のIDを入れてらっしゃったんですね。僕もそうします。

>>運動場整備舞台さん
ほめてもらえるてかなり嬉しいっす。
もちろん、他のかたのレスも最高にありがたいです。悪い部分、きっちり指摘してくれるから、嬉しくてつい連投しちゃいました。

いまは、ツンデ霊プロさんの作品とミレレイさんの作品が待ち遠しいです。

394:本当にあった怖い名無し
06/02/20 21:18:39 nuUFqtKc0
ち、違う・・・・トリップはそういうものじゃない・・・・

395:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐◇skvdFfJa0
06/02/20 21:20:48 u0IPvT0E0
げ、運動場整備部隊さんの名前まちがえてました。
あと、やっぱり、自分、間違えていたんすね。このあとちょっと調べて直します。

396:本当にあった怖い名無し
06/02/20 21:22:09 dt9QaKT60
>>395
名前#なんか好きなことば

397:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐◇2で0
06/02/20 21:23:53 u0IPvT0E0
こうするのかしら?
スレ汚し、お許しください。

398:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐ ◆xRLIMlkjQY
06/02/20 21:25:07 u0IPvT0E0
…お願い、成功してください。

399:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/20 21:25:16 +380dzcr0
今日は家で今月の「かわいいハムスター」をごろんと横に
なって眺めていた。
いつ見ても素敵な雑誌だ。小さかった頃、まだハムちゃんだった
ハムポンを写メで撮り、投稿したりした。
掲載された雑誌は今も宝物だ。

「ふむぅ・・・むー?・・・・ふむふむ・・・・」

さっきから、耳元で鼻息が荒いのは、レイポンだ。
僕の後ろから雑誌を見ているらしい。
すぐ耳元でふむふむ言われるのは、何か気恥ずかしい。
だが・・・それ以上に僕には気がかりな事があり、実は雑誌にも身が入らなかった。

もうすぐバレンタインデーなのだ。レイポンはどう思っているのだろう・・・

「レ、レイポン?」
「レイポンいうなっ・・・なに?」

あまり気のない返事なのは、読者投稿コーナーのハムスターたちに心奪われている
からだろう。
「・・・ん。いや・・・なんでもない」
「・・んー。ん?・・・・んんー?んふふ・・・何よ?」

まずいな。とてもいやな雰囲気だ。気づかれたのかも知れない。

400:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/20 21:25:47 +380dzcr0
「な・・・なんでもないよ」

ページをめくる指が自分のものではないようにぎこちない。
顔が熱いのがわかる。

「んー?んんー?気になるじゃないよ、いいなさいよっ」
含んだ笑いで声が弾んでいる。意地の悪い奴だ。

「レイポンはさ、その・・・桃の缶詰ありがとね」
「レイポンいうな。・・・んー?ああ、たまたまあったからね。で?」

カラカラ・・・・カラカラ・・・・
沈黙の降りた部屋に、ハムポンが回し始めた回し車の音が響く。

「でって・・・それだけだよ」
「・・・ふふん。そういう事にしておいてやるわ」
含み笑いの中に勝ち誇った響きを残し、レイポンは引き下がった。

レイポンは多分、女の子だろう。声から察するに同年代だと思っていい。
今まではハムポンの世話をしてくれる、便利な存在くらいにしか思っていなかった。
だけど・・・レイポンは僕をどう思っているのだろう。そして僕は・・・

当日、机の上にチロルチョコが一つあった。

「・・・・これが答えかっレイポンーっっ?!」
「なっなによっっきなこチョコなのよっっ」

もうレイポンとは2日口を聞いていない。きなこチョコっていわれても困る。


401:本当にあった怖い名無し
06/02/20 21:26:02 4hB1tPbP0
#と♯の違いに気をつけてな

402:本当にあった怖い名無し
06/02/20 21:27:32 41lR69lu0
>>398
成功オメ!!

403:本当にあった怖い名無し
06/02/20 21:30:08 xTk77Tav0
>>399-400
GJ

404:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/20 21:32:25 dLGujYeE0
ハムスターフェチなんだな……それも重度のw 
レイポンすげえかわええ。きなこチョコの何が悪いのさっ。

405:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/20 21:35:33 u0IPvT0E0
帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐です。
成功したけど、>>397でトリップのパスワードさらしていたことに気づきました。
以後は「たまねぎツンデレ」に改名します。

ポン介さん、お疲れ様でした。チョコ欲しいとき、見透かされるとちょっとくやしいですよね。

406:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/20 21:36:27 +380dzcr0
流れブッチしてすいませんでしたorz

>>398
成功しましたねっおめでとう!

>>404
ハムスターはかわいいですよ。レイポンは添え物ですw

407:小ネタ@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/20 21:48:15 mJoiWpvI0
85pesOZL0は、「ミレレイ」などと呼ばれることに、もう抵抗しなくなっていた。
「所詮呼び名なんて、ひとが自分を他人と区別する為の符号に過ぎない。
 自我を名前で表現しようと四苦八苦するなぞ、自己表現の手段を目的と勘違いした愚者の行いよ。
 私の自己表現の方法は、皆が待ち望むように早く物語を完結させること。
 それが私のこのスレでの存在意義であり、究極の目標なのだから…」

「ツンデレ初心者」に突っ込みを入れて、逆に>>115に批判されたときに思い描いたコテの付け方。
何か意味のありそうなIDを誰かがもじって命名してくれるだろうという願いは実現されなかった。
「85ペソ」とも読めるIDを得たとき、彼はここぞとばかり他人に命名した。
自分から目立つことで、祈りが通ずると思ったからだ。
「このスレならきっと誰かがIDから命名をしてくれる…!」

しかし、無情にもコテは彼の望むものではなかった。
そればかりか、命名者以外にもその名のほうが浸透してしまった。

 「まぁいいか」
彼は素直にそう思えるようになった。
何より皆がツンデレをこよなく愛していることに気付いたからだった。
 「ツンデレ至上主義、か。  ふふっ」
彼はこのスレを初めて覗いたときの興奮を思い出していた。
 「これからツンデレのとりこになる奴らのためにも、早く作品を仕上げることに集中しよう!」

だが彼は「ミレレイ」とは自分から名乗ることはしないだろう。
なぜなら、「 そ れ が ツ ン デ レ だ か ら 」

408:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/20 21:50:20 mJoiWpvI0
あたしの作品はこんな感じの説明口調なんですが、大丈夫でしょうかね…ぇ?

とりあえず文字数&行数確認を兼ねて小ネタを一発書いてみましたw


あぁ~煮詰まっちゃったよぉ~TT

409:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/20 21:56:21 +380dzcr0
ツンデレ・・・w

大丈夫。おもしろいよミレレイ。
ううん、認めなくたっていいwされがツンデレだからw

410:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/20 22:17:31 dLGujYeE0
>誰かがもじって命名してくれるだろうという願い
ヒロインの切なる願いはニブちん男にスルーされるのが掟。
そこから生ずる愛しさとか切なさとか心強さがツンデレの原動力だ。
だから、胸を張って凹め。

ちなみに俺、85pesO よりもこの →OZL← 部分が気になっててなあ…。
「OTLさん」て呼ぶ寸前だったさ、ミレレイ。

411:本当にあった怖い名無し
06/02/20 22:19:08 gc8hmAAxO
馴れ合いはほどほどにしてくれよ

412:本当にあった怖い名無し
06/02/20 22:44:21 xfO2mavLO
>>411
ええい!!次から次へとツンデレがわきやがる!!


>ミレレイ…テラモエス…

413:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/20 22:45:45 mJoiWpvI0
歴代このスレに棲みつく奈緒美は思った。

―このスレで否定的発言をしても、それはツンデレの「ツン」だと見なされるってコト、
 なんで気付かないヤツが居るのかしら。
 ツンデリストに否定発言は逆効果だってコトくらい、このスレを定期的に覗くヤツなら常識でしょ。
―思えば、色んな作者が出ては消えていったわね。まるで泡沫の夢のごとく、ね。

―でも待って、なぜあたしのことをネタにしようとするヤツが居ないの?
 あたしが美しすぎるから?「ツン」色が強すぎるから?ツンデ'霊'ってそんなにムズい?

だが、奈緒美の問いに答える者は誰も無く、奈緒美の心の叫びは虚空に消えた。

―ふ、ふんっ なによ、あんた達なんてこっちから見捨ててやるわ。もう永遠にさよならね。

奈緒美はスレから離れると、この板のスレ一覧のトップに陣取った。

―ここならこの板全部が見渡せるわ。
 あの下らないツンデ霊スレがdat落ちする様までもね

しょうもない駄洒落をいいながら、奈緒美はじっとあるスレに目を向けていた。

―あのスレの色が赤く変わったら、真っ先に行って馬鹿にしてやろう…

そんなことを思いつつ。

414:1
06/02/20 22:51:52 EbL3uJMt0
小学校低学年くらいの年代だと、総じて女子のほうが発育は早くなる。

私と、幼稚園時代からの幼馴染である晃子は、たった2週間ほどしか
誕生日が変わらないにも関わらず、小学校3年当時で私が見上げるほどに
身長差がついてしまっていた。

もとより、私はクラスでも前から数えたほうが早いくらいのチビだったし、
活発に運動をこなす晃子と比べて屋内で本を読んだりすることのほうが
好きだった私とでは、そうした違いが生まれても仕方がなかったのかもしれない。

晃子はそんな私を「ジジむさい」「女々しい」「それでも男かよ」と
散々にバカにしてくれた。少なからず男子としてコンプレックスを抱えていた
私は、よくある幼馴染への恋心などは全く持つことなく、むしろ苦手意識を
感じるほどであった。

おとなしい性質の私であったが、それでも晃子に本当にキレた事がある。
読んでいた本を取られてからかわれたとか、今にして思えば本当に些細なきっかけだった。

本気になって殴りかかる私に、最初は笑っていた晃子も表情を変えた。
でも、悲しいぐらいに運動能力に違いがあった。

腕を振り回すだけの私は簡単にいなされ、周りは「もっとやれ~」と囃し立てる。
惨めだった、自分は男なのに、なんでコイツに勝てないんだろう。

「いい加減にっ……」と晃子が右足を軽く振るった。

彼女のハイ・キックは見事に私の顔面を捕らえた。そこまでは覚えている。
なにせ今でもぬぐえないトラウマなのだから忘れようがない。

今も悔しく思うのは、彼女にとってそれはハイ・キックではなく
ミドルくらいの感覚だったのだろうということだ。

415:2
06/02/20 22:52:26 EbL3uJMt0
私はそれから一念発起し、牛乳を飲み、魚を骨まで食べることにし、運動も始めた。
いつかあいつに一泡吹かせてやるんだ。もっと大きくなりたい。
まさに子供っぽい動機だったとは思う。

……でも、晃子に「一泡吹かせる」機会は二度とこなかった。
その年の夏、晃子はあっけなく死んでしまったからだ。

家の近くの道路は狭いにも関わらず、トラック運転手の抜け道になっていたようで
さんざ危険視されてきたのだが、晃子もそれの犠牲者になってしまったのだ。

そのときの感情がどういうものだったのか、今はよく思い出せない。
ずっと目の上のタンコブだった晃子がいなくなったことは、けっして嬉しくなかった。

いつも私は晃子を見上げていたから、うつむいているよりも、見上げればそこに晃子が
いるのではないか。私にとって晃子は憎らしい奴だったが、それよりも自分にとっての
目標であったり、超えたい壁であったり、そんな対象だったのかもしれない。

だから、あれから20年以上経過した今でも、私は上を向いて歩いていられる。
晃子が死んだときに、そう決めたことを守っているからだ。

『いつも本ばっかり読んで下を向いてるとね、猫背になって背が伸びないんだよ』

そんな風にからかわれたことが、今でもなんとなく思い出せる。

416:3
06/02/20 22:52:57 EbL3uJMt0
「良クンも大きくなったねえ」

そういって麦茶を出してくれたのは晃子のお母さんだ。
私は久しぶりに故郷に戻ってきていた。少ない盆休みを利用して帰省したはいいが、
これといってやることがない。

暇をもてあましてパチンコでもやりに行くかと思って家を出たら、ばったりと
遭遇してしまい、こうして家まで連れ込まれたといういきさつだ。

晃子の家に入るのは、なんだかノスタルジックな感覚があった。
自分の家も含めて、このあたりの町並みもあまり変化がない。
開発に目が向くような地域でもなく、近所の顔ぶれもあまり変わらない。

私は中学から全寮制の私立に進学し、大学、社会人と東京で暮らしていた
事もあって、まるで私だけが変に大きくなってしまっただけなのではないかという
錯覚をするくらいだった。

晃子の家の柱の傷も昔のままだ。

私の傷の15センチほど上にあるのが晃子のものだ。
今では、そのどちらも並んで比べなくてもわかるくらい低い位置にある。

その傷を感慨深げに眺めていることを気づかれたのか、晃子のお母さんは
しみじみと話し出した。

「ねえ良クン、晃子はずっと良クンのことが好きだったと思うのよね……」

417:4
06/02/20 22:53:30 EbL3uJMt0
『そんなことは』
私はいいかけたが、それはなんとなく今ではわかっていた。

「晃子はほら、背が大きくてお転婆で。でも良クンはあの頃はチビスケ
 だったからね。」

「……そうですね、僕はどんどん置いて行かれるような気がして、嫌だったです。」

「晃子は、そんな自分がすごく嫌だったみたい。あの子ももっと女の子らしいことも
 したかったでしょうに、そんなのが似合わない自分を嫌っていたわ。」

「はあ……」

晃子のお母さんも、変に悲しみを宿すようなことはない。
晃子のことは過ぎたこと。今は私と同じように、心の中にある
彼女のことを振り返っているのだろう。

「だからこそ、好きな良クンが小さいのがもっと嫌だったんでしょうね……
 ふふ、思い出しちゃった。」

そういって晃子のお母さんは、下駄箱からなにやら箱を取り出してきた。

「あの夏、晃子は良クンを誘ってお祭りに行きたがってたのよね。
 でも、足の高いのを履くと、もっと差が出ちゃうからって、
 結局買ってあげたこれを履いてくれなかったわ。浴衣も着ないって。
 せっかく揃えてあげたのにねえ……」

見せてくれたポックリは今でも真新しく、誰かが履いてくれるのを待っているかのようだった。

418:5
06/02/20 22:54:14 EbL3uJMt0
家をおいとました時には、もうすでに夕暮れになっていた。
道のあちらこちらには浴衣をきた人が歩いている。

そうか、今日がそのお祭りの日なんだ。

晃子が着るはずだった浴衣はどんなのだろう?
手を合わせた仏壇に飾られた晃子の遺影は、思い出にあるような
憎らしさはなく、とても幼く、可愛らしく思えた。

彼女がもし、もっと小さかったら?
いや、私がもっと大きかったら?

浴衣を着た晃子とこの道を、神社に向かって歩くようなこともあったかもしれない。
20年前のifは、決して形よくは頭に浮かばなかった。

そんなことを考えていたからだろう。
私は不意に視界に入ったヘッドライトにハッとした。
そう、この晃子が轢かれた道だって昔のまま。

トラックの鳴らすクラクションがなぜか遠く感じられるような気がした。


419:了
06/02/20 22:54:57 EbL3uJMt0
そのとき、私は背中を蹴られた。

決して強くはないが、呆然としている私を道端に転がすには十分な力で。

つんのめって転がった私の横を、数台の列を成したトラックが走り去っていく。

その、車列の隙間から見える向こう端に、彼女は立っていた。
決して見ることはなかった紫陽花の花のかかれた浴衣を着て。

彼女は私を見下ろしている。怒っている。

『何をボーっとしてるんだか』
『顔を上げて歩けって、いつも言ってたはずなのに』

そんなことを言っているのが、声も聞こえないのになぜだかわかった。

4台目のトラックが走りぬけたとき、そこには誰もいなかった。
ただ、私の背中にはじんわりと蹴られた感覚だけが残っている。

その痛さは、なぜだかとてもやさしく感じられる。

『そこまでしか届かなくなっちゃった』
『……おっきくなったね、りょう』

懐かしい声、ずっと聞きたかった言葉。
見回しても、やっぱり近くには誰もいない。

ただどこかで からん と

ポックリが鳴らす音だけがかすかに聞こえた気がした。

420:本当にあった怖い名無し
06/02/20 22:59:45 xTk77Tav0
GJ。
いい話だ。゜(゚´Д`゚)゜。

421:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/20 23:02:39 dLGujYeE0
……この文体と雰囲気は、俺が個人的に一番好きな話を書いた人のような気がする。
まあ、違ってても別にいいけども。ただひたすらにGJ。

422:本当にあった怖い名無し
06/02/20 23:03:13 s9e0xvDB0
やべぇ・・・このスレ感動した!!
俺も近いうちに書いてみようかな・・・

423:本当にあった怖い名無し
06/02/20 23:18:51 xfO2mavLO
スンゲ…マジでヤバヤバでないか??うますぎなんじゃねえのか??
だって見終えたあと夏休みが終わる時のあの寂しさが数年ぶりに…
・,゚(ノд`)'。・






またまた素直にgjと言えずに日が替わる…

424:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/20 23:19:02 mJoiWpvI0
>>414-419=ID:EbL3uJMt0 GJ!
君の話にパチンコが出てきたので、また小ネタ。

田舎のこの辺じゃ、若い男の道楽といったらパチンコかクルマぐらい。
そのどちらもこなすツワモノも少なくない。
が、ボクはどっちもやらない。ギャンブル運も無いし、資金も無いからだ。

ある日、行きつけの「すきや」に昼食を取りに行った。
カウンターに座り注文を済ませ、何の気なしに隣の席を見る。
銀色の小さな玉。  あぁ、パチンコ玉か。
この店はパチンコ屋の駐車場に隣接していて、パチンコ帰りの客が良く利用する。

特に気にも留めず視線を戻した…そのとき
「ちょ、ちょっとぉ!無視はないんじゃない?!」
小さいがよく通る声が、今しがた見ていたパチンコ玉から聞こえてきた。
ぎょっとしてもう一度声の主を見ると、そこには長い黒髪の美少女が居た。

仰天しながらも話を聞いてみると、彼女はこの玉にとり憑いた霊らしい。
会話は全てテレパシー&彼女の姿は他人には見えないとのコトで、
要するに「成仏するためにあたしの憑いたこの玉で、ちょうど1000人目のキミを儲けさせて」とのことだ。
願ってもない話だ。



425:本当にあった怖い名無し
06/02/20 23:20:19 4hB1tPbP0
>414GJ。
対比で時間の経過を表現する手法は好きだ。

426:本当にあった怖い名無し
06/02/20 23:24:05 S7Z0i5IY0
>>414-419
とってもいい話だったお。・゚・(ノД`)・゚・。

427:本当にあった怖い名無し
06/02/20 23:29:00 gc8hmAAxO
>>414-419
う゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛(つД`)ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
映像化して見てみたい作品だ。GJ!

428:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/20 23:31:56 mJoiWpvI0
続き)

確かに良く出た。一日20万はざら、多いときには50万も勝った。
テレパシーで頭の中に直接罵倒や悪口雑言を言い募る彼女を我慢するのが引き換えだったけれど。
愚図、もやし、虚弱体質、ひょうすべ(?)……

だが、なぜか金は貯まらなかった。
ちょっと小金が出来たと思うとPCが壊れたり、原チャが盗まれたり。
パチンコに憑いた彼女の言によると、もともとボクには質の悪い貧乏神が憑いているそうだ。
マイナスにはならないけれど、決して金もたまらないそうだ。

一計を案じて彼女がぷいと出て行った。自分で転がって移動できるんだそうだ。
二日後、彼女が戻ってきた。  同じ仲間を50玉も連れて。

今では貧乏神も退散し、若いながらも一財産を築けた。

しかし、彼らはまだ一緒に居る。ボクの従順さが気に入ったらしく、成仏も望まないらしい。

さぁ、金か、心の平穏か。

429:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/20 23:32:51 mJoiWpvI0
はぁ、本筋が進まない。
現実逃避。

430:本当にあった怖い名無し
06/02/20 23:57:42 CoEbtup20
な、なによこのスレ!

べ、べつに見たくて来たんじゃないからね!
偶々よ!偶々!
もう、二度と来ないんだから!

マトメなんて読まないんだからね!
で、でもちょっとくらい覗いてあげるわよ!






本当にありがとうございました。

431:本当にあった怖い名無し
06/02/21 00:01:58 xTk77Tav0
>>430
関係ない話だけど、「偶々」は「たまたま」と読むのだと初めて知った。
ありがとう。

432:本当にあった怖い名無し
06/02/21 00:09:55 TjZ16euuO
>>431なに?!そうなのか?!なんてこった…
ありがとう>>430

433:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 00:16:13 i2GSR+P10
トリップのつけかたがわからず、騒いですいません。
お詫びに本日のラストを投下します。

------------------------------

僕の家では物がよくなくなる。
死んだおばあちゃん曰く、「妖怪いたずら小僧」のしわざだそうだ。
しかし、家でなくなったものは本当に必要なときは、ぽっと出てくる。
だから、最近では気にしなくなった。

ある日、僕に彼女ができた。嬉しかった。
僕は有頂天で、友達に自慢しまくったものだ。

そんな僕に彼女がマフラーを作ってくれた。
彼女は「ふん、友達に私が手編みのマフラー作れることを証明したかっただけだから。…ほんとよっ」
とかいってた。それでも嬉しかった。ちょっと、歪だが僕の一生の宝物だ。
今度彼女とデートで遊園地に行くことになった。僕はこのマフラーをつけていくつもりだ。

当日、大変なことになった。確かに机においていたマフラーがなくなっている。
僕は探した。一生懸命探した。
…見つからなかった…。

彼女とけんかした。僕はマフラーをつけていなかったし、遅刻もしてしまった。
彼女は大粒の涙を浮かべて、僕を突き飛ばして帰ってしまった。
僕はといえば、尻餅をついたまま声をだして泣いてしまった。
ちっちゃな女の子がハンカチを貸してくれたのが余計にみじめだった。

家に帰ると僕は大声で叫んだ。
「妖怪いたずら小僧なんて消えてしまえーーーーー!!!」母が何事かと、僕の部屋の戸をたたいた。
僕は鍵をかけて布団のなかで泣いた。



434:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 00:17:09 i2GSR+P10

次の日、彼女が声をかけてきた。
「…これ」彼女が僕にみせたのは、手編みのマフラー。確かに、彼女からもらったマフラーだった。
「…家にあったわ。」といって、僕のほっぺたにキスをした。
状況が把握できない僕に彼女は、
「う、疑ったお詫びなんかじゃないんだから、まだ怒ってるんだから。でも、あまり情けない顔しないでよ」
といって走って教室に帰っていった。

腑に落ちないまま、家に帰った。
マフラーを置こうと机に目を向けると、書置きがあった。

『べ、べつにあなたが可愛そうだから、マフラーを返したんじゃないから。もう、暖かくなったからいらなくなっただけなんだからね』

僕はようやく、理解した。なるほど。彼女のお家にマフラーをおいたんだな。
「ありがとう、妖怪いたずら小僧」お礼を言った。
「あ、あんたのためじゃないんだから!! それと私は娘よ!!」背後から声がした。
ドアの向こうからちっちゃな女の子が顔を半分のぞかせて、すぐひっこんだ。

今も、僕のものはよくなくなる。そんな時、僕は机にケーキか和菓子を置いておく。
すると次の日
空っぽになったお皿となくなったものが机においてあるのだ。

―了―

435:本当にあった怖い名無し
06/02/21 00:25:22 C8ZwtB1g0
GJ!
でも、一日が始まったばかりなのに本日最後なんていわないでw

436:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 00:35:07 i2GSR+P10
あ、ほんとうだorz

今日もよろしくお願いします。

437:本当にあった怖い名無し
06/02/21 00:38:42 fiJ67XoiO
範馬雄子追悼記念ぱぴこ
 
>>48
雄子タソ、喉仏を破壊
>>58
雄子タソ、ネリチャギ
>>82->>83
雄子タソ、バレンタインデー
>>134->>135
雄子タソ、レイープ
>>275
雄子タソ、目潰し
>>342
雄子タソ、打ち切りww

どうみても悪霊です
ありがとうございます

438:本当にあった怖い名無し
06/02/21 01:12:52 aXxVhi1l0
>>431-432

!!!な、なによ?別に教えるつもりで書き込んだわけじゃないのよ!
こ、こんなスレがあるから逝ったまでよ!

もう、二度と来ないからレスしないでよね!





半年ロムるんだから!!

439:1/5
06/02/21 01:25:25 06iPlXPn0
2月1日
昨日あたしを轢き殺したオヤジを軽く脅かしたら死んじゃった。
つまんない。

2月2日
しょうがないので息子のほうに祟ってやることにした。
意外と人の部屋にいるのってドキドキする。
え? いきなり何しだすの? って事態がいっぱいある。
いや、普通の生活なんだろうけど。
初日なので寝てるときに上に乗っかる程度で済ませてあげた。
すぐ死んじゃってもつまんないしね。

2月5日
コイツについてだんだんわかってきた。
とにかくビンボーだ。
千円以上の服なんかないんじゃないか?
毎回塩ごはんなのか?
これぜったい栄養失調で死ぬよ?

2月6日
今日も胸の上に正座する。
どうやら金縛りになるらしい。
必死に解こうとしているのがおもしろい。
顔がとくにおもしろい。

440:2/5
06/02/21 01:26:31 06iPlXPn0
2月7日
朝からバイト先についていった。引越し屋さんだ。
コイツに仕事があったことに驚く。食い物に金かけろ死ぬぞ。
連夜の金縛りで寝不足なのかミスを連発。
ヤンキー先輩に胸倉つかまれる。
そうか、祟りってこういうことか。
すごいヒントをもらった。ありがとうヤンキー先輩。

2月15日
金縛り中、あきらめて寝ようとしたので口をふさいでみた。
一分ほどで顔が真っ赤になって跳ね起きる。
息止めれるんだ。新発見にちょっと興奮。

2月20日
眠れない時間がムダに思えたのか、深夜の棒振りのバイトを始めたらしい。
バカじゃないの?
昼のバイトでも死にそうになってるのに。
いじめられてるっぽいし。
コイツぜったいマゾだよ。

2月25日
今日は給料日のはずだ。外食でもしてくるのか……
と思ったら家で納豆ごはん。
それがおまえのごちそうなのか?


441:3/5
06/02/21 01:27:37 06iPlXPn0
3月1日
あれから1ヶ月。
祟りの効果があってコイツは疲労困憊……って。ちがくない?
なんか勝手にボロボロになってくんだよね。
バカなんだなあ。

3月7日
バイト中、タンスを落として足の甲を骨折。
バカには痛覚がないのかタンスと床の傷ばかり気にしてた。
そんで明日も来られます、だって。来てもらっても迷惑だろー。

3月15日
とうとうぶっ壊れた。熱が下がらないみたい。
足折れてるのに雨の中棒振りなんかしてるからだよ。
バイトの先輩なんか始めと終わりしか仕事してないのに。
なんでそこまで一生懸命かなあ。
わかんないなあ。

3月16日
……うん、これたぶん死ぬ。全然動けないもん。
さびしいねー、こんなボロアパートにひとりでさ。
最期だし、添い寝してあげた。
当然だけど気づくわけないんだよね……。

3月17日
……と思ったら朝には復活しやがった。
まあ、まだいじり足りなかったからちょうどいいけど。
ちょっと思ったんだけど、このバカが死んだらあたしは何をしよう?


442:4/5
06/02/21 01:29:05 06iPlXPn0
3月21日
四十九日。
成仏しろという意味なのか、突然、実家に吸い寄せられてびっくりした。
バカがウチの両親と話しててもっとびっくりした。
つーかバイトはどうした?
おどおどすんなよ、カッコ悪いなあ。悪いのはおまえのオヤジだろ。
お母さんも何その態度? えっらそーに……

…………………………………………………。


何言ってんの?
ふざけんな。
クソババア。

オマエもすいませんじゃねーよ。

そいつがどんな思いで。
どんくらい身を削って。
……知らねーだろ。
その金を稼ぎ出したか。

―知らねーだろ!




443:5/5
06/02/21 01:30:24 06iPlXPn0
3月22日
今日もアイツは昼夜のバイトがある。
その金が残ることはないし、おそらく一生ビンボーなんだろう。

あたしはこの世に残ることにした。
やることができたから。

生まれて初めて、一生懸命やるよ。
初めてだから、うまくいかないかもしれないけど。
誰も褒めてくれるわけじゃないけど、誰も知らないだろうけど。
それでいいんだ。




444:本当にあった怖い名無し
06/02/21 01:32:58 wYa9kEXyO
>>429-433
不覚にも号泣した

445:本当にあった怖い名無し
06/02/21 01:34:06 wYa9kEXyO
>>439-443
だった。スマソ。

446:本当にあった怖い名無し
06/02/21 01:34:19 ZBoc6WiW0
>>439-443
(・∀・)イイ!!(・∀・)イイ!!(・∀・)イイ!!

>そいつがどんな思いで。
>どんくらい身を削って。
>……知らねーだろ。
>その金を稼ぎ出したか。
>
>―知らねーだろ!

感動した(つД`)

447:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 01:34:41 i2GSR+P10
>>444さん、ずれてる、ずれてるーーー

439さん、GJw

448:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:04:41 Px2v7ftN0
…もうね、イヤんなるね。
こういう良作をみちゃうとね。しかもちょっち自分のと被ってるし。

自分の遅筆が恨めしいよ。
あとタイミングの悪さ。

もう自分の思惑通りにならないらしいから、脱稿しているヤツを貼り付けて不貞寝することにした。
お休みノシ

449:1/3@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:06:27 Px2v7ftN0
  ―なんでいつもこいつは噛み付いてくるんだろう?

「朝っぱらから触らないでよ!!」
  ―いやいや、毛先にちょっと触れただけだぜ?

「足を踏むな!!」
  ―じゃぁ俺の部屋に入って来るんじゃねぇよ。

「食事中くらい私に構わないで!!」
  ―そう言われても、こんな状況で気にならない方がおかしいって。

  ―昼は俺の椅子に座って日向ぼっこ。 ずっと俺のことが気になってるくせに無視するふり。
  ―なのに俺が妹と話したり近づいたりするだけで歯をむいてまで怒るってどうなのよ。
  ―変態アニキにでも見えるのか?お前には。

  ―元々妹の親友だからって、俺は一応ここの跡取りなんだけどなぁ。
  ―しかも他の家族とは会話しようとはしないのな、お前。 まぁ別にいいんだけどよぉ。

「あ、あんたが常人とは違うだけよ。別にあんたに…そのぉ…きょ、興味があるとかじゃないからね!!」
  ―ふぅんw、なぜお前が上目遣いで俺をみるのか、聞かずにおいてやるよ。

「今日の午後は誰も家には居ないんでしょ?私も暇だから話し相手になってやってもいいわよ?」
  ―昼食後、居間からベランダの方へ身軽そうに駆けてくると、さくらは横柄に言い放った。
「かっ、勘違いしないでよ。いい?あくまでも可・哀・想、だからっ!」
  ―とかいって息が荒いぞ、さくら?何に興奮してるんだかw
「あんたに名前で呼ばれる筋合いは無いわよっ。
「次に『さくら』なんて呼んでみなさい、後悔すら出来ないようにしてやるから」
  ―はいはい、ホントに嫌なら目を合わせて言うもんだろうにw

  ―そういえばお前はいつからここに居るんだっけ?
  ―あまりに馴染んじゃって、肝心なところを忘れちゃったかな…まいっか。

450:2/3@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:06:54 Px2v7ftN0

「次にここに来れるのはまた一ヵ月後だったっけ…」
  ―夕暮れも差し迫ったころ、さくらは唐突に呟いた。
「ばっ、馬鹿っ!寂しいわけないじゃないわよ、その時のことを考えてウンザリしてるだけよ…」
  ―なら切なそうに鼻をならすなよ…

「もう夕焼けがあんなに……そろそろ時間じゃない…」
  ―いつになく濃い赤は、並んで座っている俺達に長いひとつの影しかくれなかった。

(さくら)
  ―俺は小さくつぶやいてみた。
  ―聞こえなかったのか、さくらはじっと夕日を見つめている。
  ―その通った鼻筋が、贅肉の無いあごが、滑らかな肩のラインが…そして潤んだ瞳が…
  ―美しい横顔を見つめ続けていると、次第に愛おしさがこみあげてくる。
(もうすこしこっちの世界で一緒にいられたら…)
  ―今度は聞こえないようにつぶやいた…つもりだったが、さくらはこっちを振り向いた。

「ばーか」
  ―すっと顔が近づいた。すこし出した舌先で、俺の左頬をペロッ,と舐めると、さくらは立ち上がった。

「そろそろ行かなきゃ」
  ―俺は目で追うことしか出来なかった。


451:2/3@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:07:42 Px2v7ftN0




「あれぇー?どこに居るのー?ご飯だよ~っ!!」
  大学から帰った妹が階下で呼んでいる。

「さ~く~ら~ってば~ぁ、先にお散歩する~?」
  さくらは名残を振り切るように無理に尻尾を振りながら、器用に階段を降りていった。


  ―ふと、風にのって線香の匂いがした、俺の6回目の月命日が暮れてゆく。



   ~終~

452:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:08:43 Px2v7ftN0
あ~あ、通し番号も間違えた…OTL

んじゃ次

453:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:10:37 Px2v7ftN0
―夕闇せまる公園わきの通学路。
アパートが立ち並ぶ都会の片隅を、足早に帰路につく青年がひとり。

―怒ったような足取りと、時折聞こえる悪態のような独り言。
その姿はまるで 最前まで仲良く帰宅していたのに、
些細な意地の張り合いで痴話げんかになってしまったカップルのそれを彷彿とさせた。
しかし彼の傍らにはそれらしき恋人の姿は見えない。

―唐突に、彼は足を止めた。

―それまでは人の目を気にして声を押し殺してけんかしていたものが、
まるで恋人から思いもよらない告白、または悪態を聞かされたかのように、
止まった時の中で目を丸くし、虚空を凝視している。
彼は目線の先へ思わず半歩踏み出し、下げた両手を少し広げて次の言葉を待っているように見える。

―やがて彼は言葉を失ったまま、あげかけた両手を力なく下ろした。
しばらくそのままの姿勢で数回うなずいていたが、意を決したように顔をあげると、再び帰路についた。
先ほどよりも心なしか意気消沈しているようにも見える。

―公園を通り過ぎ、明滅するおんぼろの街灯を二三歩越えたところで、
ふわりと左腕をあげた。…まるで誰かに引っ張られたかのようだった。

―気のないようなそぶりを見せながらまた2度ほどうなづいていたが、ふと、彼は口元をほころばせた。
少し左に向き直り、右手を自分の左側、頭よりも少し上の辺りへもっていくと、数回なでる動作をした。

―やがておろした左手で軽く握り拳を作ると、ゆっくりと歩をすすめた。―さっきより充ち足りて―誰かをいたわるように。

―壊れかけの街灯の照らす彼の先には、ぴったりと寄り添うような2人分の影が伸びていた。

―今宵は星空が綺麗だ。

454:0/2@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:12:31 Px2v7ftN0
さてと。
皆さん、このスレが今のように盛り上がってきてから一度、荒らしみたいなのが出たの、覚えてます?>>354あたりから。
あれ、実は俺の自演だった …なんて言ったら怒りますか?

携帯から、「ツンデレを勘違いして目立ちたがる香具師」っていうコンセプトで
非難覚悟でカキコしてみたんですが…裏にある意思とかばれちゃいました?

この作品のための布石、だったんですが…

まぁいいや、これを読んでから思う存分非難や罵倒を浴びせてください。




455:1/2@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:13:01 Px2v7ftN0

また女帝が息巻いてる。
今日は学園祭前日、様々な準備の最終日だっていうのに。

「お~い、女て…じゃなかった令子さ~ん、令子さんもうちの展示を手伝ってよぉ」
>>357
あ~ぁ、すぐこれだ(苦笑) かわいそうにな、2組のヤツ。
まぁ逆にポア(死語)されなかっただけでもいいとしておきなよ…

女帝こと令子さんは、実はうちの男子高校の教師だ。 今年29才、彼氏はいない…ようだ。
まぁ本人に言わせればあっちこっちにミツグ君(死語)だのアッシー君(死語)だの居るとのことだが、
休日の度に一人の処をフライデーされている(死語)のだから、そろそろ正直にゲロ(死語)しちゃえばいいのに(笑)
ちなみに、口調から判るようにかなりのタカビー(死語)だ。 
ワンレン(死語)ボディコン(死語)で、正直けっこう綺麗では……ある。

>>364
「!!」 …俺が呼ばれたらしい。
体育館へ続く渡り廊下にしゃがみこんで、俺の方を見ながら手招きしている。
俺はどちらかというとSの方なので、いじられるのはごめりんこ(死語)だ。
女帝もそれを判っていてか、何かというと俺を呼ぶ。きっとドSなんだろう…

大声で何度も呼ばれるのも勘弁してほしいので、素直に近づいた。
「女帝・令子さんさぁ、俺もクラスの模擬店の手伝いをしなきゃなんないんだよね…」
>>354
まぁ、何を言っても通じないとは思ったけどね(苦笑)

女帝に連れられて体育館の裏手にある焼却炉に向かう。 途中、二年生のクラスに声をかけられる。
「れーいこさーん、また先輩を誘惑してんのぉー?」
先輩とは俺のことだ。なんのことはない、女帝の行動などとうに全校生徒にお見通しというわけだ。
>>356
…いくらピッタンコカンカン(死語)だったからってそこまで言うことはないだろうに…
二年生たちも微妙な苦笑いを浮かべている。

456:2/2@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:13:39 Px2v7ftN0
別に隠していた訳じゃないが、俺は女帝から本当に猛烈アタック(死語)を受けている。
たぶん体育館裏で返事を聞かせろと迫ってくるに違いない。

…おおっと、これはさすがに予想していなかった。
体育館裏に回っていきなりブレザーとブラウスの前をはだけ始めるなんてことは。

「ちょぉ~っっとまったぁ!!」 知らず大声が出てしまった。
 
何事かと、近くで学祭準備中の生徒達が顔を覗かせた。 瞬間、男子校特有の野太い歓声が上がった。
「うおおぉぉぉおおおお!!」
中には「令子さんやるゥ」だとか「ホテル代カンパしてやろうぜ」などという声も混じっている。

女帝は…とみると、さすがに恥ずかしかったのか腕を×字に交差させ、その場にしゃがみこんでしまっている。
俺は野獣の目つきをした奴らに、手で追い払うしぐさをして、なんとか人払いをした。

「ほらっ」  人影がなくなったことを確認すると、女帝の肩をつかんで半ば強引に立ち上がらせた。
>>363

「俺がもらってやるよ」  女帝に、いや、令子に伝えようと思っていた言葉がとっさに口をついた。

目尻にこぼれそうな涙を浮かべながら、信じられない、といった顔で俺を見つめる。 やっぱりな。
年齢差のプレッシャーを感じて虚勢を張ってただけの、根は素直でかわいい奴なんだ。

俺の真意を確かめるように見つめ続ける令子のやわらかい耳たぶに口を近づけ、もう一度繰り返す。
今度は無邪気に喜びながら大粒の涙を流し始めた。

そして俺の耳元で令子が囁いた言葉…

  …悪いな、これは俺たちだけの秘密だ。



457:epilogue/2@85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:14:13 Px2v7ftN0


…え?どこがツンデ'霊'なのかって?
いやいやほら、ここは 「 死 語 の 世 界 」
                  …だったでしょ?

458:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/21 02:19:04 Px2v7ftN0
はぁ…>>451は一文抜けてるわ。
「~終~」の前に、タイトル「ツンデレトリバー」ね。


はいはいワロスワロス。
落ちますノシ

459:本当にあった怖い名無し
06/02/21 02:19:14 qR6fK+/Q0
>>457
 誰 が う ま い こ と 言 え と い っ た?

460:本当にあった怖い名無し
06/02/21 02:39:40 htfOYuIe0
>>459
ワロスのくせに、このツンデレちゃんめ♥

461:本当にあった怖い名無し
06/02/21 02:49:36 qR6fK+/Q0
>>460
う、うるさいわね。そうよ、うまいと思ったわよ、やられたと思ったわよ。

462:本当にあった怖い名無し
06/02/21 06:49:52 +cuXyiy+0
昨日から凄い進んでるな

おまえらいいかげんにしろよ

涙がとまらねえ

463:本当にあった怖い名無し
06/02/21 06:56:06 gWzJnv91O
>>454
単につまらん。

464:本当にあった怖い名無し
06/02/21 07:02:23 qg7SnTT30
口ほどにもないとはこのことだなあとオモタ

465:本当にあった怖い名無し
06/02/21 10:07:14 a5hljtwjO
ネタはよいと思う。ただちょっとそれ以外でうるさ杉。

466:本当にあった怖い名無し
06/02/21 12:31:12 7B8ZPXlY0
面白い事する香具師だな…ま、ガンバレ

467:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 12:57:51 YEg3qlJf0
85pesOZL0さん、乙です^^

お昼の一本、投下しますね。

468:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 12:58:49 YEg3qlJf0
「わははは、我輩はノーライフキング・バンパイアである。下々のものよ、ひざまづけぃ!!」

私のお家にやってきたのはなんか、奇妙奇天烈なちっちゃな嬢ちゃんだった。

「私とバンパイア」

「血をさしだせぃ」「いやです」即答。
「…」無言で、私にに近づいて来て…背伸び…、ぽっと頬を赤らめて、机に向かった。
「…」いすを持ってきて、その上にのって、また背伸び。…パン!! 顔を張られた。
「無礼者、主君を見下ろすでない!!」いつから、私はあなたの配下なんですか。頬を押さえる。
「…反抗的な目!」また、手を振り上げた。…さっと後ろに身をひく。…ずでん。落ちた。
「むぐぅ…う」頭から落ちたらしく、悶絶してる。とりあえず、ふんじばる。ミノ虫状態で、ばたばた。
「くぅ、こんなことしてただで済むとおもうのか!?」あら、まだ強気だ。おでこがすりむけて真っ赤になってる。
私は、その場を離れ、階下に下りた。遠くでじょうちゃんがほえている。
「な、何をする気だ、は、も、もしかして、わしの色香にまよって…」元気なやつだなぁ…。



469:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 13:00:53 YEg3qlJf0
私は小箱をもってもとの部屋にもどった。小箱の正体がわからず、嬢ちゃんは怯えた目線を向ける。
ああ、なるほど、こういう目線に犯罪者は興奮するのか。ちょっと危険な思考。

「そら、顔をみせてみなさい」「ひ、ひぃ、変態」ぎゅっと堅く目をつぶってしまった。
私はかまわず、小箱をあけて…ぺた。ぺた。

「…、…?」嬢ちゃんは何が起こったかよくわからない顔していた。私は鏡をもってきて見せてあげた。
「はい。ばんそーこ」「な、なんで、ばってんでつけておるのじゃ?」おでこにばってんのばんそーこ。

「ん、なんとなく」それから、自分の懐をまさぐる。
「じゅ、銃はきかんぞ」ここは日本だ。はい、と目の前に缶とバラの花を置く。
「血はあげれんが、トマトジュースだ。それとバラからも栄養とれるんだったな」
嬢ちゃんは目をぱちくりさせる。

私は彼女をミノ虫状態のままいすに座らせる。かまれるのはいやだからな。
…こくっ、こくっ、こくっ…
喉がよほど渇いていたんだろう。一息で飲み干してしまった。
バラの花弁を口元に添えてあげると、すぅっと息を吸うようにした。バラの花弁がさらりとくずれた。
「…」嬢ちゃんは黙っている。私はそれから嬢ちゃんの戒めを解いてやった。

「ワシを、なめておるのか。次は血を食らうぞ」目いっぱいすごんでいる。…が、ばってんのばんそーこがしまらない。
鏡を見せた。「その仕草、ちょっとかわいいな。私の甥っ子みたいだ」つい、口をついた。
「ば、ばかもの! 主君にすごくかわいいいとは…、身分違いの恋も甚だしいわ!!」と叫んで夜空に飛んでいった。
すごく…? 私は嬢ちゃんのせりふを反芻して、ぷっと吹いた。

それから、私はよく夜空をみあげる。あのちっちゃな主君がどこかに飛んでいないか…と。

470:本当にあった怖い名無し
06/02/21 13:06:12 N5WzWdUj0
ゴーストスイーパーキタコレ!!

471:本当にあった怖い名無し
06/02/21 13:31:10 PZiHged4O
いいねっGJ!

472:本当にあった怖い名無し
06/02/21 13:58:16 7DHmTfHYO
  ┏━━┓
  ┃ ハァハァ ┃
  ┗━┳━┛
(*´Д`)ノ

すごく(・∀・)イイ!!
まとめサイト携帯からも見れたら更に最高なんだけどな(´・ω・`)

473:範馬刃子はデレツン
06/02/21 14:04:44 fiJ67XoiO
久しぶりに安寧の眠りを貪っている俺。
 
起床と同時に尿意を催してトイレにむかうとショートカットの髪の少女が便座の上で丸くなっていた
「あ、暖めておいたよ
冬の便座は冷たいから」
「………誰、オマエ?」
 
「僕は範馬刃子。君にご奉仕する為に来たんだよ、よろしくね」
爽やかに八重歯を光らせて笑う少女
 
「…範馬って…」
「あ、ダイジョーブだよ!僕はママと違うから」
「娘かよッ!」
「ごめんねぇ、ママにひどい事されたでしょ?
お詫びって事で僕が派遣されたんだ」
 
「どこから?」
「えーっと、ツンデレの街からだよ。歴代のツンデ霊がいっぱいいるんだ!」
「…帰ってきたツンデレ初心者かよッ!」         
「あーそれよりトイレだよね?」
おもむろに俺のベルトを外しパンツのジッパーに指をかける少女
 
「何してんだよッ!」
「えー、手伝おうかと思ってェ」
「いらないからッ!」
「口と手、どっちがいいかな?」
「話聞けよッ!」


474:本当にあった怖い名無し
06/02/21 16:21:05 PZiHged4O
>>473
ツンがないw
親子極端杉w

GJ!

475:本当にあった怖い名無し
06/02/21 16:33:56 x75v8svRO
>>472

「jigブラウザ」を使えば携帯からでも見れるよ。もし定額制の携帯使ってるなら加入をオススメする。










べ、別に、アンタの為に教えてあげたんじゃないからね!





476:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 17:13:18 YEg3qlJf0
刃子さん、エッチすぎですw
さて、それでは、僕も投下します。


-------------------

「うわははは、我輩はノーライフキング・バンパイアである。下々のものよ、ひざまづけぃ!!」

僕のお家にやってきたのは、なんか珍妙だけど、かわいい、ちょっとボーイッシュな女の子だった。

「僕とバンパイア」

「君、誰?」「無礼者、我輩に声をかけるとは身の程をしれぃ!!」と女の子は窓を開け、僕の部屋に入ってくる。
「こらこら、靴を脱ぐ」「う、お、すまん」女の子は靴を脱いで、ちょこんとベランダに置いた。
その仕草がやけにかわいくてニヤニヤしていると、
「な、何を笑っておる。我輩はお前のために靴を脱いだんじゃないんだからの、へ、へ…」「へ?」
「そうじゃ、へ、部屋がきれいなんでそれを保ちたかっただけじゃ!!」とさけんだ。かわいい。
「な、なんじゃ、ぬし、変な目で我輩をみるな」僕は手をワキワキさせながら近づいた。
女の子は僕の手をすんでのところでかわすと後ろに飛びすさった。…ちぇっ。
「で、バンパイアちゃんは何しに来たの」「…なんじゃ、聞こえているではないか」
「我輩は純潔な乙女の生き血を吸いにきてやったのだ…おろ?乙女はどこじゃ?」女の子はくんかくんかと鼻を鳴らす。
「乙女のにおいはするのにのぉ」…。僕は机にむかってすたすた歩く。
「おい、そこの。乙女はどこじゃ」…すぱぁーん。はりせん一閃。
「ぴゃ、机になぜ、はりせんが…」「目の前にいる」女の子は目を白黒させて僕をまじまじと見つめる。
「おぬしか?」「…」無言でまた、すぱぁーん。
「ぴー」変な声をあげた。僕は服をたくし上げ、胸を見せた。
女の子はおそるおそる、手を伸ばして胸をなでる。…あ、声が出そうになるのを必死で抑えた。
「ふ、膨らんでおる!!」僕はまた手をワキワキさせながら、近寄る。
僕が一歩進むと女の子も一歩下がる。また、一歩。女の子も一歩。どん。女の子を壁に追い詰めた。
「腐女子をなめちゃだめだよ」「ひ、ひぁー」怯えてる怯えてる。僕は…もう欲望を抑えれない。

僕が描いてる同人誌なら、ここでゆりの花が咲き乱れるんだろうなぁとか思いながら、僕は…。

477:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 17:14:10 YEg3qlJf0
「な、なにをしているんじゃ?」女の子が僕に聞く。僕は女の子の髪をセットしていた。
「せっかく、かわいい顔してるんだから、ばっちりきめなきゃね」僕は、我慢できなかったのだ。
「ほら、次はこれ。これ」僕は秘蔵のコレクションからいろんな服を取り出した。
「うあ、なんじゃ、これふりふりしとる。うあ、あれはトラのしっぽか?」着せようとしたら、じたばたする。
…たのしい。女の子はもうあきらめたのか、僕のなすがまま。…ん? どうも元気がない。
「どうしたの?」「は、はらが減って動けんわけじゃないからな…」と気を失ってしまった。
僕はようやく気づいた。この子そんなにおなかすいてたのか。
僕はちょっと逡巡して…。階下に下りた。ぼくは特製のトマトジュースをつくって机の上においた。
それから、指先をカッターで切って、血を数滴おとした。ちょっと痛かった。

窓から、光が差し込み始めている。僕はカーテンを閉めて交通整備のバイトに出かけた。
帰ると女の子の姿はなく、僕の秘蔵のコレクションの一部がなくなっていた。
机に書置きがあった。
『飲み物、美味しかったぞ。それから、戦利品はいただくぞ。けっして、気に入ったからじゃないぞ』

その後、僕は夜空を見上げることが多くなった。
目を凝らすと、たまにフリフリの服をきたボーイッシュな女の子が飛んでいるからだ。

478:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 19:19:46 YEg3qlJf0
「うわっはっはっはっは、我輩はノーライフキング・バンパイアである。下々のものよ、ひざまづけぃ!!」

我輩の声が静寂に飲まれていく。名乗りの練習は我輩の日課なのである。

「番外編:我輩と猫」

「はぁ。なぜ、この街の人間どもは我輩を恐れんのだ?」夜の廃工場で我輩は一人ごちる。
「この前のへんな男おんなも、その前のダンディな口ひげのおじ様もぜんぜん、こわがらんかった」
「あ…い、いや、口ひげのおじんじゃ、おじん」我輩、なぜ、言い直すのだろう?
「故郷では、ノスフェラトゥとか、カーミラの再来とか呼ばれて恐れられていたのに…」
戦利品のフリフリの服をきれいに畳みながら懐かしいあの日々を思い出そうとしていた。

…こつん…

「だ、誰じゃ!!…あ」我輩は思わず服を後ろに投げてしまった。あ、あとで拾いになんか行かんぞ、本当だぞ。
「出てこんと、消すぞ!!」我輩、ちょっと不機嫌。
「みゃぁ…」子猫がのそのそとでてきた。

「な、なんじゃ、子猫か」「みゃぁ」返事をするようなタイミングでなく。か、可愛…いや、なんでもない。
「まったく、おどかしおって」放り投げた服を探しに行く。…みつからん…。…悲しくなんかないわ!
「みゃぁ」「お」子猫が服を引っ張ってきてくれた。あ、よだれがついとる。…いや、これくらい多めに見るわ。
我輩はなんといってもノーライフ・キングじゃからな。懐は深いのじゃ。

「みゃぁ」子猫は腹をすかせているのかすりすりと足に体を擦り付ける。か、可愛…い、いやいやいや。
我輩は子猫を足で払った。
「甘えるな、下賎の者が」「み…みぃ」とぼとぼと向こうに去っていく。我輩は…我輩は…。
「勝手にどこにいく」子猫の道をふさいだ。「みゃぁ」子猫が嬉しそうな声を上げた。

「か、かわいそうで引き止めておるわけではないぞ。ふん。あれだ。服を見つけてくれたお礼をしていない」
「腹が減っておるんじゃの、ちょっとまっておれ」しかし、こまった。我輩は生者が食べるようなものはまったくない。
「…お、そうじゃ」我輩、名案。「ちょっと待っておれ」翼を広げて夜空にとんだ。


479:本当にあった怖い名無し
06/02/21 19:20:54 gWzJnv91O
>>473
つまんね。
才能なさ杉。

480:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 19:22:41 YEg3qlJf0
「まったく、なんで我輩がこんな格好をせねばならんのだ。あの、男おんなめ」
我輩はミルクを片手に、新たな衣装を着て空をとんでおった。

今度の衣装はまっしろでフワフワした猫っぽい衣装だ。
ちゃんと耳までついておる。

あの男おんなは「いつでも、おいで」なーんていっておった。
誰がいくか…いや行ってあげてもいいかのお。
嬉しいわけではないぞ。配下のものは主君をもてなすのが当たり前じゃ。
…なんじゃ、我輩はにやけておらん。にやけておらんぞ。

もどると子猫はへばっておった。

早速ミルクを器に注ぐ。しかし、子猫は一口なめて、なぜかのまん。
生意気な。口にあわぬのか?

「…みぃ…」「そ、そんな声でなくな!!」

「…」「ん…どうした、しゃべらんか…おい、おい…みぃ!!」

我輩、お気に入りの衣装をさっと脱ぎ捨て、みぃを小脇に抱える。
あ、みぃはこいつの名じゃ。呼び名がないと不便じゃからとりあえずじゃ。

もはや、一刻の猶予もならん。我輩はもっとも頼りになる忠臣「ヒゲダンディ」のもとへ飛んだ。


481:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 19:25:35 YEg3qlJf0
「まったく。世話を焼かせおって」
「みゃぁうん」

我輩は胸元で鳴くみぃの頭を小突いてやった。
どうやら、ミルクが冷たすぎたらしい。それで飲みたがらなかったというわけだ。

「気絶するのと腹を下すこと、どっちがつらいのかのぅ?」
「みぃ?」さあ…とでも言っておるのかな?

しかし、ヒゲダンディは役に立つのぉ。
あれは本当に忠臣じゃ。我輩にまた、バラを一輪くれおった。
あやつ、連れ合いはおらんのかの…そのわりには身なりはこざっぱりしとるしのぉ。


あ、別に気になってはおらんぞ。それに、よく思い出せばあやつ、前回、我輩を「甥っ子」に似ているといっておった。
我輩はおんなじゃーーーーーーーーーーーー!!


さて、それからなんじゃが…みぃは我輩にすっかりなついてしまった。
しかも、なんかの、我輩のお気に入りの服で眠るようになってしまった。
我輩はどちらも可愛いからどうにもできず、頭をなやませてるのじゃ。

あ、い、今のは内緒じゃぞ、内緒なんじゃからーーー!!

482:本当にあった怖い名無し
06/02/21 19:32:57 xo97v58l0
469アニメの見すぎだろ
ローゼンメイデンのにおい。よく知らないアニメだけど。ツンツンしたちいさいのがいるんだろ

483:本当にあった怖い名無し
06/02/21 19:39:29 hT0n1dsA0
>>476
GJ!
西洋お化けも新しい切り口としてアリアリですね

484:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 19:42:54 YEg3qlJf0
確かに、アニメは好きですがそれは知りません。

実は熱血ロボット物以外はあまりみませんです。
つんキャラだと…セイラさんがすきでしょうか?

漫画だとシティーハンターの香が好きです。


485:本当にあった怖い名無し
06/02/21 19:44:40 yTmEDUnh0
>>482
お前絶対見てるだろw

486:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/21 20:00:22 YEg3qlJf0
,あ、僕のツンデレの原点思い出しました。

やはりアニメでしたorz


…ゲゲゲの鬼太郎の猫娘です

487:本当にあった怖い名無し
06/02/21 20:03:05 dBvX9ptyO
どうでもいい

488:本当にあった怖い名無し
06/02/21 21:51:02 F8smcxjt0
ってかだいたい漫画かアニメじゃね?
現実にはこんなのほとんどいねえし

489:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:07:26 7DHmTfHYO
次の作品マダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

490:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:20:53 Vl+bsJmI0
           ,..-─‐-..、
            /.: : : : : : : .ヽ
          R: : : :. : pq: :i}
           |:.i} : : : :_{: :.レ′ <みんな仲良くね
          ノr┴-<」: :j|
        /:r仁ニ= ノ:.ノ|!           _
          /:/ = /: :/ }!        |〕) コツン
       {;ハ__,イ: :f  |       /´
       /     }rヘ ├--r─y/
     /     r'‐-| ├-┴〆    _, 、_  '⌒ ☆
      仁二ニ_‐-イ  | |      ∩`д´)
      | l i  厂  ̄ニニ¬      ノ  ⊂ノ
     ,ゝ、 \ \   __厂`ヽ    (__ ̄) )
     / /\_i⌒ト、_   ノrr- }     し'し′
   └-' ̄. |  |_二二._」」__ノ


491:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:37:56 cC9i4nRi0

そろそろじゃない?

んー……もう少し、かな。もしかしたらまだ可能性が……

いやそれは在り得ないから。アタシが保証するって

そうかなあ……



もう分かったでしょ? 可能性なんか無いんだ、って

みたいだねー……はははは、困ったなあ

困ってるように見えないんだけど。何その間抜け顔は

元からこういう顔なんだよ……



あら、今日は珍しく真剣な顔じゃない。ようやく状況が飲み込めてきた?

いやそうじゃなくて……ずっと考えてることがあるんだ

何を?

♪お馬の親子は仲良しこよし♪ の「こよし」って何だろう?

……死ね、アホ

492:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:38:38 cC9i4nRi0

アタシの経験から言わせてもらうと、アンタもうダメ

知ってる

じゃあ泣き喚けば? 怖いでしょ?

……納得はできないけど、そんなには怖くない

強がり言っちゃって。なーにカッコつけてんのよ、ばぁか

君だって耐えたんでしょ? なにしろ“同じ病気”だったんだから

……………

君が見えるようになってからは、随分助けられた

……道連れができたから嬉しかっただけよ

そうだね、道連れが君ならそう悪くない

分かってんの? 間違いなく死ぬのよ? 何の意味もなく救いも無く


493:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:39:20 cC9i4nRi0

……救いなら、多分ある

無い。そんなのどこにも。

有る。僕のすぐ目の前に。

…………………

諦めなければ辛いから、って僕にいちいち忠告してくれた

…………………

寝たきりになってからは、家族よりも看護士さんたちよりも長い時間僕の傍にいてくれた

…………………

今だって、そんな泣きそうな顔してくれてる。だから、それで充分

…………しんじゃえ ばか

ありがとう。朝には僕もそっちに行くと思う


494:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:40:09 cC9i4nRi0

―やあ 

―…………やあ、じゃないわよ

―ははは、なにしろここは勝手がわからないから

―どうすんのよこれから

―んー……どうしようか?

―あーあ……なんか厄介な連れができちゃったわ 一人の方が気楽だったかも

―二人で気楽にいこうよ 先は長そうだしね

―……ばか


495:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/21 22:41:08 cC9i4nRi0
終わり。なんか意味不明になった。スマンです。

496:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:54:41 mOHYgPv+0
GJ。
いろいろな表現方法チャレンジ乙。
楽しませてもらっている。

497:本当にあった怖い名無し
06/02/21 22:55:05 C8ZwtB1g0
GJ、こういうのもいい

498:本当にあった怖い名無し
06/02/21 23:38:40 0F56ii7G0
>>491
スパイラル15巻を思い出した

499:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/22 01:13:01 I623KS9M0
俺「あ、あの俺をストーキングするのはやめてくれないか?」
女「…」足を指差す。
俺「…それはストッキング。。。」
女「…そんなつもりはないわ…」
俺「あ、ああ、そう。じゃぁ、もう俺みるなよ」
女「…」
俺「いや、鏡に反射させて見てもダメだから」
女「…」
俺「がらすもだめ」
女「…縛る男ね…」いや、上目遣いでみないで…
俺「お前は一体なんなんだよ。いつもいつも俺を見て」
女「…かわいそう」
俺「はぁ、なにいってんの?」
女「…」
俺「ったく、今日は女房の誕生日だってのに」懐の女房への指輪を渡すんだ。
女「…私をわすれたの?」
俺「はぁ? 警察呼ぶぞ」
女「…う、うっう、うぐぅ…」おいおい、泣き出したゾ。まじやべぇ。
俺「もう、行くからな。そのハンカチはあれだ、落としただけだからな。…でも使っていいぞ」
女「ひぐっひぐっ…」俺は女に背を向けて帰ろうとした。
俺「…あ、アレ…。足が…」
女「…うごけないでしょ…」女の声が耳の近くでした。
俺「…な、なんだ、おまえ、何をした」
女「ここ、どこか覚えてる?」女が指差した。指先には…見覚えのある指輪が…。
俺「…あ」この道…この道…こ、こ い つ は !?
 

私の大切な夫が死んだのは2年前。交通事故であっさりと逝ってしまいました。
天国にいるのだとばかり思ったら、彼がこの場所で迷ってると噂に聞いたのです。
彼…未練があったんですね。ほんと、馬鹿。
あなたが私に渡そうとした指輪…ちゃんと届いたんだよ…。

500:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:37:07 zVRNbdbK0
 わたしの幼馴染である舞、どんなときも一緒だった。
 これからも、いつまでも一緒にいようねと約束してた。
 その約束は今も守られている。
 そう、中学の頃に彼女が交通事故で死んでしまっても守られている。

 新しい企画の書類を手に階段を降りてるとき、背中に衝撃が走り天地が逆転、回転する視界の中では舞い散る書類と共に、あのときのままの姿の舞が見えた。
『あんただけのうのうと生きてる。許せない』
 脳裏に響く呪詛の声。済まない気持ち、不安感、そして、
「大丈夫か!?」
 がっしりとした胸板に支えられる安心感。
「まったく、しっかりしろよ……」
 苦笑する彼。この会社に入ったときからずっとわたしを支えてくれた先輩だった。

 説明のつかないトラブルと共に脳裏に響く舞の呪詛、そして彼のフォロー。
 自然と彼との距離は縮み、わたしの心に深く入り込んできた。
 舞がいた空間を見上げると、彼女は慌てふためいていた。
『相変わらずトロいわね。あ、いやその……ふんだ、どうして、どうしてよ、あんたをとり殺してやりたいのにどうしてこうなっちゃうのよ!』
 何もない空間に地団駄踏みながらぼやき消えていった。

501:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:37:45 zVRNbdbK0
 ある日、会社のPCがウイルスにでも感染したのかまともに作動しなくなり、データも滅茶苦茶に破壊されて社内は大混乱に陥った。
 彼女の気配に気づき振り向くと、案の定舞がほくそえんでいた。
『仕事失って路頭に迷うといいんだわ』
 そして彼女は消えた。
 実際、この騒ぎによって納期が遅れた。
 だが、これは僥倖だった。
 破壊されたデータは上層部の暴走による違法建築のものだったのだ。
 もし納期に間に合っていたら、それを元にとんでもない建物が作られ沢山の人生を狂わせていただろう。
 この問題は隠蔽しきれず会社は傾き、私も彼も人員整理のため退職することになったが、むしろ救われた気持ちだった。
 責任とるため社に残りトラブルの収拾という過酷な仕事に立ち向かう上司のおじさんが私と彼の肩をたたき、若いお前たちはまだやり直せると励ましてくれた。

 帰宅し、ベッドに寝転ぶ。
 これからどうしようか、考えねばならないことはたくさんあんるけど決して絶望的な気持ちにはならなかった。
『ああもう、どうしてあんたはそうして幸せそうなのよ!』
 振り向くと舞が仏頂面でいた。
 わたしは思わず彼女を抱きしめていた。相変わらず素直じゃないけど、それでもわたしのことを思いやり、支えてきてくれた大事な友達。
 幽霊のはずなのにわたしの腕の中にすっぽりと収まった、あのときのままの体格の彼女の感触を感じる。
 あのときから時が止まった舞。
 背を追い越し、大人になってしまったわたし。
 すっかり大人と子供という図式になってしまった親友同士のわたしたち。
 彼女に対するいとおしい気持ちは、頭をなでるという行為に向かってしまった。
 もう、あのときのようにはできない。
 それでもしばらくは素直に撫でられてくれたけど、すぐに跳ね除けられ、すっと彼女の体の感触が消えて腕はすり抜けた。
『ふん、子供扱いするんじゃないわよ! あの時はあたしのほうがずっと背が高かったのに!』
 そう憎まれ口をついて消えていった。なでなでされるのいやなら実体化しなけりゃいいのに。

502:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:38:43 zVRNbdbK0
 どうしよう、顔の紅潮が収まらない。
 下腹部から満ち足りた感覚が伝わってくる、どうしよう。

 なかなか再就職先が見つからないわたしと彼は、皮肉なことにハロワで再会した。
 近況を話しながらしとしとと冷たい冬の雨の中彼と連れ立って歩く。
 そのとき、傍を通りがかった車が急にハンドルを切り、わたし達に近づいてきた。
 車の進行方向には怪しげに微笑む舞が見えた。
 幸いすぐに車はハンドルを切り返し、ぶつかることはなかった。
 だが、水溜りに突っ込み跳ねた泥でびしょ濡れになってしまった。
 そして、彼の家は近くだというのでそこに向かい、なし崩し的に……。

 それを思い出すと、顔が赤くなるのを押さえられなかった。
『あーあ、あたしみたいに車に跳ねられて死ぬのがお似合いだと思ったのに』
 相変わらずの憎まれ口に振り向くと、案の定舞がいた。
 素直になれない彼女のサポートにはどんなに感謝してもしきれない。
 またも抱きしめ、撫でてやろうとしたが今度は初めから腕は空振りし、彼女の感触を感じることなく腕はすり抜けた。
 舞は一瞬寂しげな笑みを浮かべ、すぐにいつもの勝気な顔に変わる。
『いい加減、ドンくさいあんたをからかうの空しくなったからやめるわ』
「……え」

503:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:39:22 zVRNbdbK0
 そのときわたしは、彼女にこれまでにない変化を発見していた。
『正直、うんざりしてたのよ。行動のろいし、自分でものごと決められないし、自発的になかなか行動起こさないし、あたしがケツひっぱたいてやらなきゃダメだし。もう面倒見きれないわ。
 これまでの消え方とは異なり、形がぼやけ、揺らいでゆく。声も不明瞭になっていった。
 あるひとつの可能性、私はそれを悟ってしまった。
「……そうだね、わたし、もう大人なんだから自分でやらなきゃね」
『そうよ、あたしとちがってアンタは生きてて、大人になったんだから』
「……うん、わたし、しっかりしなきゃね」
『じゃ、あたしもう消えるから。悪かったわね、今までつきまとって』
 そんなことない、そう言いたかった。でも私の喉は言うことを聞いてくれない。
 いつのまにか舞の顔もぐしゃぐしゃに泣き崩れていた。
 そして舞の姿は更にぼやけ薄れていく。
 抱きしめ、撫でてあげたいけど手はやはりすり抜ける。
 そしてあいかわらず、声はかけられない。
 消える間際にふたたび舞は不敵な笑みを浮かべた。
『そうそう、言い忘れてたけど、あんたが彼とシてるときのアレに穴あけといたの。あんなさえない男のタネ埋め込まれて、一生を棒に振るといいんだわ』
「……え!?」
 わたしの質問も待たず、舞は消えた。
 フリーズしていたわたしの貧弱な脳ミソはようやく再起動し、思考を再開する。
「そうだね、もう、自分で決めなきゃ」

「ほら、パパに行ってらっしゃいしなさい」
「いってらっしゃーい」
 夫を見送ったあと、あの子は何かを手にし、とてとてと駆け寄ってくる。
「どうしたの? 麻衣」
「おかあさーん、ごほんよんでー」
「はいはい……むかしむかしツンデレラという……」
 止まっていた彼女の時間は動き出す。

 これからも、いつまでも一緒にいようね。

 あの約束は、今も守られている。

504:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:47:55 DzWl5kHe0
>>499

>>500-503

GJ!!!

505:本当にあった怖い名無し
06/02/22 01:50:39 ymgW8zFHO
たまにはいいな、こういうのも 取りあえずgj

506:本当にあった怖い名無し
06/02/22 02:11:23 u18MHNZzO
(*^ー゚)b グッジョブ!!

507:本当にあった怖い名無し
06/02/22 02:38:27 kuNyYsah0
ぼくにもそのごほんよんでええええええええ!!!

508:本当にあった怖い名無し
06/02/22 02:52:18 qlI433vl0
ここは番町皿屋敷
今宵もお菊の悲しい声が響く……


「一枚……二枚…………七枚……八枚……きゅ……あ、あれ? 二枚足りない、なんで?」

「いやーすまんすまん、今日出す料理の皿が足りなくてさ、一枚借りたよ」

「ちょ、なにやってんのよ! 勝手に持ち出さないでよ!」

「だから悪かったって。どうしてもいい皿が見つからなくてさ、料理長に怒られるんだよ」

「うるさい! そんなんだからいつまでたっても半人前なのよ!」

「……しょうがないじゃないか……これ返すよ、ありがとう」

「あっ、ちょっと……わたし、あなたの料理、結構おいしいと思うわよ」

「……ありがとう」


ここは元番町皿屋敷、今はとある日本料理屋
今宵もお菊の優しい声が響く……

「八枚……九枚……だから表も裏もちゃんと洗えってあれほど言ってるのに!」

509:本当にあった怖い名無し
06/02/22 07:47:32 ujr33+13O
お茶ドゾドゾドゾー
    旦~
 旦~    旦~
   ヽ ) ノ
旦~⌒(`・ω・)ノ旦~
   / ( ヽ
 旦~    旦~
    旦~

510:喪主・堕ヤン
06/02/22 13:02:15 EGd3xRstO
付き合っていた彼女が交通事故で死んだ。
5日前のことだった。
それ以後毎晩のように夜に現われる。
昨夜は「氏ね…氏ね…オマエなんか氏んじゃえ…」とぐいぐい首を絞めてきたのでお経をとなえて追い払った。
 
そして今夜は耳栓を装着をし青竜刀とヌンチャクで武装して僕の前にいる。
「殺す…殺す…殺殺殺殺殺殺殺!ヒャッハァ!」
目が血走っている。
 
以前からの疑問を紙に書いてぶつけてみた。
『なんで事故をおこした相手に祟らないで僕に祟るの?』
彼女はボッと赤面し
「べっ…べつにあんたが一緒じゃなきゃ淋しいとじゃないんだからねっ!
か、勘違いしないでよね!」と照れながらヌンチャクで僕の頭を打ち砕いた。
いまでは二人仲良く自縛霊として新しい入居者にたたっています。


511:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/22 13:10:12 jgHejIry0
>>510
は…ハッピーエンドなんですよね? 乙です。

耳栓した女性に声が届いたのは不問にします。

512:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/22 13:11:05 jgHejIry0
すいません、よく読んだら、紙に書かれたんですね。

吊ってきます。

513:本当にあった怖い名無し
06/02/22 13:57:15 u18MHNZzO
>>511
耳栓をした男に何故「べっ…べつにあんたが一緒じゃなきゃ・・・
が聞こえたのか、だろ?

514:本当にあった怖い名無し
06/02/22 14:56:05 0cnG50dZ0
ここってまとめサイトあるの?

515:本当にあった怖い名無し
06/02/22 15:44:49 l2WxRdbP0
>>514

>>340

516:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 19:02:22 eIw7nQUe0
朝目覚めるとちゃぶ台の上に朝ごはんが
用意してあった。
そういえば昨夜、また用事で朝からでるといっていた。

どこに行くんだろう・・・。
気にはなるけど、いわないのなら聞かない。
ハムポンは朝はもう寝ている。夜行性だから仕方ない。

ふと見るとメモが一枚添えられていた。

「勘違いしていい気にならないでよね。帰りにキャベツを買ってくること。
私はあなたにとりついているんだから。餓死とかされちゃ困るからだからね。
私があなたを祝ってやるんだから。祝って祝って祝いまくるんだから。
いってきます」

・・・・・誕生日でもないのにそんなに祝われても困るなぁ。
だが・・・ほんのり気になる。彼女に聞いてみようか。
彼女・・・霊感少女だ。

517:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 19:02:57 eIw7nQUe0
「これを見てくれないか」
例の霊の残した書置きを見せた。
「・・・・何これ?あんたすごい祝われてるのね」
「そうなんだ。いや、そうじゃなく・・・」

僕は書置きを残して消えるレイポンの話をした。彼女は僕の斜め後ろ、
入り口などをちらちらと見ている。
「なるほど。いないわね。ジラシのテクじゃないみたい」
そしてじーっと僕を見る。

「知らないなら知らない。解らないならわからないでいいんじゃない?」
といった。明らかにどうでもよさそうだった。
ただ、漢字辞書を買ってやれとアドバイスされた。そうだな・・・

「・・・何これ?キャベツはどうしたのっ?何やってるのよっ」
「・・・え?あっしまったっ・・・・」
ショックだった。いろいろ思うところがあるとはいえ、僕がハムポンのご飯を買い忘れる
なんて。ありえない失態だった。僕に生きる価値なんか、なかった。

「すぐ買ってくるっ」
部屋を飛び出し戻ると、レイポンはいなかった。ご飯は出来ていたが、呼んでも返事してくれない。
ご飯にメモが添えられていた。
「朝は祝ってやっただけよ。夜は呪ってやるんだから」

恥ずかしいんだなぁ。悪いことしたな。

518:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 19:14:27 eIw7nQUe0
とりあえず話のみで。

みなさんすごいツンデレですね。
私の話はツンが足りないような気がするのですが、いかがでしょう。
範馬親子(ファンです)のようなツンとデレが必要かと思う今日この頃です。

519:本当にあった怖い名無し
06/02/22 20:03:11 VwCcjEXd0
>>518
暴(ry

520:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/22 20:28:27 k4OF8wQq0
雄子さんはツンというよりザクッとかドキュッとか。……殺愛だね。

521:喪主・堕ヤン
06/02/22 20:34:46 EGd3xRstO
主人公(?)の彼女をレイープしてしまうような雄子さんをツンと認定するにはためらいを感じるような気がしなくもなくもないような。


522:本当にあった怖い名無し
06/02/22 20:55:11 DKurJ7XfO
ツンデレのツンってのは要はかまって欲しいが素直になれないわけだから雄子タソは…






でも!でも!俺は好きなんだからね!

523:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/22 21:48:36 eIw7nQUe0
ただいまです。
雄子さん大人気ですね。いろんな意味でw
でもなんか好きなんですよね。

で・・・感想などもいただけたらと(;ω;)

524:本当にあった怖い名無し
06/02/22 21:56:11 DKurJ7XfO
スマソorz 雄子のほうに気をとられちまった
>祝って祝って祝いまくる
がたまらんよね!
こういう間違い可愛いよな!gj!

525:本当にあった怖い名無し
06/02/22 22:02:26 kuNyYsah0
>>524
のところが良すぎた
これをオチに持ってきたらなー、って思った
いや好みの問題だけど

526:運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
06/02/22 22:04:40 k4OF8wQq0
>僕がハムポンのご飯を買い忘れるなんて。
>ありえない失態だった。僕に生きる価値なんか、なかった。

レイポンの報われなさっぷりに号泣だ。そりゃ祝いたくもなるだろうw


527:本当にあった怖い名無し
06/02/22 22:25:05 ElqthhUD0
ええと、こういう時はアレだな。有名なヤツ。
URLリンク(www.happy-page.jp)

528:422
06/02/23 00:23:35 lBxtxbZi0
>>508
なんか今書いてるやつがカブッちゃったよ。 「番町皿屋敷」モノ。
まだ書きかけだから修正します・・・。Orz

529:本当にあった怖い名無し
06/02/23 00:28:22 GNLLjyjP0
>>ポン介
チクショウ!毎晩「レイポンに会えるかもV」とか
絶対思ってやってないんだからね!
…でも2日に一度くらいなら会ってあげてもいいけど…

(ごめんなさい。ぶっちゃけすっげー楽しみにしてます!)

530:本当にあった怖い名無し
06/02/23 01:06:16 P4qjBj160
アイタタ…

531:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/23 06:30:37 T5cErjGf0
おはようございます。
すいませんっ寝てましたorz

感想ありがとうございます。励みとし、精進しますっ(・ω・)ゞ

532:本当にあった怖い名無し
06/02/23 09:43:46 gWHpboiaO
VIP でやれ
終了

533:本当にあった怖い名無し
06/02/23 10:09:57 ZsFFswwQO
ハン板に帰れ。再開。

534:本当にあった怖い名無し
06/02/23 19:06:51 X72nAIRRO
急に人が居なくなったような・・・

535:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/23 19:11:20 oxIMQX6+0
とんとん。と、誰かが背中を叩く。
部屋には俺一人しかいない。そんなことはありえない。
俺は無視してパソコンのモニターを見る。
今度は、どんと壁が打ち鳴らされた。
俺は一人。俺は一人。俺は一人。

今度はバサバサッと本が落ちる音がした。
とんとん。とまた、誰かが背中を叩く。
小便ちびりそうなのをこらえて、モニターにかじりつく。
電気がちかちかっと明滅した。
怖い怖い怖い。
俺は諦めて恐る恐る後ろを向いた。

もちろん、誰もいない。拍子抜けした。
俺はパソコンのモニターを落として、布団に入った。当たり前だが布団は頭まで被る。
電気はつけておく。
怖くない怖くない怖くない。
ぎぃ…と、ドアが開く音がした。
こつ、こつ、こつ。堅い廊下をヒールで歩くような音がする。
ありえない。幻聴だ。だって、この部屋畳みだし。
ことっと、なにかを枕元に置く音がした。

こつ、こつ、こつ…ばたん。
ドアが閉まる音。そーっと、頭を出すとしびんがおいてあった。

手に取ると耳元で声がした。
「もらされると部屋がくさくなるからよ。あなたのためじゃないんだから…」

漏れました:;

それからは、俺がトイレにいったあとにだけ、怪異が起きるようになりました。

536:本当にあった怖い名無し
06/02/23 19:49:44 W+IFq+NsO
気遣い霊w
GJ!

537:本当にあった怖い名無し
06/02/23 20:22:37 T5cErjGf0
>>535
しびんw
その優しさが染みるいい話ですねw

GJ!

538:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0.
06/02/23 20:52:52 ZKIdv98j0
書いた自分が言うのもなんですが、受けるとは思いませんでした

練る時間が足りなかったので・・・

539:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/23 21:05:36 T5cErjGf0
宿題をちゃぶ台でやっつけてる。
いつも小難しいプリントを用意してくれる先生だった。
覗き込んだと思われるレイポンは

「ま・・頑張んなさい。ふふんっ」
といって、台所に今はいるようだ。洗物をする音がする。
あの余裕はなんだ・・・?
ハムポンはかさかさっと出てきて今は砂浴びをしているようだ。
そんな一人暮らしの賑やかな静寂の中・・・・

「きぃぃやぁぁーーーっっ」

静寂を破る悲鳴が響いた。レイポンだっ
「ど・・どうしたっ?」
台所に駆け込むと、黒いあの昆虫がっ
「で・・・でたぁっでたのよぅ」

お化けが出る部屋で、お化けに出たといわれる存在、ゴキブリだった。
僕も正直苦手だった。最近の食生活の向上に伴い、出たのだろう。
新聞を丸めて戦おうとするも間に合わず、ゴキブリは姿を消していた。

「あ・・・あれしましょう。しゅってして・・めぼーってなるやつっ」
レイポンの声は哀れなほどに震えている。
「落ち着いて。何かわかんないよ」
「バ・・バルサンよっ」
「ハムポンがいる部屋でそんなもの使えるかーっ」
「な・・・~~ばかーっっ」

その後夜を徹しての狩をやらされた。宿題はできなかった

540:本当にあった怖い名無し
06/02/23 21:24:16 350eTkyDO
レイポンは可愛いなぁもう

541:本当にあった怖い名無し
06/02/23 21:31:34 h4f/4qeSO
レイポン下さい…
・。'(ノД`)゚,・
gj

542:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/23 21:37:25 T5cErjGf0
レスありがとうございます。

まとめサイトにオチスレ(?)作ったので、よろしかったら
来てください。まとめサイトで僕と握手っw

543:本当にあった怖い名無し
06/02/24 02:02:05 ZAKaD0nH0
>>539
ハムポンはゴキブリを食べるお

544:本当にあった怖い名無し
06/02/24 03:29:01 /ENJz97b0
そしたらレイポンドン引きだな

545:ジャクリーン・ハンマーはツンツン
06/02/24 05:45:04 qj2TZk+DO
とりあえず、住居不法侵入で刃子を警察に突き出して一安心。
部屋に帰ると長身の金髪女が注射でクスリをキメている真っ最中だった。
 
「…なにやってんの?」
 
「ツンデレ強化薬だ。ツンデレの為なら明日など要らぬ」
静脈に蛍光ピンク色の液体を注射しながら答える金髪女。
 
「いや、他でやって欲しいんだけど…」
「黙れ、殺すぞ」
ドスの効いた声で凄みだした。
 
「おぉぉぉ、きた!キター!
ツンデレレレレピキッ!
か、神が神が見えるッ!
ヒャッハァーッ!」
イッちゃった目付きでテーブルを引っ繰り返し、ベッドをへし折りタンスをたたき壊す女。
 
ひとしきり部屋を破壊した後、「デレレレレッ!ツーン!」と叫び窓を打ち破り外に飛び出した。
 
「私は今ツンデレを越えたッ!ハムポンの前に立つ!」などと世迷い言を叫びながら通行人に襲い掛かり、殴りつけ、蹴りとばし暴虐の限りをつくす金髪女。
 
二時間後駆け付けた警官隊により金髪女は射殺されました。



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