なにそのツンデ霊★2人目at OCCULT
なにそのツンデ霊★2人目 - 暇つぶし2ch138:本当にあった怖い名無し
06/02/15 22:02:22 o+pKZ5kX0
てゆうか、それってツンデレなのか?

139:本当にあった怖い名無し
06/02/15 22:17:29 KGZ/KqPE0
>>138

>>59

140:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:08:29 JxCo/YWR0

1月20日
転勤先で住居探しを始める。中々いい物件が無い。
不動産屋の担当者と二人、あーでもないこーでもないと話しているうち
「……あまりお勧めはしませんが」という切り出し方で一つの物件を紹介される。
条件が良いのに加えて、家賃も安い。即決する。
担当者の苦笑いが少し気になる。

2月1日
荷物の運搬も一段落。最低限の荷物だけ開梱し、転居先で初めての夜を迎えた。
良いマンションなのに両隣は空室らしい。不思議なもんだ。

2月3日
部屋に帰ってくると、嫌に空気が重い。
首を傾げながらネクタイを緩めていると、なにやらおかしな声が聞こえる。
「……てけ」「………ていけ」
声は明らかに室内のものだ。さては泥棒かと身構えるが、泥棒なら自らの所在を明かす
ような真似はしないだろうし、そもそもこの部屋にはろくに身を隠す場所も無い。

「出て行け」

今度は、はっきりと聞こえた。若い女の声だ。ぞわり、と産毛が逆立つ。
その声が目前の何も無い中空から聞こえたからだ。ありえない。

141:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:09:13 JxCo/YWR0
「……誰だ。出て来い」
「………クスクスクスクス」
「誰だ! 姿見せろ!」

今度は背後から含み笑いがした。いよいよ「幽霊」という単語が脳裏をよぎる。
仕事の疲れもあってか、恐怖は鳴りを潜めてむらむらと怒りが湧いてきた。

「おいブス。やさしく言ってるうちに姿見せろよ」
「……………(ピキッ)」
「ああ、見せられないほどブッサイクなら見せなくてもいい。
 こっちだって飯の前にそんなツラ見たくねえし」
「……………(ピキピキピキッ)」
「とりあえず出てけ、ここは俺の部屋だ。誰かに憑きたいってんなら
 同僚にブス専がいるからそいつの住所教えてや―」
「誰がブスでブッサイクでクリーチャーよっ!!」

突如絶叫が響き渡る。謎の声の主は大分お怒りのご様子だ。
……つうかクリーチャーなんて言ってねえ。 

「あんた自分の顔鏡で見たことあるの!? 何よその冴えないエキストラ顔は!!
 一山いくらって感じ!? むしろ通行人B!? 時代劇で言うなら斬られ役!?」

えらい言われようだ。個性の薄い顔とは良く言われるが、こうもまくしたてられるといっそ清清しい。
ともあれ、まともなコミュニケーションを取るための第一段階はクリアしたようだ。

142:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:10:07 JxCo/YWR0
「……ああ、悪かった悪かった。で、その斬られ役から質問なんだが……お前誰だ」
「……………言う義理は無いわね」
「ここは俺が金払って借りてる部屋だぞ。幽霊だろうと間借りなぞ認めん」
「元々はあたしの部屋だったのよ?」
「現在は家賃払ってないだろう。そもそもなんでこの部屋に―」
「あたし、ここで殺されたから」
「――」

言葉を失う。幽霊と認識してはいたが、改めて説明されるとヘンな気分だ。
殺された? 随分と穏やかじゃない話だ。

「お前……ここから動けないのか?」
「どうやらそうみたいね。遠くに意識を飛ばすことも
 少しの時間ならできるけど……結局ここに戻ってきちゃうのよ」
「家賃が破格な訳がわかったよ」
「感謝しなさい」
「するかっ!!」

こうして、奇妙な同居人との生活が始まった。

143:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:10:58 JxCo/YWR0
2月4日
不動産屋を締め上げて以前の住人についての話を聞く。
固有名詞は避けたものの、どうやら一年程前に若いOLが不倫相手の奥さんに
刺殺されたという事件があったらしい。あの女幽霊に間違いあるまい。

2月5日
不倫相手が憎くて成仏できないならその相手に取り憑いたらどうだ、と薦める。
鼻で笑うような気配があり「別に憎んでなんかいない」という返答。
じゃあ何が未練なのか、と重ねて問うが返事は無い。むかついたので小声で「ブス」と呟く。
激しいポルターガイスト現象が起きる。短気な女だ。

2月6日
俺の姿は見られているのにお前の姿が見えないのは不公平だ、と言ってみた。
「美女のプライバシーをこれ以上侵害するつもり?」と高飛車な言い草。
じゃあせめて名前を教えろ、と言うと「……たえ」と名乗った。
「女偏に少ない、の妙か」「そう」「女ッ気が少ない……名は体を表すんだな」
激しいポルターry

2月7日
「あなたヘンな男ね」とやぶから棒に失礼なことを言われる。
幽霊ほどヘンじゃない、と答えるが「幽霊の住む部屋でそこまでくつろげるのがヘン」だそうだ。
そういえばこのおかしな状況に少しずつ慣れているような気がする。

2月8日
大発見があった。妙は鏡に映る。風呂上りに髪を乾かしていると
鏡越しに見えるリビングで髪の長い女がテレビを見ていた。
振り返ってもその姿は見えない。再度鏡を覗き込む。年の頃は二十代前半だろうか。
芸人のギャグにクスクス笑っている妙の横顔は、驚くべきことに本当に美人だった。

144:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:11:47 JxCo/YWR0
2月9日
風呂上りにビールを飲みながらくつろいでいると、妙が問いかけてきた。

「あなた彼女とかいないの?」
「いない。三年前に別れて、それっきり彼女と呼べるような女はいない」
「モテそうにないもんねーw ま、あたしは付き合う相手に不自由したことなんかないしーw」
「……不倫みたいな実りの無い関係構築するよりマシだ」
「…………ふん、何よ常識人ぶって。お説教のつもり?」
「説教より分かりやすい報いがあっただろ。お前死んでるし」
「……………………うるさい、ばか」

その晩はどれだけ呼びかけても、妙からの返事は無かった。


2月10日
妙とのくだらない口論が原因でポルターガイストが起きた。
キッチンの食器棚までがガタガタと揺れてボードのひとつが傾いた。
皿やカップが棚の中で割れていくのが見え、諍いも忘れて棚に駆け寄る。
コーヒーカップが割れていた。黙って欠片を拾い集めるうち、妙が近づいてくる気配。

「……わ、悪かったわよ………でも皿が一、二枚とカップ一つでしょ?
 そんな怖い顔しなくても……」
「このカップ………“死んだ”彼女からのプレゼントだったんだ。俺がコーヒー好きだから、って」
「…………っ! ……ご、ごめんなさ……」
「黙ってろ馬鹿幽霊」
「…………ごめん……なさい……」

破片となっても捨てる気がおきないので、そのまま引き出しに保管する。
いろいろな事を思い出してしまいそうなのでフテ寝することに決定。
部屋のどこかにいる妙が小さな声で再度謝ってきたが、無視。

145:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:12:37 JxCo/YWR0
2月11日
帰ってくると、割れたカップがセメダインで元通りにくっつけてあった。
きっと妙の仕業だろう。なんとなく肩の力が抜けて、穏やかな声でよびかける。

「妙。いるんだろ?」
「ん……余計なこと、だったかな」
「別に。ただまあ、今後は霊障抑え目にしてもらえると有難い」
「そうだね……あたし短気だから、さ……あははっ」
「……ついカッとなってやった?w」
「うん。今は反省しているw」
「ぷっ…」
「あはははは」


それからの妙は、頻繁に姿を見せるようになった。鏡越しにではなくその姿自体を、だ。
「なんでまた急に」と聞く俺に対して「別に意味なんか無い、単なる気まぐれだ」とのたまう。
間近で見る妙は芸能人と比しても遜色の無い美人さんで、なんとなく居心地が悪いような気分になる。

「成仏はもう、あきらめてんのか?」
「さーね……奥さんは刑務所行きだし、不倫相手は社会的地位も失って
 行方知れずだし……恨みらしい恨みも無いはずなんだけどね。どうしてかな?」
「………なんでだろうな」
「なんでだろうね」

146:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:13:26 JxCo/YWR0
月の綺麗な夜。二人なんとなく肩を並べて語り合った。
ベランダに頬杖をついて淡々と語る妙の横顔からは、何の感情も読み取れない。
本当にどうしてなのか分かっていないのだろう。

「あなたの彼女って……どうして亡くなったの?」
「……ありふれた事故だよ。居眠り運転の対向車がセンターライン越えてきて正面衝突。双方死亡」
「悲しかったでしょ?」
「というより現実味が薄かった。今だってまだ騙されてるような気がする」
「……どーせ幽霊に会うなら、あたしじゃなくて彼女だったら良かったのにね」
「はははっ……死んだ後まで俺なんかの世話させられないよ。
 付き合ってるときだって、大したことしてやれなかったのに」
「…………」

誰にも言ったことの無かった胸の内も、そんな風に気楽に話した。
それはきっと、妙が自分で言うほどに割り切っているようには見えなかったせいもあるだろう。
ベランダから月を眺める妙の姿は、幽霊だという点を差し引いても随分と儚げに見えたから。

「なんだか羨ましいな……亡くなってからも大切に思われてるって、さ」
「お前だって大概な若死にじゃないか。家族、悲しんでるだろう?」
「それがまた傑作でねー、不倫沙汰のもつれで殺されたなんて家の恥だ、って扱いで……
 密葬の上、まるで初めから居なかったようなコトにされてますw あたしんち、厳しい家だったから」
「………そんなこと、ないだろ?」
「いやいやダンナ、そんなことあるんだってば。気合で意識飛ばして見てきたから。
 葬儀はあたしの悪口と世間様への対処法会議で終わってた。……ほんと、単なる作業だわアレw」

147:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:14:17 JxCo/YWR0
言葉が無い。涙や思い出話に彩られることもなく、悪口雑言が経替わりの葬式もどき。
しかもそれが「自分の葬儀」となれば――それは、どんなに酷薄な光景だっただろう。
家族にさえ疎まれ、成仏も出来ずに自身が殺害された部屋に縛り付けられる思念体。それがこの女だ。
隣に佇む妙の姿を見る。夜闇に溶けそうな横顔。なんとなく泣きたいような気分になって
あわてて視線をそらすと、冷え冷えとした月光が目蓋を刺す。

――ああ、こりゃ、いけない
――あいつが死んだ夜にも、こんな月が出ていて
――もう死んだ女が、隣に、居て

「………なに泣いてるのよ。バカね」
「うるさい」
「ほんと、バカな男。居住権侵害してる幽霊に同情して泣いてるの?」
「知るか。ただ悲しいだけだ。お前なんか関係ない」
「みっとも、ない、なぁ……大の男が、さ………ひっく……ぐすっ……」
「お前だって泣いてんじゃねえか」
「あ、たしは……女だから、いい、のっ……ぇぐっ……ぅ」
「……………」

いつまでそうしていたかは覚えていない。
目尻が乾くまで月を睨んでいた俺の耳に、囁くような声が聞こえた。

「ありがとね。………なんだあ、こんなことでよかったんだ」
「…………妙?」

148:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:15:38 JxCo/YWR0
「泣いてくれる人が一人でも居てくれればよかったなんて、知らなかった」
「妙、おい……?」

姿が見えない。短気で口の減らない女幽霊の姿が。

「○○区の△△寺っていうお寺にね、××家代々のお墓あるから。……気が向いたら花でも手向けて欲しいな」
「…………妙」
「ほんと、出来すぎた話。あたしの初めての命日に、泣いてくれる人がいるなんて思わなかった」
「今日が? お前の?」
「ん。でもね、なんだか誕生日みたいに嬉しいよ……ありがとう」
「……お別れ、か」
「そうみたい。餞別がわりに、モテない君に一つだけアドバイス。
 あんたわりかし良い男かもしれないから、そのうちきっとまた幸せになれると思います。以上」
「……ははっ……そりゃ、どうも」
「じゃあね」

それきり。
奇妙な同居人は現れることもなく。
いろいろな気持ちなんかおかまいなしに年月は流れて。

―ねえ、このカップ、どうしてこんなボロボロなの?
―ん? ああ……昔の彼女がくれたやつを次の彼女がぶっ壊して修復した
―じゃあ……現在の彼女であるあたしが、また叩き割ってもいい?
―お、怒るなって!

日々は続いていく。 



終わり。長くてごめんよ。

149:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:17:21 KGZ/KqPE0
初めてリアルタイムで読んだ。
GJ、よかった。

150:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:30:10 Bg6e1JRDO
また退屈な一日が始まった。
幼馴染みのあいつが死んでから一年。
働く気も起きず実家から大学に通っている
朝起きて学校に行き帰宅すると部屋で寝る、そんな生活を続ける内に友人と呼べる人もいなくなり親からも見捨てられた
あいつがいれば「ばっかじゃないの?」
とでも叱ってくれそうだなと思いながら支度を済ませ学校に行く
ただひとつ、今日はいつもと違っている事に気付いた

151:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:35:10 Bg6e1JRDO
授業開始ギリギリに教室に入る。
あいさつなどせずに席につく
「おはよう、遅刻ギリギリじゃん」
俺は驚いた。話しかけてくる奴がいるとは思ってもいなかった
隣りを見た瞬間自分の目を疑った。
そこには生きた幼馴染みが座っていたのだ
「え!?」
席から飛び上がり大声を出す
「おい、静かにしろ」すぐに先生に怒られてしまった・・・・

152:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:40:04 Bg6e1JRDO
「先生!なんでこいつがここにいるんですか?」
「はぁ?何言ってるんだお前は」
クラスメイト全員が笑った。隣りの彼女も。
訳がわからないまま授業だけが進んで行き昼の時間になった
俺はすぐに彼女を追いかけて行った
「ちょっと!まてよ」
彼女の細い腕を掴んだ、間違いない生きている
「お前死んだよな?」何を言っていいかわからずにこんな言葉がでてきた

153:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:45:58 Bg6e1JRDO
「うん、私は死んだよ」
そうだ、死んでるはずなんだ
「でも今は生きてるんだよな?生き返ったのか?」
彼女はすぐに答えた
「あんたバカねぇ、私が死んだ後に死のうとか考えたでしょ」
「うっ・・・」
確かに何回も考えたさ、何しても楽しくなかった
「図星のようね・・・そんな人見てほっとける訳ないじゃない・・・」
「でも、他の奴等はなんで何もいわないんだ?」
「私が"死んでない"と思わせているから」
「?」

154:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:49:35 Bg6e1JRDO
「今日はあんたの為に来てあげたんだから」
「え?」
彼女の顔は真っ赤だった
「死んでる人間が学校にきたら驚くでしょ?だから死んでなかったことにしてるのよ」
「よくわかんないけど今は生きてる、お前は死んでないんだよな?」
「今日一日はね・・・」
「明日からは?」
「また死人に戻るのよ」

155:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:53:25 Bg6e1JRDO
「今日一日・・・」
俺は悲しくなった。
「そんな顔しないでよ・・・せっかく来たんだから、ね?」
「うん・・・なぁ、学校抜け出そうぜ。二人で遊びに行こう」
彼女はしばらく考えて
「そこまで言うなら行ってあげてもいいけど」
昔のままだ。
「よし、じゃあ街を歩こう」
彼女の手を引っ張り俺は街に出た

156:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:58:13 IkYaVV0P0
>>140
綺麗に終わりましたね、漫画か何かで見てみたい感じでした。
良かったですGJ!

157:本当にあった怖い名無し
06/02/15 23:59:37 Bg6e1JRDO
生前よく一緒に行った店を回った。
「うわぁ~これかわいい!見て」
こうしていると幸せだ、前はめんどくさいと思ってしまったが今思うとこれ以上の幸せはない。
「買ってやるよ」
「本当?ありがとうw」
彼女の笑顔をみるのも久しぶりだ
そして俺自身も笑ったのは一年ぶりかもしれない
飯食ったりゲーセンいってプリクラ撮ったりもした。こんな事できるのに死んでるのか
と思うと悲しくなるので考えずにいた

158:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:05:43 sBaNX+prO
時間が過ぎるのもあっという間でもう11時になっていた。
大きな公園について俺たちはベンチに座って話した
昔の話しをしたりして盛り上がった
永遠にこの時間続く事を祈りながら・・・
「もう11時30・・・」唐突に彼女が言った
それは後30分でまた死んでる事になると言う事だ
「・・・」
沈黙が続く
急に彼女が言い出した
「ちょっと目つぶって!」
言われるままに俺は目をつぶった
ガサガサ
何かをポケットに入れた後キスされた

159:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:09:43 sBaNX+prO
「あ・・・」
目を開けると真っ赤な顔をした彼女が涙を流していた。
「そろそろお別れみたいね」
その言葉を聞いて俺も自然と涙がでた
「やっぱり辛いよ・・・離れたくない」
彼女が言った
「ばかやろう、俺だって離れたくないよ。でもしょうがないだろ」
「うん、そうだね」
時間は後5分で12時だ


160:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:13:42 sBaNX+prO
「今日一日ありがとう、」
彼女が言う
「俺も楽しかった」
「手紙書いたから見てね?」
「絶対見る」
「私の事忘れたら許さないんだから」
「絶対忘れるもんか」
「最後に・・・」
「ん?」
「いままでありがとう、今度こそさようなら」
俺はすぐに彼女を抱き締めた。
何も言葉がでなかったけどただ抱き締めた


161:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:22:46 sBaNX+prO
俺の時計が12時を告げる
その瞬間に彼女は光の粒になってその場から消えた、微かな温もりを残して。


涙でぐしゃぐしゃになりながら俺は手紙を思い出す。
すぐに読み始めた
「私からの最後の手紙。実は死んでからずっと側から見守ってた、正直あそこまで私の事思ってるなんて思ってなかったよ(笑)私が消えたからって悲しまないで仕事も恋愛も頑張ってね!あ、私より可愛くない女と結婚したら承知しないからね!」
俺は最後まで読んでまた泣いた。
「あのバカ、最後まで世話焼きやがって」
その日から仕事も始めた、学校でも楽しい生活を送っている。
他に変わった事といえば・・・女と遊んでると幼馴染みが邪魔する事かな?

162:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:23:41 sBaNX+prO
長いし駄文スマソ
なんか全然だめだorz

163:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:24:26 GstWyr4h0
リアルタイム2回目。
GJ、感動した。

164:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:25:21 rlch/rBGO
いんじゃない?

165:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:29:05 8jF5GENK0
甚平が泣いた

166:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:29:34 lfYIZCxL0
>>140-148
>>150-161
どっちも泣きそうになったお(´・ω・`)
とってもGJ!

167:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:31:11 8jF5GENK0
>>141
>「誰がブスでブッサイクでクリーチャーよっ!!」

なぜなのか俺自身説明できないんだが、
「クリーチャー」を「アーチャリー」と一瞬読み間違えたorz

168:本当にあった怖い名無し
06/02/16 00:32:27 sBaNX+prO
そう言って貰えるとうれしいw
初めてだったからかなり不安だったよ(´・ω・`)

169:本当にあった怖い名無し
06/02/16 01:00:25 WwgOl21VO
おのれ、俺の作品には誰も泣かないのはどういう事だ!

170:本当にあった怖い名無し
06/02/16 01:02:13 G6xlsw620
バ、バカね。あんたなんかのくだらない文読んだくらいで泣くわけ無いでしょっ!!

171:本当にあった怖い名無し
06/02/16 01:52:15 ZadwrMs6O
>>148
あんたすげーよ!
才能あるよ!
武者小路実篤なんかよりぶっちぎりで感動した!
プロなの?
他に何書いたか教えて!

172:本当にあった怖い名無し
06/02/16 02:23:51 y2M6OsqVO
>>148
ギャグじゃなく、マジで泣いた。涙出た、うん。ひさしぶりに泣いたよ。。一人暮らししてこんなに清々しい夜は初めてだよ。.゚(PД`q)゚┼。

173:本当にあった怖い名無し
06/02/16 02:38:29 K6Sd+bYPO
>>150
うまいけどスレタイに沿ってないな

174:本当にあった怖い名無し
06/02/16 02:56:42 VxfOM4mSO
>>30
からけよまずに
ほぼKanonのあゆあゆやん

175:本当にあった怖い名無し
06/02/16 03:33:20 WwgOl21VO
>>134>>135みたいな馬鹿話を書いた自分が言うのも何だが…
泣き系ばかりじゃなくもっとオバカな話も増えてほしいと思う。

176:本当にあった怖い名無し
06/02/16 04:31:52 1fkXnv++O
>>148
ケミの「It takes two」聞きながら読むと、
もっと泣けてまうがな。。・゚・(ノД`)・゚・。



いやいやいや、なんでもない。

177:本当にあった怖い名無し
06/02/16 04:35:41 1fkXnv++O
間違えた。>>150だった。
でも>>148もイイ!



しかし、こういうスレみると何かあんまし幽霊なんか
怖くなくなってきてしまう…



178:本当にあった怖い名無し
06/02/16 06:54:41 ACiqP0bo0
>177
まぁ、霊は元生者だったわけで……。
良い人も居れば悪い人も居るように、
良い霊も居れば悪い霊も居るんですよ。
確かにここ見てると、恐怖心は無くなってくるけどね。

179:本当にあった怖い名無し
06/02/16 08:23:48 GGUgKT6O0
>>148
朝っぱらから泣かせてもらいましたGJ!!
さて涙目のまま仕事行くか

180:本当にあった怖い名無し
06/02/16 09:48:56 QSNIFAm8O
>>148俺も読ませてもらった
…良い…
今泣きながら足場を組み…







ち…ちが…!!!雨に打たれてビショビショなだけなんだからね!!!勘違いしないでよね!!!この自意識過剰!!
(ノシ;>Д<)ノシ ポカポカ!

181:本当にあった怖い名無し
06/02/16 10:27:10 BgeKq5kf0
>>148
すげー奈須きのこみてーだ
泣けたよ
仕事中に

182:本当にあった怖い名無し
06/02/16 11:16:04 66KgtG580
>>148
上手い。上手いな・・・。良い話だ。(T^T)

183:本当にあった怖い名無し
06/02/16 13:51:58 Udn1VX1l0
___,,
  l_、孔_l,,
 爪# ’д) < べ・・・別にあんたのために
 (  ∽,,)   策を思いついたわけじゃないんだからねっ!!!
 ノ_,,,ノ、l
 (_,,) (_)


184:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/16 16:22:53 jTBZ5o5e0
「あっ、まってよ、そっちは暗くてあぶないよ!」僕は先を進む不二子に注意を促した。
「うるさい、のろま。びびってんの?だめ男は私の後をついてくればいいのよ」不二子は顔はいいのに性格は鬼だ。
「ねぇ、不二子ぉ、もうやめようよぉ」僕は情けない声を上げながらこれ以上進みたくない意思を伝えた。
「あんた、ほんっとにマンモーニね。どうしようもない愚図だわ」不二子は自分より身長の高い僕の胸倉をつかんで自分の顔に近づけた。
…めきゃっ☆
頭がくらくらした。頭突きを食らったのだ。
「そこでそうしてなさい。私が帰ってくるまでママのオッパイ代わりに指でもしゃぶってるのね」僕をおいて彼女はどんどん進んでいく。
僕はこのとき彼女を必死で止めるべきだった。そうすれば、今のこの状況もなかったろうに。
ずんずん進んでいく不二子。それが彼女をみた生前の最後の姿だった。
不二子は暗がりで足を踏み外し、そして脳溢血で死んだのだった。外見はとてもきれいだったのに。
それはちょうど一年前の出来事だった。

「あんたが、あの時必死こいて止めなかったのがいけないのよっ!!」不二子が言う。
「ご、ごめん。」僕は素直に謝った。「はっ、あんたのせいで私は死んだってのにお気楽なものね」うぐっ、言葉に詰まる。
一年後、つまり、今日。彼女の墓参りから戻ってきた僕を待っていたのは、僕の部屋で仁王立ちする不二子だった。心底たまげた。

お化けであることをのぞけば、彼女はそのままだった。他の人には見えないが僕には見ることも触れることもできる。
「なんで、成仏してなかったの?」僕が質問すると彼女はこう答えた。「あんたをからかうため、遊びにきたのよ」なんてことだ。
僕は眩暈がして部屋を出ようとする。すると不二子が着いてきた。
「ねぇ、ちょっとあっちいってくれない?」目的地までついてきた不二子に僕は頼む。
「なんで?」
「なんでって、ここどこか知ってる?」間髪いれず「トイレ」…あう。身もふたもない。…あわわ、やばい、もう限界だ。もらすわけにはいかない。
「みないでよ…」「あはっ、いっちょまえに」冷たい微笑み。
ジッパーをおろす。隣には不二子。緊張がたかまる。僕は…。

>続く

185:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/16 16:26:52 jTBZ5o5e0
「なんで、用を足さなかったの?」緊張して、そんなものどっかいってしまった。
「ふん、小心者ね。ちっちゃいから自信ないんでしょ?」そういう問題か?
「不二子、女の子なんだよ? もうちょっとデリカシーってもの、ないの?」この言葉がいけなかった。
「…生意気言うようになったわね」そういうなり彼女は僕の胸倉をつかんで自分の顔に近づけた。
あ…デジャヴュ…。僕は次に来る衝撃に備え、身構えた。
…ほわっとした感触が僕の唇に重ねられた。…え、キス? 
僕はそのまま押し倒された。不二子のホッペがほんのり赤く染まってる。不二子の手が僕の胸をまさぐる。
「体は男の子らしいのにね。ニブチンで、臆病で、そのくせ…すごく…かわいいのよね」「…あっ」僕も彼女に呼応するように息が荒くなる。
夜の帳が僕たちの影を覆いつくしていく…。

>続く


186:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/16 16:35:57 jTBZ5o5e0
「どうしてあんなことしたの?」シャツのボタンをつけながら僕は不二子に聞いた。

「あんた本当に馬鹿ぁ?自分で考えなさいよ。」彼女も初めてだったはずだ。行為の最中の不二子はいつもの強気とは打って変わったものだったから。
「ねぇ、教えて。不二子の口から聞きたい」僕は意を決して彼女に詰め寄って彼女の肩をつかんだ。不二子の顔がとても近い。不二子って本当にきれいなんだなぁ…。
「みゃ…っう☆」不二子が変な声を上げた。変なところ触ってないはずだけど…。どうやら触れられただけで反応しているようだ。
「や、だ、めぇ…」息が途切れ途切れ。ちょっとおもしろい。調子に乗ってあちこちつつく。
「あ、はぁ、はぁ…ん…」ひとしきり遊んだ後、僕は彼女を解放してあげた。
ほんのり上気したホッペがすごく…

「かわいいw」

僕は口に出してそういった。不二子ははっとして僕をみつめた。
「…本当に?」小さな声で僕に訊く。
「うん、とっても」そう口にした瞬間、彼女はぼろぼろと涙をこぼした。その姿がとても女の子らしい。

「ありがとう…。私、行くね」

彼女がこういった。僕ははっとした。不二子がほんのりと光に包まれていく。
「どこ行くんだよ、行かないでよ!!不二子!!」
「ふん、ほんっと、あんたはマンモーニ(ママっ子)ね」あ、もう、いつもの不二子だ。
「あんたが来るのをあの世で待ってるからw」そういい残して不二子は消えた。

僕は座り込んだ。不二子のぬくもりがまだ残っているベッドの上に。・・・そして泣いた。
明日が来る。不二子のいない明日。そんな明日に意味はあるのか。

…ないよな・・・。
僕はベランダに足をかける。一歩踏み出せばいい。

そして僕は夜空に身を捧げた。
…これでいいんだよね・・・

187:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/16 16:37:02 jTBZ5o5e0

がっ!!

僕は体をつかまれ、ベランダに引き戻された。不二子が怖い顔で立っている。
「この馬鹿!!言い残したこと言いに来たらとんでもないことしてるんだから」そういって彼女は言葉を続ける。
「うんと長生きしておじいちゃんになってくるのよ。そうじゃないと許さないんだから。」…え…。
「私を忘れるのは許さない。だけど、私に縛られて、一生独り身なのもゆるさない。途中で死ぬの許さない。」
「ここで精一杯生きて、恋愛して、子供育てて、それからきなさい」仁王立ちになってそう言い放つ。
「奥さんと一緒に来ても、私が勝つ自信あるんだからね。それだけ、じゃ」最後に、とんでもないことをいってあっさり彼女は消えた。

僕はワンワン泣いた。朝が来るまで泣いた。そして、僕は彼女に誓う。不二子にあったとき笑われない強い男になることを。

‐END‐

188:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/16 16:41:49 jTBZ5o5e0
>>140-148さん >>150-161さんの作品すごいですね。


やはり自分はまだまだ、他の方の作品を眺めて研究しなきゃいけませんね。




189:本当にあった怖い名無し
06/02/16 16:50:29 FCOZwVWT0
いやでも、この流れはイイ!! このまま続いて欲しい。
三昨ともGJ。>>140はヤバス。次作キボン。

190:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/16 17:17:05 jTBZ5o5e0
あ、ちなみに私、初作品が「マスター☆エイジア」です。
前作、いただいた意見を参考にしました。へこみましたが、改善されているんでしょうか。
ちなみに、自作自演だけは行っておりませんので、あしからず。

191:本当にあった怖い名無し
06/02/16 18:48:23 nqNqRDkA0
んー、個人的意見としては、行間空けすぎじゃないの?というぐらい。
話はよかったよ。

192:本当にあった怖い名無し
06/02/16 18:49:15 nqNqRDkA0
って言うかこれ、改行がおかしかったのかな?

193:本当にあった怖い名無し
06/02/16 19:34:58 2/jlDO2FO
>>185>>186の間くわしく

194:本当にあった怖い名無し
06/02/16 19:36:32 Q7uORwKwO
感動しました! グッジョブです!

Σ∩
.(∃ ∧∧
 \(゚∀゚)
  ヽ  E)


195:本当にあった怖い名無し
06/02/16 19:59:22 UNxhDO3jO
たしかに>>140はやばい

が!これはこれでGJ!!

196:本当にあった怖い名無し
06/02/17 00:09:27 OBWqhTya0
>>193胴囲
>>185>>186の間はげしく

197:本当にあった怖い名無し
06/02/17 01:09:38 6k3g5RFHO
>>195
最近の若い子がつかう「やばい」の意味を取り違えてない?

>>140-148がGJなのは禿しく胴衣だが。
(つーか、プロの作品だよね。)

198:本当にあった怖い名無し
06/02/17 14:10:12 pQeU9HAh0
>>196胴囲
>>185>>186の間のはげしいやつをくわしく

199:本当にあった怖い名無し
06/02/17 19:28:27 uHTS0ktUO
前スレってもう見れないのですか…?(泣)

200:本当にあった怖い名無し
06/02/17 19:38:05 9lpEhPGv0
200get!!  >>199誰かまとめでも作ってないかな?

201:本当にあった怖い名無し
06/02/17 19:46:28 PaO0M3XF0
>>199
URLリンク(makimo.to)
最近の過去スレ一覧は大分ここに取って代わったね

202:本当にあった怖い名無し
06/02/17 19:49:47 s5mGxwGc0
ぶっちゃけ、前スレの306-310はこのスレの至宝だと思うのですよ。
あれ書いた人、まだここ見てるかな。あなた心底から神です。

203:戦慄の怪人Drラオ
06/02/17 21:06:22 U4pvTCZV0
ならば・・・こんなの↓もツン?

URLリンク(www.sonypictures.com)

204:本当にあった怖い名無し
06/02/17 21:38:33 9lpEhPGv0
URLリンク(moemoe.homeip.net)

まとめではないが、前スレの前半の作品残ってるここ。

てか、濡れ子って流れちゃったのかな第三話…

205:本当にあった怖い名無し
06/02/17 22:27:57 dnI7rM+W0
>>204
おう!俺のもあるじゃないか少し嬉しいな。

206:本当にあった怖い名無し
06/02/18 01:31:45 PuAgpi1K0
>>199
前スレのログならあるけどうpする?

>>200
2chのまとめサイトの運営って結構大変だからなぁ。こう言うSS系のスレだと特に管理人の負荷がでかいし…
早い時期にまとめサイトが出来たはいいが、管理人がばっくれて後任が見つからず本スレ消滅とか
目も当てられない惨状になると辛いし。

個人的にはこのスレはまだ様子見、あと2・3スレ続くようならまとめもありかなと思っている。

207:本当にあった怖い名無し
06/02/18 01:40:12 wIcWQi+R0
先にまとめサイト作ったら負けかなと思ってる。

208:本当にあった怖い名無し
06/02/18 02:42:01 8xepBqGR0
>>206
過去ログはもう >201 にある

209:本当にあった怖い名無し
06/02/18 08:21:42 jdOSaKPH0
  _....-‐ '''' ´´~` ``ヽ 、
   /, ,         ヽ  ヽ
  / // i         ヽヽ `、
  | // {  { | | | | } } } } }
  { !{ | {、.._{__| { | _!_,,}.-}. } | |
 | | | { | | ! !; | | | | |ノ |レ| |ヽ|  |
  { ||:: :| | !⌒!     :!⌒:! | | | | |
  | | | | .| |::..:;}    |::..;;} | |ヽヽ|       _____________
  | | | | !.,'''''' 、  '''''''` | | |ヽヽ|     /
    | | | .ヽ  i_`;    イ | | |:::|\|  < …幼児体形で悪かったわねっ!
    .|| | | :|::|:`i    ´|::::|:::| | |:::|:.| |'    \
   ./|-||-,!-‐フ'   !=‐-| | |::::|:.| |       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ./      __   __    |ヽ|:.| |ヽ
  /                | | ヽ!ヽ
  /   /                |     |
  |     |                |    |



210:本当にあった怖い名無し
06/02/18 11:03:56 +xyFjU/YO
《今スレの代表的ツンデ霊達》
 
妙 遠距離操作型、泣き属性
 
守護霊 近距離自動型 シュール属性
 
美那の叔母の霊 近距離操作型 感動属性
 
範馬雄次郎の悪霊 近距離パワー型 デレ無し属性
 
マスター☆エイジア 遠距離自動型 オタ臭属性


211:本当にあった怖い名無し
06/02/18 12:44:37 rOP8+h+dO
202が言ってるのは隙間の女の話しですか?

212:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 13:18:10 X/ALyOec0
僕は途方にくれていた。財布をなくしたのだ。
学校のクラスメートの告別式に参加したその帰りの話だ。
そのクラスメートは生まれつき病弱で、学校が始まってまもなく肺炎で入院した。そしてそれっきりだった。
名前は槙村香。すごくきれいな子だった。初めて体験するクラスメートの死に衝撃を受けなかったといえば嘘になる。
しかし、実感があまりないのも真実だ。
僕は彼女の棺を見送ったあと、少し、そのあたりを散策していた。そのときに財布を落としたんだろう。
他の人はもうみんな帰ってしまって、僕一人。お金を借りるわけにもいかない。僕の家はここから、かなり離れてる。

「財布ないし、どうしよう…」そうつぶやいたら、「歩けばいいじゃない」背後でいきなり声をかけられた。
「うわっ」と叫び、後ろを見てまた…「うわっ」
背後に立っていたのはさっき僕が見送った槙村香だった。心臓が飛び出そう。どきどきがとまらない。
「お、おばけ!?」「あたり」あっさりとした返事が返ってきた。そんな馬鹿な。
「お、お、お、」「お?」「お、おばけ!!」「それ、さっき言った」冷たく切りかえされた。
「男でしょ、歩きなよ」あまりに平然としてるので僕も次第に落ち着いてきた。
「あし、あるよね?」「なによ、唐突に。お化けにだって足はあるんだから」そうなのか?
「日本だけよ。ひゅ~どろどろの薄らぼんやりしたお化けは。ジェイソンとかも足あるでしょ」それはお化けなのか?
確かめようとして触ろうとしたら、さっと避けて「触らないで、下衆!!」うわ、ひどい。
僕の記憶にある彼女はすごくきれいで儚げだったのだが…。お化けの彼女はなんか、ぜんぜん違う。なんていうか。


213:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 13:20:15 X/ALyOec0
「パワフル」あ、言葉が出ちゃった。「なによ、いきなり」自分のことを言われたとは思ってないみたいだ。よかった。
「さ、いくわよ」「どこへ?」唐突だ。
「あなたの家にきまってるじゃない。恐竜並みの鈍感さね」僕、ちょっとこの子にときめいてた。でも、嫌いになりそ。
「結構、遠いんだよ。僕の家」「知ってるわよ。☆◇町でしょ」あふん:;
うなだれる僕をおいて彼女はずんずん歩いていく。でも、そっちは逆方面じゃ…。とりあえず、着いていく。
「で、こっちであってるのよね?」香さんが聞いてきた。「いや、反対だとおもうけど…」
「なんで先に言わないの!!こんの、愚図!!」
「おふっぅっ!!」香さんは思いっきりのフルスイングで僕のボディにブローを入れた。
お化けって人もなぐれるんだ…悶絶する僕はそんなことを考えながら、情けないけど…意識を失った。

ほっぺになにか暖かいものが、ぽつぽつと当り、僕の意識は覚醒した。香さんがぼろぼろと涙をこぼしている。
僕は香さんに膝枕されて寝かされていた。
ちょっとどきりとしが、泣いてる彼女があまりにきれいだったのでそのまま薄目で彼女をぼんやりと見てた。お化けの膝枕なんて、あまりないよね。
「うっ、うっ、私の見よう見まねの崩拳が殺人技まで昇華していたなんて…う、うぐぅっ」
…変な子。くすり…と笑ってしまった。
「あ、ああっ、、お、起きて…!?」どだん!!と僕は落とされた。地面がいたい。
「いた、たたた…」…ずん!!と身を起こそうとした僕の上に衝撃が。
「なんで、おきてたのに黙ってたのかしら。この破廉恥小僧…」お、おもい。お化けってかるくないのか…。子泣き爺というお化け譚をおもいだした。
ぽかぽかと僕の頭をたたく。あまり痛くない。さっきのことで加減してくれてる?
痛みがひいてくると香さんのお尻のやわらかい感触がちょっとうれしかった。


214:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 13:22:29 X/ALyOec0
「もう…馬鹿…、本当に心配したんだから…」と、僕の背中に、香さんが覆いかぶさってきた。
あた、あた・・・ってる、む、胸が…。やわらかい感触、香さんの鼓動。それが伝わってくる…。
…鼓動? 不意に冷静になった。…とくんとくん。やさしく、力強い音が響いてくる。
僕はガバリとおきあがった。「きゃ…☆」
「君、誰だ? 香さんじゃないんだろ? 悪ふざけはやめろよ。こんないたずら最低だ!!」
僕は確信を込めてこういった。
尻餅をついた自称お化けは、僕を上目遣いに見ていた。…が、立ち上がって、ぽんぽん、と砂をはらう。
そして僕に近づいてきて…。(本当にきれいだなぁ)と思うまもなく、星が飛び散った。

「私は香!! 私は私なの!! 死にたくなかった!! まだ、16なのよ!!」マシンガンのようにまくし立てる。
「お、お…おお」僕は動揺している。やっぱり香さんなのか?
「私だって、死にたかったんじゃないんだから!! 化けてあなたにあうより、生身で会いたかったんだから!!」
「だから、だからこうして来たのに!!」
そこまで言い切って、はっと彼女は口をつくんだ。大きい瞳に涙が溜まっている。
「馬鹿ーーーーーーーー!!」どずん☆!
彼女はまたお得意の殺人崩拳で僕を吹き飛ばした。薄れいく意識の中で最後にみたのは走り去る彼女の背中だった…。

僕が目を覚ましたのは夕刻。巡回中のおまわりさんが僕を見つけて家まで送り届けてくれた。
今日の出来事はいったいなんだったんだろう。
…それからは何事もなく日々が過ぎていく。
変わらない日常。もちろんもうお化けも見ることない。
…ただ、後悔だけがつきまとう。
そしておもうのだ…あの時、違う対応も出来たんじゃないかと…。

215:本当にあった怖い名無し
06/02/18 13:48:48 KUeqSP7xO
終わりか?

216:本当にあった怖い名無し
06/02/18 13:53:39 DxDXIi3iO
面白いけど……ここで本当に終わるのか!?

217:本当にあった怖い名無し
06/02/18 13:55:17 DxDXIi3iO
GJ……だが、ここで本当に終わるのか!?

218:本当にあった怖い名無し
06/02/18 14:20:32 1SzKylc00
俺が続きを書いてやる。


ともかく一霊が奔り出した

香の放つ崩拳(中段突き)を躱しざまに合わせた念仏は――――――

正確に香の現世への妄執を捕え―――――この世への未練をなにもかも暴露させ――――
あたかもポルターガイストの如く周囲での物体激突を繰り返し生じさせ――

典型的な悪霊の被害をつくり出した

さらには既に成仏しかけた香の下顎へ
ダメ押しの清め塩ぶっかけ

天に召される体勢を利用した―大僧正による御払いは
香を更なる遠い涅槃へと連れ去り―――――

全てを終わらせた!!!


その間
実に2秒!!!

219:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 14:22:06 X/ALyOec0
>>218さん、そのノリ好きw
でも、自分でやると、上手くいかないのよねぇ。
そんなわけで続き。

220:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 14:22:37 X/ALyOec0
僕の後悔は極限にまで達した。

僕は、あの日のことが忘れられなくて、槙村香の家に行ったのだ。
ちいさなアパートだった。ドアのチャイムを鳴らすと男の人が出てきた。
「きみは…、ああ、そうか。香のクラスメートだね。僕は槙村秀幸。さ、中に」男はどうやら香さんの兄らしかった。
「何もないけど、線香でも上げてくれ」秀幸さんの顔は生気があまり感じられなかった。
僕は香さんの霊前を離れると、来訪した理由を正直に述べた。
彼女のことをあまり知らなかった自分。財布をなくして表れた謎の自称お化け。
「あれは本当に香さんだったのでしょうか?」そうたずねると、驚いたことに、秀幸さんが笑い出した。
「ふっ、ふはっ、はっはっはっは」僕は目を白黒させながら秀幸さんが笑いやむのを待った。
「いやぁ、ごめんごめん。いやぁ、笑った笑った」そういいながら、秀幸さんは本当に楽しそうだ。
「こんだけ笑ったのはあいつが死んで以来だ。この前の葬式のとき、僕が喪主だったんだが、君、おぼえていないでしょ」
「え」やば、失礼なことしてしまった。「ああ、いい、いいよ。気にしなさんな」そうやさしく微笑む。
「君のところに出てきた自称お化けは、正真正銘、香だと思うよ」え・・・。
秀幸さんは記憶を振り返っているのか、僕の背後に目線を泳がせ、笑いながら語りだした。
「あいつはなぁ、体が弱いくせに格闘技が好きでな。いや、体が弱いからこそか。調子のいい日はよく、漫画本片手に突きの練習してたよ。面白いだろ?」そういってまた笑う。
「あいつ、見た目はかわいいが結構おてんばでな。△●病院をよく抜け出していたんだよ」△●病院は僕の家の近くだ。
「そのときにな、学校の男子クラスメートを見かけたらしい。捨て猫の前でうろうろしていたんだってさ」
ん?流れが読めない。
「その男子、最初は無視しようとしていたそうだ。香は冷たいやつだと思ったそうだが、男子は戻ってきた。」
「ミルクを持って。で、そんな優しい男の子がそれから気になってしょうがなかったらしい。君のことだよ。」
え、えええエーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
「僕は君の住所を調べさせられたんだぜ。君と最後に話したかったんだろうな」僕はショックだった。彼女を悲しませてしまった。

秀幸さんは僕にまたおいでと優しく言ってくれた。

221:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 14:24:09 X/ALyOec0
謎は解けたが、やるせなさを感じてとぼとぼと帰途に着く僕。

そして、バスに乗ろうとして気づいた。財布がまたない。がっくりくる。
「僕って、ほんと、間抜けだなぁ」一人ごちた。「いまわかったの?」背後で声がした。
「か、かおりさん?」「はい、これ」その手には財布が二つ。あ、はじめに落としたやつもある…。
「もう、失くさないのよ」ぽんと投げてよこす。
「僕、君にひどいことを…」「しっ」と僕の口を人差し指で封じた。
「いいの。今日、線香上げてくれたからそれで多めに見てあげる」
「…」僕は後悔で言葉が継げない。目が潤んできた。
「こ、こらこら、男が泣かないでよ」「だっで、だっで、ぼ、僕、君に…」
「うー、困ったなぁ。じゃぁ…」そういって香さんは…僕のおでこにキスをした。
「はい、泣き止む」あ、ホッペが赤い。「こら、ニヤつくな」僕にどうしろと…。
「お兄ちゃんが全部白状しちゃったから言うけど。私、あなたがすきだったの。すごく」またも唐突。
「だから、死にたくなかった。で、体は死んじゃって気づいたら、このとおり」
人間って不思議ね。なんてお気楽な口調で香さんはいう。
「線香上げに言ったらまた、あえる?」僕はきいた。
「あら、そんな必要ないわよ」さっぱりした性格だなぁ。もう未練もないって感じ…ではなかった。
「いま、あなたの背後霊してるから」…な、なにぃいいいいいい!!!!
「わたし、あなたの守護霊…ん、おじいちゃんだって。にすごく気に入られちゃったみたい(笑)」(笑)じゃねぇ。
「お兄ちゃんも元気になったし、めでたしめでたしよね」あ、そういえば、秀幸さん、僕の後ろを見てたっけ。
「これからは毎日いっしょだからね」なんだかなぁ。

「外に行くときも、ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも…ほら、鏡には私が映るわよ」うわ、それはホラー。

こうして、僕は香といっしょにいる。つっけんどんなところもあるが、妙に世話好きな面もある。
困ったことは、女性と話すと髪を引っ張られることかなぁ。

…僕、恋愛できないんだろうか…。ま、彼女がお化けなのも、ありなのかな(笑)

‐終‐

222:本当にあった怖い名無し
06/02/18 15:08:04 1jF0AkqQO
GJなんだが…
名前が… orz

223:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 15:09:43 X/ALyOec0
う、すんません。
名前考えるのが苦手で、知ってる作品のキャラ名使うと楽なんで・・・。
以後気をつけます。

224:本当にあった怖い名無し
06/02/18 15:09:56 gQbZyKXV0
100tハンマー

225:本当にあった怖い名無し
06/02/18 15:11:34 9X/v58xQ0
>>224>>222の意味がわかった

226:110
06/02/18 16:21:47 cJoXdxuU0
>>222禿同
兄までフルネームなのが違和感ほとばしりすぎ。
今回の元ネタはシティハンター??よく判んないけど。
名前自体が何かの伏線かと思った。
でもやっぱり元ネタを判ってないと100%楽しめないならイラネ…





…でもまぁ「面白かった」わよ。グ、「グッジョブ」…かな…


…っ、何よ、ニヤニヤしてんじゃないわよ!!崩拳たたっこむわよ!!

227:本当にあった怖い名無し
06/02/18 19:11:30 j5GNVzTx0
内容としては全然違いますから、名前だけ借りたって処でしょうね。
まぁあれだGJ

228:本当にあった怖い名無し
06/02/18 19:15:17 lDYJKEBd0
ちょっとまとめサイト作ってみる。
期待しないで待っててくれ。

229:本当にあった怖い名無し
06/02/18 19:20:07 +wdW7/ox0
>>ツンデレ初心者さん
面白かったよ。ありがとう。
ただ、ちょっと全般的に冗長に過ぎる気がしないでもない。


230:本当にあった怖い名無し
06/02/18 19:28:48 1Cyg4K6c0
>>227 期待なんかするわけないでしょ!
待ってろとか生意気な事言ってるんじゃないわよ!!
まとめサイト出来たらすぐチェックしてやるわ!
何よ?待ってるわけじゃないからね!
アラ…そうアラを探しに行ってやるんだからね!バカァ!

231:本当にあった怖い名無し
06/02/18 19:35:27 KUeqSP7xO
冗長って何?

232:本当にあった怖い名無し
06/02/18 20:04:40 5ZlJMijE0
>>228
やっぱり期待しちゃうお(`・ω・´)
ガンガレ!!

233:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 21:04:40 X/ALyOec0
ご意見、ありがとうございます。

精進します。m(_ _)m

折り見て、今度は簡潔なものを投下しますね。

234:本当にあった怖い名無し
06/02/18 21:04:50 k/EwYCFe0
>>231
それぐらい自分で調べなさいよ、バカ

URLリンク(dic.yahoo.co.jp)

べ、別にアンタなんかの為に調べたんじゃないからねっ

235:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 21:16:22 X/ALyOec0
…うえで折り見てといったのに。出来ちゃいました。
もし、よければ書き込んでみたいのですがいいですか?

だめなら日を改めます。

236:本当にあった怖い名無し
06/02/18 21:26:46 k/EwYCFe0
>>235
wktk

237:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 21:28:43 X/ALyOec0
ありがとうございます。

ちょっと書き方変えてみます。つまらなかったら、厳しい意見をお願いしますね。

238:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 21:31:07 X/ALyOec0
俺には守護霊がいる。困ったことに、俺に話しかけてくる。 しかも、そいつは…おかっぱでいたずら好きの12歳の女の子だったのだ。


「俺と守護霊の微妙な一日」

5時14分。
 線香のにおいとラジオ体操のミュージックででおきた。 目を開けると、守護霊が自分で線香をたいて、ラジオ体操をしている。
 いつものことだ。寝なおす。
6時00分。
 すずめの鳴き声がする。また、えさをやっているのだろう。ふんの掃除を誰がすると思ってるんだ。
7時42分。
 時計をみて…飛び起きた。遅刻だ!! 守護霊はいない。
 「ちっくしょー、なんでおこさねぇんだ!!」 「うるさい。近所迷惑だ。静にしろ」リビングから、みのもんたの声と一緒に聞こえた。…朝ズバ…か。
8時00分。
 走ればまだ間に合う。俺はパンをくわえて、走り出した。 ズシッとした重みがあった。奴が乗ってきたのだ。
 「お前、宙にうかべるんだろ、何で体重かけてんだ」「獅子はわが子を千尋の谷につきおとすという」
 …もういい。かまわず走る。
8時15分。
 無常にも電車は行ってしまった。
 「…」「ふむ。鍛錬がたらんな」もう、声もでない。
9時23分。
 上司にしかられた。守護霊は俺のお茶をすすっている。
10時45分。
 書類に奴がコーヒーをこぼした。奴の姿は見えない。…泣けてきた。
13時45分。
 ちょっと用を足しにトイレに。奴もきっちりついてきた。
 「ここは男子トイレだ」「知ってる」「帰れ」「守護霊は離れられんのだ」
 こいっつ…。おれが用を足してる横で、ひゃぁ…だの、うわ…だの、小さいだの…。
 目を覆う振りをして、ちゃっかり指が開いてる。ちょっと泣けてきました。




239:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 21:33:28 X/ALyOec0
15時42分。
 事務の女性社員が俺を夕飯に誘ってきた。いきなり、俺のベルトが切れてズボンが落ちた。
 女性社員は逃げてった。…死にたい。
17時00分。
 定時に仕事が終わる。くたくただった。電車は満員だった。奴は俺の頭の上に座ってる。体重はかけてないがうざい。
 なんだろう、民謡だろうか…誰かのヘッドフォンから、かすかに音楽が聞こえる。
 守護霊がいきなり、踊りだした。勘弁してくれ。頭の上でターンをした。
 俺はバランスを崩して目の前のケバイお姉さんに、ぶつかった。
 「ちかーん!!」おいおい。運よく、扉が開き、走って逃げた。
18時00分。
 夜の公園。
 「すまん。つい」「…」「許してくれんかの?」「…」「なぁ、明日は朝起こしてあげるから」「…」
 俺は怒りが収まらなかった。当分、あの電車は乗れないだろう。
 「なぁ、許し…」
 「うるさいっ!! お前なんかどっか行っちまえ」顔も見ずに言う。
 「ひっ」俺の声に驚いたのか、短い声を上げて、守護霊の気配が遠のいた。振り向くと奴の姿は見えない。
 せいせいした。肩のコリがなくなったようだ。
 …うん。せいせいした。「せいせいしたぞーーーー!!」大声で叫んだ。
 「うるさい!!」ちょっと怖めのあんちゃんにどなられた。

240:帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐
06/02/18 21:34:09 X/ALyOec0
18時26分。
 石に躓いた。派手に転倒。いたい。
18時42分。
 財布を落とす。
18時56分。
 会社から呼び出し。戻る。
22時40分。
 帰宅途中、やくざに絡まれる…。
 ほうほうの体で逃げ出した。…なんだこりゃ。守護霊の大切さを実感し始める。
23時52分。
 コンビニで万引きと間違えらる。これが、とどめであってくれ…。
01時23分。
 無事釈放され家に到着。…味噌汁のにおい?
 テーブルには、味噌汁とご飯と秋刀魚が並び、湯気がたっていた。…そして…書置き。
 『ごめんなさい』文字がにじんでいる。
02時12分。
 俺のベッドで守護霊が寝てた。枕が涙でぬれてる。

 …ま、許してやるか。

 涙をそっとふいてあげて、俺は床で寝た。

08時42分。
 …遅刻。奴はよだれをたらして寝ている。
 
 …はぁ…
 まぁ、それでも、こいつがいてくれるほうがましか。
 おれは守護霊のぷにぷにしたホッペにひげを書いて家を出た。

 …いたずら書きに気づいた守護霊がどんな仕返しをしてくるか…考えたら、ちょっと口もとがほころんだ。

‐おわり‐

241:110
06/02/18 21:44:24 cJoXdxuU0
とりあえず乙

242:本当にあった怖い名無し
06/02/18 21:49:36 k/EwYCFe0
微妙にほのぼのしてて、これはこれでイイんじゃね?

243:本当にあった怖い名無し
06/02/18 22:43:57 m3jFeRLe0
ツンデレ喫茶なんていうのを始めたら儲かるかな・・・。

244:本当にあった怖い名無し
06/02/18 22:50:23 2dHW/LZI0
客によってはツンだけで終わっちゃうだろ

245:本当にあった怖い名無し
06/02/18 23:24:00 lllgrREN0
>238-240
俺、こういうの好きかもしれん。

246:本当にあった怖い名無し
06/02/18 23:40:19 fJCI43M0O
>>243
おまい天才

そんな喫茶店あったら俺チンコ勃ちっぱだわw

247:本当にあった怖い名無し
06/02/18 23:55:08 wxAaOWlY0
ツンデレのデリヘル、ツンデリヘル。

「ば、ばか! そんなに大きくしてどうすんのよ、このヘンタイ!」

248:本当にあった怖い名無し
06/02/19 00:18:50 XtUuIyFO0
ソフトSMとの違いを30文字以内で説明するように。

249:本当にあった怖い名無し
06/02/19 00:20:26 fYt3oJR00
「先払いだっけ? はい、18K」
「ば、ばか!そんなのいらないわよ!」

250:本当にあった怖い名無し
06/02/19 00:23:45 85pesOZL0
Mは最初からそのつもり
ツンデレ受難者は受難から許容へ

251:1/14
06/02/19 00:48:23 ZRt22Wt10
―少し、想像力を働かせてみて欲しい。

季節は夏。大学生である君とその家族は、祖父の葬儀のため父方の田舎に向かう。
山野に囲まれたのどかな村で、都会の喧騒をしばし忘れている君。
地元では名士だったらしい祖父が住まう家屋は、武家屋敷を思わせる広大さ。
親族たちの歓待から開放された君は、子供のような好奇心でもって広い屋敷を
歩き回っているうちに、祖父が使っていた部屋で奇妙な少女に出会う。

さて、ここで質問だ。

「……あなた、もしや私の姿が見えるのですか?」
「…………」

見た目、十二~三歳の紅い着物姿の少女が

「質問に答えなさい。私が見えるのかと聞いているのです」
「…………」

容姿に似合わぬ大人びた口調で

「その表情から察するに、見えているようにしか思えないのですが……」
「…………」

“空中に浮遊したまま”問いかけてきた場合には、どう答えるべきだろう?

①見えない
②見えないよ
③見えないってば

えーと……えーと………む、むつかしいなあ………えーい、ままよ!

252:本当にあった怖い名無し
06/02/19 00:48:35 uqCkKMcl0
隙をつかせてくれるのがM
隙をつきたくなるのがツンデレ

253:2/14
06/02/19 00:49:09 ZRt22Wt10
「①見えないっ! 着物姿の女の子なんか全然見えないってマジで!!」
「………これ以上無いほど愚かしい回答をありがとうございます。さてはあなた、莫迦ですね?」
「くっ………カメ虫を見るような目で断定されたっ……!」
「……まあ、いいでしょう。莫迦でも愚鈍でも久方ぶりに話の出来る相手ですし」
「えーと、その、僕は……君にとり殺されちゃうのかな?」
「莫迦なだけでなく、浅慮で無礼者ですか。それがあなたなりの自己紹介なのですね?」
「うふふ、うふふふふ……僕にマイナス方面の個性がどんどん付与されていくよ……ふふふっ」 
「遠い目で呟くのはそのくらいになさい」


紆余曲折があり、だだっ広い和室に正座させられて少女の話を聞く羽目になった。
なんでもこの子は、四代ほど前に遡る先祖であるらしい。
年若くして病気で亡くなったが、以来こうして家を見守っているのだ、とのこと。

「……座敷童子、っていうヤツなの?」
「違いますね。座敷童子とはその家を富ませる物の怪でしょう?」
「うん、一般的には。だってほら、この家ってここ数代すごく成功したらしいし……」
「私はその辺には関与しませんので。偶然でしょう」
「じゃあ見守るっていうのは……」
「言葉通りの意味です。見ーてーるーだーけー」

ぶっちゃけた! ぶっちゃけたよこの子! 悪びれる様子も無く!

「……まあ、ごくごく稀にあなたのような“見える”人が、そう勘違いしたこともありますが」
「そういう時、君はどうしたの?」
「とりたてて否定はしませんでした『……御供えには、みたらし団子が吉』と呟いたりはしましたが」

254:3/14
06/02/19 00:49:58 ZRt22Wt10
うわあ……やらずぶったくりっスね?
しかもみたらし団子、て。食えるんですかあなた。

「つまり……今までの話を総合すると、君は由緒正しいニートなんだね?」
「にーと? にーと、とはなんです?」
「………説明したら負けかな、と思うからやめておく。それでさ……」

やがて妹が僕を探しに来るまで、少女との会話は続いた。
「故人を偲んでいた」と誤魔化しながら祖父の部屋を後にする。
彼女に聞こえたかどうかは分からないけど、「おやすみ」と小声で挨拶。
妹に急かされながら、ぼんやりと彼女との会話を反芻する。
可憐な佇まい、鈴を振るような声。桜色の唇が歌うように動いて―

―莫迦ですか
―黙って聞きなさいこの俗物
―いいですか凡夫。何の取り得も無いあなたでもこうして私と話が出来るからには……

待て。
なんか、ちょっと違くないか。
こういう回想はもっとこう、心温まるやりとりであるべきではなかろうか。
何ゆえ先ほどの会話は、僕への罵詈雑言のみでもって構成されているのか。

「……お兄ちゃん、なんで泣いてるの?」
「な、涙の数だけ強くなるため、かなあ………ぐすっ」

255:4/14
06/02/19 00:50:48 ZRt22Wt10
翌朝。眠い目をこすりながら洗面所に向かう途中で、例のビックリドッキリ先祖に会う。

「おはようございます。良く眠れましたか?」
「………おはよう。うん、昨夜の気疲れする会話のおかげでぐっすりと…
 ―いやいやいやいやちょっと待って。なんで朝から? しかも縁側に?」
「霊が朝方出歩いてはならない、と誰が決めたのですか?」
「決められてはないだろうけど……でも、なんかこう………」
「あの……お、お兄ちゃん………誰と話してるの?」
「ああ、おはよう祐子。いや、こちらにおわすTPOをわきまえない方にちょっと………」
「……妹さんは、私の姿と声は認識出来ないようですが。
 あなたの夢うつつな鳥頭は、そのあたりを理解していますか?」
「そーなの? じゃあ、なんだ。今の僕って、目を合わせるにはちょっぴり気まずい人っぽい?」
「有り体に言えば。ああ、あなたの背後で妹さんが泣きそうになっていますね」
「……お、おかあさーん! お兄ちゃんがおかしくなったあっ!!!」
「………………」
「………………」

その後、歯を磨き終えた僕が居間に行くと、目に涙を溜めながら俯き加減の妹を
「ばかねえ祐子は。昌悟がおかしいのは今に始まったことじゃないでしょう?」と
優しく慰める母さんの姿があるわけで。
ほうじ茶を啜る父さんからは「昌悟……奇行は隠れてやるもんだぞ?」などという
ありがたいアドバイスもゲット。
ちなみに件の少女霊は朝の連ドラをかぶりつきで観賞中だったり。

とても良い朝ですね。死にたくなるのを除けば。

256:5/14
06/02/19 00:51:36 ZRt22Wt10
砂を噛むような味の朝食を摂り終えると、それでも少しは元気が出てくるもので。
屋敷の周囲を囲む山林へ散歩に出かけることにする。もちろん僕の傍らには……

「なんで居るの?」
「私と話が出来るのはあなただけだと言ったでしょう?」
「いや、別に話さなくてもいいじゃん。さっきまで連ドラ観てたし」
「……私と話すのは、嫌ですか?」
「えっ? 別に、そういうことは……」

か細い声で下方から問いかける姿に、少し慌てる。
ワンセンテンスごとに僕を罵倒する女王様型少女霊・改に似合わない態度だ。
……しかしまあ、なんだね。アレだよね。
若いというよりは幼いと形容したほうが相応しい容姿なんだけども。
この子はめっちゃ綺麗だ。黒絹みたいな髪がさらさらと風になびいて
白い肌とのコントラストが際立つ。紅を引いてるわけでもなかろうに
艶めかしい唇は薄くて形が良く、吊り目がちな黒瞳は濡れたような
光を湛えて僕の顔をじっと―

「……何か、凄まじく下種なことを考えてはいませんか?」
「う、ううん。そんなコトないよ? ないったらないんだよ?」

人が道を踏み外すのはきっとこういう瞬間なんだろうなあ。
僕、一応は二つ下~人妻までがストライクゾーンのはずだしなあ。
ボール球に手をだして社会的バッターアウトになるのは御免こうむりたいところ。
あせらず球を選んでいこうぜ!

「そっ、そんなことよりもさ、ここって空気が美味しいよね!」
「私に劣情を抱くような、人面獣心意馬心猿な鬼畜にも
 ここの新鮮な空気を味わう権利があったのですか? 驚くべき事実です」

むしろビーンボールでした。

257:6/14
06/02/19 00:52:23 ZRt22Wt10
なんだかんだ言いながらも、暇さえあれば彼女は僕の前に姿を見せる。
周囲に人が居ない時を狙って現れるのは彼女なりの気遣いなのかもしれない。
まあ、それでも幾度かは妹に「虚空と会話する僕」を目撃させてしまったが。
気遣いが気違いに早変わりって寸法さ。洒落が効いてると思わないか、ジェイク? HA-HA-HA!!

……最近、祐子が何か痛ましいものを見るような視線を僕に向ける。どうにかせねば。


庭の隅にある土蔵の裏手で、かの少女がぽつねんと佇んでいるのを発見。
周囲に人影は無し。母さんと妹は、親族の女性陣と一緒に夕飯の仕度をしているはずだ。
例の相談をするには絶好の機会と言える。さっそく実行に移す。

「……話が見えませんね。要するにどういうことですか」
「うん。つまりその、僕に話しかけるのをしばらく止めてほしいかな、って」
「何故」
「……妹が怖がるから……僕のことを」
「ああ、妹さんや他の方には私が見えませんからね。無理も無いでしょう」
「ここ二、三日の間で、祐子に4、5回は目撃されてるんだよね……君との会話を。
 実の兄が『見えないナニカ』と語り合ってる姿って、多感な年頃の女の子にはどう思えるだろう?」
「私が妹さんだったら、他の家族と協議の上しかるべき施設に収容します。
 あなたが泣こうが喚こうがそうします。そして見上げた青空にはあなたの笑顔が大写しです」

死んでる。それ死んでる。
というかすげえ嬉しそうに語りますね。Sっ気隠そうともしませんか。

「これ以上心配させるのは嫌だからさ。……頼むよ」
「……ふん。なんですかいつになく神妙な顔で。そんなに妹さんが大事ですか?」
「そりゃまあ。かわいい妹だし、これからも兄妹仲良くやっていきたいし」
「…………………」

258:7/14
06/02/19 00:53:15 ZRt22Wt10
そうなのだ。他の家庭がどうなのかは知らないが、うちは幸いにも親子仲や兄妹仲が良好だ。
妹の祐子は4つ年下の中学二年生。まだ少し子供子供した部分が抜けきらないとはいえ
身内贔屓を差し引いても気立てが良い子で、小さい頃から僕を無条件で慕ってくれたかわいい奴なのだ。
義理チョコとはいえ、手作りしてくれるんだよ? ゴディバ買ってくるよりは手間かかりますよ?
つうか強そうな響きだよね、ゴディバ。RPGなら中ボスくらい務まる名前だよね。
>ゴディバがあらわれた! コマンド?→ 
何の話だったっけ……えーと、そうだ、つまり

「というわけなんで、その方向でひとつお願い」
「前向きに努力させて頂く所存です」
「いや、あの。そんな日本的玉虫色回答じゃなくて。はっきりと……」
「社に持ち帰って検討させていただきます」
「勤めてないだろう。ネバーエンディング無職だろう君は」
「……はあっ……わかりました。これからしばらくは話しかけることをやめましょう」
「え? マジで?」
「失礼な言い草ですね。あなたが言い出したことでしょう?」
「うん、そりゃそうなんだけど……君がこんなにあっさり折れてくれるとは思わなかったから」

いつもの5割増しくらい罵倒された上で折れると思っていた。彼女の意志がではなく僕の心が、だ。
僕は基本的にも応用的にも弱気なので、意志や決意がポッキーより折れやすい。

「ありがと、そうしてもらえると助かるよ」
「勘違いしないことです。妹さんのため、という点を考慮しただけですので」
「わかってる。じゃあ、ここからはそういう方針でいこう」
「…………」

259:8/14
06/02/19 00:54:02 ZRt22Wt10
彼女はさっそく黙り込む。うむ、実践が早い。
ちょうど夕飯が出来た頃だし、妹が僕を探しているかもしれない。
やがて軽い足音が近づいてきて―
「……お、お兄ちゃん、晩ごはんできたよ……」

ビンゴ。
まだ少し及び腰とはいえ、それはすぐ元に戻るだろう。
妹よ、もう兄のサイコな言動に心を痛めなくてもいい。
兄が拘束衣を着せられて何処ともわからない施設に収容されることは無い。
……多分。

「今行く。ちなみに今夜のメニューは?」
「あ………うん、あのね、なんかこっちの名物料理みたいだよ。
 すっごく美味しそうなの。加南子伯母さんたちもはりきっちゃって……」
「祐子も手伝ったんだろ?」
「わたしはじゃがいもとか剥いただけだし」
「芽には毒がある。これ、トリビア」
「あははっ、そんなの皆知ってるってば」

楽しそうに話す祐子の頭越しに、ちら、と土蔵の方を窺う。
少女はじっとこっちを見ていた。土蔵の白い壁に紅い着物が良く映えている。
この距離ではどんな顔をしているのかまでは分からない。分からないが……。

なぜだろう。なんだか、自分がいじめっ子になったような気がした。

260:9/14
06/02/19 00:54:46 ZRt22Wt10
彼女の意志は、僕と違って強固だった。
少女は翌日から一切僕に話しかけてこないようになった。
ただ、姿が見えるのは相変わらずなので妙に気詰まりがする。
例えばこんな風に、親族や家族と和気あいあいとした朝食を摂っていても。

「……………………」
「……あー、こ、この漬物美味しいですね」
「あら、そういって貰えると嬉しいわねー。これ自家製だから」
「……………………」
「う、うん、ほんと美味しいなあ、この漬物っ!」
「……………………」

真正面、食卓上空に正座して僕をまじまじと眺める少女霊が居なければ
もっと美味しいかもしれない。彼女はとても恨めしげな顔で僕を睨んでいる。
そもそも幽霊だから、そういう顔をしているのが正しい在り方なのかもしれないが、
小馬鹿にしたような顔や呆れ顔でなく「恨めしそう」な顔というのは初めて見る。
怖いし、消化に良くないし、非常に居心地が悪い。
内心で冷や汗をかきながら機械的に箸を動かしていると、伯父と父さんの会話が耳に入ってきた。

「いつごろまでこっちに居られるんだ?」
「ああ……仕事もあるから、あと2、3日がせいぜいかな」
「もっと居りゃあいいのによ。お前は親父とあんまり折り合い良くなかったけんど、
 別にもう誰も気にしねえやさ。20年ぶりに帰ってきた家だろうが」
「そういう訳にもいかないよ」
「ま、無理にとは言わんけどよ……」

父さんと祖父の折り合いが悪かったというのは初耳だ。
そう言えば、小さい頃に遊びにいく「じいちゃんばあちゃんの家」は母方に限られていた。
もし、この家をもっと小さい頃から訪れていたら

「……………………」
……この子とも、無心で仲良くなれただろうか?

261:10/14
06/02/19 00:55:29 ZRt22Wt10
夕食後、あてがわれた客間でぼんやりしていると、祐子がトランプを持って遊びに来た。

「なんかこう、もっとデジタルでハイテクな遊具は無いのか?」
「でも……たまにはこういうのも面白いと思うよ」
「じゃあ僕がトランプタワー作るから。祐子はそこで指咥えて見てろ」
「お兄ちゃん一人を楽しませるために持ってきたんじゃないのっ!」

「………………」

やがて彼女も来た。話しかけてくるわけでも無い。ただ僕と祐子を見ているだけだ。
ポーカー、ブラックジャック、神経衰弱。室内には僕と祐子の笑い声だけが響く。
やがてゲームはババ抜きに移行する。
2のペア、7のペア、クイーンのペア、残るジョーカー。
エースのペア、3のペア、6のペア、キングのペア、余るジョーカー。

彼女はただ見ている。恨めしそうにではない。何か眩しいものを見るように。

僕は、手の中のジョーカーを見ながら思う。
なんでこのカードだけペアにならないんだろう。
当たり前だ。だってこれはそういう遊びだから。
誰かが勝手に決めたルールで「仲間はずれ」になってるだけだ。
僕が悪いわけじゃない。祐子が悪いわけじゃない。だけど―

「だけど、君だって、悪くないはずだ」

はっきりと、彼女を見据えて言った。
祐子が目を丸くして僕を凝視するが、構わない。
元は自分で言い出したことだけど、僕はやっぱり意志が弱いから。
彼女は確かにそこに居るのに無視し続けるなんて、こんなのは嫌だ。

262:11/14
06/02/19 00:56:45 ZRt22Wt10
「君、カードに触れられる?」
「………………」

少女は祐子に劣らず目を丸くしていた。何を言い出すのか、と。
あんなに妹を気遣っていたのに今更何のつもりか、と。

「……お、にい、ちゃん。あ、あの……その……」
「祐子。僕は気が狂ってるわけじゃない。少しだけ待ってくれ」
「お兄……」
「触れられるなら、このカードを持って」

クイーンのカードを手渡す。彼女にはぴったりだと思ったから。
少女は覚束ない手付きでカードを持つ。隣では祐子が息を呑む気配がした。
彼女の姿が見えない祐子にしてみれば、空中にカードが浮いているようにしか見えないはずだ。
怖がらせないように細心の注意を払って、告げる。

「祐子。彼女が、僕のここ数日の話相手だよ。この家のずっと前のご先祖さま」
「……………」
「……………」

少女の唖然と妹の呆然を交互に眺める。
祐子は宙に浮くクイーンを見たまま固まっている。少女はクイーンを手にしたまま目を泳がせている。
僕は言葉を重ねていく。

「生きてる人じゃないけど、悪い存在では無いと思う。
 祐子には見えないだろうし、他の人にも見えてない。僕だけが見えた」
「…………ゆうれい、なの?」
「うん。でもすごい綺麗なんだぞ。だけど口が悪い。めちゃくちゃ悪い。
 容姿端麗という美点を相殺どころか虐殺するくらい悪い。そんな美少女霊」
「………私を驚かせたいのか怒らせたいのか、どちらですか?」
「いやもうこの期に及んで、君にそんな風に睨まれても怖くないもんね!
 でさ……どうだろう、祐子。彼女も交えて三人で遊ばないか?」 

263:12/14
06/02/19 00:57:30 ZRt22Wt10
視線を僕に戻した祐子は、大きく深呼吸をひとつ。
クイーンの方向に身体を向けて正座して。
柔らかく笑いながら。

「はじめまして。祐子です」
「………………はじめ、まして………」
「はじめまして、って言ってる。あ、そういえばまだ君の名前聞いてなかったなあ……」
「…………お兄ちゃん、それすごく失礼」
「祐子さんは、お兄さんと違って礼儀正しいのですね」
「………祐子はお兄さんに似て礼儀正しい、と言ってる」
「くうっ………わ、私の言葉が捻じ曲げられていきますっ……!」

それからはまあ、わざわざ書き記すまでもない。
僕らは彼女にルールを教えながら、色々なゲームに興じた。
話していた時の印象どおり彼女はとても聡い子で、簡単な説明と数回のゲームでルールを理解した。
セブンブリッジでは祐子と共謀して僕に足止めを食らわす、という段階にまで進化していたほどだ。
僕という通訳を介して、祐子はあっという間に彼女と仲良くなり、

「……お兄ちゃんの通訳、ところどころヘン。ちゃんと正しく伝えてる? うそ言ってない?」
「ば、ばっかだなあ祐子は。僕が嘘なんか言うわけがっ」
「素晴らしい。この三流通訳の意図的な誤訳を看破するとは……」
「祐子は素晴らしいと言ってる」
「その後も伝えなさい。一言一句違えずに」
「こ、この三流通訳の、ぐすっ……意図的、な………」

気付けば僕の味方はいなくなるほどだった。

264:13/14
06/02/19 00:58:18 ZRt22Wt10
僕たちはその後もそんな感じで、日々を楽しく過ごした。
ただまあ、楽しい時間というのはいつか終わるもので。

「もう……ここを発つのですね」
「う、うん。そろそろ父さんの仕事が詰まってきてるらしいんだ。だから……」
「祐子さんに宜しく伝えておいてください。楽しかったです、と」
「そんな、もう二度と会えないみたいな言い方は止そうよ」
「……………あなたにも、感謝します。今度のことは類稀な経験でした」
「……………だから、そういう言い方は……」

淡々と紡がれる寂しげな声色が僕を打ちのめす。何か言おうとしても、上手い言葉が出てこない。
何か、何かを言わなければ。ただ焦るだけで空回る思考。その時、外から僕を呼ぶ声がした。父さんだ。
既に僕たちの荷物は親族からの土産と共に車に積み込まれ、後は僕というかさばる荷物が残るだけ。
祐子はもう車の中にいるはずだ。朝から泣きそうな顔をしていたから、彼女にその顔を見せたく
なかったのだろう。ふと、自分の行動を振り返る。彼女にも祐子にも残酷なことをしたのだろうか、と。
今生の別れでは無いにせよ、またしばらくの間この家を訪れることは無いだろう。
彼女はまた一人ぼっちになり、祐子はその姿を想像して心を痛める。無論、僕だって。
俯いたまま立ち尽くす僕の耳に、ついさっきまでとは打って変わって明るい声が響いた。
―明るい、声?

「……これなら、今後にも楽しいことがあるかもしれませんね」
「えっ?」
「見えなくても、声が届かなくても、触れ合えるということを知りましたから」
「…………えっと……」
「ではまた後ほど。幾久しくお健やかに」

つま先を眺めていた顔を上げると、ふらりと宙に浮く彼女と目が合う。彼女は……笑っている。
冷笑でも自嘲的な笑みでもない。年相応に悪戯っぽく、でも花が咲いたように魅力的な笑顔だった。

「………騙された、か。ははっ」

そうして、広い部屋には彼女の演技に騙された間抜けだけが残った。

265:14/14
06/02/19 00:59:01 ZRt22Wt10

とある、夏の情景。



「おとーさん。あのね、おくのおへやに、ね。おねえちゃんがいたの」
「………どんなお姉ちゃんだった?」
「あかいおきものきてるの。きれいなひと」
「結花は、その人とお話ししたか?」
「うん、あのね、あのね……えと……
『こんどはどんなあそびでまけたいか、おとーさんにきいてきなさい』って」
「………『のぞむところだ、このさびしんぼう』って、そのおねえちゃんに伝えてきなさい」
「うん!」








終わり。……前よりさらに長くなった。マジごめん。

266:本当にあった怖い名無し
06/02/19 01:00:23 85pesOZL0
君は「ツンデレ初心者」さん?
トリつけなよ

267:本当にあった怖い名無し
06/02/19 01:12:52 fYt3oJR00
ちっげーよ!このノリは…148とみた!

268:本当にあった怖い名無し
06/02/19 01:17:00 85pesOZL0
そだね^^
いい感じのノリだw
>>266の時点ではまだ読んでなかったから勘違い。

とりあえずID:ZRt22Wt10 GJ!!

269:本当にあった怖い名無し
06/02/19 01:59:37 fj9mVJ7c0
>>251-265

ぐっっ…… GJなんて言わないんだからっ……!!!


これから酉も付けて、もっと、もっと作品を書かなきゃ 許さないからねっ!!!

270:本当にあった怖い名無し
06/02/19 02:41:45 IfXgWb9bO
ん?>>140-148
の書き込みか?
どー考えても素人の書き込みじゃねーな。
高橋留美子あたりの短編集に匹敵する出来栄えだ。

271:本当にあった怖い名無し
06/02/19 02:53:54 V2Q6t4Mn0
今までの作品見て思ったんだが、ツンデ霊はテレビ好きなのな。


272:本当にあった怖い名無し
06/02/19 03:51:42 0Yg2k3s20
確かに>251-265の作風は>140-148の作風と似ている。
特にその後の描写をいれたりするところが。

273:本当にあった怖い名無し
06/02/19 04:03:47 5ryOdYIC0
>>251-265
なにかホッとする話でとってもよかったお(´・ω・`)

274:本当にあった怖い名無し
06/02/19 05:16:47 PpfJZxwv0
すごいね
sneg?ってな乗りではあるけど完成されてるよね

275:範馬雄子はツン
06/02/19 07:40:20 L5alWjBmO
裁判所で元彼女に慰謝料1300万の支払いを命じられた俺と女。
 
「…で、どうしたらよいのでしょうかね?」
「黙れィ下郎が!
それを考えるのが下僕たる貴様の役目だろうッ!
脳髄ブチ撒けられてぇか!あぁ!?」
傲然と言い放つ女。
 
「や、やはり地道に働いて返済しましょうか?」
「却下だッ!面倒臭いからな!」
「じゃあ街金?」
「阿呆がァ…そんなモンよりあるじゃねぇか、金目のモンがよぉ」
「え…?」
「肝臓と角膜、どちらがいいか選ばせてやるッ
感謝しろ、薄汚い家畜野郎が!」
 
グ チ ャ
 
それ以来私の右目は義眼です。


276:本当にあった怖い名無し
06/02/19 08:47:35 V2Q6t4Mn0
>>275は48さん?w

それはただの怖い人じゃぁ、ないでせうか…

277:本当にあった怖い名無し
06/02/19 09:23:12 jANLkbi8O
これが とり殺される ってことか……

278:本当にあった怖い名無し
06/02/19 12:00:03 3tuNDL4WO
久々に来たらクオリティ高い作品が多くて気後れするけどこれから書いてみる
かっ、書き上がり次第投下するから待っててなんて言わないんだからっ

279:本当にあった怖い名無し
06/02/19 12:10:18 4nkohz0P0
>>278
wktk

280:本当にあった怖い名無し
06/02/19 13:41:58 IfXgWb9bO
>>275
気持ち悪いし面白くないから、もう書き込まないでくれないかな?

281:本当にあった怖い名無し
06/02/19 14:04:38 1ANpDNJP0
>>280
君もね

282:本当にあった怖い名無し
06/02/19 14:52:57 YjYMGolj0
>>275
ツンデレのツンは暴力じゃない

283:本当にあった怖い名無し
06/02/19 15:10:34 ax2QqgrZ0
>>275
なんかさぁ、読んでて後味悪いっつーかスレの趣旨を勘違いしてないか?

284:本当にあった怖い名無し
06/02/19 15:28:27 1274nxQi0
さすがに右目とか喉仏つぶすとかはちょっとな・・・

285:本当にあった怖い名無し
06/02/19 15:29:23 sXAvKSQC0
一人暮らしの僕は、さみしさからハムスターを飼っていた。
僕の本当に大切な心の拠り所だった。
よく懐いてくれて、手から喜んでエサを食べた。
嬉しかった。

だけど、学校の帰り道・・・・僕は信号無視の車にはねられ
病院に担ぎ込まれてしまったらしい。

らしいというのは、一月意識がなかったからだ。
気がついた僕は一月後だった。泣いている両親の顔を見上げ・・・
はっと気づいた。
ハムスターは・・・一月もほったらかしてしまった!

それから三日後、僕はアパートに帰る許可を貰った。
両親が付き添うといったが、田舎から出てきていたし、仕事や妹もいる。
帰らせた。なにより・・・ハムスターの埋葬の道のりなんだ。
一人でいたかった。

「・・・ただいま」
誰に言うともなく、部屋に入ると
「ちょっ・・・何やってたのっ?!あきれたわよっ」
という返事が。驚きながらも部屋を見ると、出掛けに散らかっていた部屋は
綺麗に整理され、なにより・・・
ハムスターも元気にこちらを見ていた。
「・・・ふん。貴方のためじゃなくて・・・ハムスターがかわいそうだから」
声はするけど、姿はどこにもない。
でも・・・こちらを見てわさわさと動くハムスターは元気なままだ。
ゲージの中も綺麗に清掃されていた。
「・・・・ありがとう」
「な・・・勘違いしないでよねっ」

ただ・・・ハムスターは一月の間に飼い主を完璧に取り違えていて、僕を忘れていた

286:本当にあった怖い名無し
06/02/19 15:57:07 ax2QqgrZ0
>>285
続きあるよね?
wktkしていいよね?
ね?ね?ね?

287:本当にあった怖い名無し
06/02/19 15:57:09 sXAvKSQC0
噂には聞いていた。
このアパートが安いのは、でるからだって。
でも僕はそういう感覚がなかったし、出るなら出るでいいと思っていた。
寂しくないから・・・・

でも。今は2重の寂しさを味わっている。
僕が寝ている間。学校に行っている間に、ハムスターはエサを食べ、掃除も
されている。僕がゲージを覗き込むと巣に隠れてしまったりした。

「・・・・どうして」
ポツリとつぶやいたとき、誰もいない部屋。僕の背後から声がした
「・・・な、ならっあたしを世話すれば、いいじゃないっ」
「え・・・?」
「だっだからっあたしがハムスターを世話するから貴方がわたしを世話するのっバカね」
・・・姿も見えない。僕はあの日以来おかしくなってしまったのだろうか。
「・・・その・・・悪かったかなって思ってるのよっでもでも、あのままなら死んじゃってたし」
「うん。ありがとう。世話してくれて・・・でも、君を世話って・・・どうすればいいんだろう」
おかしな話だが、僕は新たな拠り所が欲しかったのかも知れない。
「ふんっ・・・自分で考えなさいよっそれくらい」
さっきまでの弱気なトーンから、一転して何か弾む声が響いた。
僕は新たな世話をしなければいけないらしい。たぶん・・・出るといわれていたものの。

早速僕は、塩を持ってみたのだが、夜中えらい剣幕で起こされた。
「あ・・・あんたバカッ?!それともわたしをお祓いしたい訳っ?!」

塩はダメらしい。ひまわりの種もダメだったし。前途は多難だ

288:本当にあった怖い名無し
06/02/19 16:10:06 sXAvKSQC0
同じクラスに、いわゆる霊感少女がいる。
普段は会話もないんだけど、僕は途方に暮れていたので彼女に
相談してみた。彼女は僕の斜め後ろを見やり
「・・・なるほどね。じゃ、耳貸して」
と顔を寄せてきた。耳打ちというやつだが、ドギマギしてると
やっぱり斜め後ろを見つつ、ニヤッと笑い
「・・・早く。・・・ふふっ怒ってるよ?」
といった。斜め後ろにいるのだろうか?ハムスターの世話もせず。

彼女から聞いた知恵を持ち、僕はコンビニでワンカップを買って帰った。
身分証を見せ、親に買って帰るんだとなんとか説き伏せて買ったんだ。
お神酒というらしい。これを部屋に置けばいいとの事だった。

半分封を切り、巣から出てこないハムスターに寂しく思いつつも就寝した。
今日は・・・・黙ったままだったな・・・・・

「ちょっとぉーっ起きなさいよぉーっもぅーっっ」
夜半。午前2時頃、いつのも声で僕は起こされた。
心なしかろれつが回っていないような?
「・・・なに・・・どうしたの?」
「どしたのじゃ・・・ないわよぉっなんなのあの娘はぁー・・・ふぃー」
真っ暗な部屋の中、半身を起こした僕の目の前から声がする。
心なしか酒臭いような感じさえした。
ハムスターの回す回し車のカラカラという音が響いている。
「なんなの・・・って。相談したんだよ、君の世話について」
どぎまぎしながら答えると、ため息のような音がした。
「・・・・考えなさいよぉ・・もぅーっもぅーっっ・・なによもぅーっっ」

翌日。お神酒として置いておいたワンカップは空になっていた。
次は自分で考えよう。右斜め後ろに僕は目を送り、うなづいて部屋を出た

289:本当にあった怖い名無し
06/02/19 16:29:22 sXAvKSQC0
それからしばらくして、僕はインフルエンザで寝込む事になった。
一人暮らしで寝込むのはとても辛い。
病院にも行けず、とりあえずありもので食べつなぎ、衣服もあるのを
着替えて昏睡するかのように寝ていた。
ただ・・・例の声の主が汗で汚れた服を洗濯してくれ、額に濡れたタオルを
あてがってくれていた。
「・・・・ありがとう・・・・」
痛む喉でかすれた声を出し、独り言のようだけどお礼をいうと
「ふ・・ふん。わたしがとり殺すならともかく、風邪で死なれちゃ困るからよっ」
といった。だが何か声が嬉しそうだったのは、気のせいだろうか・・・。

一週間後、お陰様で。本当にお陰様で僕は元気になった。
うちにないはずの桃の缶詰とかが枕元にあったりと、本当に世話になった。
「ありがとう。助かったよ」
いつものように僕は見えない相手にお礼をいった。
そしてふと・・・ハムスターのゲージを見やった。こいつにも心配をかけ・・・
ゲージは荒れ放題で、掃除はおろかエサも満足にやっていなかったようだ。
「な・・・何やってるんだっ?」
思わず声を荒げると、台所の方から声がした。
「え・・・っ?あ、起きたんだ。なっ何よっ」
「僕はハムスターの世話を君に託していたはずだよっどうしてこんななんだっ」
「な・・・・なーっなんですってーっっ」

その後二日口を聞いていない。思えば僕が悪かったような気もする。
ゲージはその後綺麗になり、ハムスターも元気だ。

290:本当にあった怖い名無し
06/02/19 16:42:41 4S0Li89+O
ハムスター←僕←ツンデ霊

何この図式w

291:本当にあった怖い名無し
06/02/19 17:38:39 V2Q6t4Mn0
>>289、GJ!

なんか、ほのぼのしたよ。

292:本当にあった怖い名無し
06/02/19 18:25:24 sXAvKSQC0
僕の話はここで終わりです。
終わりは作りません。
レスしてくれた人、ありがとう。
ハムスターの名前はハムポンです。

293:本当にあった怖い名無し
06/02/19 18:26:50 85pesOZL0
(゜д゜)エェェェェェエエ工工…

294:14/14
06/02/19 19:18:31 Cd59PwjS0
>>292
あくまでハムスター優先なのは何故なんだろうw

295:本当にあった怖い名無し
06/02/19 19:22:48 85pesOZL0
>>294
もしや>>251-265の人?
トリつけなよ、ね?

ちっ、ちがっ、次の話を期待してるからじゃないんだからっ!!

296:本当にあった怖い名無し
06/02/19 19:36:43 Cd59PwjS0
>295
あ、残ってましたな。うい、265とか書いたモンです。話がやたら長くなるのがダメダメですね。
前スレの306-310かな。アパート暮らしの学生と見えないツンデ霊さんのお話とか最高だと思うのですよ。
長さといい、描写の巧みさといい、結末といい。

297:本当にあった怖い名無し
06/02/19 19:42:13 85pesOZL0
>>296
だ~か~ら~、トリ付けなさいっつってんでしょ!?
付けないなら勝手にコテハン付けるわよぉっ!!

…あんたが、そのぉ…す、好き…とかじゃなくて…
そ、そうよ、他の人と区別するためよ!
それ以外にないんだからねっ!!

……ばか

298:本当にあった怖い名無し
06/02/19 19:42:24 sXAvKSQC0
僕はハムスターにハムちゃんと名づけていた。
呼ぶと巣で寝ていてもにゅーと出てきて鼻をくんくんさせたものだ。

「ハムちゃん」
久々に呼んでみた。あいつと喧嘩して、家でテレビだけがついている
生活が寂しかったからだ。
だが、ハムちゃんはかつてのように出てくる事はなかった。
がっかりしていると・・・

「ハムポーン。出ておいでーご飯だよー」

と声が背後からした。巣の入り口の綿がもそもそっと動き、にゅーとハムスターが
顔を出した。僕は軽いショックを受けつつ
「ハ・・・ハムポンってなんだっ?!こいつはハムちゃんだっ」
と抗議した。最初に名づけ世話していたのは僕なんだ。
「・・・ふふん。貴方が居ない間、私が世話したんだもん。ハムポンだもん」
すぐ背後から声がした。ふと見るとハムスターはいつの間にかひまわりの種を食べている。

悔しかった。僕はずっとハムちゃんと仲良しだった。
辛いときも悲しいときもハムちゃんに癒してもらっていた。
だのに・・・ハムポンになってしまったんだ。
「・・・・そういえば、君に名前がなかったね」
「・・・・?そういえば、そうね・・・」

僕に悪魔がささやいた。
「君の名前は・・・・レイポンだ」
「ちょ・・・なっ・・なんですって?」
「レイポンだーっっっ」

レイポンとは三日口をきいていない。呼んでも答えないからだ。

299:本当にあった怖い名無し
06/02/19 19:44:12 sXAvKSQC0
>>293
続きはちまちまと続けます。
誰かが続けたいのなら、誰でも参加して欲しいです

>>294
ハムスターが好きなんです。
っていうかレスいただけて感激ですw

>>295
ツンデレw

300:本当にあった怖い名無し
06/02/19 19:53:44 85pesOZL0
>>299
じゃぁ、あんたもトリかコテ付けなさいよ?
付けられないならあたしが付けてあげるわよ。

…う~ん、ハムポンにレイポン?
じゃ、あんたは【ポン介】ね。
口答えは許さないんだからっ!

301:本当にあった怖い名無し
06/02/19 19:56:26 Jy5BFsCX0
レイポンわろたwwGJ

302:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/19 20:15:14 sXAvKSQC0
夜半。一心不乱に回し車で走るハムポン・・・を見つめながら
僕はぽつりとつぶやいた。
「ハムちゃ・・・ハムポン。レイポンが全然答えてくれないんだ」
もう一週間がたとうとしている。どんな事があろうと、喧嘩しようと
晩御飯の洗物は翌日には綺麗に洗われていた。
「ふ・・ふん。気になっただけよっ」
朝目覚めると聞きもしないのに、そんな答えが返ってきたのに・・・
「レイポン・・・そんなにいやだったのかなぁ」
一心に回し車を回すハムスターを見つめていると
「・・・なにやってんだか♪」
背後から弾む声がかかった。
「レ・・レイポンッ」
「レイポンいうなっ」
いつものあの声が返ってきた。僕はほろりと流れた涙を見られたくなくて、
ゲージに顔を向けた。
「・・・ふふ。ちょっと事情があって留守にしたの。寂しかったでしょ?ねぇねぇ」
たぶん僕の情けない顔を見たのだろう。悦に入った声が響く。
「あ・・ああ。帰ったんだ?ふーん」
ハムスターが沈黙の中、たまに様子をみながらカラカラと回し車を回した。
夜半にその音だけが響いた。
僕は事情は聞かなかった。レイポンもいわなかった。
ハムポンはひたすら走った。
それでいい。それが僕たちだったから。

303:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/19 20:16:53 sXAvKSQC0
>>300
切り番ゲットおめでとう。素敵な名前ありがとう。
ミレレイ。300だから君はミレレイw

304:本当にあった怖い名無し
06/02/19 20:22:14 85pesOZL0
>>303
正直、それは無理。

305:本当にあった怖い名無し
06/02/19 20:35:33 sXAvKSQC0
「どうしてだいミレレイ。君はツンデ霊のはず・・・」
「死んでないからよっ」
ミレレイは天然ボケのポン介に突っ込んだ。
なんで名付け親になんてなってしまったんだろう。
今更ながら激しく後悔していた。
「だけどミレレイ」
・・・まったく話を聞いていない。こちらの都合などお構いなしなのだ。
「あ・・・あんたはハムスターの話でも書いてればいいのよっ」
「うん。それも書く」
・・・ダメだった。もはやミレレイと名づけられたかの者に逃げ場なんかなかった。
ほっといてもこいつは勝手に話を作るだろう。
天然とはそういうものなのだ

306:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/19 20:39:10 85pesOZL0


…orz


判ったよ、俺もそのうちなんか書くからその呼称だけは勘弁してくれ…

307:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/19 20:43:06 sXAvKSQC0
楽しみにしてるよ。ミレレ・・
85w

308:本当にあった怖い名無し
06/02/19 20:45:41 V2Q6t4Mn0
ポン介さんの、ほんま和むわぁ。

レイポンの姿が見えなくて語られてないのが、想像力かきたてていいw

309:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/19 20:58:49 85pesOZL0
ええい、もう自棄だ、>>300の通り
>>251-265にも名前を付けちゃる。

>>258のゴディバ関連のボケがラーメンズを彷彿とさせるから、
ID:ZRt22Wt10=ID:Cd59PwjS0、おまいは【運動場整備戦隊】な?
嫌とは言わさん、嫌なら次回作を早く貼るがよい。

310:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/19 21:00:34 85pesOZL0
間違いた、↑の>>300>>297ね。

311:本当にあった怖い名無し
06/02/19 21:02:14 Cd59PwjS0
かわいい。レイポンも主人公もハムポンも。
……でも、通称レイポンはもはや確定しちゃったんだなw

312:本当にあった怖い名無し
06/02/19 21:06:38 Cd59PwjS0
とか言ってたらなんか俺も確定されたっぽい。ピンチ。

今夜中にいけるかどうかはわかんないけど、なんか書いてみるよ。
目標は短めなやつ。

313:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/19 21:08:51 sXAvKSQC0
「運動場整備部隊かぁ・・・いい名前だと思うよミレレイ」
「ミレレイいうなぁっ」
幾度か繰り返されたツッコミを、律儀にミレレイは繰り返した。
もはやこの天然ボケにつける薬なんか現世にはないというのに。
「ミレレイって律儀だよね」
ほんわかと笑うポン介に、もはやツッコム気力もなかった。

こいつは本当に私をミレレイとして扱うつもりなんだ

運動場整備部隊はどう思うだろう。もはや運動場整備部隊という意外ないのだが。
ほぼ誤爆・・・・というかいいがかりのようにミレレイになってしまった私の気持ち。
少しは分かち合ってくれるだろうか。

「ミレレイ。お茶いれて」

このバカを祟り殺す意外道はないだろう。

314:85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
06/02/19 21:17:24 85pesOZL0
もうなんだかツンデ霊とは関係なくなってる希ガスw

てか実は俺は>>110だったのよね。
>>115にも
>評論するのは自由だが、せめて作品の改善点とかしゃべってみ。
>まぁ、にわか評論家の多くは自分じゃ書けん奴らが多いからな。

とか言われちゃって少しく奮起させられたから、現在2本構想中。
早ければ明日午後にでも出来るかしら?

315:本当にあった怖い名無し
06/02/19 21:37:02 V2Q6t4Mn0
>>313を何気なく読んで、
最後の部分「外道はないだろう」が目に飛び込んだ。
読み返して、どちらの意味でも面白いことに気付いた。

316:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/19 21:40:35 sXAvKSQC0
ハムポンがその日は巣に引きこもったまま出てこなかった。
折りしも日曜日。僕は家にいて、レイポンと他愛ない会話を楽しんでいた。
誰もいないはずの台所から鼻歌まじりに洗物をする音。
台所に追いやられ、誰もいないはずの居間から鼻歌まじりに聞こえる洗濯物を干す音。

いつもの風景だった。何も変わらない。

だけど・・・
「あら?ハムポンがキャベツ食べてないわ」
ただ、ハムポンのためだけに昨今高いキャベツを買わされていたのだ。
「え・・・そう?ああ、何も食べてないね」
僕は見えないレイポンと顔を見合わせた。これはおかしい。
いやしんぼのハムポンがこの時間、食べ物に手をつけないなんて。

「・・・病気なのかしら」
すっかりしょげかえった声が響く。僕の胸もすっかりそれで一杯だったが、
声をからして。あえて陽気にいった
「な、何言ってんだよ。ハムポンにかぎってそんな事あるもんかっ」
根拠なんて何もなかった。本当は胸が張り裂けそうだった。
ハムポン・・・どうしたんだハムポ

プーゥゥゥ

高音が響いた。沈黙の部屋の中に。
それにともない、あわわっと巣から顔を出すハムポン。
鼻を両手で何度もこする。その姿はまるで
『くっちゃーいっくちゃくちゃっっ』
といっているようだった。巣の綿から顔を出したハムポンは、鼻をくんくんさせると
エサ箱のキャベツ、固形のエサに突進し、食べ始めた。
「・・・・なんだよ」
「・・・あはは」
確かに、僕たちは顔を見合わせて笑った。

317:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/19 21:42:37 sXAvKSQC0
レスしてくれた皆さん。ありがとう。
ハムポン喜んでます。
レイポンもw
僕も嬉しいです。

318:本当にあった怖い名無し
06/02/19 21:49:49 4nkohz0P0
GJ、癒された。マジで。

319:本当にあった怖い名無し
06/02/19 22:23:28 XtUuIyFO0
もはや霊とか関係なくなってきた気がするが、こういう流れは大好きだ!!
みんなグッジョブ!!もっとヤレ!!

320:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o
06/02/19 22:26:24 sXAvKSQC0
あとは
>>314の話を楽しみに待つだけです。
ハムポンは目を輝かせて待ってます。
レイポンも・・・怒ってるからいいです。

321:ちょっとCMですよ
06/02/19 22:29:57 X8StIsOj0
「ねえマイク、最近困ってることがあるの」
「なんだい、ジェニー」
「ラップ音がすごくて夜も眠れないの」
「ああそれはタイヘンだ! でもコレがあれば大丈夫!」
「マイクが右手に持ってるステキデザインのそれはなに?」
「これが新開発の強力除霊アイテム、アブゴーストクリーナーさ!」
「胡散臭さ大爆発ね! ほんとうに効き目があるのかしら?」
「まあ見ててごらんよ。今回は怨霊界のスーパースター、カヤコで試してみよう!」
「……みんな……呪い……殺してやる……」
「きゃあ! で、出たわ! ムリよ! ぜったい殺されちゃうわ!」
「うーん、さすがカヤコだね。スゴい迫力だ! さあ、うまくいくかな?」
「は、はやくして! なんかあたしの方を超見てるもの!」
「使い方はカンタン! ノズルを怨霊に向けてスイッチを入れるだけ!」
「……愚か…そんな…オモチャで…私の…呪いからは……逃れられ……!?」
「ほ~ら、どんどん吸い取っちゃうからね!」
「……あ…あぁ? ……す~い~こ~ま~れ~るぅ~……」
「ほら、これで終わりだ。カンタンだろ?」
「すごいわマイク! あんなにしつこかった怨霊がこんなにキレイになくなるなんて!」
「いまなら隅にたまった怨霊も吸い取るアタッチメントもサービスするよ!」
「これで除霊もラクラクね!」


「……良かった…かしら。……あんな…小芝居で……?」
「ああ、カヤコ! すごかったよ! 注文が殺到してオペレーターも嬉しい悲鳴さ!」
「……わ…私…役に…たったのかしら……?」
「もちろんさ! キミがいなかったらあのボッタクリ商法は成功しなかったよ!」
「……べ…つに。……ギャラが良かった…から。……それじゃ……」
「ギャラ…って。誰もキミへの振込み先を知らないよ……」

322:本当にあった怖い名無し
06/02/19 22:38:40 4nkohz0P0
>>321
ワロス

323:本当にあった怖い名無し
06/02/19 23:14:24 rzLMA7Sx0
今1スレ目からここまで読んだ

鼻血がでた

324:本当にあった怖い名無し
06/02/20 00:39:39 4i12X5in0
運動場整備戦隊、という単語から学校を連想したのでそういうのを書いてみた。
では、5レスほど。

325:本当にあった怖い名無し
06/02/20 00:40:46 4i12X5in0
「先輩、こんばんは」
「……………」

挨拶をしても先輩から返事が無いのはいつものことなので、特に気にしない。
自分が通う高校の、それも真冬の屋上なんかに夜遅く足を運ぶのは、ひとえに
先輩に会いたいがためだ。

「……………」
「……………」

そうして、いつもの沈黙が訪れる。
手すりにもたれて夜空を眺める僕と、少し離れた場所で街を見下ろす先輩。
別に先輩は、僕の部活の先輩というわけでもない。この学校の数年前の制服
を身にまとっていることから推測して、僕が勝手に「先輩」と呼んでいるだけだ。
こんな奇妙な状況になったのは、友達が話してくれた噂話がきっかけだった。
彼曰く

・屋上に幽霊が出る
・時間は夜9時~深夜0時くらい?
・女の子
・制服はデザイン変更前のもの
・屋上から飛び降りた? 

まあ、どこの学校にもありそうな噂話ではある。興味の薄い反応を示した僕に
「お前確かめてみ?」と薦めたのも彼だった。その理由は良く分かる。
僕の家は、学校から見て県道を一本挟んだ向かい側。家の玄関から校門までの直線距離、わずか80m。
「遅刻が許されない男」という異名を持つほど家が近いのだから。

「…………星、綺麗ですね」
「……………」

326:本当にあった怖い名無し
06/02/20 00:42:03 4i12X5in0
それでも、実際に確かめようとしてこうなったわけでもない。
ある夜、試験勉強の合間に新鮮な空気が吸いたくなって、窓を開けて学校の方角に深呼吸。
その時見えたのだ。屋上に佇む、夏服を着た女の子の姿が。暗闇の中に鮮明な白さで。


それからの行動は迅速だった。好奇心半分、怖いもの見たさ半分で家を出て、学校に向かう。
校舎裏手のフェンスを越えて非常階段を昇っていく。いまいち警備体制の甘い我が校は
各所が老朽化しており、その修繕も先延ばしになっている。
かくして鍵の壊れた扉は施錠されることもなく、屋上への道のりは容易く開けているというわけだ。
扉を静かに開けて、暗い屋上を見渡す。たしかあの人影は、給水塔近くに―
「いた………」

季節は冬。ダウンジャケットを着ていてすら冷気を感じるというのに、その影ははたして夏服だった。
ゆっくりと近づいていくにつれ、その姿がより鮮明になっていく。折れそうに細い体躯、脱色も染色も
していない黒髪はさっぱりとショートにまとめられ、清潔感がある。年は………僕より少し上だろう。

「…………?」
「……………あ、えーと…」

距離が5メートルをきったあたりで、街を眺めていた彼女がゆっくりこちらを向いた。
血が出ているわけでも顔がザクロのように割れているわけでもない。綺麗な顔だった。
どこか夢を見ているような瞳が、僕をじっと見据える。なんだか値踏みされている気分になる。

「……………こんばんわ」
「……………」

挨拶は返ってこない。彼女はただじっと僕を見て、やがてまた視線を街の方角へむける。
ホラー映画の霊のように生者への害意はなさそうだが、少なくとも歓迎はされなかったらしい。
彼女の白い横顔を眺める。澄んだ真冬の空気に劣らない透明感がある。

327:本当にあった怖い名無し
06/02/20 00:43:19 4i12X5in0
「あの……先輩、って呼んでいいですか?」
「……………」

それでもこちらの声は届いているようで、彼女がもう一度こちらを向く。
先ほどよりは長い時間僕を見つめて、また視線を戻す。勝手にしろ、と言わんばかりの素っ気無さだ。
だから僕は
「じゃあ、勝手に先輩って呼びますね」

勝手にして、いまだに勝手にそう呼び続けているというわけだ。


足しげく屋上に通ううち、無表情で無口な先輩からも少しずつ反応を引き出すことが出来るようになった。
相変わらず声は聞けないが、僅かな表情の動きや仕草が言葉代わりだ。
その日学校であったことを話している最中、先を促すように視線を向けてきたり。
最近の携帯の話が良く分からないらしく、小首をかしげてみたり。
先輩自身のことを聞こうとすると、気分を害したようにぷいっと顔をそらしてしまったり。

―つまり、なんというか。先輩は可愛かった。

328:本当にあった怖い名無し
06/02/20 00:44:07 4i12X5in0
その後も、僕の学校においての日常は、多くの人がそうであるように特にエキサイティングでも
ドラマチックでもなかった。試験前に一夜漬け、友達との馬鹿なやりとり、気になる女の子と
ちょっといい雰囲気になったり、その子に彼氏が出来てガッカリしたり、ありふれた日常が巡っていく。
それなりに楽しくて、すこしだけ退屈な日々。

「……だから、この非日常が凄く大切だったような気がする」
「……………」

星の降ってきそうな屋上で、先輩にそう言った。僕が先輩と初めて遭遇してから約二年。
さすがに毎日会いにこれたわけではないにせよ、これだけ長い期間幽霊を目撃し続けた人間はいるのだろうか、
と考えて少し可笑しくなる。

「今日が卒業式だったから、きちんと挨拶しなきゃと思って」
「……………」
「先輩、いい思い出をありがとうございました」
「……………」

結局僕は、先輩について何も知らないままだった。彼女が誰で、何故ここにいるのか。
知りたい気持ちが無かったと言えば嘘になる。でも、雑多な噂や伝聞で先輩を決め付けるのは嫌だった。
長い期間、僕の愚痴や他愛も無い話をただ静かに受け止めてくれた、綺麗で可愛い先輩。それで充分だ。
今夜、僕ははわざわざ制服に身を包んでここに来た。先輩に、僕のキチンとした姿も見て欲しかったから。

329:本当にあった怖い名無し
06/02/20 00:44:53 4i12X5in0
「……多分、もうここには来ません。
 もし僕みたいなのがまた来たら、そいつの話も聞いてあげてくださいね」
「…………」
「それじゃ、さようなら先輩」
「…………」

別れを告げると、不意に先輩が動いた。ゆっくりと僕に歩み寄り至近で止まる。
それはほとんどキスのできる距離だ。幽霊も生者も関係無く僕の胸が激しく高鳴る。
これは―期待していいのだろうか?

「………先輩」
「……………」

距離が、更に詰まる。僕の制服の胸に先輩の細い指が触れて―

「あ、あれっ? 先輩?」

そのまま先輩が消えた。陽炎みたいに、消えた。

「……………えっ?」

状況が飲み込めない。消える寸前の先輩の表情を思い出す。
いつも通りの無表情。その顔の中、黒目がちな瞳だけが先輩に似つかわしくなく笑っていて。

330:本当にあった怖い名無し
06/02/20 00:45:53 4i12X5in0
「………なんだったんだろ」

首を捻りながら屋上を後にする。何を考えているのか分からない人だったが、今夜の先輩は特に謎だ。
一人になると急に寒さが堪えてきて、コートの前を締めようと目線を下げる。
そこに答えがあった。

「あれっ?」

制服のボタンが、一つだけ無くなっている。悲しいことに全て揃っていたはずのボタンが。
そこは消える寸前の先輩が手を添えていた箇所で。

「………言ってくれればいいじゃん。なんなら全部あげたのに」

頬が緩むのを止められないまま、僕は呟いた。






終わり。6レスだった……まだ長いね。もっと短くできんものか。

331:本当にあった怖い名無し
06/02/20 01:06:31 oePnWecw0
(*゜∀゜)


( ゚Д゚ )

332:本当にあった怖い名無し
06/02/20 01:11:25 dq9QiDSR0
フィィィィバァァァァァァァッ!!!
無口なツンデ霊もイイ!!
私は長くても一向に構わん!むしろ今の具合は短編として丁度良い!!

333:本当にあった怖い名無し
06/02/20 01:14:55 1L+SJapV0
まったく喋らないツンデ霊なんて初めて見たw
(・∀・)イイ!


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