06/01/21 12:09:15 G6K0XVYB0
征矢清氏の書いた「猫になった少年」がトラウマ。
この話自体はとてもいい話で、きれいな涙が出るような感じなんだけどね。
ちなみにストーリーは。
主人公の少年が、偶然知り合った外人から魔法のメガネを(ご飯をあげることで)買う。
主人公はその場で半信半疑でメガネをかけてみたところ、魔法によって猫の半生を生きる。ッて感じのストーリー。
で、トラウマ部分なんだけどさ。この主人公の世界の背景で、原爆かなにかの開発が進行してるって話なんだよ。
そして猫になった少年は、猫の世界からの目でそれを見つめるの。
猫の世界でもこの問題は結構重要でさ。長老猫とか、学者猫とか色んな猫がこの問題を考察して対応したりすんだよ。
まあ、詳しいストーリーは自分で読んで欲しかったりすんだけどさ。
結局大まかなストーリーは、人間世界を擬猫化したもので、一種喜劇的にされた感じの重さがあまり目立たない非常に技巧的なストーリー。
でも猫を通す事で、人間社会の問題が純化してるんだよね。
もう十年近く前に読んだんだけど、猫を通して社会の問題を見せさせられる事でこんなに胸に迫るものかと思ったよ。
人間の身勝手さや、猫が段々と人間に対して絶望していく様がリアルで、もやもやとしたトラウマになったよ。
でも、猫好きな人やそうでない人にも一読をお勧めする。
社会問題に対するトラウマと、胸に残る感動で複雑な気分になるよ。