【投稿者は】何でも良いから怖い話【神様です】at OCCULT
【投稿者は】何でも良いから怖い話【神様です】 - 暇つぶし2ch283:本当にあった怖い名無し
06/01/20 02:41:24 fIe9z0ijO
前スレからのコピペに何の意味がある?馬鹿か。

284:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 02:53:05 phTZ3kIL0
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名前: コンコン1 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 03:40:51 ID:gDmsj/9w0
俺がガキの頃、お盆時期に九州の親戚の家に遊びに言った。
そこはオヤジの実家で、親戚の家が近くに沢山あるので、親類が集まると、それは
大変な人数になってしまう。しかも俺も含めてガキが沢山いるので、みんなで泊まると
なると部屋がいっぱいなので、親御さんたちが車を出してくれてみんなで海に
遊びに行った。昼間は海で遊び、夜は海岸の近くのホテルにみんなで泊まったのだ。
部屋は男子グループと女子グループにわけられ、子供たちの部屋は廊下の一番奥の
配置された。俺たちが騒ぐのがわかっていたからだ。そうして親連中はその隣の部屋に
泊まった。俺たちは昼間は散々海で暴れたけど、まだまだ元気があまっていたから
枕投げをやったりしていた。さらに野郎ばかりで騒いでいても飽き足らないので、
俺たちは女子の部屋にも乱入して枕投げをやった。で、ひとしきり騒ぎおえた俺たちは、
みんなで茶を飲みながら深夜のテレビをみていた。
すると誰かが、「もっと女子をからかおうぜ」といって部屋を出て行った。
そしてすぐに戻ってきた。「何やったんだ?」「女子の部屋ノックして逃げてきた」
「ああ・・・なるほどねー」と笑っていると、すぐ俺たちの部屋のドアがコンコンと
ノックされた。「女子が来たな」と笑いつつ、そいつはすぐ部屋を出て行った。
そして男子と女子のコンコン合戦が何度も続いた。女子たちも「もうやめてよねー」等と
いいながら楽しそうだった。 だがそんなことを何度も繰り返せば飽きが来る。
時間も遅かったので、俺たちは布団をしいてテレビをみながら半分寝かかっていた。
すると、また女子がノックしてきた。

285:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 02:53:52 phTZ3kIL0
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824 名前: コンコン2 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 03:41:36 ID:gDmsj/9w0
コンコン
「あれ、なんだあいつら?」「結構しつこいな、この遊び気にいったのか?」
「かまってほしいんじゃねー?」
そんなことをいいつつ、俺たちも廊下に出て、ノックを数回返した。
だが時間も一時をまわっていたので、それもすぐにやめた。眠かったからだ。
それでテレビをみながら30分ほど過ぎ、部屋の電気を消そうとしたとき、
女子たちがノックもせずに入ってきた。しかもちょっと怒っている。
「もう、いい加減にしてよね。何時だと思ってるの! 叔父さんたちに怒られるよ!」
だが俺たちがノックをやめてしばらくたっているから女子らの言葉の意味がよく
わからない。「はあ? 俺らもうやってないぞ、てか、いつの話だ?」
「今ノックしたじゃない」「やってねーよ、何いってんよ?」「気のせいじゃね?」
「ホントだね。じゃあまたやったら、叔父さんたちに言うからね」「言えばー」
「なによそれ」女子たちは、何度も俺たちを疑い深い目で見つつ、真向かいの部屋に
引き上げていった。そして数分後、「きゃあ!」という悲鳴とともに女子たちが部屋に
飛び込んできた。「なんだ?」「どうした?」「いた! いたのよ!!」
「なにが!」「誰か知らない子がノックしてたのよ!!」「はあ?」
意味が良く分からないので話を聞いてみると、俺たちがノックをやめた後も女子の
部屋はしつこくノックされたそうだ。で、あまりにしつこいので俺たちに苦情を
いってきたわけだ。でも俺たちはそんなこと知らないから「知らない」と答えたわけ。
なので“俺たちがノックしている証拠”を得る為に女の子たちはドアの前で待ち
構えていたそうだ。そしてしばらくすると・・・

286:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 02:54:37 phTZ3kIL0
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825 名前: コンコン3 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 03:43:06 ID:gDmsj/9w0
コンコン!
女の子たちは少しだけ待って、俺たちを驚かせてやろうといきなり扉を開け叫んだ。
「コラッ!」
だが、そこには誰もいなかった。
「あれ?」
そこで女子たちは違和感をもった。ノックされて、扉をあけるまで少し待ったとはいえ
タイムラグは一秒もない。俺たちがノックしていたら、逃げていく俺たちの姿、
もしくは扉を閉める背中ぐらいは見えてもいいはず。でも向かいの俺たちの泊まって
いる部屋に逃げていく姿どころかドアが閉まるところも見えなかった。閉まる音もしなかった。
そこで「ヘンね…」と呟きつつ女子たちは、ドアを閉めた。そしてまた待ち構えた。今度は
鳴らされたらすぐ開けようねと示し合わせていた。ドアはすぐに鳴った。
コンコン!
「コラッ!」女子たちはすぐドアを開けた。だがそこにはやはり誰もいない。
ふと女子が周囲を見ると、向かいの列の向かって三つ目の部屋に、飛び込んでいく
子供の背中が見えた。
「今いたね…」「でも、あれ男子たちじゃないじゃん」「誰? いたずら?」女子たちは
恐る恐るその子が入っていた部屋の前に行ってドアをノックした。ドアは音も無く開いた。
ドアは鍵がかかっていなっかった。だがその部屋の中は真っ暗だった。
女子たちは、ふと部屋の壁にとりつけてある宿泊者名のプレートを見た。名前は無かった。
そこは誰も泊まっていない空き部屋だったのだ。
「なんで…? ここ誰も泊まってないじゃん」「じゃあ、あの子誰だったの…」
女子たちの想像は一つの答えに帰結した。そして女子たちは、悲鳴をあげながら俺たち
の部屋に飛び込んできた。

287:本当にあった怖い名無し
06/01/20 02:59:11 pPxqcqHJ0
>>283
コピペもいいんだし投稿者は神様だから文句言うな!
っていいたい嵐でしょ

288:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:01:56 phTZ3kIL0
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826 名前: コンコン4 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 03:46:35 ID:gDmsj/9w0
「だから、他の宿泊客の子供がいたずらしてるだけだろ?」 「でも部屋には誰もいなかったよ!」
「部屋、真っ暗だったもん!」「あたし子供見ちゃったよ」 「イヤーっ!!」女子たちは興奮して
泣き叫んで大騒ぎになってしまった。
俺たちは、「仕方ないな…」と腹を括ってその部屋の前に行ってみた。なにせ俺たちは
その子供とやらを見ていない。ノックの音も聞いてない。女子らが怖い怖いといっても
全然ピンとこないから、男らしくその部屋の中を調べて何も無いと証明してやろうと
思ったのだ。その部屋の前に行くとドアは半開きだった。一応ドアをノックした。
コンコン。
返事は無かった。確かに空き部屋らしい。「開けるぞ」俺たちは扉を押した。と同時に夏なのに
やたらと冷たい風が漏れてきてゾクリと嫌な感触がした。「なんだ? エアコン付けっぱなしか?」
俺は扉のすぐ横にあった部屋の蛍光灯のスイッチを押した。だが部屋の蛍光灯も、何もつかなかった。
中にはただ暗くてつめたい空気に満ちた誰もいない部屋があるだけ。
「電気つかんの?」「うん」「誰かさ、中の蛍光灯の紐ひっぱれん?」
みんな嫌な顔をした。誰もこの部屋に入りたくなかったのだ。
「なんかさ、寒いな」「うん、この部屋なんかヘンじゃね?」「うん、そうだけどさ…」 部屋の中から異様な圧迫感を感じていた。
「あっ!?」ふと横を見るとみんな泊まっている部屋の方へ走り出していた。 みんな怖かったのだ。「おまえら待てよっ!」
俺も慌てて駆け出していた。 部屋に戻ると女子たちはみんなベソをかいていた。
「どうしよう」「もう(泊まっている)部屋に戻れないよ」「怖いよ…」と青い顔で呟いている。このままでは収拾がつかないので
仕方なく親連中に相談した。 事情を聞いた親連中は、「何バカなことを言ってるんだよ、オバケなんかw」と初めは笑っていたが、
俺たちの説明と、女子たちのただならぬ様子を見て、「わかった。じゃあ女の子たちは、おいちゃんたちの部屋で一緒に寝よう。
入りきれない大人は、女の子たちの部屋に泊まる。それでいいな」ということで、パニクッていた女の子たちはなんとか落ち着きを取り戻した。

289:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:03:29 phTZ3kIL0
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827 名前: コンコン5 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 03:50:19 ID:gDmsj/9w0
翌朝、食堂で用意された朝飯を食べていたら、また女子たちが困ったような顔をして話していた。
「何? またなんかあったん?」「ここにくる途中の洗面所、ヘンな子おったんよ」「ヘンってどんな?」
「なんていうかヘンな子がこっち見てたもん」「自意識過剰じゃね? だいたいヘンって何がヘンなんだよ?
洗面所で歯とか磨いてただけちゃうの…?」「あ… そっか…」「なんや?」「あの子、洗面所の前で歯も磨かず、
顔も洗わず、ず~っとあたしらのこと見てたからヘンなんや…」「うわ、それはちょっと気持ち悪いな…」
「なんか青い顔してたし気持ち悪い子だったもん…」「もうやめてよ…」
そんなことを話していると、「飯食い終わったら帰るからな、すぐ支度せえよ」と叔父さんたちが声をかけてきた。
なんだか本当にイヤな感じになっていた俺たちは、すぐ布団を片付けて車に乗って帰路についた。
帰りの車の中で、叔父さんたちがこんなことを漏らした。
「あの部屋のことな…」「なに? おじさん聞いたの?」「ああ、ちょおと気になってな。ホテルの人に聞いてみたら、
ずーっと誰も泊まってませんって」「ずーっと?」「ああ、なんか、子供たちがノックされたって言ったら」
「○○○号室にはずっと誰も泊まっておりません! って即答だった。まだ部屋番号も言ってないのに・・・」
「え~っと、それってやっぱり…」「まあ、何かヘンなことあったかもしれんな…、あの部屋・・・」
「何かって・・・」「でも、おまえらは見てないんやろ」「うん。俺らはな。女子は男の子見たらしいで」
「ふーん、そっか」「あれ、なんやったんたやろ…」「さあな… わからんけど、 一つだけわかってることはやな、
 もうわしらは、あのホテルには泊まらんということや…」「そうやな…」
そうして俺たちは、ミョーに嫌な気分と疲れを残しつつ帰路についた・・・。

九州のホテルの某室に住み着いていたお子様? のご冥福を祈りつつ終ります。

290:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:05:53 phTZ3kIL0
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838 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 10:16:34 ID:leKPO8ZT0
僕が社会人になってからの話です。
親友のKと、J、Yさんの男3、女1人で、
長野の爺ちゃんの家に遊びに行きました。
久しぶりの旅行ということもあり、みんな浮かれていました。

今でも、本当に、行かなければ良かったと後悔しています。

2泊3日ででかけ、いよいよ明日帰るという、
2日目の晩です。
僕らは、肝試しに出かけようという話になりました。
僕はあまり気が進まなかったのですが、
みんなの勢いに負けてしまいました。

爺ちゃんの家からちょっと山に入って行ったとこに、
地元の人が「むくろくり」と呼んでいる川岸があります。

昔は「むくろ送り」と呼んでいたのが、「むくろくり」になったと言われていました。
その岸より上で川に落ちた死体は、必ずその岸に着くという話です。


そこは地元でも有名な霊の出る場所で、
前にその話を僕から聞いていたKが、場所はそこにしようと決めてしまいました。

僕らは爺ちゃんには内緒で、こっそりと出かけました。
田舎の闇は深く、2本の懐中電灯だけが頼りです。


馬鹿話をしたり、仕事の話をしたりしている内に、「むくろくり」に着きました。
なんの変哲もない川辺でした。
多少、霊感のようなものがある僕にも、何も感じません。

291:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:07:47 phTZ3kIL0
スレリンク(occult板)l50 839 名前: 838 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 10:19:09 ID:leKPO8ZT0
僕がほっとしていると、Jが何か見つけたようでした。

「お~い!こっち来て見ろ!なんかあるぞ!」

行ってみると、洞穴がありました。
割と大きな穴で、180センチあるJでもしゃがまずに入れそうです。

僕は何かイヤな感じがしました。

「おい、帰ろうぜ」

僕が言うのも聞かず、
Jは中に入っていってしまいました。
仕方なく、僕とK、Yさんも後に続きました。

しばらく歩くと、割と大きな空間に出ました。
大人が十人は入れそうな感じです。

「昔の防空壕の跡かなあ?」
Jが言いました。

「見て!」
Yさんが、懐中電灯で奥を照らしました。

そこにはお堂がありました。
お堂といっても、小さな30センチほどのお堂で、
とても人は入れません。
薄汚れて、あちこち傷んでおり、何かイヤな雰囲気をもっていました。

僕らは気味悪くなり、誰からとも無く帰ろうという話になり、
出口に向かって歩き始めました。

292:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:08:59 phTZ3kIL0
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840 名前: 838 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 10:21:29 ID:leKPO8ZT0
その時です。

「・・・・わば・・・・まで」

どこからか声が聞こえて来ました。
同時に、僕の背中にイヤな感じがしました。
霊が近くにいるときの感じ。

「毒・・・・わば・・・皿・・・まで」

声は背中から近づいてきます。

僕は思い切って後ろを振り向きました。
声はやはりお堂からでした。
お堂の破れた障子からは、明かりが漏れていました。
まるで、中で蝋燭を灯しているかのような、
ゆらゆらとした明かりです。

そして、お堂の扉が少しずつ開き始めました。
本能的に、「これはやばい!」と分かっているのですが、
体が全く動きません。
開いた扉から、スウっと、何かが出てきました。
包丁?の先のような、尖った刃物。
もしかしたら、日本刀でしょうか?

「キャーーーーーーーーー!」

Yさんが悲鳴をあげました。
同時に、こわばっていた体が、フッと動くようになりました。
僕たちは慌てて、わき目をふらずに逃げ出しました。

293:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:10:26 phTZ3kIL0
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841 名前: 838 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 10:23:33 ID:leKPO8ZT0
僕たちは、へとへとになりながら
爺ちゃんの家までたどり着きました。

「なんだったんだよ!あれ!」
Kが僕に言いました。
「僕だってわんないよ!」

Yさんは周りを見回していました。
「待って!Jくんがいない!!」

見ると、確かにJがいません。
いつはぐれたのかさえ、分かりません。
そこへ、騒ぎに気付いた爺ちゃんが出てきました。

「なにやっとんじゃ、おまえら!こん夜中に!」
僕たちは、爺ちゃんに今あったことを話しました。
聞いているうちに、爺ちゃんの顔色が見る見る青ざめていきました。

そして、
いきなりバキッ!っと僕の頬を思い切り殴り飛ばしました。
「・・・・!」
僕はびっくりして、声もでません。
爺ちゃんに殴られたのなんて、これが初めてだったのです。

「A!おまが着いていながら、なんでむくろくりになんぞ!
 行ったらあかんと・・・・
 何故あかんと・・・・わからんじゃあ・・・」

最後の方は言葉になっていませんでした。
こんなに狼狽している爺ちゃんを見るのは初めてでした。

294:本当にあった怖い名無し
06/01/20 03:11:33 46ljWkLc0
>>280
Aサンはそれがわかってるのなら
「どこかでお払いしてもらっては?」くらいアドバイスすればいいのに

295:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:13:52 phTZ3kIL0
「大黒の坊主に・・・いや・・・
 今日は坊主の集会で京にいっとる日じゃ・・・」
ぶつぶつと一人でつぶやくと、一人で頷き、僕の肩に手を置きました。

「いい、いい。 心配するな、A。
なんとかしてやる、爺ちゃんがなんとかしてやる・・・」
そう言うと、家から塩を持って来ました。

「毒を食らわば皿まで食らわん 皿まで食らわば肝食らえ・・・
 毒を食らわば皿まで食らわん 皿まで食らわば肝食らえ・・・」

僕たち3人を並ばせると、頭から足まで塩をかけながら、
何かおまじないのような事を言っていました。

そして、着いて行くという僕を残し、爺ちゃんは一人でJを探しに向かいました。
僕たちは、爺ちゃんの家で、ひたすら二人の帰りを待っていました。


翌朝、Jは一人で裏庭に倒れているのを発見されました。
外傷もなにもなく、ただ疲れきっていて、それから3日間も眠りっぱなしでした。

爺ちゃんは。
「むくろくり」に流れ着いていました。
僕は会わせてもらえませんでしたが、
とても苦しそうな、何か恐ろしいものを見たような表情で
亡くなっていたそうです。
そして、体には何も外傷がないのに、内臓が一切無かったと。

目が覚めたJは何も覚えていませんでした。
ただ、うっすらと
「大丈夫、大丈夫じゃ」
という爺ちゃんの声だけは覚えていると言っていました。

296:本当にあった怖い名無し
06/01/20 03:15:48 A6HraEdNO
コピペくんの執念が怖いです。

297:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:17:09 phTZ3kIL0
869 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2006/01/17(火) 17:00:56 ID:bX/3g9MUO
携帯からなので読みずらくてすみませんが…。
高校の時ある日からいきなり仲の良いメンバーに避けられ始めた。一人は慣れてなくて淋しくて休み時間は大体トイレで時間つぶしてた。たまにドアの隙間から視線感じるし、嫌がらせかな…ってかなり辛かった。

870 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2006/01/17(火) 17:08:12 ID:bX/3g9MUO
しばらくしてから気付いたんだけど嫌な視線はたまによく感じるのね。怖いし学校休みがちになりました。そしたらある日友達からメールきて、学校こないの?みたいな。かなり嬉しかったけど、この時初めて、なんで無視するか聞いたんですよ。

871 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2006/01/17(火) 17:10:53 ID:bX/3g9MUO
かなり雑に書いてすみません。
そしたら友達から電話きて、三人一緒にいるみたいで、ごめんねって泣かれた。で、話し合うってなって後日先生とかも集めてファミレスで話し聞いたんだけど、もう疲れてきたのでオチだけ書きますねすみません↓

874 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2006/01/17(火) 17:21:56 ID:bX/3g9MUO
つまり友達いわく、私に鬼みたいな形相の人がくっついてて怖かったらしい。
私達の事を睨んだりしてたみたい。私だけ気付かなかったよ…。
鬼って本当にいるんですかね

298:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:19:02 phTZ3kIL0
882 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 18:15:04 ID:Nloy1qE60
俺が学生だった時の話。
俺が住んでいたのは玄関が一つで、各部屋が廊下で繋がってる例のやつ。といっても3部屋しかないんだけど。
それで、隣にボロッチイ平家があってお婆さんが一人で暮らしていた。
学生なんて夜中まで起きてて、2時3時くらいになると寝始めるものなんだけど、この隣のお婆さんが朝早い、というか夜中だと思うんだけど3時半くらいから道路を掃き始めたりする。
最初の内は気持ち悪いババアだなと思ってたけど、昼間たまに顔合わせると気さくに挨拶してくれるし、だんだん気にもならなくなった。
そのお婆さんの姿を昼間見なくなっても、俺は気にしなかった。朝方の掃き掃除の音は毎日欠かさず聞こえていたから。

883 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 18:23:34 ID:Nloy1qE60
>>883続き
そんなある日、学校から帰ってみると家の前にパトカーが止まってる。
何かあったのかと思って1階の奴に聞いたら、隣のお婆さんが亡くなっていたと。
一人暮らし老人の孤独な死かよ、と俺も少し哀しい気持ちになった。
道を挟んではす向かいにある大家さんの家から奥さんが出てきたので、詳しい話を聞いた。1週間前に死んで、誰にも気づかれずにそのままだったらしい。ますます気の毒だったが、1週間も隣に死体があったって事が気持ち悪かったのも確かだった。
で、その日の夜も下の部屋の奴のところでバカ話して時間つぶしてた。
そして2時くらいになった頃、
「ボ~ン・・ボ~ン」と壁掛時計の時報の音がどこからか聞こえた。

299:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:20:17 phTZ3kIL0
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884 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 18:30:45 ID:Nloy1qE60
>>883続き
俺達は一瞬固まった。多分隣の家から聞こえた音だったから。
でも、荷物の引き上げもまだだったし、電池が残ってりゃ時計は動くよなって事で、怖いより侘びしい話になった。主人の居ない家で動き続ける時計って無気味さより侘びしい感じが強かった。
雰囲気も白けてきたので、俺は2階の自分の部屋にいって寝る事にした。寝つけなかったので、本を読み始めたら面白くて、1時間くらいしてからやっと眠くなってきた。
電気を消して布団に潜り込むと、「ザッ・・・ザッ・・・」と音がする。
俺は風でも強いのかと思っていた。けど、風で枯れ葉が煽られてる音じゃない。規則的に「ザッ・・・ザッ・・・」と音がする。

886 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 18:38:53 ID:Nloy1qE60
>>884続き
俺は一瞬混乱した。
あれ?あれは掃き掃除してる音か?エッ。
そういえば・・・俺は思い出した。この1週間、夜更かしして寝入る時、この音は毎日聞こえていた・・・じゃあ誰が道路の掃き掃除してるんだ?
俺は相当ビビリながらも布団をかぶったまま窓枠に手をかけた。
キーっと小さくきしみ音させながら少し窓を開けた。そーっと下を見る。
誰もいなかった。あの音もしない。街灯に照らされた道路はやけに平板な、白々しい感じだった。
なんだ、気のせいかと思って、俺はもう少し窓を開けて、今度は上半身乗り出す様に下を覗いた。

300:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:21:26 phTZ3kIL0
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887 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 18:47:48 ID:Nloy1qE60
>>886
最初は意味が分からなかった。風のせいだと思った。
そして、意味が分かった時には電灯つけて布団の中に潜り込んでいた。
枯れ葉が、まるで集団組み体操してるみたいに一斉に右へ行ったり左へ行ったりしてるんだ。そうしながら1点に集まる。
すると、別の場所に散らばってる枯れ葉が又一斉に右に行ったり左に行ったり・・・・
あのお婆さん、まだ掃き掃除やってるんだ。死んだ事に気がついてない。「ザッ・・ザッ・・」掃き掃除の音がまた聞こえる・・
その時、あの壁時計の音が聞こえた。「ボ~ン・・ボ~ン・・ボ~ン・・ボ~ン・・」4回鳴った。
すると掃き掃除の音が止んだ。
なる程、30分間の掃除が日課だったんだな、と、俺は怖がりながらも感心した。規則正しい婆さんだった。

301:コピペ『怖い話・恐い話』より  894 名前: はじめての公園1
06/01/20 03:29:00 phTZ3kIL0
昔、職場のちょっと強引なヤツに誘われて、何度かサバゲをやったことがある。 とはいえ、昼間にそこらでやると、
色々とまずいので、深夜の人気のない公園でやることが多かった。で、その日はいつも団地の中の公園ではなく、
ちょっと町外れの溜め池の側にある公園でやることになった。そこは家からは遠いし、俺は初めての場所だったが、
つくと既に霧が出ていてちょっとアレな雰囲気だった。「えーっと、ここでやるんだ…」「うん、広いし人通りもないから
ガンガン撃てるぜ」 「ま、そりゃそうだけどさ…」そんなことを話していると、誰となく「ここ出るんだよな…」
と漏らした。もちろん俺は何も聞いてない。そもそも街灯もろくにない、真っ暗な溜め池の側の公園なんて、
ただでさえ薄気味悪いのに洒落にもならない。「それマジ? 俺初耳なんだけど…」「えっ? マジ知らんの?
 ここ結構有名だよ。男に殺されて池に沈められた女の幽霊でるって噂」「うっそやろ! 俺マジ聞いてねーよ」
「うわダセ!」「いや、ダセとかじゃなくてさ、俺そういうの マジダメだから帰っていいか?」「えーっ? 本気で
 いってんのかよ」「当たり前じゃん!」俺的にはかなりマジだった。そもそもそういう場所は、そういうモノたちの
縄張りなのだと思っている。だから悪戯にテリトリーを荒らせば痛い目を見る。だから関わりたくないと思うのだ。
するとソイツは周囲に目配せしつつ、「うそうそ、ネタだよ、な」とやりだした。なんとなく嘘くせーと思いつつ
「ホントにか?」「ネタネタ。ていうかさ、アレの噂はここじゃないだろー」「あれって確か、この池と丘を挟んで
 もっと向こう側の話だろ。ここじゃねーよ」「本当かよ?」「おまえ、怖がりだなー」「ああ怖いよ、アホなチンピラなら
 殴れば いいけどオバケは殴れないだろ」「なら撃てば?」「BB弾当たるわけねーじゃん」「少しやるだけだよ」
「ヘンなことあったらすぐ帰ればいいだけだしさ」「せっかく集まったんだし、今更帰るとかいうなよ」とまあそんな感じで、
とにかく連中はどうあってもゲームをやりたいらしくて押し切られる形で俺もゲームに参加した。だけど先ほどの話が
怖いから、なるべく他の連中と一緒に行動して、単独行動は避けた。そうしてしばらくの間、雑草の中に身を隠し、
やぶ蚊を気にしつつ、バチバチとやりあっていた。

302:コピペ『怖い話・恐い話』より 895 名前: はじめての公園2
06/01/20 03:30:29 phTZ3kIL0
そうしているうちに、先ほどの話も忘れかけていたが、2回目のゲームが終ったあと、みんなで集まっていたがちっとも戻ってこない奴らがいる。
「あいつら狙撃ばっかだからな… どうせまた終りに気付かず、ブッシュにもぐってんだろう」となって、みんなで探しにいこうとしたとき、そいつらが戻ってきた。
「遅かったな、終り気付かなかったか?」声をかけると「もう帰ろ、ここダメだ」そいつらはいきなりそんなことを言い出した。
「は? 何が?」「女出た。ヤバイ、ここマジヤバイ!」「女? は?」初めはみんな、その意味がわからなかった。
「俺ら、そこのブッシュに入ってずっと狙撃のタイミングを見てたんだよ。そしたら誰かくるからさ、おまえらかと思ってみたら白いワンピースの女なんだよ」
「は?」「仕事帰りのOLとか?」「なんでこんな夜中の一時にワンピの女がこんな霧だらけのブッシュの中に入って来んだよ!?」
「今2時だな…」「うっ…」「俺、『こんばんは』っていったけど、まったくこっち見ないで目の前を通り過ぎて池の方にいっちまったんだぜ!」
「へ、へー… それはまたヘンな人だな…」「それになんだか嫌な感じがするから回り見たらさ、木の上にさ着物来た女が立っててジッとこっちみてんだよ!」
「ゲッ!?」「木の上?」「どこら辺の?」「いいから見るなっ!」「ちょ、それなんかの見間違いじゃねーの?」すると一緒にいたもう一人のヤツが、
「俺ワンピのは見てないけど、木の上の女はみちまった… あれヤバイ…」「マジ…」「あそこの辺だけど」「だからいうな! 指さすな!」「あっ…」「なんだよ」
「あいつ、こっち見てるように見えるけど…」「嘘だろ!」「ほら、あの藪の中のポコッと出た木の辺…」「あそこ、先月首吊り見つかったところだな…」
「は?」「首吊り?」「マジで?」「新聞載ってたから…でも、本当に出るんだな…」「知ってたのかよ!」
「いや、噂は聞いてたけど幽霊が本当にでるなんて知らんかったし…」
「なんでこんなとこでやるんだよ!」「だって前の公園いい加減飽きたし」「アホかもう、ここダメ! 本気ダメ、もう帰るっ!」
「うわ、きたね、先に逃げるなよ!」見てしまったやつらは置いてあったカバンを掴むと脱兎の如く車の止めてある駐車場に駆け出し、
俺たちも慌てて逃げ出した。

303:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:31:30 phTZ3kIL0
896 名前: はじめての公園3 [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 19:54:42 ID:ZvnGFFQx0
あとから人づてに聞いたりして分かったんだけど、そこあんまり有名じゃないけど
殺人事件に自殺に、謎の水死体と、地元では知らない人がいないぐらいアレな公園でした…。
恐らく彼らが見たのも完全にアレです。本当にありがとうございました。
幸い俺は霊障とか無かったけど、アレはかなりやばかったと思います。
みんなもサバゲとかで遊ぶときはほどほどになー。
一般の人だけじゃなく、そこにいる方たちが、ジィッとこっちを見てるかもしれないから…。

ということで、名古屋の○○公園に浮遊されている方々の冥福を祈りつつ、終わります。

304:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:32:02 phTZ3kIL0
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889 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 19:10:06 ID:92lEwoMs0
このスレみてたら思い出したからカキコしてみる
たしか俺が高校の冬だったと思うんだけど、そろそろ寝ようと思って部屋いったのはいいんだが
部屋に入った瞬間なんかすごく嫌な感じがしてこのまま電気消して寝たら絶対ヤバイって
感じた。そこで部屋をでればいいもののそのときは出るってことも考えずにとりあえず
ガンガン音楽をかけてとりあえずベットに座ってきょろきょろ部屋を見回してたわけだ 
そしたら急になんかもう大丈夫って感じてそのあと寝たってことがあった
何もみたわけじゃないけど俺の家から墓場近いし部屋は離れのプレハブで外と面してるから
すげーこわかった 見えるのも怖いけど見えないけどすごく嫌な感じってのはホントに怖かった

890 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2006/01/17(火) 19:17:25 ID:92lEwoMs0
あともう一つ
俺が茶の間で夜中に転寝してたときに夢みたんだけど、その夢の中で俺はまた寝てたんだよ
部屋は真っ暗なんだけど、俺は目がなぜか夢の中で目が覚めた
そしたらその瞬間部屋の四方からすごい勢いでドンドンドンドンって叩かれてるんだよ
すげー怖くて目が覚めたんだけど、起きたばっかのときは夢と現実の区別がつかないくらい
混乱してた 茶の間も暗かったしね それからしばらくは自分の部屋で寝れなかった

305:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:33:15 phTZ3kIL0
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901 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2006/01/17(火) 20:47:51 ID:aRvmSI7qO
365日、晩酌を欠かさない俺のオヤジ。その日はなぜか呑む気がしないと、晩酌をしなかった。
家の者みんな、どこか、体が悪いのかと心配したが、オヤジは「さっき仏壇に手を合わせた時、
おふくろが、頭の中に出てきて、なんとなく」と言った。
俺の祖母になるけど、祖母は生きているし。

「電話してみろ!」と俺の母親に怒鳴るように言った。

母親が受話器を取ろうとしたその時、電話のベルがなり、みんなドキッとした。
祖父からの電話だった。「今、ばあちゃんが倒れて病院に来ているので、すぐ来てくれ」。

その時、家族で免許持ってるのは、オヤジだけだったんで。呑んでなくてよかった。

そして、俺達が病院に着いて15分後に、祖母は息をひきとった

306:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:34:23 phTZ3kIL0
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904 名前: 1/2 投稿日: 2006/01/17(火) 21:05:01 ID:7+I9PgbiO
ここで漏れの体験談を一つ
今まで他人に話したコトは無かったがしこりとして残っていたのでカキコします。
忍び足と気配を消すのが得意だったリア厨の頃の話
深夜に尿意をもよおし二階の自分の部屋から
一階のトイレに行く最中、一階の居間の電気が点いていた。
明かりの中には兄貴がいてコタツの横で座ったままゴソゴソしている。
自分とは対角上なので始めは何をしているかわからなかったが
よく見ると寝ている妹の胸を揉んでいた・・・

905 名前: 2/2 投稿日: 2006/01/17(火) 21:06:10 ID:7+I9PgbiO
激しく欝になりそうだったが、金縛りにあった様に動けなかった。
すると兄貴は満足したかのように胸から手を除けた。
ホッと安堵するのも束の間、兄貴の手は迷う事無く妹の股間に走る
正直、頭が真っ白になったが、「コレはヤバイ!」と思い直し、足音を立ててトイレに向かった。
横目で驚いている兄貴の姿があったが、寝呆けた振りをしてトイレへ入り、
用が済んでトイレを出たら兄貴の姿は無かった。
翌朝、起きると兄貴は普段と変わらなかったが、昨夜のコトを思うと話し掛けれなかった。
ちなみに妹はかなりの醜女だ・・・

307:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:35:48 phTZ3kIL0
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941 名前: 調布のあそこ [sage] 投稿日: 2006/01/18(水) 03:25:16 ID:0vy+GTQS0
これは全然怖くないけどヘンな話し。
東京の調布にあるある場所は、磁場か何かが狂っているらしい。
そこに買い物に行くときは、いつも車で行くのだが、行きは問題ないのに
帰りにデパートの駐車場から出ると、決まってカーナビの北と南が逆になる。
だから、たまにそこ行くだけの土地勘の無い俺は、ついつい間違えて
帰り道を逆走しそうになる。
そして同乗している友人から、何度か「帰るならそっちは逆だぞ」と
たしなめられることになる。
もちろん初めはただの気のせいか、ナビの偶発的な誤作動だと思っていたけど、
先日三回目の買い物の帰り道、再びナビの向きが逆になっているのを見て確信した。
ここは何かおかしい。ていうか、そもそも上空の複数の衛星から情報拾って進路を
出すのに確実に向きが“狂う”ってのがそもそも理解不能だ…orz

308:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:37:03 phTZ3kIL0
981 名前: マンガ耳袋か何かで読んだ話し1 [sage] 投稿日: 2006/01/18(水) 17:40:28 ID:MtOUBh0E0
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昔、戦争(確かベトナム戦争)で酷く損傷した米兵の遺体は、一旦沖縄に運ばれ、
そこで遺族を見れるように修正してから本土に送り返されたそうな。
で、担当の女医がいつものようにバッラバラのグッチャグチャになった兵たちの遺体と
格闘するように切った貼ったの修正を繰り返していると、ボトッと背後で何かが落ちる
音がします。見ると先ほど修正したばかり軍曹の遺体から繋いだ右腕が落ちています。
「ありゃ? ちゃんと繋いだ筈なのになぁ…」と、その右腕を拾い、再び縫合します。
「これでよし!」そして別の遺体を直していると再びボトッという音。「ありゃ?」
そうなんです。しばらくすると、軍曹のウデはまた取れて落ちてしまうのです。
困っていると他の医師が、「○○さ~ん、その右腕別の兵隊さんのじゃないの?」と
笑っています。言われてみると確かにその右腕は年のいった軍曹の左腕と比べると若いし
細い。でも他に腕の余りパーツは見当たらないし、ナマモノだから、あまり時間はかけられない。
仕方ないのでもう一度しっかり右腕を繋いで、「はい、もうとれちゃダメよ」と念押しして、
一旦仮眠室に戻って寝ていると、耳元で声がします。

309:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:38:40 phTZ3kIL0
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982 名前: マンガ耳袋か何かで読んだ話し2 [sage] 投稿日: 2006/01/18(水) 17:41:03 ID:MtOUBh0E0
「ドクター、コレ、チガイマース…。ボクのウデ、コレジャナーイ…」どうやらあの
軍曹のようです。でもそんなことはよくあることらしく、女医もなれたもの。
「そんなのわかってんのよ。でもあんたの右腕見当たらないから仕方ないでしょ…」
「ボクのウデ、チャントアリマース、オイトキマスカラ、ツケトイテクダサーイ…」
そんな声にハッとなった女医が慌てて軍曹の遺体のところに行くと、前につけた腕は
やっぱり取れていて、代わりに別のウデがベッドの上においてあります。
ドクターはそれをいぶかし気に見つつ、周囲のものに、
「ねえ、このウデどーしたの? 誰か持ってきてくれたの?」
というと他の医師たちは皆、知らないといいます。医師は、(ま、いっか!)と
開き直ってさっそく腕を繋ぎます。すると耳元でまた声が聞こえます。
「ドクター、ベリー・サンキュ… アイ・ラヴ・ユ…」「良かったね、軍曹」
そうして繋がれた腕が、再び軍曹の体から外れることはなく、翌日軍曹の遺体は
輸送機に乗せられ、無事(?)本国の遺族の元に帰られたそうです。

戦争で亡くなられた方々のご冥福を祈りつつ、話しを終ります。

310:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:42:43 phTZ3kIL0
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名前: これも某マンガで読んだ話 その1 [sage] 投稿日: 2006/01/18(水) 20:55:51 ID:MtOUBh0E0
ある下町に、二十歳半ばのそこそこ気立てのよい女がおりました。
その女は、きったない不精髭の、でも性格の良いブサ男とつき
あっておりました。ある日、二人でデートをしていると、通りの隅っこに
占い師がおりました。女はその占い師が良く当たると聞いていたので
一緒に見てもらうことにしました。男の手を占い師にみせ、
「あたし、この人と結婚考えてるんです!」というとなぜか占い師は
難しい顔をします。さらに男も困ったような顔をします。
「なにあんた、あたしじゃ不満かい!」「いや、そういうわけじゃないが…」
「なんね?」女が態度のはきつかない男に怒っていると、占い師は「あんたさんねえ
この人との結婚はちょっと考えた方がいいで…」といいます。「なんで!?」
すると男はおもむろに手のひらを開きます。
「これがなによ」「俺、生命線途中までしかないんや…」「えっ!?」
確かに手を見ると生命線は、手の真ん中辺りで不自然に終っています。
「それやと三十ぐらいかの…」占い師がボソリ呟きます。
「あんた今いくつ?」「今、29や…」「……」「ま、しゃあないやろ…、
 こないだ受けた定期検診でヘンな影出とったし…、最近調子悪いしな…」「……」
「ウチの家系、男はみんな短命なんや。すまんな…」「すまん言われても…」
それから二人はしばらく無口になりました。

311:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 03:43:26 phTZ3kIL0
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989 名前: これも某マンガで読んだ話 その2 [sage] 投稿日: 2006/01/18(水) 20:56:34 ID:MtOUBh0E0
そしてある日、意を決したように女がいいました。
「あんた、あたしと結婚したいか!?」「そりゃあ…、でも…マズイだろ…」
「したいのか、したくないのかハッキリせい!」「したいけど…」
「よし、なら手をお借し!」「えっ!? 痛てててててっ!! おまえなにすんねん!」
見れば女の手には安全ピンが握られています。「手相なんてね、ただの溝じゃん。
溝が短いなら、つけりゃいいのよっ!」「うわっ!? おま無茶いてぁ<g〇b@4!?」

そして数字後、二人は先日の占い師の前におりました。
「あれ、あんたこの間の… なんか雰囲気かわったの。何ぞあったか?」
「実はこれ…、こいつに書かれましてん」男が恥かしそうに手のひらを
みせると、そこには手首にまで伸びた赤向けた傷がありました。
「うお!? こ、これは無茶だが…」「へへー、こいつ長生しそうでしょw」
「う~む…、まさか…だがこれはもう手相になっとるよ…」
「よっしゃあ!www」女は満面の笑顔で男に抱きつきました。
そうしてその後結婚した二人は、あれから十年過ぎた今でも、仲良く元気に
やっているそうです。

312:本当にあった怖い名無し
06/01/20 03:55:57 JnSNLbZ20
すごい粘着嵐だなw

313:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:12:34 phTZ3kIL0
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705 名前: 投下 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 20:08:37 ID:KTVRGO+HO
類似の既出話もあるかとは思いますが敢えて一つ。

七年前に勤めた会社が倒産し就職難の中、運転手に転身したTに起きた事です。
最初は小さい2t車での仕事だったTも運転手に転身して一年も経つと4t車に乗る様になり、県内だけでなく県外にも足を延ばすようになった。
今から五年程前の雨の夜に隣県から帰る為に県境の峠道を走っていたTは尿意を覚えて山頂の少し手前の広い所にトラックを停めて用を足した。
雨は小雨程度だが霧が出ているし交通量も疎らな峠道にいつになく嫌な雰囲気を感じていたが、用を足してスッキリしたTがトラックに戻ろうと振り向くと・・・・・
助手席側に人が立っているのに気がつき一瞬身を固くする。

こんな真夜中に峠で人が?
恐る恐る観察するTに人影が振り向いた。
若い・・・二十代前半位の女性。
肩までくらいの髪も、どこかの会社の制服と思しき衣類も全部が雨で濡れている。
思わず声をかけようとしたTより先に女が言葉を発した。
「峠を降りた○○まで乗せて下さい」
小さく、か細く・・・
しかしはっきりと聞き取れる声だった。

314:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:13:11 phTZ3kIL0
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706 名前: 投下 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 20:09:59 ID:KTVRGO+HO
女の申し出に一瞬よく耳にする様々な怪談話を思い出すTだったが、その女の何とも哀しく寂しそうな顔への同情が恐怖を上回った。
いいですよ、どうぞ。
そう言うとTは助手席のドアを開けてやり、女に乗る様に促した。
ステップを踏み手摺りに手をかけ女が乗り込む時、ふとTは彼女の足元を見てやっぱりなと感づく。

助手席側や運転席側のドアを開けると室内灯が点くようにしてあった。
光があたれば物体は必ず影を残すはずなのに彼女には影が無かった。
だが不思議と恐怖を感じないままにTは彼女が助手席に座るとそっとドアを閉め運転席へと乗り込み車を走らせた。

走らせながら彼女の横顔をチラチラと横目で伺う。
最初と変わらない寂しげな横顔のまま言葉もなくただ俯き加減に座っている。
意を決してTは彼女に勝手に、独り言のように話しかけた。

悲しい事とか色々あったりしましたか?
「辛い事、悲しい事、何があったのか僕には分かりませんけどこんな所に居ては駄目です。
行くべき所があなたにはあるんじゃないですか?
僕にはしてあげられない事かもしれませんが。」
Tの言葉に彼女は反応を見せない。

315:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:13:48 phTZ3kIL0
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707 名前: 投下 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 20:11:24 ID:KTVRGO+HO
この峠を下り彼女の望む所までにはまだ二十分はかかる。
その間もTは構わず一方的な会話を続けた。

「○○にはあなたの何かがあるのかな?
そこに行ってその後どうするんですか?
またあの峠に戻ってしまうのですか?
繰り返しては駄目だと思います。
次へ進まないと。」

彼女はただ俯いたまま黙っている。
聞いているのかさえ分からないままTは話しかけ続け、ようやく峠を下った。


突然彼女は前方を指差すと「あそこで。」とだけ言った。
なんの変哲もない住宅街への交差点だった。
Tはハザードランプを点けトラックを停めると彼女のほうを見た。
「ありがとうございました。」
微かに聞こえる声だけ残して彼女は消えてしまった。
そしてもう一言、どこからともなく聞こえた「行きます」の声にTは安堵のため息を吐き出し、再び車を走らせ無事に会社に帰った。

316:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:16:38 phTZ3kIL0
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708 名前: 投下 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 20:12:50 ID:KTVRGO+HO
後日、Tはあの峠で起きた事件を同僚から聞いた。

十年前、情事のもつれから当時二十二歳の女性が絞殺され死体が遺棄されていたのだと言う。
当時の彼女が住んでいた町こそTが彼女を降ろした住宅街だったそうだ。


その後あの峠で彼女を見る事もないままTは三年前に子供をもうけ幸せに暮らしていた。
生まれた女の子も大きな病気や怪我もなく明るい元気な子でTは溺愛し娘も父親を慕っていた。

そして今年・・・
峠の彼女の事も記憶から忘れていたTは再び彼女と再会する。


9月の半ば、夜中に目を覚ましたTが喉の渇きを覚え台所で茶を飲み寝室に戻った時だった。
妻の横で寝ている愛娘が布団から飛び出して寝ていた。
なんて寝相だと苦笑しながら娘を布団に戻したその時・・・
娘が眠ったままTの手を握り「ありがとう、あなたがあの時助けてくれたから私は今生きてます。本当にありがとう」
と言った。
彼女の声で・・・
娘の口で・・・

生まれ変わりなのか娘の口を借りただけなのか分からなかったが、恐怖は感じず不思議な温もりを覚えた出来事でした。

私(T)も家族も何ら不幸なく平穏に過ごしてます。
オチなしの怖く無い上に長文失礼。

317:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:19:32 phTZ3kIL0
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399 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 20:48:28 ID:LuhKf2zX0
友人の、フリーライターをしています「Mさん」から聞いた話です。
文章にすると分かり辛いため、仮に「Mさん」を馬淵さんとしておきます。
仕事柄、「凶悪殺人事件」やら「大惨事事故」の取材で、全国各地を飛び回る馬淵さんですが、「事件・事故」の継続取材の依頼があるそうです。事件直後の報道よりも、後の取材から「事件の経緯」や「動機」・・・報道されない、幾つもの出来事があるそうです。
そんな取材の中のひとつを教えてもらいました。

取材は「通り魔殺人事件」についてでした。事件は、地方都市の商店街で起こりました。
昼過ぎの、まだ買い物客がまばらな商店街での惨劇です。
いきなり所持していた出刃包丁で通行人を切りつけ、不幸にも被害者の女性が死亡しました。
駆けつけた警察官に取り押さえられ現行犯逮捕となった訳ですが、犯人は精神障害の病歴があり犯行当時は病院からの処方薬を服用中のため刑事事件としても取り調べ中。
現在も治療中の状況でいわば中断に近い状況だそうです。

318:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:20:32 phTZ3kIL0
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400 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 20:52:02 ID:LuhKf2zX0
犯人の現行犯逮捕により各新聞報道も事件当時の記事しか掲載することがなく、被害者に対して「不幸な事件」として終わっていました。
Mさんが取材依頼を受けたのは、犯行時の様子が商店街の警備用ビデオカメラ(防犯とは言わないらしいです)に撮影され、その中に不可思議な映像が残されているとの情報が入ったためです。

現地に到着し、早速事件現場の下調べを行いました。
商店街は、どこにでもあるような地方都市の駅から続くアケードタイプで、両側に店が並ぶ普通の商店街です。
現地に到着した時間も事件発生時刻と同様のため、まばらな買い物客が行き来する状況です。
アーケードの半透明の屋根から日が入り込み、この場所で悲惨な事件があったことなど想像も出来ませんでした。
現場を何枚か撮影をし、商店街の組合本部へと伺いました。

401 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 20:57:10 ID:LuhKf2zX0
出迎えてくれたのは、組合の副理事の方でした。
事前に取材申し込みをしておいたのですが、電話連絡を入れた時も余り良い対応ではありません。
商店街組合としては、起きてしまった事件は事実として受け止めなくてはなりませんが、
「通り魔殺人」と言う予想不可避の事件のために商店街の「安全対策」や「管理責任」について責任追及をされたくもありません。
言葉が悪いのですが、「事件」から時間が経過した今、敢えて取材により
「忘れ去ろうとしている事件」を出来れば蒸し返したくないのが本音のような応対でした。

馬淵さんは、今回の取材のメインになるビデオテープの確認については、
事前連絡時に組合事務所の人には伏せていました。
組合事務所の応接室に通され、馬淵さんは副理事の方に取材を始めました。
案の定、副理事の方からは組合の善意の協力のような・・・云々の前置きがあり、
「協力した」という内容を必ず記事の中に記載する旨を言われました。

319:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:23:59 phTZ3kIL0
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402 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 20:59:43 ID:LuhKf2zX0
馬淵さんは、事件当時の事を警察調書のコピーをもとに取材を進め、あらかた確認が終わった時に副理事に切り出しました。
「最後に、商店街の警備用ビデオカメラを拝見させてもらえないでしょうか?。」
「ビデオは、警察に状況証拠で提出しています。こちらにはありません。」
「否、私どもに今回情報が入りまして・・・。その内容ですと、事件後に警察に提出された2本の内、警察から返却されたテープの方です。」そう聞き返すと、副理事の方は一瞬躊躇しながら答えてくれました。
「もう1本の方ですか・・・。」
「はい。組合の方から警察に提出された警備用ビデオは、事件の様子が撮影されているものですが、
そちらのビデオは警察関係者から拝見しています。
関係者が言うには、映像内容が悪いため1本は返却されたと説明を受けています。そちらのビデオを拝見したいのです。」

403 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 21:06:37 ID:LuhKf2zX0
馬淵さんは、警察関係者から下調べが終わっている事を一気に説明し、組合事務所にある筈のビデオテープについて言及しました。
副理事の方の、先ほどまでの「仕方なく、協力している」と言う態度ではなく、明らかに困惑している表情に変わりました。
「何故、そのビデオテープを見たいのですか・・・」
副理事は顔色を変えながら、必要無いのではないかと再度聞き返してきました。
馬淵さんにしてみれば、そのビデオテープが今回の取材のメインテーマです。
簡単には引き下がりません。

「目撃者も居る事件で・・・尚且つ、ビデオテープという証拠もある。
犯人逮捕も終了している状況ですから、警察も立件・起訴で終了させたいですよね。
時間を掛けずに処理をするとすれば、その証拠のビデオテープがいくら複数あるとはいえ、
映像が悪いとの理由で返却するのは可笑しいですし、警察関係者からは内容が不明とも聞いています。」

320:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:25:31 phTZ3kIL0
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415 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 22:08:53 ID:LuhKf2zX0
馬淵さんが説明を加えると、副理事は諦めたように話を始めました。
「確かに警察から返却をされたテープはあります。
本来なら警察に提出してしまえば返却されると思っていませんでした。」
副理事は躊躇いながらも話し始めました。

事件直後、警察の現場検証で「警備用ビデオカメラ」に撮影されている可能性があるため、
すぐに証拠資料として検分したそうです。
組合の担当者が立会いの上、犯行時刻のビデオテープを再生してみると
「犯行映像」が克明に撮影されていました。
警備用カメラは、犯行現場の「30メートル程」先の店舗看板の上部に設置されている「カメラA」と、
それよりも少し離れていてアーケード天井に設置されている「カメラB」の
2台が犯行状況を撮えていました。

321:本当にあった怖い名無し
06/01/20 04:26:09 hjK3SUjf0
そんな事してないで、そろそろ寝た方がよろしくてよ?

322:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:26:43 phTZ3kIL0
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420 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 22:17:11 ID:LuhKf2zX0
副理事は、応接室のソファーから立ち上がると奥の事務室に向かいました。
暫くして戻って来た時に、その手には問題のビデオテープがありました。
「これが、そのテープです。」
テーブルの上にビデオテープが置かれました。

「貴方が見たいと言っていたものです。」
副理事はソファーに座り直し、
馬淵さんの目の前に問題のビデオテープを差し出しました。
馬淵さんは、職業柄「相手との駆け引き」が必要なケースが多く。
自分の感情を表に出すことが少ないのですが、
この時ばかりは今直ぐにでも見たい衝動に駆られたそうです。

421 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 22:19:52 ID:LuhKf2zX0
馬淵さんがビデオテープに手を伸ばそうとした瞬間、副理事が話し始めました。
「このテープは、貴方に差し上げます。」いきなりの展開に、馬淵さんは
「えっ!」っと、声を発し伸ばしかけた手を止めました。

副理事は、馬淵さんの態度を見ながら付け加えるように話します。
「このテープの事を、熱心に調査された貴方です。
貴方ならば良い形で使用してくれるでしょう。
これも、貴方の職業意識に感銘致しました。どうそ、お持ち帰り下さい。」

つい先程まで「テープは無い」ような説明をしていた副理事から、
いきなりの提案に戸惑い・・・普通なら躊躇せず持ち帰るところなのですが、
馬淵さんは思わず聞き返してしまったそうです。
「副理事、このテープは処分したいと言う意味ですか?。」

323:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:28:05 phTZ3kIL0
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419 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 22:14:55 ID:LuhKf2zX0
問題の返却されたビデオテープは、現場に近い「カメラA」の方で撮影されました。
再生に立ち会った組合担当者は、
警察官と二人で再生画面を前にして首を傾げるしかなかったそうです。
こう、当時の状況内容を副理事は説明してくれました。
「まあ、正直なところ・・・うちでも困っていました。」
副理事は馬淵さんに知られている事を納得すると、急に流暢に語り始めました。
「警察から返却をされたのも事実です。
しかし、また確認をしたいと言われた時を考えると・・・組合でも処分に困っていたところです。」
どうやらこの副理事は、隠している事にどこか責任を感じていたのではないかと馬淵さんは思いました。

事件性自体も、組合としては困惑していたのは想像が付きます。
それ以上に、事件直後に立ち会った警察官が首を傾げるビデオテープの存在が有り。

挙句には、警察から返却までされているとなれば処分に困るのも頷ける。
副理事という立場でなくても、関係者ならば余計に気持ちの良い物ではない。
副理事も、何か誰かに話せたことで「気が楽」になっている様だった。

324:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:29:06 phTZ3kIL0
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421 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 22:19:52 ID:LuhKf2zX0
馬淵さんがビデオテープに手を伸ばそうとした瞬間、副理事が話し始めました。
「このテープは、貴方に差し上げます。」いきなりの展開に、馬淵さんは
「えっ!」っと、声を発し伸ばしかけた手を止めました。

副理事は、馬淵さんの態度を見ながら付け加えるように話します。
「このテープの事を、熱心に調査された貴方です。
貴方ならば良い形で使用してくれるでしょう。
これも、貴方の職業意識に感銘致しました。どうそ、お持ち帰り下さい。」

つい先程まで「テープは無い」ような説明をしていた副理事から、
いきなりの提案に戸惑い・・・普通なら躊躇せず持ち帰るところなのですが、
馬淵さんは思わず聞き返してしまったそうです。
「副理事、このテープは処分したいと言う意味ですか?。」

325:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:33:51 phTZ3kIL0
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422 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 22:22:14 ID:LuhKf2zX0
「いえ、いえ・・・そんな事はありません。私どもの組合事務所では、
間違って上からダビングをしてしまった事にします。」
副理事は勝手な説明を続けた。
「しかし・・・。」馬淵さんが話を切り返そうとすると、副理事は遮るように
「貴方は見ないのですか?、必要ないのですか?・・・」

暫くの沈黙の後、
「そうだ、これから会合がありました。
もっとお話しをしたいところだが、残念です。」

急に取材の席を立とうとする副理事。
まるで、テーブルの上のビデオテープなど眼中に無いかのようにソファーから離れる。

326:本当にあった怖い名無し
06/01/20 04:33:59 hjK3SUjf0
そんな事を繰返していてはあなたの為にならない

327:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:35:01 phTZ3kIL0
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423 名前: M氏 投稿日: 2006/01/08(日) 22:34:17 ID:LuhKf2zX0
副理事の態度を見て、馬淵さんもこれ以上の話し合いは
無理と考えるしかありません。
「なるほど、よく分かりました。
今日はお忙しい時間の中ありがとう御座いました。」
副理事が先頭になり組合事務所の外に出ようとした時、
馬淵さんは最後の質問をしたそうです。

「副理事、芝居はやめましょう。
このテープは、正しく検証させて頂きます・・・。」
馬淵さんは副理事の顔を見つめ直し、半ば強制的に言葉を続けました。
「どんな映像があろうと、改めて報告をします。」
「たとえそれが、画像の乱れでも・・・不可思議なものでも・・・」
副理事は馬淵さんの言葉を聞いていないかの様に、
入り口のドアに向かい手を伸ばします。
「組合も私も・・・関係ない。それは貴方の物です。」
馬淵さんは追い立てられるように、組合事務所を出されてしまいました。

328:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:36:50 phTZ3kIL0
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485 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 01:07:17 ID:aCnhnuho0
組合事務所から「無いもの?」として扱われたビデオテープを、
早速確かめようと駅前のビジネスホテルに飛び込みました。
チェックインを済ませ、部屋の鍵を受け取りエレベーターに乗り込みました。
部屋に入り、狭いシングルルームの片隅にあるビデオ内臓テレビに
ビデオテープをセットし、リモコンの再生ボタンを押しました。

ビデオの映像は複数の画面が同時に映し出されました。
幾つかの定点カメラからの映像です。最初は画面を見ても、どれがどこを撮影しているのか把握出来ませんでした。
映し出された画面は「4分割の画面」の上、更に「モノクロ」、そして「警備用カメラ」の画像の為、音も無く「淡々と、映像だけ」が続きます。
多分、商店街組合の担当者や地元の人ならば、見慣れた店や看板でカメラの位置も把握出来るのでしょう。1~2分の間、画面を見ていましたが埒があきません。
そのうち画面の「時刻タイマー」に気が付きました。

329:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:38:33 phTZ3kIL0
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489 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 01:09:55 ID:aCnhnuho0
警察調書資料を鞄から取り出し、犯行時刻を見直しました。
犯行時刻は「昼の1時38分」。
今映し出されているのは、まだ「1時5分」・・・再生早送りのボタンを押し、
画面を食い入るように見つめていました。
画面のタイマーが犯行時間に近づき、通常の再生スピ-ドに戻します。
当初分からなかった映像も、商店街のどの角度から撮影されているのか大体理解出来てきました。
問題の映像は、モニター右下のフレームです。

画面に目をこらしていると、何人かの買い物客が映ります。
警察調書からは「被害者は35歳の女性」です。
何人かの女性の姿を眼で追いながら「被害者」と思われる女性がカメラ手前に近づいてくるのを確認しました。
丁度、その女性がフレーム画面から半身出てしまった後、右後方から近寄る男の影が映ります。左右に振れているようにも見え、明らかに異様な歩き方です。

330:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:44:28 phTZ3kIL0
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491 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 01:11:13 ID:aCnhnuho0
被害者まで、距離にして3~4メートルでしょうか?。
モニター画面では正確な距離感が掴めません。近づいた男が、上着の懐から凶器と思われる「出刃包丁らしきもの?」を取り出すのが画面に映し出されています。
事件事故の「瞬間映像番組」を見た人なら分かると思いますが、
これから確実に起こりうる「悲惨な事象」を予感する瞬間ほど辛いものはありません。
馬淵さんも、ホテルの小さなテレビ画面の・・・
そのまた「4分割」された小さなモニター部分を凝視していました。

犯人が取り出した凶器を振り下ろします。
何があったのか分からず、倒れる被害者・・・倒れながらも振り返り犯人と目が合う。
凶器を執拗に振り下ろす犯人。偶然通りかかり、目の前の現実を把握出来ない通行人。
時間にして3~4秒位だろうか、その場を右往左往する人々。
日常のどこにでもある普通の商店街が、悪夢と化した瞬間が音も無く映し出されていました。

331:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:45:05 phTZ3kIL0
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496 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/09(月) 01:16:59 ID:aCnhnuho0
犯人が立ち上がり、モニター画面から消えるまでの時間は10秒も無かったでしょう。
モニターを見続けた馬淵さんは、もの酷い嫌悪感に襲われました。
仕事柄多くの事件現場は見慣れています。
「悲惨!」と言われるものにも、自分なりの耐性は出来ているつもりでした。
後味の悪いものを見てしまったという後悔の念だけが残りました。

「チッ・・」小さく舌打ちをし、気分転換のつもりでタバコを取り出し、
部屋にある、備え付けの冷蔵庫の飲み物を出そうとした時に気が付きました。

画像に乱れは無い・・・!
警察関係者からの説明では、返却理由として画像の乱れを挙げていた。
衝撃的な映像のため、我を忘れていたが・・・
以前、警察から見せられたビデオは、確かにアーケードの天井からの撮影されたものでした。天井に設置されているため、事件の全体が撮影されています。
犯行の全体が記録されていた。しかし、細部までは撮影されていない。
何故・・・?、疑問が残る。

332:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:46:50 phTZ3kIL0
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941 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 02:56:52 ID:V79VSs/e0
馬淵さんは、火を付けようとしたタバコを灰皿に投げ捨てると、
テレビ画面の前に座り直しました。
もう一度見てみよう。
リモコンの巻き戻しボタンを押し直します。
巻き戻されている映像を食い入るように見つめました。

「シュウッッ・・・」テープの音と共に巻き戻されていく画面。
犯行の状況が逆回転で映し出されていきます。
犯人がモニターフレームに戻り、被害者の姿が映される・・・、
被害者から離れていく犯人。
確かに、普通に撮影されている。どこにも乱れは無い。
丁度犯人が映り込んでくる辺りで再生ボタンを押し、再度「惨劇」を見返す。
繰り返し見ても最初の映像と変わりが無い。
「惨劇」が2回、繰り返されただけでした。

333:本当にあった怖い名無し
06/01/20 04:47:04 ObXe+068O
この人気持ち悪いんですけど・・・・

334:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:47:52 phTZ3kIL0
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945 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 02:59:05 ID:V79VSs/e0
ビデオのスイッチを消し、馬淵さんは「ふーっ」と大きなため息を一つ吐きました。
部屋のベットに腰を下ろし、なにも映っていないテレビ画面を漫然と見ています。

今見たビデオに間違いないだろう・・・。確かに「このビデオ」としか思えない。
撮影された角度が違うだけで、犯行の一部始終が記録されている。
いくら小さなモニター画面だとしても、カメラと犯行現場の距離が近い分
警察資料として見たものよりもはるかに犯行状況がよく分かる。
画像のブレや映像の乱れは、2度見返したがどこにも無い。
聞いていた情報と話しが食い違う。

馬淵さんは取材メモを取り出し、先程の取材内容を思い返していました。
何故、これを警察は返却したのだろう・・・?
何故、商店街組合の副理事はこのビデオテープ隠そうとしたのか・・・?
何故、下手な芝居がかった素振りをしてまで、テープを処分したがっていたのだろう・・・?
なにより、これのどこが「問題のビデオテープ」なんだ・・・・?

335:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:49:00 phTZ3kIL0
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947 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 03:00:39 ID:V79VSs/e0
狐につままれたような、漠然とした疑問が湧いてきます。
自問自答を繰り返しても明確な答えが出てこない。頭で整理しようとしてもまとまらない。自分が納得出来る説明がほしい・・・。
もう一度、事の真偽を確かめなければ解決しないだろう。
馬淵さんは、ポケットから組合の副理事の名刺を取り出しました。

副理事は、このビデオを見ている筈だ。彼から情報を得る必要がある。
携帯を取り出し、名刺の携帯電話番号を押しました。
「はい。商店街組合です。」女子事務員だろうか?明るい声で応答がありました。
「もしもし、先程取材で伺った馬淵と申しますが、先程はありがとう御座いました。添田副理事はお戻りになっていらっしゃいますでしょうか。」
ところが、馬淵さんからの電話と分かった途端、相手の声の調子が変わりました。

336:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:49:40 phTZ3kIL0
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949 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 03:01:40 ID:V79VSs/e0
「申し訳ありません。添田は外出しておりまして今日は戻りません。」
「そうですか。実は先程の取材中にお借りしたビデオテープの件で、もう一度お話を伺いたいと思ってお電話したのですが・・・。」
「承知いたしました。明日の添田の予定もあると思いますので、こちらから連絡するよう伝えておきます。申し訳ありません、失礼致します。」
「ツー、ツー・・・・」電話は一方的に切られてしまいました。

明らかに馬淵さんを避けているとしか思えない対応です。
今の電話の様子では、商店街組合に出向いても、取材はおろか面会も無理でしょう。
もかしたら、2~3日は事務所にも現れないかもしれない・・・
そんな雰囲気すら感じられます。

337:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:54:36 phTZ3kIL0
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950 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 03:02:26 ID:V79VSs/e0
携帯画面を見つめたまま、「どうしてこんな展開になってしまったのだろうか・・・」
馬淵さんは今までの状況を整理し、取材方法を変える事にしました。
「組合事務所がダメなら、予定していた所轄で疑問を解くしかないな。」
ビデオテープを取り出し鞄に詰め込むと、馬淵さんはホテルの部屋を後にしました。
ホテルから、所轄まではタクシーで10分程度の距離です。
駅前通りでタクシーを拾い乗り込みました。

行き先を告げ、車中で警察調書を読み直しながら担当の鎌田課長に連絡を入れました。
「もしもし、馬淵と申します。昨日お話しをしました事件の取材の件でそちらに向かっています。もう間もなくそちらに着きます、宜しくお願い致します。」
鎌田課長との電話を切った時、運転手がバックミラー越しに馬淵さんを見ていました。

338:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?118 より
06/01/20 04:55:24 phTZ3kIL0
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951 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 03:04:03 ID:V79VSs/e0
「お客さん、取材って言ってましたけど・・・事件かなんかのですかねぇ?おたく、新聞記者さん?」
「ええ。まあ・・・。たいした取材じゃないです。」
これ以上の会話にならないよう、外の景色に目を移しました。
「事件って、通り魔殺人のことですか?」運転手の突然の質問に、馬淵さんは驚きました。
「えっ?」
「いや、こんな街に記者さんが来るなんて珍しいし・・・。行き先が警察とくれば、あの通り魔事件しかないでしょう。」
馬淵さんは黙って運転手の話を聞いていました。
「あの事件は地元でもショックだったねぇ。まあ、殺されちゃった女の人も可哀想だけど、犯人もその兄貴も可哀想だね・・・。まったく、変なことで有名になっちまったもんだ。」
「兄貴・・・?」

339:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 04:56:39 phTZ3kIL0
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86 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:07:44 ID:V79VSs/e0
勝手に新聞記者と勘違いをし、聞いてもいないことを語り始めました。
「あの事件の後は、おたくみたいな記者さんが大勢取材に駆けつけて来たから、
2~3日は私達もお客が増えて忙しかった。
でも、病気や薬が原因だとか、入院のニュースを発表してから街も静かになりましたよ。」
「そうですか・・・。」

「やっぱり、そういうのって罪にならないんですか?」
「法律上では難しいですね・・・。」
「だけど、家族や身内はたまらないね。やってしまったことは悪い事だから仕方がないが、
被害者の保障も兄貴が肩代わりするらしい。」
「お兄さんが代わりにする話になっているのですか?」
「あくまでも噂話ですよ・・・
お金で解決すりゃ良い訳じゃないが、保障や誠意も無けりゃ被害者は泣き寝入りですよ。
まあ、身内にお金の余裕がある相手だった分、不幸中の幸いですかね。」
偶然に乗り込んだタクシーとはいえ、話し好きの運転手から地元の噂話を教えられました。

間もなくタクシーは所轄警察署の前に到着し、受付で用件を伝えると小さな会議室に通されました。
馬淵さんの職業柄、警察との関係は微妙なバランスで成り立っています。
その警察への取材となれば、慎重に進めなければなりません。
いつもなら、お互いの情報を聞き出し合いながら駆け引きに近い状況となりますが、
今日の取材は違います。
商店街組合から借りているビデオテープがあります。
何故、このテープが返却されたのか確認しなければなりません。

340:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 04:59:03 phTZ3kIL0
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87 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:09:25 ID:V79VSs/e0
暫く待たされましたが、担当の鎌田課長が現れました。
「初めまして馬淵と申します。今日はお忙しいところありがとう御座います。」
「いえいえ、余り時間は取れませんが大丈夫ですよ。ところで、昨日の電話で事件の取材と伺っていますが、どのような内容についてですか?」
「はい。鎌田課長さんが事件の担当をされたと知りまして、詳細をお聞きしたいのです。」
「詳細と言っても、内容は正式に合同発表されたものが全てなのですが。」
「ええ。事件の資料は拝見させて貰っています。 在の捜査状況だとか、その後の内容ですとか・・・幾つかお話しを聞きたいのです。」
「そうですか、分かりました。貴方もご承知の通り、全てお答えする訳にはいきませんが宜しいですか?」
鎌田課長は、取材と聞いて無下に断る訳にもいかず。
しかし、捜査内容の詳細をフリーライターに話すのも職務上出来ない事を含ませ、取材が始まりました。

「犯人の村岡賢二ですが、治療中と聞いていますがその後の経過はどうなっていますか?」
「村岡については、現在変わりません。医師からの報告待ちの状態です。」
「精神障害の病歴と薬の服用をしていたとありましたが、詳細は分かりますか?」
「薬の専門家じゃないから詳しくはありませんが、抗うつ剤の一種と聞いています。」
「犯行当時に病状の脅迫観念や、薬の副作用で幻覚症状があった訳ですか?」
「それについても、まだ分かりません。報告書を含め作成検討中ではないでしょうか。」
「犯行の動機として病状や薬が関与する可能性について、ご意見はありますか?」
「軽微な交通違反を除き・・・。どんな事件にしろ、罪を犯す者は普通の状態じゃない。
それが、仮に薬の影響だったとしても分かりません。」
警察は、あくまで医師の報告を待つのが伺えます。

341:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:00:27 phTZ3kIL0
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88 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:10:29 ID:V79VSs/e0
「被害者の女性についてですが、身内の方はどうしていますか?」
馬淵さんは、タクシー運転手の噂話について真偽を確かめてみました。
「被害者の身内の方については、お話出来ませんよ。」
「いえ、身内の方に取材をするつもりはありません。
ただ、犯行の特徴から事件後の保障問題や不安等が残りませんか?」
「村岡の身内がこの街におりまして、事件後は被害者と会われた事は聞いています。」
「村岡のご両親ですか?」
「確かお兄さんと聞いていますね。村岡の二親は、かなり前に亡くなっています。」
「病歴等の問題もありますし、犯人逮捕もしている事件ですから・・・
そこまでは発表をしていません。各マスコミの方も、報道に配慮されていましたから。」
「保障問題まではプライベート過ぎますから、そこまでは書けませんよ。」
タクシー運転手の噂話は正確でした。

幾つかの話を交わし取材を進めていましたが、馬淵さんはいよいよ本題に入りました。
「証拠として提出された、警備用ビデオテープについてお話を聞かせて下さい。」
鎌田課長の表情から、社交儀礼的な笑顔が消えました。
「証拠のビデオテープですか?」
「はい。確か商店街組合から提出されたビデオテープがありますよね。」
「そうだったかな・・・?。
貴方の言うビデオテープは、資料として発表した物と記憶していますが。」
「それは拝見しました。もう1本の、こちらの警察署から返却された物についてです。」
「そんな証拠テープがあったかな、記憶に無いですね・・・。」

342:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:02:16 phTZ3kIL0
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89 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:12:31 ID:V79VSs/e0
商店街組合の副理事の対応と一緒です。鎌田課長も、とぼけている対応です。
「鎌田課長、こちらに伺う前に組合事務所で話を聞いて来ています。」
馬淵さんが説明を加えると、急に思い出したかのように話し始めました。

「あー、そうでしたね。そう言えばもう1本有りましたね。そうだ、そうだった・・・、同じ映像が映っていたので、片方を返却したと思いましたよ。」
何故か、聞いてもいない返却理由まで付け加えてくれました。
「そのビデオテープは、もう返却していて・・・こちらには無いですね。」
鎌田課長は返却している事実から、最後の言葉だけは語尾が強くなっていました。
「ええ、返却されたのも聞いています。テープの返却理由を教えてほしいのです。」
馬淵さんが少し身を乗り出して話すと、鎌田課長の表情が強張りました。

「貴方、何故・・・知りたいのですか?」
「証拠のビデオテープならば、何本あっても不思議ではない。
だいいち、唯の証拠品では無い、犯行状況が撮影されているテープです。
仮に2本同様の物であっても、ダビングする事も簡単です。
それ以前に、ダビングをする手間を考えても返却するのはありえないのでは無いですか。」

343:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:02:57 phTZ3kIL0
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90 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:14:09 ID:V79VSs/e0
再生映像を見てから強く疑問を抱く馬淵さんは、説明を聞かなければ納得出来ません。
「警察としては、必要無いと判断したからです。それ以上の意味も理由もありません。」
先程までの取材中の会話ではなく、明らかに職務中の口調に変わりました。
丁寧に説明をしていますが、無言の圧力のような機械的な説明です。

一瞬の間の後に、鎌田課長の表情が社交辞令的に戻ります。
「さて、この変で宜しいですか、これ以上の質問はないですね・・・」
「待って下さい。ここに、返却されたビデオテープがあります。」
取材を打ち切ろうとした鎌田課長の目が、馬淵さんを見据えます。

「このテープは組合事務所からお借りしたものです。」
鞄からテープを取り出し、鎌田課長に見せました。
「どう考えても、以前拝見した犯行ビデオより詳細に映されています。
誰が見ても、証拠としての価値があると判断出来ると思います。」
「貴方、映像を見たのですか?」
「はい、見させてもらいました。だから余計に疑問が湧きます。」
鎌田課長は馬淵さんの手にあるビデオテープを確認すると、もう一度繰り返しました。
「映像を見ましたよね・・・それが理由です。」話が噛み合いません。

344:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:08:33 phTZ3kIL0
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92 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:16:03 ID:V79VSs/e0
所轄の取材をしたことは正解でした。馬淵さんの疑問について解決の糸口が見えました。しかし、根本的なビデオテープの映像に問題は残っています。
携帯を取り出し、隣町にある新聞社支に連絡を入れます。
ビデオの再生機を借りるつもりです。
段取りを付け駅まで戻ろうとした時に、乗り付けた時のタクシーが待機しているかのように停車していました。
馬淵さんに興味を持ったのか、出て来るのを待っていたようです。

「お客さん、乗りますか。」
「ありがたい。出来れば隣町の新聞支社までお願いします。」
タクシーに乗り込むと、待ってましたとばかりに話し掛けてきます。
「取材はうまく行きましたか?、警察は何か発表するのですか?」
どうやら、新しいネタでも仕入れたいのだろう。矢継ぎ早に質問をしてきます。
「いや、新しい展開は無いですよ。それよりも、運転手さんの話が聞きたいですよ。」
「私のですか、そんな話はあるかな・・・。たいしたものは無いですよ。」
「なんでも良いですよ。地元の話しはなかなか伝わらないですからね。」
もったいぶるような素振りを見せていましたが、得意気に語り始めました。

345:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:09:52 phTZ3kIL0
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93 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:17:16 ID:V79VSs/e0
新聞支社に着くまでの間、ほとんど一人で喋っていました。
馬淵さんが知らない地元の噂話から、他合いの無い話まで・・・取り留めない話しでしたが、
興味をそそられる内容もあり退屈しない時間でした。
夕方前に到着し建物に入りました。
新聞支社には、他の取材から懇意にしている担当の錦山さんが居ます。
彼に頼み込んで、機材を借りる予定でした。

再生機のある部屋に案内され、今までの概略を説明します。
錦山さんは地元の記者です。勿論、隣町の事件ですから知らない筈がありません。
事件の取材もしていましたが、2本目のビデオテープの件は聞いてはいましたが、
詳しい内容までは知りませんでした。

「馬淵、本当にそんな不思議なテープなのか・・・?」
「お前に嘘をついても仕方が無い。第一、これがそのテープだよ。」
錦山さんの前にビデオテープを置きます。
「一度見たがその時は不審な映像は無かった。しかし、警察も組合事務所も隠している。」
馬淵さんは、昼からの疑問が晴れるのを期待しながらテープを渡します。
再生をする前に、備え付けのパソコンにも映像を落とします。
再生画面で判り辛い場合でも、コピーをする事で処理が出来るからです。

346:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:10:33 phTZ3kIL0
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94 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:18:19 ID:V79VSs/e0
「再生すると、このモニターに映る。」
錦山さんはモニターを指し示しながらボタンを押しました。
「最初から再生しても暫くは映らない、30分位進めてくれ。」
馬淵さんの指示で、早送りに画面が変わります。
ホテルで再生した見覚えのある画面が、大きく鮮明に映し出されます。
「錦山、その辺りだ・・・右隅のフレームだ。」
馬淵さんの声に、再生速度を戻します。

再生モニターに、4分割の映像が映し出されます。
「確かにあの商店街だ。そうだ、このフレームだ。」
何回か現地取材をした錦山さんには、画面の区別がついています。
「気分の良いものじゃないぞ。」
「ああっ、分かっている。」二人は、画面をじっと見詰めています。

「そうだ、近付いてくるのが犯人の村岡だよ。手前が被害者の女性だ。」
錦山さんにも見覚えのある顔が映ります。
「うん・・・???」
モニターを見ていた馬淵さんは、変な違和感を覚えました。

犯行状況が映し出されます。
「うわっ、こりゃ酷いな。前に見せられた資料よりリアルだ。
こんなテープがあったのか・・・。」
食い入るように見ていた錦山さんが、馬淵さんと同様の反応します。
犯行が終わり、犯人が離れて行くところまで再生が進みます。
「馬淵、こりゃ刺激が強すぎる。警察も、それで出さなかったんじゃないか?」
見終わった錦山さんが解説をするように話し掛けます。

347:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:12:04 phTZ3kIL0
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95 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:19:04 ID:V79VSs/e0
「すまん、もう一度巻き戻してくれ。」
「どうした、何か気になるところでもあったか?」
犯行直前の映像の違和感が気になりました。
「そう、そこだ・・・、近付くところだ。ほら、変に体が振れていないか?」
「どこだ、歩いてくるところか。うん・・・なんだ?」
馬淵さんに言われた場面を良く見てみると、確かに振れ方に不自然さを感じます。
モニターに映る通行人等、他の動く物は振れていない。
「ほら、錦山。なんか変じゃないか・・・村岡が二人いないか。振れているのでは無く、体が重なる様になっていないか・・・?」
「そんな事は無いだろう、動いているからそう見えるだけじゃ・・・」

馬淵さんの説明を聞き、見ていた錦山さんが画面を凝視しています。
「なんだ、なんか変だぞ。錦山・・・ほらっ、ここもそうだ。」
犯人の村岡が、被害者に襲いかかろうとしている場面でも同様になっています。
「また、体が振れている。横にズレていないか・・・」
「馬淵、体だけじゃない。手が1本多く見える・・・?」
モニターを見詰め、二人とも黙ってしまった。

348:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:14:56 phTZ3kIL0
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96 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:19:59 ID:V79VSs/e0
「ちょっと待ってくれ。今画像処理をしてみる。」
ついさっきまで疑っていた錦山さんが、慌ててパソコンの前に座り直した。
パソコンのモニター画面に、ビデオ同様に映し出されます。
「今の映像は、ここからだよな。」
「そこだ、そこで停止してくれ。フレームで拡大出来るよな。」
思わず馬淵さんも声が上ずっている。
画像を拡大するとさっきよりも画面がぼやけるが、それでもビデオモニターより見やすい。

「馬淵、こりゃ何だ。何が映っているんだ。」
「分からない、俺にもわからない。唯、やっと不可思議の意味だけは分かった。」
組合副理事や、警察の取材を思い出していた。これならば、説明を濁すのも分かる。

「馬淵、犯人が二人なんて聞いていないぞ。それよりも、目撃者だって犯行は一人と証言している。」
聞き込み取材で確認もしているし、現行犯逮捕がなによりの実証になっている。
錦山さんも混乱を隠せない。
「ホラー映画じゃあるまいし、なんだか訳が分からない・・・。」

349:死ぬ程洒落にならない怖い話集めてみない?119
06/01/20 05:16:11 phTZ3kIL0
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97 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/10(火) 23:20:57 ID:V79VSs/e0
「錦山、悪いがこの映像をプリントアウト出来るか。後、もっと鮮明に処理出来ないかな?」
「分かった、画像線明度を上げるだけじゃなくカラー処理も出来る筈だ。少し時間をくれ。」
画面を保存し直し、プリント操作をする。隅のコピーから紙が出てくる。
「このコピーは貰うよ。後、テープを出してくれ。」
馬淵さんはビデオテープを鞄にしまい込みました。

ビデオテープの不明点は判明しました。
しかし、映り込んだものに対して現実的な判断出来ない。
これを証拠ビデオテープとした事を考えると、余計に混乱を招くであろう。
また、説明しようにも出来ない。関係者の態度も頷けるます。
頭の中では確認したばかりの映像がグルグル回り、まだ整理が出来ていません。
映り込んだ原因も、映像その物の謎は解けていない。

「馬淵、画像処理が終わったら連絡を入れる。」
「ああ、頼むよ。それと、事件の詳細で教えてほしいこともある。
後、これは誰にも話さないでくれ。」錦山さんに他言無用を約束させました。
「大丈夫だよ、話すにしても・・・俺が説明出来ない。」
錦山さんも、苦笑いしか出来ないようでした。

350:本当にあった怖い名無し
06/01/20 05:16:36 hjK3SUjf0
訳を言いなさいよ

351:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:20:29 phTZ3kIL0
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252 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:36:33 ID:Zdnmf5vJ0
廊下に出た馬淵さんは、資料室に案内されました。
書棚の中から、事件発生日のファイルを見つけ取り出しました。
「馬淵、これが資料だ。日付順に並んでいるから、該当する項目を探してくれ。
そっちが校正前の原稿とクリップ資料だ。」
「ありがとう。それと今回のビデオテープについてだが、正直なところお前の言う通り
ホラー映画みたいでよく分からんよ。」
「まったくだ。警察に提出した証拠テープじゃなきゃ信じられん。」

「錦山、お前の知り合いにビデオの専門家はいるか?」
「カメラマンか、写真部なら詳しいのがいると思うが・・・。」
「テープを疑る訳じゃないが、撮影状況であんな映像になるケースがあるか検証したい。」
「確かにそうだな。仮に、偶然としても解明しなきゃ、納得出来ないしな。」
「それと、俺もホラーだのオカルトだの専門じゃないし・・・そっちに詳しい奴はいるか?」
「馬淵、オカルト専門の記者はいないぞ。居たら会って見たいけどな。」
二人とも苦笑いしながら資料ファイルを見ていました。

352:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:22:47 phTZ3kIL0
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253 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:38:23 ID:Zdnmf5vJ0
錦山さんに資料室の片隅にあるテーブルに案内され、ファイルの中身を順に見て行きます。「馬淵、俺はまだ別件が残っているから部屋に戻るが、この後どうする?」
「そうだな。今は、分からない事が多すぎる。どこから調べていいか手掛かりは無いし、あるのはビデオ映像のコピーだけじゃ・・・手詰まり状態だよ。」
「俺の方はお前が話していた、ビデオやらオカルトの詳しい奴から探してみる。」
馬淵さんは資料の中の取材先リストと、名簿を探し出しコピーをしました。
「取りあえず、基本の関係者取材をするしかないな。忙しいのに手間を取らせて悪いな。後、連絡先の番号だ。何か分かったら電話をくれ。」
錦山さんにホテルの電話番号を教え、借りた資料を持って新聞支社を後にしました。

ホテルの部屋に戻ったのは、夜の7時を過ぎていました。
ホテルに着くまでの間、今日一日の出来事を整理していました。
取材の切っ掛けとなった、「不可思議なビデオテープ」は存在した。
テープに対して、組合事務所や警察の取り扱いの意味も分かった。
不可思議な映像も確認出来た。・・・しかし、映り込んだ映像も原因も不明である。

353:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:26:31 phTZ3kIL0
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254 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:41:56 ID:Zdnmf5vJ0
どう考えても、あの映像の意味が分からない。
犯人の村岡が単独犯なのは間違いない。
なのに、二人の人間が居るような映像が残されている。
何か、映像ミスが原因なのだろうか・・・?
それとも、誰かが意図的にビデオテープを捏造したのだろうか・・・?
嫌、犯行直後に警察が検分している。そんな時間も、する意味も必要も無い。
幾度も考え直してみるが、必ずそこで止まってしまう。
答えにならない・・・。

そんな時、携帯が着信を知らせました。
「馬淵か、俺だ。錦山だよ。」
「どうした?」
「お前に頼まれたテープの検証の件と、オカルトに詳しい奴の段取りが付いた。」
「本当か・・・。」
「ああ、なんとかなったぞ。それより明日の朝、10時に地元TV局に来てくれ。
支社の機材じゃ限界もあるので、スタッフを紹介してもらった。
待ち合わせは、局のエントランスだ。大きなTV局じゃないからすぐ分かる。」
「分かった。何から何まで、いろいろ頼んでしまって悪いな。」

「大丈夫だ。後、画像処理も終わった。うまく、カラーにも出来た。
振れて二重に映り込んでいた変な映像も、なんとか判別出来るようになったぞ。」
「何が映っていた?」
「とにかく、詳しい事は明日話す。お前も見た方が早い。
でも、例の二重映像の顔をみて驚くなよ。」
用件だけ告げると、錦山さんからの電話は切れました。

354:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:27:36 phTZ3kIL0
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255 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:44:03 ID:Zdnmf5vJ0
翌日、馬淵さんは少し早めにTV局に到着しました。
錦山さんから、例のカラー映像を直ぐにでも見せて貰いたいからです。
エントランスの自動ドアが開き中に入ると、錦山さんを探しました。
ロビーの隅で、錦山さんが何人かの男女と打合せをしています。
どうやらかなり早い時間から到着していたようです。
錦山さんが、馬淵さんに気付きました。

「おう、おはよう。予定より早いな。」
「おはよう錦山。お前こそ早く来てたみたいだな。」
「ああ、支社のデスクにも許可を貰らって、俺も正式に動けるようになった。
その代りに、記事として内の独占にさせて貰うぞ。」
「それは構わない。俺の依頼元は新聞じゃないからな。」
「メンバーを紹介する。カメラマンの内川君と、TV局編成スタッフの石崎君だ。後、オカルトに詳しい大学助教授の田中さん。」
「初めまして、馬淵です。今日はありがとう御座います。」
戸惑いながらも、錦山さんに紹介された三人と挨拶を交わします。


355:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:28:45 phTZ3kIL0
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256 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:45:45 ID:Zdnmf5vJ0
スタッフの石崎君に案内されて、3階の編成室まで移動します。
エレベーターが降りて来るのを待っている間に、
周りに聞こえないよう注意して小声で話します。
「錦山、随分大袈裟になってないか・・・?」
「お前が帰った後、いろいろ段取りをしていたらデスクに気付かれちまった・・・。
説明するのを躊躇ったが、俺だけじゃ専門外すぎて分からない。
逆に、話して巻き込んじまったのさ。
新聞支社の名前を出した方がいろいろと動きが早いからな。」
「しかし、まだ何も解明されていない。だいいち、事件との関連も不明だ。
ひょっとすると、訳が分からないまま終わる可能性もあるぞ。
このままじゃ、大事になりすぎて済まなくならないか?」

「馬淵。俺も、お前の言う通りだと思う。
でもこのままじゃ、それこそ単なるホラー映画だぞ。」
「だから、余計に心配なんだ。
これで何も収穫ネタが無ければ、お前の立場が悪くならないか?」
エレベーターが到着しました。全員が乗り込みます。
馬淵さんの助言も、これ以上は無理な状況です。
「心配するな、例の映像がある。続きは上で話す。」
錦山さんは、そう言って話を中断しました。

356:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:32:40 phTZ3kIL0
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257 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:50:13 ID:Zdnmf5vJ0
編成室に入り、手前の打合せテーブルに案内されました。
順次、席に着きます。馬淵さんは、改めてメンバーを確認します。
カメラマンの内川君、モニター前に居るTV局の石崎君。
二人とも、職業柄か雰囲気が出ています。
馬淵さんは「女性」に対して偏見もありませんが、田中助教授には興味が湧きました。
元々、大学教授とは面識も少ないく、ましてや「オカルト?」と聞けばどうしてもイメージと繋がりません。

席に座るなり、田中さんが話し出しました。
「錦山さん、私は民俗学専攻です。単なるオカルト研究ではありません。」
強い口調で錦山さんに訂正を求めます。
「あはは、また叱られてしまった。」
錦山さんが注意をされ、苦笑いをしています。
どうやら、田中助教授さんは【際物扱い】をされるのが嫌なようだ。
小柄な女性助教授の田中さんに、初対面から驚かされている馬淵さんでした。

357:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:33:54 phTZ3kIL0
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258 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:51:43 ID:Zdnmf5vJ0
全員の前にレーポートの様な物が配られ、錦山さんが話しを始めました。
「今日は、お集まり下さいましてありがとう御座います。
配った紙は、隣町の通り魔殺人事件の記事とその概要です。」
全員が配られた資料を見返す。
「私の友人であるフリーライターの馬淵が、取材で一本のビデオテープを入手しました。
ビデオテープはこれから石崎君に再生及び画像処理をしてもらいますが、不可思議な映像が映っています。それについて、田中助教授に意見を伺いたいと思っています。」

「馬淵、昨日の概略をお前から説明してくれるか。」
錦山さんから説明を求められ、昨日の出来事について順を追って話し始めました。
田中助教授は資料を読み終えたのか、馬淵さんの話に頷いています。
「馬淵、ビデオテープを渡してくれ。石崎君、作業して下さい。」
錦山さんの指示に従い、テープを出します。
再生準備を見ながら、馬淵さんが話を加えます。
「このビデオテープは、かなり刺激が強い映像です。注意して見て下さい。」

358:コピペ『怖い話・恐い話』より
06/01/20 05:38:49 phTZ3kIL0
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259 名前: M氏 [sage] 投稿日: 2006/01/12(木) 00:53:09 ID:Zdnmf5vJ0
馬淵さん、錦山さんは何度か見ていますが、始めて見る他の三人には刺激が強すぎました。
内川君と石崎君もなんとか映像を見ている状態ですが、田中助教授はかなりのショックだった様子です。
全員、話す言葉が出ないまま沈黙が続きます。
「馬淵、肝心なところを指示してくれ。」
問題の場面を指示して、画像調整を頼みます。
画面を再スタートさせながら、色調並びに画像処理を加えます。

犯人村岡の映像が振れ始めたところから、画面が徐々に見やすくなります。
「田中助教授、ここから注意して見て下さい。」
錦山さんの声に、嫌々ながら画面を見つめます。
「あっ・・・」四人が同時に声を上げます。
画像の見辛い状況でしたが、昨日確認した馬淵さんも声を出してしまいました。
「馬淵、村岡の顔が違ってる・・・昨晩気付いて、俺も驚いた。」
錦山さんが、馬淵さんに説明します。

359:本当にあった怖い名無し
06/01/20 05:52:58 phTZ3kIL0





ヂチチュウ イラン クルナラ マタヤル







360:本当にあった怖い名無し
06/01/20 05:56:28 hjK3SUjf0
ジチチュウって何?

361:本当にあった怖い名無し
06/01/20 06:12:00 phTZ3kIL0





オマエジャナイ








362:本当にあった怖い名無し
06/01/20 06:20:33 ObXe+068O
手間の掛かるコピペ朝までお疲れ。殆どすっ飛ばしたけど。

363:本当にあった怖い名無し
06/01/20 06:27:06 hjK3SUjf0
ジチチュウっていうがわからないけれど
あんまり意地張ってムチャせんときよ

364:本当にあった怖い名無し
06/01/20 07:12:16 +rr1ngbF0
昨日、羽田発の日航123便乗ったんです。123便。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいでほぼ満席なんです。
で、離陸して少ししたらたらなんか「ドーン」って衝撃音がして、機長がなんか爆発したぞ、とか言ってスコーク77を発信してるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、垂直尾翼が吹き飛んだ如きで普段使ってない緊急信号発信してんじゃねーよ、ボケが。
油圧装置破壊、致命的損傷。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で家族旅行か。おめでてーな。
よーしパパ、スチュワーデスのお姉さん強姦しちゃうぞー、とか言ってるの。
もう見てらんない。
お前らな、JALの株主優待券やるからその席空けろと。
緊急事態の旅客機ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
隣のシートに座った奴といつ遺書の殴り書き合いが始まってもおかしくない、
死ぬか生きるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。家族連れは、すっこんでろ。
で、やっと急降下したと思ったら、機長が、これはだめかもわからんね、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、そんな無責任な発言なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
悟ったような顔して何が、これはだめかもわからんねだ。
お前は本当に操縦不能だと思ってるのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、墜落してもオレの責任じゃねーぞって言いたいだけちゃうんかと。
123便通の俺から言わせてもらえば今、123便通の間での最新流行はやっぱり、
自衛隊機撃墜説、これだね。
自衛隊機に撃墜された。これが通の新説。
この新説ってのはかなりネタが多めに入ってる。
そん代わりかなり回りから叩かれる。これ。
で、それに再調査拒否。これ陰謀。
しかしこれをやると次から事故調査委員会にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、阪神の優勝でも願ってなさいってこった。

365:本当にあった怖い名無し
06/01/20 07:13:31 +rr1ngbF0
俺は人類最強の男というコピーに引かれ
人類最強になるためにはどうすればよいのか考えた
人類最強なのだからどんなこともできる
手始めに全裸で姉の部屋にウンガロ、ウンガロとつぶやきながら飛び込む
タンスをこじ開けブラジャーを腰に巻きパンティーを頭にかぶる
姉が呆然としながら見ているが人類最強なので気にしない
姉のベッドに潜りこみ「幸せだから!幸せだから!」と絶叫
姉は無言で部屋から立ち去る
だがまだ最強には不十分
次は妹の部屋にムッシュムッシュと叫びながら飛び込む
妹は着がえをしている最中だったが人類最強なので無視
半裸で逆立ちをしながら
「俺に充電しろ!!俺に充電しろ!!」と絶叫
妹は大泣きで退散
確実に人類最強に近づく
開脚後転でトイレに飛び込み便座を外し首に掛ける
ゾンビの真似をしながら母の部屋に突撃
タンスを開けると一枚の写真発見
死んだ親父が俺を抱いている
俺は泣いた

366:本当にあった怖い名無し
06/01/20 09:38:00 DSmlkeH5O
漏れの話




リアルにphTZ3kIL0が怖い・・・

367:本当にあった怖い名無し
06/01/20 09:46:51 rxb3HiJY0
コピペ荒らしは逆効果。こうなりゃ維持でもこのスレを続けてやる。
万が一削除されたらまた立ててやる。

368:本当にあった怖い名無し
06/01/20 09:47:47 9Xq4ED3n0
コピペでスレ消費ねらってるのかな??

369:本当にあった怖い名無し
06/01/20 09:56:26 s8UEfTRU0
君がずっと夢中なそれなんてコピペ?

370:本当にあった怖い名無し
06/01/20 10:22:32 7E0jQiZl0
>>366
アタイも

371:本当にあった怖い名無し
06/01/20 10:25:52 SviSckyh0
4時間以上も粘着コピペか…。
その労力を別なことに向ければ成功できるのに。

372:本当にあった怖い名無し
06/01/20 11:23:56 ZHWOUHc20
>>371
ヒント:ダメな奴はなにをやってもダメ

373:本当にあった怖い名無し
06/01/20 11:38:06 rxb3HiJY0
「ヒント:」の部分は別に要らないのではないでしょうか?

374:本当にあった怖い名無し
06/01/20 12:12:57 nuTzLA8g0
赤坂・小学六年女児監禁事件の深奥を探ろうとすると、恐ろしいばかりの巨壁が立ち塞がる。
一歩も先に進めない、それほど巨大な壁が存在する。
歯が立たない、いや、どこに歯を立てれば良いのか、
それすら見当がつかないほどの巨壁だ。

唯一の突破口は、自殺したとされる吉里容疑者が秘匿していた顧客名簿である。

そこには2000名の名前と連絡先が記されていた。
小学生をセックスの相手にしようと考える人間が2000人もいたこと自体、異常だが、
写真週刊誌等に掲載された情報によると、
その顧客の職業は   医者、弁護士、政治家  が大半だったとされる。

名簿そのものは警察当局が押収し、これについての発表は一切行われていない。
漏れ伝えられるところによると、そこに書かれた名前のほとんどは偽名だったようだ。
……小学生売春組織の顧客になるのに偽名を使ったところを見ると、
まだ多少の常識は持ち合わせているようだ。

ところが最近、吉里容疑者自身が怯えていた雰囲気が見えた。
彼の背後にはヤクザとは違った闇社会の何かが関係していたと考えられる。
それは半島系もしくは中国系の組織ではないかと推測する者たちもいる。



375:本当にあった怖い名無し
06/01/20 12:16:05 nuTzLA8g0


AV撮影で女優の直腸裂傷…重傷負わせ8人逮捕
「バッキービジュアルプランニング」とは「問答無用 強制子宮破壊」など人権蹂躙鬼畜拷問系アダルトビデオで知られる制作会社のことである。

代表の栗山龍容疑者率いる「バッキービジュアルプランニング」がAV女優の肛門を強制破壊した恐ろしい拷問を行なった。
20代のAV女優に謎の白い粉末を吸わせ、意識が薄れたところを同区西池袋のマンションに連れ込んで無理やり肛門を強制破壊し苦しむ被害者をよそに撮影という名目の拷問行為を続け
4カ月の重傷を負わせ撮影後放置した。女優は半死状態になりながらがらも自力で病院へ生き。退院後の11月に被害届を出した。

もう少し遅ければ確実に死亡している重症だった...想像を絶する恐ろしい拷問がおこなわれたのだ。

アダルトビデオ制作会社バッキービジュアルプランニングの恐怖
URLリンク(www.geocities.jp)

【汁男も】鬼畜AVバッキー逮捕Part5【同罪】
スレリンク(news板)


376:本当にあった怖い名無し
06/01/20 12:31:04 +HQJFUFmO
1:本当にあった怖い名無し :2006/01/18(水) 00:02:45 ID:xSYym4w00
とにかく何でもいいから怖い話を集めましょう
ジャンルや創作の有無は問いません

ローカルルール
・他スレからのコピペも可。(コピペ元を明記しましょう)
・「議論禁止」 「批評、批判禁止」です。
・書き込む際はメモ帳などを利用し、まとめて投稿されることを推奨しますが、なんら強制するものではありません。
・荒らしは徹底スルーしましょう。反応・煽りも荒らしとみなします。
・議論や批評・批判などをする人は荒らしと同扱いです。書き込む人が絶対神です。
  どんな話でも決して貶さないように。
・過度な自治も荒らしですので気をつけましょう。

もう一度言いますが書き込む人が絶対神です。批判は許されません。



粘着? 荒らし?
他のスレではそうかも知れんがここでは神様だよな?

377:本当にあった怖い名無し
06/01/20 12:47:49 Tmtr8CtIO
わ、わかったから…もうヤメてー!

次スレタイには、『PART3』か『第3○(○には話でも夜でも発でもいい)』を付けないとな。

378:本当にあった怖い名無し
06/01/20 12:51:59 mR2IFgww0
前スレのコピペも、東アジアがらみも、犯罪話も
投稿者は神様なんだね
こりゃ伸びるね

379:本当にあった怖い名無し
06/01/20 12:52:11 fIe9z0ijO
>>376
確かにその通りだ。
これは「粘着君頑張れ!」と、エールを送るしかないな。

380:本当にあった怖い名無し
06/01/20 13:07:12 pPxqcqHJ0
>>378
洒落怖のことだすのはちょっと不適切かもしれないが、
洒落怖ではアジア関係の怖い話もジャンル問わずだったのでOKだったきがする。
だからここでもいいんじゃない?

381:本当にあった怖い名無し
06/01/20 13:16:04 MldECsd9O
オカ板内のスレからのコピペは必要無いと思う


382:本当にあった怖い名無し
06/01/20 13:19:16 dJu1yNXb0
よぉーし。
この流れに乗っかって、お兄さん、行き場のなかった実体験の長文を投下しちゃうぞ

383:六分の一
06/01/20 13:20:35 dJu1yNXb0
昨年、僕が里帰りがてら、とあるスキー場に行ったときの話です。

そのスキー場は駅からバスで一時間程の場所にあります。僕の故郷のすぐそばです。
道中、片手は渓流に臨む温泉街に面しています。
逆手には、雪に白んだ山肌が、僕を乗せたバスの車窓に迫っていました。
「この雪が崩れたら…」何故か、期待混じりの不安が過ぎりました。

その時、隣の親子の会話が耳に入りました。
「…A子さんて、あの? 終に見つからなかった人? 交際相手に惨殺された?」
「そうよぉ。犯人も自白して、凶器のナイフも出たのに。もう二十年くらいかねぇ」
「あぁ。」僕は呟きました。地元の殺人事件で衝撃的で、記憶に残っています。

幼い時の記憶といえば、もう一つあります。
僕は、子供の頃スキー場に行くと、必ず親にねだってナイターに行きました。
母はスキーが下手です。父は上手ですが、僕の姉の方に付き添い、男の子の僕は、
基本的に野放しでした。雪山の田舎での男の子の育て方など、昔はその程度でした。

一人で滑っていた僕は、しかし、時々山に迷っていました。
砕氷船の様な気分で深雪を滑るのが好きで、僕はよくコースを外れました。
時々、迷ってしまい、コースを探して板を抱えて山を彷徨ったことが何度もあります。
ですが、その度に必ずロッジに戻ることが出来たのです。

いつも、漆黒の長い髪で全身が覆われた人が、山中で僕を待っていてくれました。
足元まで髪の毛で覆われ顔も見えないその人は、優しく僕の手を引いて、ゲレンデに
戻してくれました。髪の間からのびた細く純白の手に、いつも僕は見とれていました。

別れ際、その人は決まって何か呟きました。か細くしゃがれた女性の声で。
昨年スキーに行くときまでは、なんと言っていたか覚えていませんでした。
その人からは、その人と一緒のときは、いつも、すえた干草の匂いがしていました。

384:六分の二
06/01/20 13:21:24 dJu1yNXb0
スキー場に着いたのは夕刻でした。
そこは、小さな沼のそばにある小山をスキー場にした場所で、規模は小さいですが、
交通の便は悪くなく、雪質も良くて地元では人気の穴場です。
ロッジについた僕は、早速ウェアに着替え、スキーを楽しむことにしました。

冬の陽は、すぐに沈みました。スキーを始めて小一時間でナイターの灯りが点りました。
一面の白銀に橙色を散らした幻想的な世界。僕は、幼少からその美しさに魅了されました。

良くあることですが、このスキー場でも、ナイター営業では一部のリフトが止まります。
頂上へのリフトも止まり、下の方のメインゲレンデでだけ、リフトが動くのです。
逆を突いて、ナイター開始の直前に頂上に上がれば、後からは殆ど人が上って来ません。
束の間、ゲレンデを独り占め。その日も、僕は終了直前に、頂上へのリフトに乗りました。
僕は、リフトからゲレンデを眺めました。スキー客が、大小の美しい弧を描いていました。

不意にゲレンデに目をやると、黒い塊がありました。人間大で、上から下まで真っ黒です。
何故かトクトクと心臓が収縮しました。雪風が痛く、頬を鋭く切り裂くようで、
僕の顔から一筋の血が滴り落ちているのではないかと錯覚しました。
周りのスキー客は、何事もない様子で、黒い塊のすぐ脇を滑り抜けていきます。
「若木に黒い保護シートでもかけたのか」その時までは、幼い日の記憶は忘れていました。

しかし、リフトが黒い塊に最も近づいた時です。僕の記憶が、おぼろに蘇りました。
何処からか異臭が漂ってきました。あの、家畜小屋のすえた干草の様な匂。
「……。だから、それまで…気をつけるんだよ」僕は、女性の言葉を少し思い出しました。

僕は、黒い塊を確認しようと振り返りましたが、雪風にが視界を遮り見えませんでした。
その後すぐに、リフトは山頂に到着しました。

大人になった今は、コースを外れるような冒険はしません。山頂からのコースは一つです。
当然、あの黒い木の側を通ります。体は寒いのに、何故か汗が首筋を伝いました。

385:六分の三
06/01/20 13:22:54 dJu1yNXb0
僕は、はやる気持ちを抑えながら、ゲレンデを大きな弧を描いて滑り降りました。
暫く滑ると、前方に黒いものが見えてきました。辺りには、他のスキーヤーはいません。
最初は、遠くに豆粒程に小さく見えたその塊は、左右のターンを繰り返す度に、長靴位に、
黒い傘位に、そして卓上のモミの木位にと、次第に大きくはっきりと見えてきました。

いよいよそれが二、三十メートル程先に迫ってきたとき、僕の頭に激痛が走りました。
頭に畳針を打ち込まれた様な強烈な痛み。バランスを崩した僕は、激しく転倒しました。
板が外れ飛び散るのが分かります。数秒間斜面を転がった後、雪に塗れて止まりました。

少しの間、目が眩んでいました。視界が真っ暗で平衡感覚がありません。
不意に、周囲に漂う異臭に気が付きました。あの、家畜小屋のすえた干草の様な匂です。
再びトクトクと心臓が収縮しました。雪風が痛く、頬を鋭く切り裂くようで、
僕の顔から一筋の血が滴り落ちているのではないかと錯覚しました。

そんな奇妙な感覚の中で暫く動けずにいると、ようやく僕の視力が戻りました。
もう、目の前は暗くはありません。ただ、真っ黒でした。

その足元まで完全に隠すほど長く、艶のある髪が、僕の顔の上に垂れ下がっていました。
髪の間から懐かしい手がのびてきます。細く真白な腕は、僕に優しく手を差し伸べました。
息苦しいほどの異臭の中で、僕は彼女の手を握り返し、立ち上がりました。

「大人になったら連れていくから。だから、それまで死なない様に気をつけるんだよ」
その時、僕は幼い頃に聞いた女性の声をはっきりと思い出し、総毛立ちました。

昔、彼女は言いました。僕が大人になったら、僕を「連れていく」と。
背筋に冷たい汗が流れ落ちました。僕は、咄嗟に手を引っ込めようとしました。
しかし、女の白い手が僕の手首を握り締め、離しません。懸命に手を振り解こうとすると、
女は、手に力を込めました。骨がギリギリと締め上げられ、関節が悲鳴を上げます。
僕は叫ぼうとしましたが、痛みが勝りました。声になりません。


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