∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part24∧∧at OCCULT
∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part24∧∧ - 暇つぶし2ch193:本当にあった怖い名無し
05/12/29 19:10:37 /YrC4NSo0
山の神様の話題

若い、まだ10代半ばの少年の猟師が、先輩の壮年の猟師と山に入ったが、先輩猟師とはぐれてしまった
日が落ちてから行動するのは死につながると常々教わっていたため、たき火をおこし、
弁当に持ってきた酒の筒と餅の包みを引っ張り出し、魔物よけに剣鉈を引き寄せて夜明かしに入った。

火が小さくなって、ふと目を覚ます。薪をくべたして、また眠ろうとしたところ、闇の向こうに、
緑色の炎がいくつも瞬いている。山犬か、山猫か。がくがくと若い猟師はとっさに剣鉈をつかむと、鞘を払った。
と、光の当たる範囲内に、不意に、若い女が姿を現した。獣の皮を纏った、手足の長い、長身の女で、
赤い髪と、抜けるように白い肌の、美しい娘だった。
「・・・鉈を捨てるか、捨てないか?」
猟師の少年は、先達の猟師は、絶対に鉈を手放すなと言っていたのに、何故か、鞘に収めて、横に置いた。
「餅と酒を渡すか、渡さないか?」
少年は、弁当の包みと酒の竹筒を、震える手で、相手のほうに押しやった。
そこで、娘は、獣のような歯を見せて、無言で笑った。

「・・・着物を脱ぐか、脱がないか?」
 少年は、がたがたと震えながら、上着を脱いだ。娘は、それをみて、同じ言葉を繰り返した。
「着物を脱ぐか、脱がないか?」
 ああ、もう、俺はこで死ぬんだ・・・先達の言いつけを守らなかったからだ・・・
 少年は、涙を浮かべて震えながら、下履きを脱ぎ、下着まで脱いだ。



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